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第2章 愉快な仲間たち
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『大丈夫です』と答えようとしたのだが、口が正直な気持ちを伝えた。
「うん。顔を見る限り大丈夫じゃなさそうだから訊いたの」
気持ちがバレバレだったのか……修業が足りないなと反省する。それにしてもやはりチーフ。できた方だ。
「気負うからよ。賄いは新作メニューのテストも兼ねているけど、料理の腕を上げる学びの場でもあるからね。皆いろいろ言うけど、それも学び。だから、寧々ちゃんの料理が劇的に不味くてもノープロブレムよ」
チーフ、それは劇マズと言っているのも同じです――正解だけど。
「でも、突然の指名だからメニューとか、考えちゃうよね?」
樫野チーフは口元を綻ばせ、「だったら、過去に自分が美味しかったと思える物を作るのも手よ」とアドバイスをくれた。
「おそらく、それに近い味を再現したいと何度も作ったろうしね」
どうして知っているのだろう?
「料理人の性? そういうものなのよね」
私の疑問に答えるように、樫野チーフは綺麗なウインクと共に言った。
本当に美味しかったと思える物……その時頭に浮かんだのは母の料理ではなく、あのお握り定食だった。
完全とまではいかないが……何年もかけてあの味に似たおむすびを握れるようになった。あれでいいのだろうか? 迷いつつも「チーフ、ありがとうございました」と頭を下げた。
「うん。顔を見る限り大丈夫じゃなさそうだから訊いたの」
気持ちがバレバレだったのか……修業が足りないなと反省する。それにしてもやはりチーフ。できた方だ。
「気負うからよ。賄いは新作メニューのテストも兼ねているけど、料理の腕を上げる学びの場でもあるからね。皆いろいろ言うけど、それも学び。だから、寧々ちゃんの料理が劇的に不味くてもノープロブレムよ」
チーフ、それは劇マズと言っているのも同じです――正解だけど。
「でも、突然の指名だからメニューとか、考えちゃうよね?」
樫野チーフは口元を綻ばせ、「だったら、過去に自分が美味しかったと思える物を作るのも手よ」とアドバイスをくれた。
「おそらく、それに近い味を再現したいと何度も作ったろうしね」
どうして知っているのだろう?
「料理人の性? そういうものなのよね」
私の疑問に答えるように、樫野チーフは綺麗なウインクと共に言った。
本当に美味しかったと思える物……その時頭に浮かんだのは母の料理ではなく、あのお握り定食だった。
完全とまではいかないが……何年もかけてあの味に似たおむすびを握れるようになった。あれでいいのだろうか? 迷いつつも「チーフ、ありがとうございました」と頭を下げた。
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