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205 この世界の普通の女の子◆買い物からの
吉田真子が誕生日に自分の歌を作ってもらって感無量だ。
勇太の前世のハッピバースデーを歌っただけだが、当然、この世界にはなかった。
ケーキを前にして祈ることはあっても、歌うことはないそうだ。少なくともパラレル日本では。
自分のために作ってくれたと思った真子は喜んだ。
ルナ、梓、カオルの3人には、いまだ及ばない。だけど勇太が自分に歩み寄る努力をしてくれると感じた。
「委員長、そろそろ出ようか」
「はい」
真子はルナに厳命されている。勇太が何をしてくれても、遠慮とかして余計な時間を使うなと。
希少な男子とは思えない尽くし方をしてくれるけど、ただ幸せを感じろと。
20分、勇太と手を繋いで歩いた。
視線は痛い。スマホも向けられている。同性からのヘイトを感じると、すぐに勇太がかばってくれる。
肩を抱かれて、そのたびに意識がとぷ。
原礼留駅を過ぎて、大きなデパートの陰にあるお店に入った。
勇太はルナと梓の誕生日にもアクセサリーを送っている。
今回も何か身に付けるものを贈ろうと思った。
「委員長ごめん。プレゼントを用意できてなかったから、この中から気に入ったものを探そう」
「あ、は、はい」
真子自身、おしゃれとは無縁。長女として、たくさんの妹の面倒を見る生活で培った家事スキルは高い。
勇太と急接近してから、応援してくれる妹達にファンデーションは塗られているがアクセサリーなど持っていない。
勇太には素直になれる。
「私、詳しくない。勇太君が選んでくれるものなら・・」
「うん、一緒に探そう。誕生石なんて、どうだろう」
「えと・・、すごい楽しみ」
真子の頬が緩んだ。
この世界の、12月の誕生石はダイヤモンド。勇太はいくつかの品物とにらめっこして、その一種類を選んだ。
その頃には店内外に女の子が増えている。
再び、真子の緊張マックス。
店員さんに聞かれた。
「彼氏さん、ネックレスのチェーンの長さが、色々とありますよ。合わせてみてあげては?」
気が利かない勇太に、店員さんからのアシスト?だ。
「はい、それじゃ、ここで」
勇太は真子の返事も聞かずに、椅子に座らせて後ろに回った。
「じっとしてて、委員長」
勇太の声がダイレクトに耳に響き、慣れていない勇太が自分の首に手を回すけど指が首に当たる。
最初は短いチェーン。ギリギリ届くが、うまく付けられない。勇太の指が真子の首を這い続ける。
「ごめん、もうちょっとだから」
ざわざわしている。
「あれ?委員長、こことこれをくっ付けるんだよね。見て」
夢中になった勇太が、後ろから真子の首に手を回して、ネックレスの継ぎ目を見せてくる。
真子が後ろから抱き締められて、右耳に勇太の唇が当たりそうになっている。
首筋を愛撫されながら右耳を甘噛みされている感じ。同性からの羨望の眼差し。そして向けられるスマホ。
顔が燃えるように熱い。
「はう・・」
はっきり言おう。真子は昇天してしまった。
顔は真っ赤、下はびしょびしょ。これ、な~んだ?
本日、何度目かとなる気絶状態。
『あの顔・・』
『気絶だよね』
『婚約者なのにウブすぎだよね・・』
見ているギャラリーも驚いている。
後ろに倒れてきたけれど、勇太がしっかりキャッチ。
ようやく買い物が終わった。
気を取り戻した真子は、満面の笑顔だ。
「ありがとう勇太君。私、嬉しすぎです」
やっと、にっこりと微笑むことができた真子。
午後7時半。
「さ~て、あとは晩御飯だね」
「ああ、それなんですが・・」
これだけでも十分に勇太を堪能できた真子。
「勇太君のファミリーとして周りに認めてもらえたし、その初誕生日はみんなでお祝いしてもらいたいな・・なんて」
ファミリーのグループにLIMEにチャットすると、みんな近くにいた。
真子が嘉菜と最初にご飯を食べたメキシカンレストランに行きたいと言った。
それをLIMEに放り込むと、みんな来ると返事が来た。
嘉菜、ルナ、カオル&梓は当たり前。
風花のお見舞いから帰ってきた純子&麗子も合流する。
なぜか、まだ勇太の嫁枠ではない長谷川三姉妹も参加だ。
キヨミ『乱入』
チャットでも口数が少ないキヨミだ。
◆
勇太と真子で、先にお店に入った。サルサソースたっぷりのタコスをつまんでいる。
真子は、ほんの数時間だけど、メンタル的には怒涛の誕生日だったと思い返している。
にへへ、と頬を緩めながら、勇太が辛いタコスを口に入れるところを見ている。
勇太は暖房が効いた店内で薄いシャツにボタン2個明け。
そして勇太が、真子の左肩が触れあうくらいの距離で座っている。
「これ辛い!」
「え?」
勇太が唇を尖らせている。
「俺の唇、腫れてない?」
「どれど・・れ・・」
魔が差した。いや、嫁枠だから問題ない。思考の乱流。
ちゅっ。真子も唇を尖らせると、柔らかなものが触れた。
「あっ・・ははは」勇太が笑ってくれた。
真子はタコスを食べてない。なのにサルサソースが唇に付いていて、ジンジンしている。
頬が熱い。唇も熱い。
店内にいる女の人達が、ほ~う、と言っている。
勇太と自分の唇が触れ合った。大胆になれた。
ジンジンする。
自分からしたくせに、真子は意識を手放した。
ファミリーのみんながお店に来たときの真子は、だらしない顔で気絶していた。
真子はスーパーマーケットでサルサソースを見るだけで、しばらくは悶えることになる。
勇太の前世のハッピバースデーを歌っただけだが、当然、この世界にはなかった。
ケーキを前にして祈ることはあっても、歌うことはないそうだ。少なくともパラレル日本では。
自分のために作ってくれたと思った真子は喜んだ。
ルナ、梓、カオルの3人には、いまだ及ばない。だけど勇太が自分に歩み寄る努力をしてくれると感じた。
「委員長、そろそろ出ようか」
「はい」
真子はルナに厳命されている。勇太が何をしてくれても、遠慮とかして余計な時間を使うなと。
希少な男子とは思えない尽くし方をしてくれるけど、ただ幸せを感じろと。
20分、勇太と手を繋いで歩いた。
視線は痛い。スマホも向けられている。同性からのヘイトを感じると、すぐに勇太がかばってくれる。
肩を抱かれて、そのたびに意識がとぷ。
原礼留駅を過ぎて、大きなデパートの陰にあるお店に入った。
勇太はルナと梓の誕生日にもアクセサリーを送っている。
今回も何か身に付けるものを贈ろうと思った。
「委員長ごめん。プレゼントを用意できてなかったから、この中から気に入ったものを探そう」
「あ、は、はい」
真子自身、おしゃれとは無縁。長女として、たくさんの妹の面倒を見る生活で培った家事スキルは高い。
勇太と急接近してから、応援してくれる妹達にファンデーションは塗られているがアクセサリーなど持っていない。
勇太には素直になれる。
「私、詳しくない。勇太君が選んでくれるものなら・・」
「うん、一緒に探そう。誕生石なんて、どうだろう」
「えと・・、すごい楽しみ」
真子の頬が緩んだ。
この世界の、12月の誕生石はダイヤモンド。勇太はいくつかの品物とにらめっこして、その一種類を選んだ。
その頃には店内外に女の子が増えている。
再び、真子の緊張マックス。
店員さんに聞かれた。
「彼氏さん、ネックレスのチェーンの長さが、色々とありますよ。合わせてみてあげては?」
気が利かない勇太に、店員さんからのアシスト?だ。
「はい、それじゃ、ここで」
勇太は真子の返事も聞かずに、椅子に座らせて後ろに回った。
「じっとしてて、委員長」
勇太の声がダイレクトに耳に響き、慣れていない勇太が自分の首に手を回すけど指が首に当たる。
最初は短いチェーン。ギリギリ届くが、うまく付けられない。勇太の指が真子の首を這い続ける。
「ごめん、もうちょっとだから」
ざわざわしている。
「あれ?委員長、こことこれをくっ付けるんだよね。見て」
夢中になった勇太が、後ろから真子の首に手を回して、ネックレスの継ぎ目を見せてくる。
真子が後ろから抱き締められて、右耳に勇太の唇が当たりそうになっている。
首筋を愛撫されながら右耳を甘噛みされている感じ。同性からの羨望の眼差し。そして向けられるスマホ。
顔が燃えるように熱い。
「はう・・」
はっきり言おう。真子は昇天してしまった。
顔は真っ赤、下はびしょびしょ。これ、な~んだ?
本日、何度目かとなる気絶状態。
『あの顔・・』
『気絶だよね』
『婚約者なのにウブすぎだよね・・』
見ているギャラリーも驚いている。
後ろに倒れてきたけれど、勇太がしっかりキャッチ。
ようやく買い物が終わった。
気を取り戻した真子は、満面の笑顔だ。
「ありがとう勇太君。私、嬉しすぎです」
やっと、にっこりと微笑むことができた真子。
午後7時半。
「さ~て、あとは晩御飯だね」
「ああ、それなんですが・・」
これだけでも十分に勇太を堪能できた真子。
「勇太君のファミリーとして周りに認めてもらえたし、その初誕生日はみんなでお祝いしてもらいたいな・・なんて」
ファミリーのグループにLIMEにチャットすると、みんな近くにいた。
真子が嘉菜と最初にご飯を食べたメキシカンレストランに行きたいと言った。
それをLIMEに放り込むと、みんな来ると返事が来た。
嘉菜、ルナ、カオル&梓は当たり前。
風花のお見舞いから帰ってきた純子&麗子も合流する。
なぜか、まだ勇太の嫁枠ではない長谷川三姉妹も参加だ。
キヨミ『乱入』
チャットでも口数が少ないキヨミだ。
◆
勇太と真子で、先にお店に入った。サルサソースたっぷりのタコスをつまんでいる。
真子は、ほんの数時間だけど、メンタル的には怒涛の誕生日だったと思い返している。
にへへ、と頬を緩めながら、勇太が辛いタコスを口に入れるところを見ている。
勇太は暖房が効いた店内で薄いシャツにボタン2個明け。
そして勇太が、真子の左肩が触れあうくらいの距離で座っている。
「これ辛い!」
「え?」
勇太が唇を尖らせている。
「俺の唇、腫れてない?」
「どれど・・れ・・」
魔が差した。いや、嫁枠だから問題ない。思考の乱流。
ちゅっ。真子も唇を尖らせると、柔らかなものが触れた。
「あっ・・ははは」勇太が笑ってくれた。
真子はタコスを食べてない。なのにサルサソースが唇に付いていて、ジンジンしている。
頬が熱い。唇も熱い。
店内にいる女の人達が、ほ~う、と言っている。
勇太と自分の唇が触れ合った。大胆になれた。
ジンジンする。
自分からしたくせに、真子は意識を手放した。
ファミリーのみんながお店に来たときの真子は、だらしない顔で気絶していた。
真子はスーパーマーケットでサルサソースを見るだけで、しばらくは悶えることになる。
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