私に虐められたと嘘を広めたのは貴女ですか?折角なので真実にしてあげましょう

リオール

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「それも違う」

 ですがカルシュ様はキッパリバッサリと、ビスタさんの発言を切って捨てられました。

「は?」
「え?」

 違うんですか?の意を込めて、ビスタさんと私はキョトンとしながら聞き返してしまいました。

 はて?側室でも正室でもないと?

「ではビスタさんは……」
「ビスタは大切な友人だ!!」

 ザシュウッ!!!!

 もうバッサリどころかザシュッと切って捨てたカルシュ様の発言。まさかの友人発言に。
 この場に居合わせた全員が言葉を失ってしまいました。

 しばし流れる沈黙の後、最初に発言したのは──

「はあああ!?何よそれ!!」

 ビスタさんでした。ちょっとビスタさん、いくらなんでも王太子に向かってその言葉は……と私が言うまでもなく、ご友人達が王太子から体を離したビスタさんの服を掴んで「ちょっとビスタ!その言い方は……!」とか注意されてます。良いご友人ではありませんか。

「うっさい、放してよ!カルシュ様!私を愛してると仰ってたではありませんか!」
「うん、愛してるよ。愛してるけど恋人じゃないだろう?なら友人ってことじゃないか」
「はあ!?いや、愛してるんでしょ!?なら側室にはなるでしょうが!」
「だって必要無いもの。僕は一番愛してる人がいるし、正妃であるルリアナさえ居れば幸せなんだ♪」

 またも出ました、語尾に『♪』。
 そして広がる動揺。
 何に対してかなんて聞かなくても分かりますね。

『僕は一番愛してる人がいる』

 爆弾発言。
 爆発後のような呆けた顔で、ビスタさんはカルシュ様を見つめています。そして震える声で恐る恐る聞いたのです。

「まさかとは思いますが……実はカルシュ様はルリアナ様の事を愛してるとか言うオチですか?」

 恐いオチを言わないでください。何言ってるんですかね、この人は。
 カルシュ様が私を愛してる?ないない、そんなこと絶対ないです、ありえません。

 私達は愛のない夫婦となるのは決定事項なんですよ。何言ってるんですか。今度は私が呆れてしまいますよ。

「え?まさか、違うよ。ルリアナは……そうだな、姉のような妹のような親愛はあるが……一番はやはり親友、かな?」
「まあそんな感じでしょうね」

 即座に否定する王太子に、私も頷いて同意です。友情と愛情はまったくの別物なのです。カルシュ様は、友人としては……まあ気が合う方でしょうかね。次期王としての修行も怠りませんし、なかなかの努力家ですから。その真面目な姿勢は私も認めております。ただまあ残念なことに結果が出ないので、先日の試験結果も惨敗でしたが。

 そんな私達に慌てるビスタさんです。

「じゃ、じゃあ一体愛する人って誰ですか!?」
「ん?僕だよ♪」

 ♪と爆弾発言が投下され。
 現場は大混乱となりましたとさ。
 終わり。

 ──いや終わっちゃ駄目ですね。ビスタさんはこの世の終わりのような顔してますけど。

「は、はは、なんだそれ……」

 ようやく絞り出した言葉がコチラです。

「なんっじやそりゃあぁぁっ!!」

 まあ叫びたくなるのも分かりますよ。
 側室になれるならとビンタに教科書破壊に水浸しを受け入れた(?)んですもんねえ。

 あの努力は何だったのか!と叫びたくなるのも無理からぬこと。

 まさかの王太子ナルシスト発言に、静寂がこの場を支配するのでした。つまりは皆様、絶句、してるってことですね。気持ちは分かります、はい。




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