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櫻花荘に吹く風~103号室の恋~ (15)
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羞恥に身を捩る春海の額へ唇を押し当てながら宥め透かした由野が、春海の下半身を覆うパンツを下着ごと引き摺り下ろす。
「…あんまり、見な…で、ぁ、恥ずかし、から」
「恥ずかしくなんて無いよ。凄く、綺麗だ……」
纏う物を全て剥ぎ取られて一糸纏わぬ姿になった春海の裸身が、由野には直ぐにでもむしゃぶり付きたくなるほどに煌いて見えた。下着から糸を引いて引き剥された性器が、ぷるんと震えている様が可愛くて。
まさか他人の性器を舐めしゃぶりり、弄り回したいと思う日がくるとは想像すらしていなかった。
自分と同じ構造出て来ている同性の裸を前にして、こんなに興奮することがあるなんて。春海に出会わなければ、恐らくは一生知ることも無かった感情なのだろう。
「だっ、て……ボクだけ、ヤダ――由野さ、も、脱いで、よ」
露になった素肌を優しく撫で下ろされ、それだけで身体を波打たせながらも、春海は必死に言葉を紡ごうとする。
今にも泣き出しそうな春海の声に、自分が衣服を身に付けたままだったことに初めて気付いた由野が、苦笑を浮かべた。
「ごめん、そうだよね。僕もかなり、余裕が無いみたいだ」
シャツを脱がそうと震える指先を伸ばしてくる春海の腕をやんわりと掴み下ろすと、由野は自身が身に付けていた衣服をひと息に脱ぎ捨てた。
「ぁ……よ、しのさ……」
「ん?」
全ての衣服を脇へと押しやり覆い被さってくる由野の姿に、春海がうろうろと視線を彷徨わせる。真っ赤になったその顔が愛らしくて、由野は微笑みながら春海の頬へとひとつくちづけを贈った。
「由野さん、大きくなってる……」
「え? はは、そりゃ、好きな子に触れているから、ね…怖くなっちゃった? やっぱり、今日は止めておこうか?」
「違いますっ!」
「春ちゃん?」
「怖い、けど、そうじゃなくて……あの、ボクなんかに、そんな風になってくれるの、嬉しくて」
この子は自分の言動にどれだけ僕が煽られているのかを分かっているのだろうかと、由野は擽ったい気持ちに叫び出したくなる衝動を必死で堪えた。
赤くなりながらボソボソと告げる春海の言葉、それだけで由野の中心はより硬さを増してしまう。
「はぁ……もう、春ちゃん…可愛過ぎだよ」
「へ? え、何が?」
衝動のままにぎゅっと抱きしめれば、どうかしたのかと焦る様子も愛しくて。
恋をすると人は馬鹿になるという言葉は本当だったのだと実感する。
「良いよ、分からなくて……春ちゃんには、そのままでいて欲しい」
「由野さん? んあっ、ちょ、急に…あっあっ」
「春ちゃんのここも、僕に反応してくれたんだろ? ほら、もうヌルヌルになってる」
「そ、ゆこと…言わな、ぁ、ああっ、ん」
「何で? 全身で好きって言ってもらえてるみたいで、凄く嬉しい」
剥き出された肩に、首筋に、くちづけを落としながら、由野は先ほどから主張を続けている春海の中心へと手を伸ばした。
まだ直接は触れられていなかったその場所は、既に尖端から滴り落ちた蜜に濡れている。
「こうすると、気持ち良いかい?」
「んぁっ、ああっ、ヤ……由野さ、それヤダ…あ、あっ」
両脚の間に割って入るように座り込んだ由野の膝に抱え上げられた春海の脚が、中心をゆるゆると撫で擦られる度にピクリと揺れ動く。他人に対して使ったことが無いだろう、綺麗な色をした小振りの昂りが、その動きに合わせて由野の手の中で跳ね上がる。
強弱を付けながら与えられる刺激に、子供のようにイヤイヤと首を横に振る春海の姿が、由野には可愛く見えて仕方が無かった。
「本当に嫌? 無理強いはしたくないんだ、春ちゃん。本当に嫌だったら、今ここで、本気で僕を止めて欲しい。じゃないと――」
この奥に隠された小さな蕾が視界に入る。
春海の媚態を目にしているだけで滾りを見せる自身の雄を、誰も踏み入れた事の無い場所へと突き入れたい衝動を堪えながら、由野は手の中で跳ねる春海への愛撫に力を籠めた。
「は、ぁ……じゃ、な――」
「春ちゃん、何? 聞こえな……」
「嫌じゃ、ない……ボ、ボクだけ、こんなぁ、っが、恥ずか、し…だけ、っんぁあ」
「全くもう――これ以上僕を煽らないでくれよ」
伸ばされた春海の腕に首元を抱えられた由野が上半身を倒せば、耳元に囁かれる吐息混じりの誘惑。
時折自らの手で慰める事はあっても、誰かと肌を重ねるという行為から大分遠ざかっていた由野にとってのそれは、甘い責め苦のようですらあった。
「ひっ、な…何? ぅ、んっ」
「男同士がひとつになるには、ここを使うんだ……良いかな、春ちゃん――君の全部を、僕が貰っちゃっても、良いかい? ここに僕を、受け入れてくれる?」
上半身を折り曲げた事で汗ばんだ胸が密着し、由野の熱棒が春海の下腹へと擦れた。
ゆるゆると腰を揺すった由野は、春海にその熱量を伝えるかのように、鈴口から零れ落ちる透明な蜜を塗り付けた。それと同時に慎ましやかに息衝く小さな蕾の縁を、春海の滑りを絡め取った指先を使ってやんわりと刺激する。
突然の行為に驚いた顔を隠し切れない春海に困ったような笑みを向けながら、由野は春海からの了承を待った。
「そ、なとこ……本当に、入るの?」
「受け入れられるように解す必要はあるけど、ちゃんと入るよ。女性でもこっちの方を好む人もいる位だし――」
と言っても、僕も資料として観た映像で得た程度の知識なんだけどね。
そう言って微笑む由野に、春海は熱に潤んだ瞳を向けて柔らかく微笑みを返した。
「ボクも、由野さんの全部、知りたいです……由野さんにも…ボクの全部、知って欲しい」
「春ちゃん…君って子は――」
無垢な瞳で何処までも由野の熱を煽り立てる愛しい存在に、由野はとうとう白旗を揚げた。
これ以上、一秒だって大人のふりなんて出来そうも無い。
「なるべく、痛くしないように頑張るから、春ちゃんも協力してね」
頷きを返して寄越した春海の、汗の浮いた額へとくちづけを落とした由野は、そのまま首筋から鎖骨へと唇を滑らせた。初めての刺激に春海が恐怖を感じないよう、優しく宥めるように、全身にキスを贈る。
そのまま春海の身体をうつ伏せにさせた由野が、その細腰を持ち上げて四つん這いの体勢を取らせる。
恥ずかしさを堪える春海を労わるように、汗の浮いた背中にくちづけを落としながら、由野が身体を下方へとずらして行く。
春海の昂りを伝い落ちた蜜で濡れた蕾が由野の指先の動きを感じ取り、小さくヒクリと動いた。
傷付けないよう慎重に、ゆっくりと一本目の指を挿し入れて行く。
指一本でさえもキツイほどの締め付け。本当にここに自分の熱棒が入るのだろうかと不安を覚えながら、それでも由野は小刻みに指を蠢かして、入口を拡げて行く。
「っ、ぅ……ぁ、ヤ……」
「キツイな――痛くない?」
「ん、平気…何か、変な感じ、だけど……ひぁっ、あっ、何?」
挿し入れた指を抜き差ししながら、由野は舌先を蕾へと這わせた。小さな口に唾液を送り込みながら、襞の一筋ずつを舐め上げていく。
「やっ! 由野さ…汚い、汚い、からッ…んぁっ」
「汚くなんか無いよ。こんなとこまで可愛らしいなんて、ちょっと反則だよ」
「何言っ、て…あっ、ああっ」
「ゴメンね春ちゃん、もうちょっと、我慢して……本当はローションとかが有れば良かったんだけど――次までに用意しておくから」
身を捩る春海の身体を腰の下に差し込んだ腕で抱きかかえるようにした由野が、宥めるように囁く。
わざと茶化すような言葉を吐く由野の声からは余裕の色が消え、熱く乱れた呼吸が素肌に触れる感触が、春海の身体を震わせた。
(由野さんも、同じなんだ――)
初めての行為に戸惑いながら、それでもひとになりたいと、互いの全てを知りたいと思う気持ちが春海へと届く。身体と心は、密接に繋がっているのだろう。由野の想いが届いた瞬間、それまできつくその指を締め付けるばかりだった窄まりが、指を優しく誘い込むような動きへと変貌を遂げた。
由野がそのタイミングを逃がさぬよう、すかさず二本目の指を挿入する。唾液と蜜に塗れた小さな入口を壊さぬように、少しずつ上下左右に拡げてはピストンを繰り返した。
「は…あっふ……ん、ぁ……ッ!」
「――春ちゃん?」
「ああっ! ゃ……ヤダ、由野さん、そこ、イヤッ…んぅー」
「ここ? ここ、感じるんだね?」
蕾の内へと挿し入れていた指をぐるりと動かした瞬間、見た目に分かる程に春海の背が撓った。まるで猫が伸びをするようなその嬌態に、由野が小さく喉を鳴らす。
「ヤダヤダヤダッ、何? 変だよ、由野さっ…そこ怖、怖い」
「変じゃないよ、落ち着いて春ちゃん。ここが君のいいところだよ。男には皆ある場所だから、怖くなんか無い」
「ホント? っく、ボク…変じゃ、ない?」
激しく逃げを打つ春海を背中から覆い被さり、やんわりと宥めた由野が、指先に感じた小さなしこりを優しく撫でながら耳元で告げる。
頭を振る春海の眦に浮かんだ涙に、罪悪感と嗜虐心を煽られながら、それでも由野は指の動きを休めることは無かった。
「…あんまり、見な…で、ぁ、恥ずかし、から」
「恥ずかしくなんて無いよ。凄く、綺麗だ……」
纏う物を全て剥ぎ取られて一糸纏わぬ姿になった春海の裸身が、由野には直ぐにでもむしゃぶり付きたくなるほどに煌いて見えた。下着から糸を引いて引き剥された性器が、ぷるんと震えている様が可愛くて。
まさか他人の性器を舐めしゃぶりり、弄り回したいと思う日がくるとは想像すらしていなかった。
自分と同じ構造出て来ている同性の裸を前にして、こんなに興奮することがあるなんて。春海に出会わなければ、恐らくは一生知ることも無かった感情なのだろう。
「だっ、て……ボクだけ、ヤダ――由野さ、も、脱いで、よ」
露になった素肌を優しく撫で下ろされ、それだけで身体を波打たせながらも、春海は必死に言葉を紡ごうとする。
今にも泣き出しそうな春海の声に、自分が衣服を身に付けたままだったことに初めて気付いた由野が、苦笑を浮かべた。
「ごめん、そうだよね。僕もかなり、余裕が無いみたいだ」
シャツを脱がそうと震える指先を伸ばしてくる春海の腕をやんわりと掴み下ろすと、由野は自身が身に付けていた衣服をひと息に脱ぎ捨てた。
「ぁ……よ、しのさ……」
「ん?」
全ての衣服を脇へと押しやり覆い被さってくる由野の姿に、春海がうろうろと視線を彷徨わせる。真っ赤になったその顔が愛らしくて、由野は微笑みながら春海の頬へとひとつくちづけを贈った。
「由野さん、大きくなってる……」
「え? はは、そりゃ、好きな子に触れているから、ね…怖くなっちゃった? やっぱり、今日は止めておこうか?」
「違いますっ!」
「春ちゃん?」
「怖い、けど、そうじゃなくて……あの、ボクなんかに、そんな風になってくれるの、嬉しくて」
この子は自分の言動にどれだけ僕が煽られているのかを分かっているのだろうかと、由野は擽ったい気持ちに叫び出したくなる衝動を必死で堪えた。
赤くなりながらボソボソと告げる春海の言葉、それだけで由野の中心はより硬さを増してしまう。
「はぁ……もう、春ちゃん…可愛過ぎだよ」
「へ? え、何が?」
衝動のままにぎゅっと抱きしめれば、どうかしたのかと焦る様子も愛しくて。
恋をすると人は馬鹿になるという言葉は本当だったのだと実感する。
「良いよ、分からなくて……春ちゃんには、そのままでいて欲しい」
「由野さん? んあっ、ちょ、急に…あっあっ」
「春ちゃんのここも、僕に反応してくれたんだろ? ほら、もうヌルヌルになってる」
「そ、ゆこと…言わな、ぁ、ああっ、ん」
「何で? 全身で好きって言ってもらえてるみたいで、凄く嬉しい」
剥き出された肩に、首筋に、くちづけを落としながら、由野は先ほどから主張を続けている春海の中心へと手を伸ばした。
まだ直接は触れられていなかったその場所は、既に尖端から滴り落ちた蜜に濡れている。
「こうすると、気持ち良いかい?」
「んぁっ、ああっ、ヤ……由野さ、それヤダ…あ、あっ」
両脚の間に割って入るように座り込んだ由野の膝に抱え上げられた春海の脚が、中心をゆるゆると撫で擦られる度にピクリと揺れ動く。他人に対して使ったことが無いだろう、綺麗な色をした小振りの昂りが、その動きに合わせて由野の手の中で跳ね上がる。
強弱を付けながら与えられる刺激に、子供のようにイヤイヤと首を横に振る春海の姿が、由野には可愛く見えて仕方が無かった。
「本当に嫌? 無理強いはしたくないんだ、春ちゃん。本当に嫌だったら、今ここで、本気で僕を止めて欲しい。じゃないと――」
この奥に隠された小さな蕾が視界に入る。
春海の媚態を目にしているだけで滾りを見せる自身の雄を、誰も踏み入れた事の無い場所へと突き入れたい衝動を堪えながら、由野は手の中で跳ねる春海への愛撫に力を籠めた。
「は、ぁ……じゃ、な――」
「春ちゃん、何? 聞こえな……」
「嫌じゃ、ない……ボ、ボクだけ、こんなぁ、っが、恥ずか、し…だけ、っんぁあ」
「全くもう――これ以上僕を煽らないでくれよ」
伸ばされた春海の腕に首元を抱えられた由野が上半身を倒せば、耳元に囁かれる吐息混じりの誘惑。
時折自らの手で慰める事はあっても、誰かと肌を重ねるという行為から大分遠ざかっていた由野にとってのそれは、甘い責め苦のようですらあった。
「ひっ、な…何? ぅ、んっ」
「男同士がひとつになるには、ここを使うんだ……良いかな、春ちゃん――君の全部を、僕が貰っちゃっても、良いかい? ここに僕を、受け入れてくれる?」
上半身を折り曲げた事で汗ばんだ胸が密着し、由野の熱棒が春海の下腹へと擦れた。
ゆるゆると腰を揺すった由野は、春海にその熱量を伝えるかのように、鈴口から零れ落ちる透明な蜜を塗り付けた。それと同時に慎ましやかに息衝く小さな蕾の縁を、春海の滑りを絡め取った指先を使ってやんわりと刺激する。
突然の行為に驚いた顔を隠し切れない春海に困ったような笑みを向けながら、由野は春海からの了承を待った。
「そ、なとこ……本当に、入るの?」
「受け入れられるように解す必要はあるけど、ちゃんと入るよ。女性でもこっちの方を好む人もいる位だし――」
と言っても、僕も資料として観た映像で得た程度の知識なんだけどね。
そう言って微笑む由野に、春海は熱に潤んだ瞳を向けて柔らかく微笑みを返した。
「ボクも、由野さんの全部、知りたいです……由野さんにも…ボクの全部、知って欲しい」
「春ちゃん…君って子は――」
無垢な瞳で何処までも由野の熱を煽り立てる愛しい存在に、由野はとうとう白旗を揚げた。
これ以上、一秒だって大人のふりなんて出来そうも無い。
「なるべく、痛くしないように頑張るから、春ちゃんも協力してね」
頷きを返して寄越した春海の、汗の浮いた額へとくちづけを落とした由野は、そのまま首筋から鎖骨へと唇を滑らせた。初めての刺激に春海が恐怖を感じないよう、優しく宥めるように、全身にキスを贈る。
そのまま春海の身体をうつ伏せにさせた由野が、その細腰を持ち上げて四つん這いの体勢を取らせる。
恥ずかしさを堪える春海を労わるように、汗の浮いた背中にくちづけを落としながら、由野が身体を下方へとずらして行く。
春海の昂りを伝い落ちた蜜で濡れた蕾が由野の指先の動きを感じ取り、小さくヒクリと動いた。
傷付けないよう慎重に、ゆっくりと一本目の指を挿し入れて行く。
指一本でさえもキツイほどの締め付け。本当にここに自分の熱棒が入るのだろうかと不安を覚えながら、それでも由野は小刻みに指を蠢かして、入口を拡げて行く。
「っ、ぅ……ぁ、ヤ……」
「キツイな――痛くない?」
「ん、平気…何か、変な感じ、だけど……ひぁっ、あっ、何?」
挿し入れた指を抜き差ししながら、由野は舌先を蕾へと這わせた。小さな口に唾液を送り込みながら、襞の一筋ずつを舐め上げていく。
「やっ! 由野さ…汚い、汚い、からッ…んぁっ」
「汚くなんか無いよ。こんなとこまで可愛らしいなんて、ちょっと反則だよ」
「何言っ、て…あっ、ああっ」
「ゴメンね春ちゃん、もうちょっと、我慢して……本当はローションとかが有れば良かったんだけど――次までに用意しておくから」
身を捩る春海の身体を腰の下に差し込んだ腕で抱きかかえるようにした由野が、宥めるように囁く。
わざと茶化すような言葉を吐く由野の声からは余裕の色が消え、熱く乱れた呼吸が素肌に触れる感触が、春海の身体を震わせた。
(由野さんも、同じなんだ――)
初めての行為に戸惑いながら、それでもひとになりたいと、互いの全てを知りたいと思う気持ちが春海へと届く。身体と心は、密接に繋がっているのだろう。由野の想いが届いた瞬間、それまできつくその指を締め付けるばかりだった窄まりが、指を優しく誘い込むような動きへと変貌を遂げた。
由野がそのタイミングを逃がさぬよう、すかさず二本目の指を挿入する。唾液と蜜に塗れた小さな入口を壊さぬように、少しずつ上下左右に拡げてはピストンを繰り返した。
「は…あっふ……ん、ぁ……ッ!」
「――春ちゃん?」
「ああっ! ゃ……ヤダ、由野さん、そこ、イヤッ…んぅー」
「ここ? ここ、感じるんだね?」
蕾の内へと挿し入れていた指をぐるりと動かした瞬間、見た目に分かる程に春海の背が撓った。まるで猫が伸びをするようなその嬌態に、由野が小さく喉を鳴らす。
「ヤダヤダヤダッ、何? 変だよ、由野さっ…そこ怖、怖い」
「変じゃないよ、落ち着いて春ちゃん。ここが君のいいところだよ。男には皆ある場所だから、怖くなんか無い」
「ホント? っく、ボク…変じゃ、ない?」
激しく逃げを打つ春海を背中から覆い被さり、やんわりと宥めた由野が、指先に感じた小さなしこりを優しく撫でながら耳元で告げる。
頭を振る春海の眦に浮かんだ涙に、罪悪感と嗜虐心を煽られながら、それでも由野は指の動きを休めることは無かった。
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