虐げられた令嬢のざまぁ日記

リオール

文字の大きさ
2 / 19

2ページ

しおりを挟む
 
 
9月3日

 今日私は15歳になった。

 おめでとう私!
 ありがとう私!

 今日も一人で夕飯だ、万歳。
 デザートにケーキが付いてたのは、シェフの優しさなんだろう。

 当然ながら家族からのお祝いは無い。父も。

 そういえば去年は病床にいながら、母が祝ってくれたっけ。弱々しく、けれどそれを感じさせまいと気丈に微笑んでくれた母。会いたいな……。

 甘いケーキが少ししょっぱかったのは内緒だ。



10月8日

 今日はどうやら義妹の──フレアリアの誕生日のようだ。
 家中が飾られ、パーティの招待状を貰った方々が続々と集まっていたから。

 そしてそれは新しい家族のお披露目でもある。

 でも私は参加するなと父に言われた。なぜ。

 まあ貴族の集まりなんて気を遣うだけだからいいけど。

 そうして部屋で一人夕飯を食べていた。遠くからパーティの喧騒が聞こえてくるが、私には関係のない別世界の話だ。

 けれどどうしてかポッカリ胸に穴が開いたようで。

 きっとフレアリアはたくさんのお祝いの言葉と共に、プレゼントを貰ってるのだろう。
 そして招待客は、この侯爵家にはフレアリアしか娘は居ないと思ってるだろう。デビュタントがまだの私の存在など、知る者はほぼ居ないだろうから。

 胸が苦しくなってきたので、バルコニーに出た。
 手すりを握って下を見下ろして──飛び降りたら、気持ちが楽になるかなと思ったその時だった。

「おまえ誰だ?」

 突然声がしたのだ。

 目を向けると、太陽のように眩い金の髪に空のように青い瞳を持った──とても綺麗な男の子だった。

 木に登って座り込んでいた彼は、私と目線がほぼ同じ。
 驚いて絶句していると、もう一度聞かれた。

「ふーん、リンティアか……可愛い名前だな」

 そんな事は母に言われて以来だから、顔が赤くなるのが分かった。

 貴方は誰なの?
 そう尋ねたら、彼は少し考えこんで、そして口を開いた。

「バルト。俺の名前はバルトだ。宜しくな、リンティア」

 それが彼との出会い。
 今日、私は素敵な出会いをしたんだ──。




しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

【短編】お姉さまは愚弟を赦さない

宇水涼麻
恋愛
この国の第1王子であるザリアートが学園のダンスパーティーの席で、婚約者であるエレノアを声高に呼びつけた。 そして、テンプレのように婚約破棄を言い渡した。 すぐに了承し会場を出ようとするエレノアをザリアートが引き止める。 そこへ颯爽と3人の淑女が現れた。美しく気高く凛々しい彼女たちは何者なのか? 短編にしては長めになってしまいました。 西洋ヨーロッパ風学園ラブストーリーです。

 怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~

美袋和仁
恋愛
 ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。  しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。  怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。  なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。

聖女は神の力を借りて病を治しますので、神の教えに背いた病でいまさら泣きついてきても、私は知りませんから!

甘い秋空
恋愛
神の教えに背いた病が広まり始めている中、私は聖女から外され、婚約も破棄されました。 唯一の理解者である王妃の指示によって、幽閉生活に入りましたが、そこには……

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

ズルいと言う妹はいませんが、「いいなー」が口ぐせの弟はいます

桧山 紗綺
恋愛
「いいなー姉さん」 そう言う弟の目はお土産のお菓子に向かっている。 定番の婚約破棄・婚約解消と仲良し姉弟がほのぼのお茶をしていたりなお話しです。 投稿が久々過ぎて色々やり方忘れてましたが誤字脱字だけは気をつけました。 楽しんでいただけたらうれしいです。 ※「小説を読もう」にも投稿しています。

大切にしていた母の形見のネックレスを妹に奪われましたが、それ以降私と妹の運は逆転しました!

四季
恋愛
大切にしていた母の形見のネックレスを妹に奪われましたが、それ以降私と妹の運は逆転しました!

処理中です...