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第3章 事件、事件、事件
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「何と言われようが店は辞めませんからね!」
言った瞬間、西園寺オーナーがチッと舌打ちするのが聞こえた。そして、深い溜息と共に「本当、お前も質の悪い女だな」と言った。
***
「オーナーは放っておけって言うけど……」
あの記事は出なかったが、悪質なコメントは増え続けていた。
「佳乃にこんな顔をさせるなんて……己、ゲテモノ好きめ、許さん!」
マミさんがギリギリと唇を噛み、アッと手を打った。
「そうだわ、以前被害に遭った“アクア&マリン”に行けば何か分かるかも」
善は急げとその日のうちに、私と神乃マネージャーはマミさんに引き摺られてその店に行ったのだが――。
「ああ、あの記事のこと? 放っておいたら自然に下火になって、気付いたら消えていたよ」
先代はそのゴタゴタの最中に亡くなったらしい。今はマミさんの同級生だという三橋亮次さんのお兄さん、亮一さんがオーナーとして店を束ねていた。
答えてくれたのはその亮一さんだったのだが、何とも気の抜けるような返事だった。
「それよりマミ、久々に来たんだから。たんと食べていけよ」
「サンキュー。ところで亮兄ぃ、亮次は?」
「――あっ、ああ、あいつは修業に出てる。今……フランスにいると思う」
彼の返事が何となく歯切れが悪いように感じながら、お勧めだというライスコロッケにナイフを入れると、大人の拳ほどある大きなライスコロッケの中央からドロッと白い液体が流れ出てきた。
「わぁ、これは……何?」
「ああ、それはチーズフォンデュに使うチーズですよ」
言った瞬間、西園寺オーナーがチッと舌打ちするのが聞こえた。そして、深い溜息と共に「本当、お前も質の悪い女だな」と言った。
***
「オーナーは放っておけって言うけど……」
あの記事は出なかったが、悪質なコメントは増え続けていた。
「佳乃にこんな顔をさせるなんて……己、ゲテモノ好きめ、許さん!」
マミさんがギリギリと唇を噛み、アッと手を打った。
「そうだわ、以前被害に遭った“アクア&マリン”に行けば何か分かるかも」
善は急げとその日のうちに、私と神乃マネージャーはマミさんに引き摺られてその店に行ったのだが――。
「ああ、あの記事のこと? 放っておいたら自然に下火になって、気付いたら消えていたよ」
先代はそのゴタゴタの最中に亡くなったらしい。今はマミさんの同級生だという三橋亮次さんのお兄さん、亮一さんがオーナーとして店を束ねていた。
答えてくれたのはその亮一さんだったのだが、何とも気の抜けるような返事だった。
「それよりマミ、久々に来たんだから。たんと食べていけよ」
「サンキュー。ところで亮兄ぃ、亮次は?」
「――あっ、ああ、あいつは修業に出てる。今……フランスにいると思う」
彼の返事が何となく歯切れが悪いように感じながら、お勧めだというライスコロッケにナイフを入れると、大人の拳ほどある大きなライスコロッケの中央からドロッと白い液体が流れ出てきた。
「わぁ、これは……何?」
「ああ、それはチーズフォンデュに使うチーズですよ」
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