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始まりの王都編
07 美味しいご飯
しおりを挟むこの世界ではお金はリッチで表します
100リッチ=100円です!
__________________
お店は外装だけでなく、内装もとてもオシャレだった。
店内には建物と同じように白を基調にしたテーブルと椅子が置かれていて、店の名前にあるように花が沢山飾られていた。白い空間に緑と色とりどりの花。自然溢れた所で何だか気持ちが安らいだ。
早速私とミレイさんは一番奥の端っこの席に向かい合うように座る。
何だか……居心地が悪い。
妙に緊張感のあるお店だ。
高級店という事もあると思う。けどまず最初にこういったお店でご飯を食べるのも初めてだから余計に緊張していた。
「そう言えばエデンさんっていくつなの?」
「十六です」
「やっぱり凄いわ! 私と同い年でもう旅に出てるなんて」
「お、同い年だんですか!?」
「えぇ。私も十六だもの」
う、嘘だ。
こんな大人っぽい十六歳絶対に居ない。
特に胸の大きさは尋常じゃない気がする。
メニュー表を広げだすミレイさん。
私もメニュー表を手に取り目を通す。
そこには文字がずらりと書かれていた。
「好きな物食べて下さいね」
「じゃあ……ミレイさんのと同じ料理がいいです」
正直文字だけじゃどんな食べ物かは分からない。
特にこの【魔獣のステーキ】なんて名前から不気味だし……。
「……なら、このオムライスなんてどうかしら?」
ミレイさんの言葉に私は思わずゴクリと唾をのむ。
メニュー表に写真が貼ってあればいいんだけど、このメニュー表には文字と値段しか書かれていない。
ちなみにオムライス一つ千八百リッチ
…………私の現在の全財産と変わらないくらいの値段だった。
********
「お待たせしました。オムライスです」
「美味しそう……」
「ふふ。エデンさんったら」
テーブルに運ばれてきたオムライスに私は思わず感激の言葉をこぼしていた。
そんな私を見てクスクスと笑うミレイさん。
オムライスぐらいでって思うかもしれないけど、実はオムライスを食べるのは初めてだったりする。いつも余り物だからこんな豪華な食事は無かった。
早速オムライスをスプーンですくい、口へと運ぶ。
するとふわふわな卵の感触が口いっぱいに広がった。
卵はふわふわとろとろで甘くて美味しい。
そんなふわとろな卵とパラパラなチキンライスがとても合っていた。
あー……こんなに美味しい物ショートケーキ以来かもしれない。
お腹も空いていたからかどんどんスプーンが進む。
そして私はあっという間にオムライスを平らげた。
「エデンさん、よっぽどお腹が空いていたのね。スイーツは? あ、ショートケーキがオススメらしいわよ」
「ショートケーキ……!? た、食べたいです……」
「ふふ、じゃあ注文しましょうか」
こんなに甘えてしまって本当にいいのだろうか?
ミレイさんは御礼だから……って言ってるけどやはり気にしてしまう。なにせこのお店の料理は一つ一つがやたら高いのだ。
ちなみにショートケーキ一つ八百リッチ
うん、高い。物凄く。
「エデンさん。この後、お時間ありますか?」
「お時間ですか? えっと……た、多分?」
曖昧な答えになってしまった。
本当はミレイさんに感謝を述べて直ぐにでもルゲル村を目指したいんだけどそんな空気じゃ無いことくらい分かる。
ミレイさんは改まった様子で小さく咳払いをした。
「私、実はこうやって同年代の女の子とお話するの初めてで……そのエデンさんが良ければなんだけど……エデンって呼ばせてくれないかしら?」
ミレイさんの顔を少し赤く染まる。
微かに震えるその声に勇気を出して言ってくれた事がとても伝わってきた。
「はい、勿論です! じゃあ私もミレイって呼んでもいいですか?」
「えぇ! 嬉しいわ、エデン」
パァっと……まるで太陽みたいなキラキラした笑顔で笑うミレイ。
私も釣られて頬が緩む。
「……やっと笑った」
「え?」
「ずっと苦しそうな顔だったから笑ってくれて良かったわ」
苦しそうな顔。
言われてみて確かにそうだなと思った。
なんだ私、セリア様が居なくても笑えるんじゃん。
何だか少し嬉しくなった。
「さっきの続きなんだけど……私、エデンとショッピングに行きたいの! 小さい時から友達とショッピングするの凄く憧れていたの!」
身を乗り出すミレイ。
しかもその瞳はキラキラしていてとても綺麗だった。
本当は今すぐにでもルゲル村に向かいたかったんだけど……
私だって初めての友達が出来て浮かれている。
それにショッピングのお誘いなんて嬉しすぎて断る理由なんて無かった。
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