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第5章 解雇
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「綾時お兄様が地味好みだって言うから、こんな役にしたのに……美しさって罪ね。こんな風でも貴女より可愛いなんて」
――減らず口とは、きっとこういう口のことを言うのだろう、と目の前の六歳児をまじまじと見ながら相づちを打つ。
「はぁ……確かに。自覚しています」
「ちょっと、寧々! 闘わずして何を最初から敗北宣言してるのよ!」
コソコソと耳打ちするとマミさんは肘で私を突っつきギッと睨み付けた。でも、人間引き際は大切だ。
それに、ここでややっこいしい事態になりたくなかった。もう眠くてしょうがないのだ。
「ということで、私は棺に入らせて頂きます」
「あっ、そうね! 準備、準備!」
尚も噛み付こうとしている夏乃お嬢様から私を遠ざけるためか、樫野チーフがホール奥まで私を引っ張っていく。私がこの店で最初に座った二人席のある場所だ。
そこは深い森をイメージしているようで、観葉植物が普段の倍以上飾られていた。その中心に木製の台座があり、その上にガラスの棺が置かれていた。
「寧々ちゃん、寝てくれる」
樫野チーフの言葉に喜び勇んで早々に横たわると、「花粉症とかじゃないわよね?」と樫野チーフが問うた。
「違います」と返事をすると、大勢のスタッフの手により私は美しい花々に埋め尽くされた。
むせかえるよう……とはこういう状態かもしれない。などと呑気に思いながら目を閉じた途端、「おい」と誰かが私に声を掛けた。
――人の眠りを邪魔するのは誰だ? ムッとしながら重い瞼をゆっくり開けると……「うわっ!」野獣が私を覗き込んでいた。
――減らず口とは、きっとこういう口のことを言うのだろう、と目の前の六歳児をまじまじと見ながら相づちを打つ。
「はぁ……確かに。自覚しています」
「ちょっと、寧々! 闘わずして何を最初から敗北宣言してるのよ!」
コソコソと耳打ちするとマミさんは肘で私を突っつきギッと睨み付けた。でも、人間引き際は大切だ。
それに、ここでややっこいしい事態になりたくなかった。もう眠くてしょうがないのだ。
「ということで、私は棺に入らせて頂きます」
「あっ、そうね! 準備、準備!」
尚も噛み付こうとしている夏乃お嬢様から私を遠ざけるためか、樫野チーフがホール奥まで私を引っ張っていく。私がこの店で最初に座った二人席のある場所だ。
そこは深い森をイメージしているようで、観葉植物が普段の倍以上飾られていた。その中心に木製の台座があり、その上にガラスの棺が置かれていた。
「寧々ちゃん、寝てくれる」
樫野チーフの言葉に喜び勇んで早々に横たわると、「花粉症とかじゃないわよね?」と樫野チーフが問うた。
「違います」と返事をすると、大勢のスタッフの手により私は美しい花々に埋め尽くされた。
むせかえるよう……とはこういう状態かもしれない。などと呑気に思いながら目を閉じた途端、「おい」と誰かが私に声を掛けた。
――人の眠りを邪魔するのは誰だ? ムッとしながら重い瞼をゆっくり開けると……「うわっ!」野獣が私を覗き込んでいた。
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