62 / 188
62 自重は捨てた
しおりを挟む
40階のダンジョンボス部屋前に来た。
さすがは人気ダンジョン。ボス待ちの人が3組もいる。
ただソロは私だけだ。
「寝ようかな。また2日徹夜だったし、半日くらい眠れそう」
ぱっと見て30メートルの丸い待ちスペースに悪そうな人もいない。
念のため、端っこに寄って鉄製鳥籠を出すことにした。
けど、4人組パーティーがこちらを見ている。男女2、2。
さすがに、このパターンにも慣れてきた。
「あの・・」
左目の上下に傷がある女性に声をかけられた。
傷は乾いている。目を閉じていて、眼球の状態は分からない。
「誰かに聞いたの?」
「あの、36階で会った冒険者に、ソロのユリナさんって人が、一回だけ回復スキルを施してくれるって・・」
何だ、その話。まあ、恩は売っておくか。
「あの。金額は聞いてませんが、すごく効果が高かったって・・」
「金額は決まってるよ」
「1人分の治療をお願いします。20万ゴールドなら即金で出せます・・」
「初回サービスで一律1000ゴールド」
「え?」
「それより高くても安くても受け付けない。こっちに来て」
何度も同じ説明をするのが面倒。私は商人には向かないようだ。
霊薬という名の水を出した。
「その顔の傷ね」。腕をつかんで、顔に水をぶっかけた。
左腕経由で『超回復』ばちちち!
「あぐっ。顔が・・」
「レオナ、大丈夫か!」
「え、私・・左目が見える」
見ていた仲間の方が騒ぎ出した。
「去年、ベアにやられた傷が・・」
「レオナ、なくなったはずの左側の眼球が・・」
「私・・。ハンナの足の治療を頼みにきたのに・・。みんな、なんかごめん」
ヤバい。治して欲しかったのは、このレオナさんではなかった。
勢いで失った眼球を復活させてしまったー。
もうやけくそ。
「霊薬と私の気功が活性化しているから、今なら大サービスよ。みんな並んで」
結局、その場にいた3パーティー13人全員を治療した。
「霊薬」という名の水をぶっかけて、体に触れては『超回復』
テンションが上がりすぎた。
私は、最後の5人組パーティーでやらかした。
まず4人の同じ仮面を被った剣士風を治した。
最後に細身の中年男性。
そのスマトラさんは、遠慮していた。
私は構わず、頭から水をかけて「気功回復!」と叫んでみた。
間を置いて『超回復』
ぱちばちい!
はっきり聞こえるくらいの音がした。
全員が見守る中、スマトラさんの右目がぽろんと飛び出した。
「いやああ」「わあっ!」
そして、鼻と口からどす黒い血が噴き出した。
「スマトラ様!」
「げほっ、げほっ」
「・・・」。あれれ、あれれ。汗が噴き出した。
「え、右目が見える・・。痛かった頭も治っている」
「じゃあ、その目は・・」
スマトラさんは、頭に重い病気を患っていた。
今は右目が見えなくなっていて、やがて左目が閉じて寝たきりになる。
その前に4人の仲間と、人生最後のダンジョンアタックをしていたそうだ。
「スマトラさん、覚悟の一戦に横やりを入れたようで、ごめんなさい」
「いやいやいや!まさか、治るとは思いませんでした」
彼の目が光った。
「何と言って感謝していいか分かりません。地上に出たら、お礼がしたい。我が家に来てもらえませんか」
右手を出した。
「1000ゴールド」
何かを感じて、説明した。適当ストーリーだけどね。
このスキルは後天的に得た。
神様に借りているような感じ。
これを使って大きな対価を得ると、やがて災いになって自分に返ってくる。
こんな話だ。
我ながら、すらすらと嘘が出てきた。
スマトラさんに督促して、1000ゴールドをもらった。
するとスマトラさんの顔が優しくなって、回復スキルの話はしなくなった。
スマトラさんたちにボス部屋の順番が回ってきた。
スマトラさんの仲間4人に、ぜひと言われ、一緒にボス部屋に挑んだ。
ゴゴゴゴゴゴ。
スマトラさんの仲間4人は、一流の戦闘職の匂いがする。
戦いを見て、今後の参考にしたい。
40階は5メートルダチョウ1匹、4メートルダチョウ2匹、2・5メートルターキー5匹。
「では予定通りに」
スマトラさんが呪文の詠唱スタート。私も含めた援護5人で、鳥たちの攻撃を止めた。
仮面の4人はすごい。軽々と鳥の攻撃を避けている。
私は5メートルダチョウの攻撃が脳天に直撃。
当たる寸前に「金剛気功!」と叫んで、『超回復』
ダチョウの嘴を弾いて、面目は保った。
3分して、スマトラさんから合図がきた。
「豪炎!」ぼわああ!どんっ!
スマトラさんは火魔法適正Bの魔法使い。
病気が治って、元通りに魔法を使えるようになったらしい。
「ぐぎゃー」「くえー」「ぐえええ」。
一撃で流れが有利に傾いた。高位の魔法使いが恐れられる理由だ。
あとはスマトラさんの護衛リーダーがダンジョンボスをさくっ。
わずか20分でダンジョンボス戦は終わった。
ダンジョン攻略後にダンジョンクリアメダルが出てきた。
プラスしてハイポーションとミスリルナイフが人数分出てきたので、ワンセットをもらった。
次は3日ほど休んで、再び32階からアタックだ。
だけど、予定変更。
地上に出たら真夜中で、出口横のホテルが2部屋しか空いていなかった。
男性陣は私が1部屋で、狭い部屋に男5人で寝ると言う。
それは申し訳ない。
ここから40キロ西に行くと、オルシマの南西に位置するノカヤ上級ダンジョン。
そこには4足歩行の豚と、2足歩行のオークが出る。
そこに向かおう。
「スマトラさん、急用ができました。ホテルはそちらで使って下さい」
「え、うそでしょ」
「とにかく出発します」
別れ際に、スマトラさんから住所を書いた紙を渡された。
オルシマに来たら立ち寄ってくれと言われた。
護衛の人達にも、必ず再開しましょうと念を押された。
当分先になるなと思いながらも、約束した。
そして私は、夜の森に向かって走り出した。
さすがは人気ダンジョン。ボス待ちの人が3組もいる。
ただソロは私だけだ。
「寝ようかな。また2日徹夜だったし、半日くらい眠れそう」
ぱっと見て30メートルの丸い待ちスペースに悪そうな人もいない。
念のため、端っこに寄って鉄製鳥籠を出すことにした。
けど、4人組パーティーがこちらを見ている。男女2、2。
さすがに、このパターンにも慣れてきた。
「あの・・」
左目の上下に傷がある女性に声をかけられた。
傷は乾いている。目を閉じていて、眼球の状態は分からない。
「誰かに聞いたの?」
「あの、36階で会った冒険者に、ソロのユリナさんって人が、一回だけ回復スキルを施してくれるって・・」
何だ、その話。まあ、恩は売っておくか。
「あの。金額は聞いてませんが、すごく効果が高かったって・・」
「金額は決まってるよ」
「1人分の治療をお願いします。20万ゴールドなら即金で出せます・・」
「初回サービスで一律1000ゴールド」
「え?」
「それより高くても安くても受け付けない。こっちに来て」
何度も同じ説明をするのが面倒。私は商人には向かないようだ。
霊薬という名の水を出した。
「その顔の傷ね」。腕をつかんで、顔に水をぶっかけた。
左腕経由で『超回復』ばちちち!
「あぐっ。顔が・・」
「レオナ、大丈夫か!」
「え、私・・左目が見える」
見ていた仲間の方が騒ぎ出した。
「去年、ベアにやられた傷が・・」
「レオナ、なくなったはずの左側の眼球が・・」
「私・・。ハンナの足の治療を頼みにきたのに・・。みんな、なんかごめん」
ヤバい。治して欲しかったのは、このレオナさんではなかった。
勢いで失った眼球を復活させてしまったー。
もうやけくそ。
「霊薬と私の気功が活性化しているから、今なら大サービスよ。みんな並んで」
結局、その場にいた3パーティー13人全員を治療した。
「霊薬」という名の水をぶっかけて、体に触れては『超回復』
テンションが上がりすぎた。
私は、最後の5人組パーティーでやらかした。
まず4人の同じ仮面を被った剣士風を治した。
最後に細身の中年男性。
そのスマトラさんは、遠慮していた。
私は構わず、頭から水をかけて「気功回復!」と叫んでみた。
間を置いて『超回復』
ぱちばちい!
はっきり聞こえるくらいの音がした。
全員が見守る中、スマトラさんの右目がぽろんと飛び出した。
「いやああ」「わあっ!」
そして、鼻と口からどす黒い血が噴き出した。
「スマトラ様!」
「げほっ、げほっ」
「・・・」。あれれ、あれれ。汗が噴き出した。
「え、右目が見える・・。痛かった頭も治っている」
「じゃあ、その目は・・」
スマトラさんは、頭に重い病気を患っていた。
今は右目が見えなくなっていて、やがて左目が閉じて寝たきりになる。
その前に4人の仲間と、人生最後のダンジョンアタックをしていたそうだ。
「スマトラさん、覚悟の一戦に横やりを入れたようで、ごめんなさい」
「いやいやいや!まさか、治るとは思いませんでした」
彼の目が光った。
「何と言って感謝していいか分かりません。地上に出たら、お礼がしたい。我が家に来てもらえませんか」
右手を出した。
「1000ゴールド」
何かを感じて、説明した。適当ストーリーだけどね。
このスキルは後天的に得た。
神様に借りているような感じ。
これを使って大きな対価を得ると、やがて災いになって自分に返ってくる。
こんな話だ。
我ながら、すらすらと嘘が出てきた。
スマトラさんに督促して、1000ゴールドをもらった。
するとスマトラさんの顔が優しくなって、回復スキルの話はしなくなった。
スマトラさんたちにボス部屋の順番が回ってきた。
スマトラさんの仲間4人に、ぜひと言われ、一緒にボス部屋に挑んだ。
ゴゴゴゴゴゴ。
スマトラさんの仲間4人は、一流の戦闘職の匂いがする。
戦いを見て、今後の参考にしたい。
40階は5メートルダチョウ1匹、4メートルダチョウ2匹、2・5メートルターキー5匹。
「では予定通りに」
スマトラさんが呪文の詠唱スタート。私も含めた援護5人で、鳥たちの攻撃を止めた。
仮面の4人はすごい。軽々と鳥の攻撃を避けている。
私は5メートルダチョウの攻撃が脳天に直撃。
当たる寸前に「金剛気功!」と叫んで、『超回復』
ダチョウの嘴を弾いて、面目は保った。
3分して、スマトラさんから合図がきた。
「豪炎!」ぼわああ!どんっ!
スマトラさんは火魔法適正Bの魔法使い。
病気が治って、元通りに魔法を使えるようになったらしい。
「ぐぎゃー」「くえー」「ぐえええ」。
一撃で流れが有利に傾いた。高位の魔法使いが恐れられる理由だ。
あとはスマトラさんの護衛リーダーがダンジョンボスをさくっ。
わずか20分でダンジョンボス戦は終わった。
ダンジョン攻略後にダンジョンクリアメダルが出てきた。
プラスしてハイポーションとミスリルナイフが人数分出てきたので、ワンセットをもらった。
次は3日ほど休んで、再び32階からアタックだ。
だけど、予定変更。
地上に出たら真夜中で、出口横のホテルが2部屋しか空いていなかった。
男性陣は私が1部屋で、狭い部屋に男5人で寝ると言う。
それは申し訳ない。
ここから40キロ西に行くと、オルシマの南西に位置するノカヤ上級ダンジョン。
そこには4足歩行の豚と、2足歩行のオークが出る。
そこに向かおう。
「スマトラさん、急用ができました。ホテルはそちらで使って下さい」
「え、うそでしょ」
「とにかく出発します」
別れ際に、スマトラさんから住所を書いた紙を渡された。
オルシマに来たら立ち寄ってくれと言われた。
護衛の人達にも、必ず再開しましょうと念を押された。
当分先になるなと思いながらも、約束した。
そして私は、夜の森に向かって走り出した。
26
あなたにおすすめの小説
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる