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02 : 迎えが来ましたわ
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アグル様から婚約破棄を言い渡された翌日の朝。
ようやく荷物がまとめ終わり部屋を出ようとした時
、ノックもなしに扉が開きました。
使用人であればノックをする筈……。
扉の外に立っていたのは、やはりアグル様でした。
「なんだ、まだ居たのか。さっさと出て行けと言ったはずだぞ」
「申し訳ありません、予想以上に手間取ってしまいまして」
「ふん、時間の管理すらまともに出来んとは……。これだから身分の低い女は困る」
毎朝使用人に起こしてもらっていて、さらに休日には昼遅くまで寝ていらっしゃる貴方に言われたくは無いのですが。
ーーという言葉をぐっと押さえて、申し訳ありませんと頭を下げる。
「それと、お前が昨日言ってた迎えとやらは本当に来るのか?まさか返事が来ないからここで時間を潰してました、なんて事は無かろう?」
「ええ、もちろんです。相手からは早朝に返事が来ましたわ。今すぐにこちらに向かう、と。ですのでもうすぐでいらっしゃる筈なのですが」
「どうせ見捨てられたんだろ。お前みたいな卑しい女を好む馬鹿がいるわけ……」
と言いかけたその時。
アグル様の執事であるノームが、突然部屋に駆け込んできました。
全速力でここへ向かってきたのでしょう。パリッと決めたオールバックの髪をボサボサにして、ぜえぜえと息を切らしています。
「レ、レイナ様!お客様がお、お迎えにっ!!」
肩で息をしながら、そう叫びます。
普段クールな方だけに、この動揺ぶりには驚きました。
「どうしたノーム、騒々しいぞ。どうせ低位の輩だろう。何をそんな慌てているのだ」
「そ、それが!そのお客様というのが、オリオン王国第一皇子、ジーク=ギルフォード様なのです!!」
「は、はあぁ!!??」
今までの余裕ぶりはどこへやら、アグル様は口をあんぐりと開けながら、素っ頓狂な声を上げて。
青ざめた顔をしながら、こちらをゆっくりと振り返ります。
「お、おいレイナ、お前の迎えを頼んだ奴って……」
まさかそんなわけ、といった顔で唇を震わせています。
そんなアグル様に一言。
「ええ。第一皇子、ジーク様ですわ」
びしっと一言、言ってやりました。
ようやく荷物がまとめ終わり部屋を出ようとした時
、ノックもなしに扉が開きました。
使用人であればノックをする筈……。
扉の外に立っていたのは、やはりアグル様でした。
「なんだ、まだ居たのか。さっさと出て行けと言ったはずだぞ」
「申し訳ありません、予想以上に手間取ってしまいまして」
「ふん、時間の管理すらまともに出来んとは……。これだから身分の低い女は困る」
毎朝使用人に起こしてもらっていて、さらに休日には昼遅くまで寝ていらっしゃる貴方に言われたくは無いのですが。
ーーという言葉をぐっと押さえて、申し訳ありませんと頭を下げる。
「それと、お前が昨日言ってた迎えとやらは本当に来るのか?まさか返事が来ないからここで時間を潰してました、なんて事は無かろう?」
「ええ、もちろんです。相手からは早朝に返事が来ましたわ。今すぐにこちらに向かう、と。ですのでもうすぐでいらっしゃる筈なのですが」
「どうせ見捨てられたんだろ。お前みたいな卑しい女を好む馬鹿がいるわけ……」
と言いかけたその時。
アグル様の執事であるノームが、突然部屋に駆け込んできました。
全速力でここへ向かってきたのでしょう。パリッと決めたオールバックの髪をボサボサにして、ぜえぜえと息を切らしています。
「レ、レイナ様!お客様がお、お迎えにっ!!」
肩で息をしながら、そう叫びます。
普段クールな方だけに、この動揺ぶりには驚きました。
「どうしたノーム、騒々しいぞ。どうせ低位の輩だろう。何をそんな慌てているのだ」
「そ、それが!そのお客様というのが、オリオン王国第一皇子、ジーク=ギルフォード様なのです!!」
「は、はあぁ!!??」
今までの余裕ぶりはどこへやら、アグル様は口をあんぐりと開けながら、素っ頓狂な声を上げて。
青ざめた顔をしながら、こちらをゆっくりと振り返ります。
「お、おいレイナ、お前の迎えを頼んだ奴って……」
まさかそんなわけ、といった顔で唇を震わせています。
そんなアグル様に一言。
「ええ。第一皇子、ジーク様ですわ」
びしっと一言、言ってやりました。
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