7 / 21
第一話 裏
しおりを挟む
視点が変わると、こうも物語は変わるものなのですね。
最初の印象とのギャップをお楽しみください。
*∽*∽*∽*∽*
チッ。第二王子が来やがった。とっととお引き取り願うか。
「やあシオン。何か困っていることはないかい」
おまえの相手に困ってるよ。昼飯犠牲にしてさっさと離れるか。
「殿下っ。あ、あ、大丈夫ですっ」
あーサンドイッチもったいねぇ。
「あたしの、お昼」
この恨み忘れねぇからな。
「急に話しかけてすまない。私も昼はこれからだ。良かったら一緒に食べてくれないか。いつも量が多くてね」
苦笑しながら肩を竦めてみせる王子にイラつく。いいから、とっとと失せろや。
「あの、ありがたいお話しですが、恐れ多いです。学食へ参りますので大丈夫です。お心遣いに、感謝申し上げます」
頭を下げると、手を取られた。
「あの、殿下っ?」
マジか、コイツ。サンドイッチの犠牲が意味ないどころじゃねぇぞ。悪手になったわ。って言うか、僕の誘いに喜ばない人間なんていないよね☆的な行動だろ、これ。自惚れんじゃねぇぞ。
「ほら、行こう」
すげぇな、コイツ。断ってんだぞ、こっちは。誘拐だな。拉致だな。なんで、僕の誘いに以下略☆なんだ。
「ここなら誰も聞いていないよ。シオン、一人で悩んでいないで、私にその悩みを聞かせて欲しい。二人で考えれば、きっと良案もあるよ」
「殿下」
なんか、偉い人しか使えないとか言うガゼボに連れて来られた。胡散臭い笑みを浮かべた王子よ、よく恥ずかしげもなくそんなこと言えるな。勝手に手をヤツの両手で握られて腹立たしい。怒り故に手と声が震える。顔まで赤くなってないといいが。殴りたい衝動を堪える。
「シオン。私では、頼りない?」
YES。
やめて。笑わせないで。あなた様が頼りになることなど、永遠に来ませんとのことよ勘違いヤロー様。笑い堪えてたら涙出て来た。肩も震えちゃうわうふふ。
「お願いだ、シオン。一人で抱え込まないで」
いいの?あなた様を指さして思い切り笑っていいの?それでもあなた様は、役に立てて良かった☆とか言ってくれるの?そもそもあなた様、婚約者様がいらっしゃいますとのことでごぜーますわよね。
明らかに浮気じゃん。
肩に触れたり顔近付けたり腰を抱いたり顔に触れたり。節操なしのゲスじゃんね。こっちの目的さえ果たせればまあ頑張って我慢するけど。我慢するけど、大丈夫かな、これ。気持ち悪くて手が出そうだけど、我慢出来るかな。
「シオン」
熱く目が潤んでいます。シオンさん、貞操の危機です。ドウシマスカ。
▶ナグリコロス
ケリコロス
ブチコロス
うーん。三択すべて殺す選択しか出てこない。ゲスの顔が近付いて来た。
キモ。
仕方がない。テーブルを蹴り飛ばして意識をそちらに向けましょう。と思ったら。
「殿下」
護衛、グッジョブ。おまえにはあとでこっそり望むものを用意しよう。
「ふふ。シオン、お昼、食べようか」
何事もなかったようにするとか。すげぇメンタル。
*つづく*
最初の印象とのギャップをお楽しみください。
*∽*∽*∽*∽*
チッ。第二王子が来やがった。とっととお引き取り願うか。
「やあシオン。何か困っていることはないかい」
おまえの相手に困ってるよ。昼飯犠牲にしてさっさと離れるか。
「殿下っ。あ、あ、大丈夫ですっ」
あーサンドイッチもったいねぇ。
「あたしの、お昼」
この恨み忘れねぇからな。
「急に話しかけてすまない。私も昼はこれからだ。良かったら一緒に食べてくれないか。いつも量が多くてね」
苦笑しながら肩を竦めてみせる王子にイラつく。いいから、とっとと失せろや。
「あの、ありがたいお話しですが、恐れ多いです。学食へ参りますので大丈夫です。お心遣いに、感謝申し上げます」
頭を下げると、手を取られた。
「あの、殿下っ?」
マジか、コイツ。サンドイッチの犠牲が意味ないどころじゃねぇぞ。悪手になったわ。って言うか、僕の誘いに喜ばない人間なんていないよね☆的な行動だろ、これ。自惚れんじゃねぇぞ。
「ほら、行こう」
すげぇな、コイツ。断ってんだぞ、こっちは。誘拐だな。拉致だな。なんで、僕の誘いに以下略☆なんだ。
「ここなら誰も聞いていないよ。シオン、一人で悩んでいないで、私にその悩みを聞かせて欲しい。二人で考えれば、きっと良案もあるよ」
「殿下」
なんか、偉い人しか使えないとか言うガゼボに連れて来られた。胡散臭い笑みを浮かべた王子よ、よく恥ずかしげもなくそんなこと言えるな。勝手に手をヤツの両手で握られて腹立たしい。怒り故に手と声が震える。顔まで赤くなってないといいが。殴りたい衝動を堪える。
「シオン。私では、頼りない?」
YES。
やめて。笑わせないで。あなた様が頼りになることなど、永遠に来ませんとのことよ勘違いヤロー様。笑い堪えてたら涙出て来た。肩も震えちゃうわうふふ。
「お願いだ、シオン。一人で抱え込まないで」
いいの?あなた様を指さして思い切り笑っていいの?それでもあなた様は、役に立てて良かった☆とか言ってくれるの?そもそもあなた様、婚約者様がいらっしゃいますとのことでごぜーますわよね。
明らかに浮気じゃん。
肩に触れたり顔近付けたり腰を抱いたり顔に触れたり。節操なしのゲスじゃんね。こっちの目的さえ果たせればまあ頑張って我慢するけど。我慢するけど、大丈夫かな、これ。気持ち悪くて手が出そうだけど、我慢出来るかな。
「シオン」
熱く目が潤んでいます。シオンさん、貞操の危機です。ドウシマスカ。
▶ナグリコロス
ケリコロス
ブチコロス
うーん。三択すべて殺す選択しか出てこない。ゲスの顔が近付いて来た。
キモ。
仕方がない。テーブルを蹴り飛ばして意識をそちらに向けましょう。と思ったら。
「殿下」
護衛、グッジョブ。おまえにはあとでこっそり望むものを用意しよう。
「ふふ。シオン、お昼、食べようか」
何事もなかったようにするとか。すげぇメンタル。
*つづく*
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる