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75 勇太の解説、妄想を呼ぶ
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茶薔薇は勝ったが、格下と思われていた敵に健闘された。
聞くと、敵校は勇太のクッキーで力を発揮した。なんと茶薔薇が追い込まれた原因は勇太だった。
知らんがなと言いたい勇太だ。
ともあれ、ようやく2階観覧席で落ち着いた。
勇太が残しておいたクッキーの包みを出した。
「ルナ、梓、口空けて」
「あ~ん」「あ~ん」
ひょい、ひょいと2人の口にクッキーを放り込んでいく。
「おいし~。もうすぐ自分でお店出せるよ、勇太」
「ありがとうユウ兄ちゃん」
「ぐっ、あのおふたりの表情。幸せそう」
「無造作に、あんなことやる男子がいたなんて」
「私もお願いしたい」
あ~んしてクッキー、をネットで見てきた女の子達が口々に感想を言っている。
そして通路で、すでにその儀式が行われたことを知って、あとで愕然とする。
勇太も初めて来た東京で、この加熱ぶりには驚いている。
最近のパラレル市内では、女の子に何かしてあげても、そこまでざわつくことはなくなった。
自然にお礼を言われたりして、楽しい日々を過ごしてきた。
たまに伊集院君が現れたりして、女子の目が分散したりすることも増えていた。
油断していた。それに会場に男子がゼロだったことも、今の状況に拍車をかけている。
梓、ルナも同性からのプレッシャーを感じ始めている。
やがて茶薔薇の2回戦の時間が近付いてきた。
今は、その前の試合が目の前で繰り広げられている。
梓は、次の試合に備えるカオルに目が釘付けだ。
勇太とルナは、パラ高柔道部の部長、副部長として目の前の試合を見ながら話している。
そして周囲の女の子達が真っ赤になった。
目の前の試合を見ながら、勇太とルナで会話している。
「勇太、ほら、勝った人みたく、あのとき私の首に腕を回した方が良かったんだよ」
「そうか~、俺はルナの右足をつかもうとして逃げられたんだよな~」
「へへへ、失敗したから、私に上からのしかかられたんでしょ・・」
「俺は脚を絡めたけど、上から攻められて・・」
「脚を抜けられないように・・」
「ルナと絡み合って・・」
「頭を勇太の胸に押し付けて・・」
「下からルナの腰を突き上げるようにブリッジしたけど・・」
「それだとさ・・」
「あっと・・」
「分かった?」
「・・なるほど、ありがとう」
一部の女子には刺激が強かったが、変な話ではない。寝技の攻防についてである。
分かっているのに、勇太を初めて見た女子は妄想してしまった。
勇太とルナがパラ高保健室の薄いパーティション内で初体験したことは、わざわざ勇太を見に来た女子達は知っている。
2人の真剣な柔道に関する会話。なのに、脳内シチュエーションでは舞台が畳の上からベッドの上に置き換わってしまっている。
完全に前世の中3男子だ。どんな言葉でもエロワードに脳内変換できてしまう、あの状態だ。
梓は、カオルに手を振っていて、勇太とルナのやり取りは耳には入っていない。
勇太は、ルナの隣に座る女の子2人組の視線に気づいた。熱い目をしている。
柔道の話に耳を傾けていると思ってしまった。
「ふむ。彼女達はどこの高校の応援にきたのかな。こんちは~」
「え」「あ、はいはい、なんでしょうか」
「お二人は、どこの応援ですか~」
「あ、え~と、地元なんで私達は東京代表の・・」
「というと、武州工業高校かな」
「そ、そうです」
幸いに、2人の女子は都内の高校の柔道部1年生。今日は単に勇太を見に来たが、まさかで勇太から話しかけられた。
すると柔道の話になり、面白いくらいに話が弾んだ。
初めて男子と普通の会話をした。新鮮だ。
ネットで見た通りに、男子なのに真剣に柔道をやっているなと思った。そして腰が低い。
そのうちに茶薔薇学園は楽々と2回戦突破。
「話に付き合ってもらってごめんね~。カオル達のとこに行こうか、ルナ」
「だね。お二人ともありがとう。ほら、梓も行こうよ」
「うん」
勇太は別れ際に手作りクッキーを渡した。
「あ、ありがどうごさいます」
「このクッキー、大事にします」
「あはは、早めに食べちゃってよ」
遠巻きに見ていた女子達は、思い切って近くにいるべきだったと後悔している。
やはり東京に来ても、この世界にはめったにない、男子の優しさを振り撒く勇太だった。
聞くと、敵校は勇太のクッキーで力を発揮した。なんと茶薔薇が追い込まれた原因は勇太だった。
知らんがなと言いたい勇太だ。
ともあれ、ようやく2階観覧席で落ち着いた。
勇太が残しておいたクッキーの包みを出した。
「ルナ、梓、口空けて」
「あ~ん」「あ~ん」
ひょい、ひょいと2人の口にクッキーを放り込んでいく。
「おいし~。もうすぐ自分でお店出せるよ、勇太」
「ありがとうユウ兄ちゃん」
「ぐっ、あのおふたりの表情。幸せそう」
「無造作に、あんなことやる男子がいたなんて」
「私もお願いしたい」
あ~んしてクッキー、をネットで見てきた女の子達が口々に感想を言っている。
そして通路で、すでにその儀式が行われたことを知って、あとで愕然とする。
勇太も初めて来た東京で、この加熱ぶりには驚いている。
最近のパラレル市内では、女の子に何かしてあげても、そこまでざわつくことはなくなった。
自然にお礼を言われたりして、楽しい日々を過ごしてきた。
たまに伊集院君が現れたりして、女子の目が分散したりすることも増えていた。
油断していた。それに会場に男子がゼロだったことも、今の状況に拍車をかけている。
梓、ルナも同性からのプレッシャーを感じ始めている。
やがて茶薔薇の2回戦の時間が近付いてきた。
今は、その前の試合が目の前で繰り広げられている。
梓は、次の試合に備えるカオルに目が釘付けだ。
勇太とルナは、パラ高柔道部の部長、副部長として目の前の試合を見ながら話している。
そして周囲の女の子達が真っ赤になった。
目の前の試合を見ながら、勇太とルナで会話している。
「勇太、ほら、勝った人みたく、あのとき私の首に腕を回した方が良かったんだよ」
「そうか~、俺はルナの右足をつかもうとして逃げられたんだよな~」
「へへへ、失敗したから、私に上からのしかかられたんでしょ・・」
「俺は脚を絡めたけど、上から攻められて・・」
「脚を抜けられないように・・」
「ルナと絡み合って・・」
「頭を勇太の胸に押し付けて・・」
「下からルナの腰を突き上げるようにブリッジしたけど・・」
「それだとさ・・」
「あっと・・」
「分かった?」
「・・なるほど、ありがとう」
一部の女子には刺激が強かったが、変な話ではない。寝技の攻防についてである。
分かっているのに、勇太を初めて見た女子は妄想してしまった。
勇太とルナがパラ高保健室の薄いパーティション内で初体験したことは、わざわざ勇太を見に来た女子達は知っている。
2人の真剣な柔道に関する会話。なのに、脳内シチュエーションでは舞台が畳の上からベッドの上に置き換わってしまっている。
完全に前世の中3男子だ。どんな言葉でもエロワードに脳内変換できてしまう、あの状態だ。
梓は、カオルに手を振っていて、勇太とルナのやり取りは耳には入っていない。
勇太は、ルナの隣に座る女の子2人組の視線に気づいた。熱い目をしている。
柔道の話に耳を傾けていると思ってしまった。
「ふむ。彼女達はどこの高校の応援にきたのかな。こんちは~」
「え」「あ、はいはい、なんでしょうか」
「お二人は、どこの応援ですか~」
「あ、え~と、地元なんで私達は東京代表の・・」
「というと、武州工業高校かな」
「そ、そうです」
幸いに、2人の女子は都内の高校の柔道部1年生。今日は単に勇太を見に来たが、まさかで勇太から話しかけられた。
すると柔道の話になり、面白いくらいに話が弾んだ。
初めて男子と普通の会話をした。新鮮だ。
ネットで見た通りに、男子なのに真剣に柔道をやっているなと思った。そして腰が低い。
そのうちに茶薔薇学園は楽々と2回戦突破。
「話に付き合ってもらってごめんね~。カオル達のとこに行こうか、ルナ」
「だね。お二人ともありがとう。ほら、梓も行こうよ」
「うん」
勇太は別れ際に手作りクッキーを渡した。
「あ、ありがどうごさいます」
「このクッキー、大事にします」
「あはは、早めに食べちゃってよ」
遠巻きに見ていた女子達は、思い切って近くにいるべきだったと後悔している。
やはり東京に来ても、この世界にはめったにない、男子の優しさを振り撒く勇太だった。
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