35 / 170
第2章 愉快な仲間たち
12
しおりを挟む
スタッフ一同も気忙しい日々を送っていた。
「見て、あの女狐の顔」
マミさんが顎で指した先には神乃マネージャーがいた。
「オーナーがいないから、ずっと不機嫌でしょう?」
確かに浮かない顔をしているが……。
「本当、見え見えなんだから」
マミさんはプリプリしながら洗ったばかりのカトラリーを持って厨房を出て行った。
その後ろ姿を見送りながら、しかし、と思う。いくら恋敵だとしても、マミさんの神乃マネージャーに対する言動は行き過ぎのような気がする?
なぜなら、西園寺オーナーが神乃マネージャーに気がないの火を見るより明らかだからだ。マミさんも分かっていると思う。片想い同士だ、仲良くすればいいのに……と思うのはお門違いなのだろうか?
人の気持ちを推し図るのは本当に難しい。計算問題のように割り切れないからだ。
おそらくマミさんにはマミさんの事情があるのだろう。だから私も昔のような未熟な発言はしない。こんな時は大観するに限る。
――だが、その日、その『なぜ』が分かってしまった。
***
「明日は定休日だし、飲みにいこう?」
マミさんに誘われたのは、仕事が終わってすぐだった。
「忙しすぎてストレス満杯なの! 吐き出さないと来週もたないの! だから付き合って!」
普段クールなマミさんの弱音に、気は進まなかったが付き合うことにした。
「見て、あの女狐の顔」
マミさんが顎で指した先には神乃マネージャーがいた。
「オーナーがいないから、ずっと不機嫌でしょう?」
確かに浮かない顔をしているが……。
「本当、見え見えなんだから」
マミさんはプリプリしながら洗ったばかりのカトラリーを持って厨房を出て行った。
その後ろ姿を見送りながら、しかし、と思う。いくら恋敵だとしても、マミさんの神乃マネージャーに対する言動は行き過ぎのような気がする?
なぜなら、西園寺オーナーが神乃マネージャーに気がないの火を見るより明らかだからだ。マミさんも分かっていると思う。片想い同士だ、仲良くすればいいのに……と思うのはお門違いなのだろうか?
人の気持ちを推し図るのは本当に難しい。計算問題のように割り切れないからだ。
おそらくマミさんにはマミさんの事情があるのだろう。だから私も昔のような未熟な発言はしない。こんな時は大観するに限る。
――だが、その日、その『なぜ』が分かってしまった。
***
「明日は定休日だし、飲みにいこう?」
マミさんに誘われたのは、仕事が終わってすぐだった。
「忙しすぎてストレス満杯なの! 吐き出さないと来週もたないの! だから付き合って!」
普段クールなマミさんの弱音に、気は進まなかったが付き合うことにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる