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八 尾張の悪ガキたち
十二
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熱田は、伊勢湾に流れ込む堀川と新堀川に挟まれ、海に突き出た台地にある。
伊勢湾の水上交通の要となる港町で、側を通る街道は、美濃墨俣から、木曽川を渡り黒田、一宮、下津、清洲、古渡、古鳴海から三河に通じる。
熱田は、水路と陸路をおさえた交通の要衝である。そこに、三種の神器、草薙剣を祀る熱田神宮が要として鎮座している。
信長と恒興が、熱田へ来ると、石燈篭の常夜灯に篝火が灯った。熱田の夜の姿である。
昼間の熱田が神宮を中心とする文化・経済の表の顔とすれば、夜の熱田は女たちが春を売る色里へと変化する。
信長と恒興は、熱田の表と裏を取り仕切る熱田羽城の主加藤図書助順盛に話を通しに来た。
「加藤図書、お主に会うのは、竹千代を預けに来た時以来だな」
熱田の加藤家は、織田信秀の軍事力の前に平伏してはいるが、元々は、熱田の経済力を背景にした土豪で独立した勢力だ。現在は、織田に与した方が有利だから味方するだけで状況が変われば、いつ、松平や今川に主替えするかわからない。
信秀は、敢えて織田の手札の竹千代を預けることで、織田と松平、そして、熱田の均衡を保つ加藤図書の力を緩衝材代わりに利用した。
加藤図書は難者だ。信秀は己の死期を悟ってこの男の攻略を信長に命じたのだろう。
夜の加藤図書がいるという熱田の遊郭「おかめ」の二階へ信長と恒興が案内された。
恒興は目を疑った。広間いっぱいに艶やかな打ち掛けを着た二、三十人の遊女が出迎えたのである。
(なんと雅なのだ)
部屋に通された信長と恒興には、両手に女が用意された。
座主の加藤図書がパッと両手を開いてこう切り出した。
「若殿、今宵は我らの出会いの宴。さあ、誰でも好みの女でお楽しみくだされ」
ピキッ!
恒興は、信長のこめかみが騒いだような気がした。
これはいけない。ここで若殿を怒らせたら加藤図書との交渉は元も子もなくなってしまう。ここは、なんとしても若殿に堪えていただかねばならぬ。
「で、あるか」
恒興の心配をよそに、信長は平然と答えた。
すると、末席の若い遊女の顔を見定めて、顎をクイッと持ち上げた。
「女、何歳になる?」
「十六にございます」
遊女になって日が浅いのか、娘は白粉の塗りが甘い。
しかし、顔立ちは美しく、目鼻立ちは整い、なにより、その控えめな面持ちが育ちの良さを感じさせる。
「名は、なんと申す」
娘は、今にも消えてしまいそうな声で答えた。
「月《つき》でございます」
「月か、気に入った。ついて来い」
信長は、一目で月が気に入って、腕を掴むと自分の上座へ連れて横に座らせた。
「若殿、お目が高い。その娘は、今日、入ったばかりの上玉でございます」
月は、場違いのように上座へ連れて来られ、明らかに怯えている。少なくとも恒興にはそう見えた。
そんな月の心細さを信長は知ってか知らずか「ポンッ!」と、月の震える手に己の手を重ねた。
「さて若殿、今日のお越しの目的をお伺いする前に、まずは一献」
加藤図書は、信長に、盃を持たせ、月に酒を注ぐよう命じた。
カタカタ、カタカタ……。
信長に、酒を注ぐ月の手は小刻みに震えていた。
「よし!」
信長は、月の注いだ酒を取り上げると、まったく躊躇することなく一息にあおった。
「ささ、あなた様も」
加藤図書が、今度は、恒興に酒をすすめた。
恒興は、信長に習って、一息にあおった。
(なんだ、この強い酒は、一口飲むなり熱い酒が全身を駆け巡る)
恒興が、酒に目を丸くしてビックリしていると「フフフッ」と、加藤図書が満足したように笑って答えた。
「通称、『鬼ころし』にございます。酒を飲みなれぬ若い方には強すぎましたかな」
恒興は、確かに、酒に強い方ではない。
しかし、この強い酒はなんだ。一口飲んだだけで一気に酒が体中を駆け巡り顔を真っ赤にした。
「なんだか……目がおかしい……」
目の焦点が定まらない。このままでは、若殿の護衛が勤まらなくなる。
そう思った恒興は、少しでも信長の傍へ近づこうと立ち上がった。
フラリ、フラリ。
恒興の足取りは、何とも心もとない。ヨタリヨタリと千鳥足で、今にも倒れそうだ。
ステンッ!
恒興は、気が付くと、六畳一間の小さな部屋にいた。
「痛ててててぇ……」
「お気づきになりましたか?」
替えの手拭いを持って、月が優しく声をかけた。
「ハッ! こうしてはおれん」
恒興は、いきなり、起き上がって信長を探そうとした。
ズキン!
頭が割れそうに痛い。
「いきなり起きてはいけません」
月が側へ駆け寄って、振り払った掛け布団を、再び、恒興に静かに掛けてやった。
「俺になにがあったのだ?」
恒興は率直に尋ねた。
「強い酒を飲み、転がった徳利に足を滑らし、転んで頭を強かお打ちになったのです」
(まったくのしくじりだ)
恒興の顔が青ざめた。
「若殿はどうされた?」
「ご安心下さりませ。若殿はご自身の馬に乗り、勝三郎様を頼むと、私にお預けになり、先にお帰りになりました」
恒興はそれを聞いて、胸を撫でおろすような心持ちがした。強い酒を飲んで意識を失うとは思わなかった。もしあの時、加藤図書の腹に一計があり、若殿の身にもしもの事があったなら、後でいくら恒興が大失態の責任を負って腹を切ったところで釣り合わない。若殿の命の重さは尾張一国を左右する。
なにより、母のお福から、大殿信秀の命数が迫っていることを聞かされているのだ。若殿になにかあったら織田家が潰れる。
恒興が心中で、あれやこれやと、思いを巡らせていると、月が、冷んやりとした白い手を恒興の額にピトリと当て熱をはかった。
「お酒がだいぶ抜けてきましたね」
と、恒興に、何とも愛くるしく微笑みかけた。
(美しい娘だ)
一瞬、恒興は、月を見惚れてしまった。こんな気持ち初めてだ。幼馴染みのお善にも、愛情なようなものはあるが、月との間に生まれた感情とはまた違う。言い例えるならば、それは“恋心”のようなものだ。
「それでは、少し腹にたまる物をお持ち致しますね」
(月が行ってしまう)
恒興は、立ち上がって奥へ下がろうとする月の手を思わず掴んだ。
月は、黙って、黒目がちな大きな瞳で恒興を見返した。
「いや、なんでもない」
恒興は慌てて、月の手を放した。
「それでは、すぐに、お持ちしますね」
部屋に残された恒興は、月に抱いた恋心に罪悪感のような物を感じた。自分は知らなかったとはいえ、若殿と賭け喧嘩をして、お善に意に添わぬ結婚をさせてしまった。確かに、夫の信時は信頼できる男だし、お善も居心地よくやっている。
だが、事の発端は恒興の短慮が招いた事には違いない。
それに、恒興は、その責めを負って、お善の行く末を見守ると決めたのだ。
それが、こんな所で降って湧いたような出会いに現を抜かしていいはずがない。恋心など甘えた感情はもってのほかだ。
恒興は、そう決心すると立ち上がって、身形を整えて、部屋を黙って出ようとした。
クルリ!
一瞬、恒興の心に思うところがあり、部屋にあった小棚の引き出しを開けた。着物、腹巻き、下着の類を見てこれではない! と、次々に月の匂いのする物を探した。
確かに、衣服は月の匂いがする。しかし、それではない。恒興は、使い込んだ綿の手拭いを見つけた。
「これだ!」
恒興は、手拭いを抜き取ると、胸にしまって部屋を後にした。
伊勢湾の水上交通の要となる港町で、側を通る街道は、美濃墨俣から、木曽川を渡り黒田、一宮、下津、清洲、古渡、古鳴海から三河に通じる。
熱田は、水路と陸路をおさえた交通の要衝である。そこに、三種の神器、草薙剣を祀る熱田神宮が要として鎮座している。
信長と恒興が、熱田へ来ると、石燈篭の常夜灯に篝火が灯った。熱田の夜の姿である。
昼間の熱田が神宮を中心とする文化・経済の表の顔とすれば、夜の熱田は女たちが春を売る色里へと変化する。
信長と恒興は、熱田の表と裏を取り仕切る熱田羽城の主加藤図書助順盛に話を通しに来た。
「加藤図書、お主に会うのは、竹千代を預けに来た時以来だな」
熱田の加藤家は、織田信秀の軍事力の前に平伏してはいるが、元々は、熱田の経済力を背景にした土豪で独立した勢力だ。現在は、織田に与した方が有利だから味方するだけで状況が変われば、いつ、松平や今川に主替えするかわからない。
信秀は、敢えて織田の手札の竹千代を預けることで、織田と松平、そして、熱田の均衡を保つ加藤図書の力を緩衝材代わりに利用した。
加藤図書は難者だ。信秀は己の死期を悟ってこの男の攻略を信長に命じたのだろう。
夜の加藤図書がいるという熱田の遊郭「おかめ」の二階へ信長と恒興が案内された。
恒興は目を疑った。広間いっぱいに艶やかな打ち掛けを着た二、三十人の遊女が出迎えたのである。
(なんと雅なのだ)
部屋に通された信長と恒興には、両手に女が用意された。
座主の加藤図書がパッと両手を開いてこう切り出した。
「若殿、今宵は我らの出会いの宴。さあ、誰でも好みの女でお楽しみくだされ」
ピキッ!
恒興は、信長のこめかみが騒いだような気がした。
これはいけない。ここで若殿を怒らせたら加藤図書との交渉は元も子もなくなってしまう。ここは、なんとしても若殿に堪えていただかねばならぬ。
「で、あるか」
恒興の心配をよそに、信長は平然と答えた。
すると、末席の若い遊女の顔を見定めて、顎をクイッと持ち上げた。
「女、何歳になる?」
「十六にございます」
遊女になって日が浅いのか、娘は白粉の塗りが甘い。
しかし、顔立ちは美しく、目鼻立ちは整い、なにより、その控えめな面持ちが育ちの良さを感じさせる。
「名は、なんと申す」
娘は、今にも消えてしまいそうな声で答えた。
「月《つき》でございます」
「月か、気に入った。ついて来い」
信長は、一目で月が気に入って、腕を掴むと自分の上座へ連れて横に座らせた。
「若殿、お目が高い。その娘は、今日、入ったばかりの上玉でございます」
月は、場違いのように上座へ連れて来られ、明らかに怯えている。少なくとも恒興にはそう見えた。
そんな月の心細さを信長は知ってか知らずか「ポンッ!」と、月の震える手に己の手を重ねた。
「さて若殿、今日のお越しの目的をお伺いする前に、まずは一献」
加藤図書は、信長に、盃を持たせ、月に酒を注ぐよう命じた。
カタカタ、カタカタ……。
信長に、酒を注ぐ月の手は小刻みに震えていた。
「よし!」
信長は、月の注いだ酒を取り上げると、まったく躊躇することなく一息にあおった。
「ささ、あなた様も」
加藤図書が、今度は、恒興に酒をすすめた。
恒興は、信長に習って、一息にあおった。
(なんだ、この強い酒は、一口飲むなり熱い酒が全身を駆け巡る)
恒興が、酒に目を丸くしてビックリしていると「フフフッ」と、加藤図書が満足したように笑って答えた。
「通称、『鬼ころし』にございます。酒を飲みなれぬ若い方には強すぎましたかな」
恒興は、確かに、酒に強い方ではない。
しかし、この強い酒はなんだ。一口飲んだだけで一気に酒が体中を駆け巡り顔を真っ赤にした。
「なんだか……目がおかしい……」
目の焦点が定まらない。このままでは、若殿の護衛が勤まらなくなる。
そう思った恒興は、少しでも信長の傍へ近づこうと立ち上がった。
フラリ、フラリ。
恒興の足取りは、何とも心もとない。ヨタリヨタリと千鳥足で、今にも倒れそうだ。
ステンッ!
恒興は、気が付くと、六畳一間の小さな部屋にいた。
「痛ててててぇ……」
「お気づきになりましたか?」
替えの手拭いを持って、月が優しく声をかけた。
「ハッ! こうしてはおれん」
恒興は、いきなり、起き上がって信長を探そうとした。
ズキン!
頭が割れそうに痛い。
「いきなり起きてはいけません」
月が側へ駆け寄って、振り払った掛け布団を、再び、恒興に静かに掛けてやった。
「俺になにがあったのだ?」
恒興は率直に尋ねた。
「強い酒を飲み、転がった徳利に足を滑らし、転んで頭を強かお打ちになったのです」
(まったくのしくじりだ)
恒興の顔が青ざめた。
「若殿はどうされた?」
「ご安心下さりませ。若殿はご自身の馬に乗り、勝三郎様を頼むと、私にお預けになり、先にお帰りになりました」
恒興はそれを聞いて、胸を撫でおろすような心持ちがした。強い酒を飲んで意識を失うとは思わなかった。もしあの時、加藤図書の腹に一計があり、若殿の身にもしもの事があったなら、後でいくら恒興が大失態の責任を負って腹を切ったところで釣り合わない。若殿の命の重さは尾張一国を左右する。
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(美しい娘だ)
一瞬、恒興は、月を見惚れてしまった。こんな気持ち初めてだ。幼馴染みのお善にも、愛情なようなものはあるが、月との間に生まれた感情とはまた違う。言い例えるならば、それは“恋心”のようなものだ。
「それでは、少し腹にたまる物をお持ち致しますね」
(月が行ってしまう)
恒興は、立ち上がって奥へ下がろうとする月の手を思わず掴んだ。
月は、黙って、黒目がちな大きな瞳で恒興を見返した。
「いや、なんでもない」
恒興は慌てて、月の手を放した。
「それでは、すぐに、お持ちしますね」
部屋に残された恒興は、月に抱いた恋心に罪悪感のような物を感じた。自分は知らなかったとはいえ、若殿と賭け喧嘩をして、お善に意に添わぬ結婚をさせてしまった。確かに、夫の信時は信頼できる男だし、お善も居心地よくやっている。
だが、事の発端は恒興の短慮が招いた事には違いない。
それに、恒興は、その責めを負って、お善の行く末を見守ると決めたのだ。
それが、こんな所で降って湧いたような出会いに現を抜かしていいはずがない。恋心など甘えた感情はもってのほかだ。
恒興は、そう決心すると立ち上がって、身形を整えて、部屋を黙って出ようとした。
クルリ!
一瞬、恒興の心に思うところがあり、部屋にあった小棚の引き出しを開けた。着物、腹巻き、下着の類を見てこれではない! と、次々に月の匂いのする物を探した。
確かに、衣服は月の匂いがする。しかし、それではない。恒興は、使い込んだ綿の手拭いを見つけた。
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