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325 優しさの中から始まる閉会式
カオルが大将戦を勝って、高校柔道・冬の選手県は茶薔薇学園が優勝した。
開始線で一礼したカオルに、チームメイトが飛び付いてきた。
「カオルありがとう!」
「やった、やったよね」
「全国制覇だ」
「夢みたい」
「おう、みんな、最高だな!」
両チームが整列して礼をして、自陣に引き上げてきた。
「カオルちゃん!」
「うわお!」
これから歌の仕事だということも忘れ、梓がカオルに飛び付いた。
「カオルちゃん、怪我しなくて良かった」
「無事に帰ってきたぞ。そんで優勝したぞ。応援サンキューな」
ルナもみんなを称えている。同階級で仲良くなったイズミヤエコと抱き合っている。
ハラダヨシノは、ユウキ君に手を握られながら泣いている。同性からヘイトも集まっている。
山田ツバキ部長は勇太にハグしてもらいに行こうとしたら、色んな女の子に囲まれて行く手を阻まれた。
すごくモテている。女子限定だけど。
勇太はといえば、泣き出した新潟エチゴニシキのみんなの手を取った。
カオルのところに行く前に、体が動いた。
難病で前世を去った勇太は、多くの人に励まされ、大切な人に慰められ続けた5年間の闘病期間があった。
泣いている人を放っておけない。優しい笑顔で言った。
「みなさん、お疲れ様。本当にすごい試合ばかりでした」
「あ、ありがと…ゆうた君」
「うう、ううう…」
泣いているみんなの肩を優しくたたいている。
ここで鬼塚一子から、純子、風花、中戸明日香に合図が送られた。
♪♩♪♪♩♪
風花と明日香のギターが流れ出した。
勇太は初めて柔道の試合場に現れたときから、いい意味で予想外の行動ばかりして柔道人気を高めてくれた。
今現在も鬼塚の予想を上回っている。婚約者のカオルが勝負を決めた直後だ。カオルと茶薔薇のところに遠慮無く突入すると思っていた。
だけど先に、敵チーム新潟エチゴニシキの健闘をたたえている。ギャラリーも試合場ギリギリまで近付いてきて、この光景を見ている。
だから、このタイミングで閉会式を始めてみた。
♪♪♩♬♩。カオルのテーマソングの前奏が続いている。勇太がハンドサインを出して、純子が歌い出すのを待ってもらっている。
カオルに負けた、新潟エチゴニシキ高校の大将タカサキジュンが泣き崩れてしまった。
チームメイトのみんなに、ごめんと涙声で謝っていた。
勇太はタカサキの手を取って正面に立たせ、肩に右手を添えて語るように歌い出した。
歌詞は1番ではなく4番を選んだ。
「♪♪♩♪♪必死に飛ぼうとする君は~♬♬♩最後まで力を振り絞る~♪♪♩♪♬」
タカサキが勇太の目を見た。
「雨に濡れても~♬♬打ちのめされても~♩♩♪♪♩♪」
勝ったカオル達もギャラリーも勇太とタカサキを見ている。
「命の限り羽ばたくんだね~~~~♩♩♪♩」
勇太が純子にハンドサインを送った。純子がマイクを高く掲げると、意図が柔道女子達に伝わった。
サビに入った。ギリギリで負けたけど、強かったタカサキジュンにみんなで声を張り上げた。
♪♬♬♯♯♭「頑張れーーーー!」♪♪♩♪
武道館に割れんばかりに声が響いた。
タカサキジュンの目から再び涙が流れた。エチゴニシキのメンバーも勇太とタカサキの周りで泣き出した。
歌は純子に引き継いだ。勇太の気持ちは分かっているから、普段よりも穏やかに歌っている。
「戦う君の背中には~~♩♬♪♪」勇太が口ずさみながら、タカサキの背中を優しくぽんぽんとたたいた。それからエチゴニシキのメンバーを表彰台の前に誘導した。
頑張った女の子達に優しい勇太、健闘した選手達に拍手が送られた。
軽くみんなをハグして、プレゼンテーターも努める勇太は役員席に戻った。
勇太だけ見に来て柔道の勝敗に興味がない女子が「あれ?優勝より準優勝チームの方が勇太君に色々とやってもらってね?」と呟いて、友人に怒られたりしていた。
3位決定戦で勝ったシベリア体育大学付属から順番に表彰されて、次が準優勝の新潟エチゴニシキ高校。
そして最後は茶薔薇学園。
ツバキ部長が前に出てきて勇太から表彰状を受け取った。
「おめでとうツバキ部長」
「ありがとう、勇太君」
ここからパラレル熊本市長、教育委員会長、柔道連盟会長・鬼塚一子が順番に挨拶していった。
最後は、なぜか勇太。
「みなさん、お疲れ様でした」
ただそれだけで、勇太の響く声が会場の隅々まで届いた。
「俺は今回、仕事で呼んでもらったのに、どうしても婚約者のカオルがいて親交があるせいで、茶薔薇学園びいきになってしまいました。ごめんさい」
カオルが照れて頬をかいている。
「けれど、どの試合も見ててドキドキして楽しかったです。みんな、ありがとーー!」
わあああっと、女の子から歓声が上がった。
『勇太くーん』
『私達も楽しかったよ~』
『ありがとー』
その光景を見ながら、鬼塚一子は呟いた。
「勇太君、今回も用意したギャラ以上の仕事してくれたな…」
開始線で一礼したカオルに、チームメイトが飛び付いてきた。
「カオルありがとう!」
「やった、やったよね」
「全国制覇だ」
「夢みたい」
「おう、みんな、最高だな!」
両チームが整列して礼をして、自陣に引き上げてきた。
「カオルちゃん!」
「うわお!」
これから歌の仕事だということも忘れ、梓がカオルに飛び付いた。
「カオルちゃん、怪我しなくて良かった」
「無事に帰ってきたぞ。そんで優勝したぞ。応援サンキューな」
ルナもみんなを称えている。同階級で仲良くなったイズミヤエコと抱き合っている。
ハラダヨシノは、ユウキ君に手を握られながら泣いている。同性からヘイトも集まっている。
山田ツバキ部長は勇太にハグしてもらいに行こうとしたら、色んな女の子に囲まれて行く手を阻まれた。
すごくモテている。女子限定だけど。
勇太はといえば、泣き出した新潟エチゴニシキのみんなの手を取った。
カオルのところに行く前に、体が動いた。
難病で前世を去った勇太は、多くの人に励まされ、大切な人に慰められ続けた5年間の闘病期間があった。
泣いている人を放っておけない。優しい笑顔で言った。
「みなさん、お疲れ様。本当にすごい試合ばかりでした」
「あ、ありがと…ゆうた君」
「うう、ううう…」
泣いているみんなの肩を優しくたたいている。
ここで鬼塚一子から、純子、風花、中戸明日香に合図が送られた。
♪♩♪♪♩♪
風花と明日香のギターが流れ出した。
勇太は初めて柔道の試合場に現れたときから、いい意味で予想外の行動ばかりして柔道人気を高めてくれた。
今現在も鬼塚の予想を上回っている。婚約者のカオルが勝負を決めた直後だ。カオルと茶薔薇のところに遠慮無く突入すると思っていた。
だけど先に、敵チーム新潟エチゴニシキの健闘をたたえている。ギャラリーも試合場ギリギリまで近付いてきて、この光景を見ている。
だから、このタイミングで閉会式を始めてみた。
♪♪♩♬♩。カオルのテーマソングの前奏が続いている。勇太がハンドサインを出して、純子が歌い出すのを待ってもらっている。
カオルに負けた、新潟エチゴニシキ高校の大将タカサキジュンが泣き崩れてしまった。
チームメイトのみんなに、ごめんと涙声で謝っていた。
勇太はタカサキの手を取って正面に立たせ、肩に右手を添えて語るように歌い出した。
歌詞は1番ではなく4番を選んだ。
「♪♪♩♪♪必死に飛ぼうとする君は~♬♬♩最後まで力を振り絞る~♪♪♩♪♬」
タカサキが勇太の目を見た。
「雨に濡れても~♬♬打ちのめされても~♩♩♪♪♩♪」
勝ったカオル達もギャラリーも勇太とタカサキを見ている。
「命の限り羽ばたくんだね~~~~♩♩♪♩」
勇太が純子にハンドサインを送った。純子がマイクを高く掲げると、意図が柔道女子達に伝わった。
サビに入った。ギリギリで負けたけど、強かったタカサキジュンにみんなで声を張り上げた。
♪♬♬♯♯♭「頑張れーーーー!」♪♪♩♪
武道館に割れんばかりに声が響いた。
タカサキジュンの目から再び涙が流れた。エチゴニシキのメンバーも勇太とタカサキの周りで泣き出した。
歌は純子に引き継いだ。勇太の気持ちは分かっているから、普段よりも穏やかに歌っている。
「戦う君の背中には~~♩♬♪♪」勇太が口ずさみながら、タカサキの背中を優しくぽんぽんとたたいた。それからエチゴニシキのメンバーを表彰台の前に誘導した。
頑張った女の子達に優しい勇太、健闘した選手達に拍手が送られた。
軽くみんなをハグして、プレゼンテーターも努める勇太は役員席に戻った。
勇太だけ見に来て柔道の勝敗に興味がない女子が「あれ?優勝より準優勝チームの方が勇太君に色々とやってもらってね?」と呟いて、友人に怒られたりしていた。
3位決定戦で勝ったシベリア体育大学付属から順番に表彰されて、次が準優勝の新潟エチゴニシキ高校。
そして最後は茶薔薇学園。
ツバキ部長が前に出てきて勇太から表彰状を受け取った。
「おめでとうツバキ部長」
「ありがとう、勇太君」
ここからパラレル熊本市長、教育委員会長、柔道連盟会長・鬼塚一子が順番に挨拶していった。
最後は、なぜか勇太。
「みなさん、お疲れ様でした」
ただそれだけで、勇太の響く声が会場の隅々まで届いた。
「俺は今回、仕事で呼んでもらったのに、どうしても婚約者のカオルがいて親交があるせいで、茶薔薇学園びいきになってしまいました。ごめんさい」
カオルが照れて頬をかいている。
「けれど、どの試合も見ててドキドキして楽しかったです。みんな、ありがとーー!」
わあああっと、女の子から歓声が上がった。
『勇太くーん』
『私達も楽しかったよ~』
『ありがとー』
その光景を見ながら、鬼塚一子は呟いた。
「勇太君、今回も用意したギャラ以上の仕事してくれたな…」
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