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234 前回の続き◇純子&ヤマモトタロウ◇
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◇勇太前世の純子◇
なんとなく私と山元太朗さん・・タロウ君との交流は続いた。意外に波長とタイミングが合った。
そして地元が近くて、高校の時の話しとか聞いた。
LIMEしたり、喫茶店に出向いたり。話がしたいときは、軽くファーストフードとか。
仕事上、節制大事だから軽くね。
私は夏のオフの日、タロウ君のバイト先の喫茶店に入ると、何度か会った人懐こい女の人がいた。安奈さんだ。
店は他にお客さんがいなかった。私は促されて安奈さんと同じテーブルに座った。
「いらっしゃいませ~」
「営業スマイルありがと~」
再び安奈さんに話しかけられている。
「たろうちゃん、隅田川の花火、私達と見に行く?」
「ごめ~ん安奈、その日って、ここでバイトなんだ」
「ええ~残念」
「ここのバイト、お相手がいないの俺だけなんよ」
「あんた、残念すぎ」
安奈さんが、ちらっと私の方を見た。ここに来ると彼女との遭遇率が高い。
こっちもコミュ力上げてなんぼのとこあるし、話はするようになった。
「純子さんって彼女かと思ったよ」
「純子ちゃんは同郷なんだ。この3か月の知り合いだけど、色気がある話しはしてないな・・」
私達は、ガチに恋愛に繋がる話はしていない。
けれどお互いに、地元の話も何か隠している。
私は勇太ことを言えない。ルナさんのことも。
彼はふたりの幼馴染みと一緒に高校を通ったと、最初に言った。
なのに、その話を避けてる感じ。
「ですね~、タロウ君が言う通りですね。4年以上も地元を離れると、懐かしかったするんで、ついここに足を運んじゃうんです」
「ふ~ん、そんなもんなんだ」
この安奈さん、話がうまくて色んなことを喋ってしまった。
「あ、たろうちゃん、じゃあ純子さんが、幼馴染みふたりを知ってたりしないの?」
一瞬、タロウ君の目から、話題を振るなビームが出てた。
「学年、お互いの出身中学の関係で、俺の同中の知り合い、純子ちゃんは知らないね」
「逆にたろうちゃんは、純子さんの知り合いを何人も知ってるんでしょ」
「ですね。高校がこっちの本当の地元にあるから。伊集院って人とか、タロウ君も知ってましたね」
「ああ、名前もすごいけど北欧の血が混じってて、すごいハンサムだったんでしょ」
「そうでしたね・・」
「そういや~」
タロウ君が何か思い出した。
「高1のとき、伊集院君には同じクラスに男と女の友人がいたんだ。俺は違うクラスだったけど、そのふたりが有名だった」
胸がドクンと鳴った。
「え、なになに。そっちも美男美女だったの?」
「いや、どっちもフツメンだったけど、そっちがカップルだったんだよ」
「え、三角関係?」
「違うよ。そんな俗っぽくない話」
「??」
「フツメン彼氏の方が大変な病気になっちゃったんだ」
「え、それって可哀そう。あ、ごめん、茶化していい話じゃなかったね」
「まあまあ、話を振ったこっちも悪いから。彼氏は別れようって言ったらしいけど、彼女は断ったったんだって」
「それで、それからどうしたの」
「ずっと彼女の方が、献身的に支えてた。俺も見たことがある。ゆっくり歩く彼氏の背中に手をあてて、彼女の方がずっと話かけてた」
タロウ君は、第三者から見た勇太とルナさんのことを話している。すごく好意的だ。
学校に通えるギリギリまで頑張ってた勇太。それを支えてたルナさん。
「確か、坂元君と花木さんだったかな。冬のベンチに座った2人を見たら、すごく神聖というか空気が違ってた」
勇太が回復せず、やがて学校をやめたことは知っていた。噂では病気を治すことに専念、となってたらしい。
タロウ君は、大学で東京に出てきて、卒業後のことは知らない。
「知り合いじゃないけど、あの彼女さんのためにも、彼氏君の病気が改善してたらいいなって思うよ・・」
タロウ君はいい人なんだろう。疎遠になった人のことも、元気でいたらいいな、とよく言っている。
だからあの日、私を放っておけなかったんだろう。
「ありがと・・」
「え・・純子さん?」
「純子ちゃん、どうしたの」
「そのふたり、勇太も・・ルナさんも、そんな風に言ってもらって嬉しいと思う。ここで・・タロウ君に会えて良かった」
なんで、こんなこと言ったのかな。受け流せば良かった。安奈さんもいるのに・・
驚いた顔して、タロウ君が私を見ている。
そうか私は、タロウ君に感謝してるんだ。
勇太が空に帰った日、たろう君のコーヒーに癒やされた。本人にその気はなくても助けられた。
私の視界が涙でぼやけた。
嗚咽が出そうで、それ以上はしゃべれなかった。
お金を置いて店を出た。
少し歩いた。前に見つけた公園の近く。人も少ない。
「純子ちゃん」
「あれ・・」
バイト中なのに、タロウ君が追いかけてきた。
「バイトは?」
「安奈に任せてきた。あいつ、前にあそこでバイトしてたから、1時間くらい代わってくれるって」
「え、悪いよ」
「純子ちゃんのこと気にしてた。あいつ、余計なこと言ってたら、今度会ったときに謝りたいって」
「・・安奈さんは悪くないし、タロウ君も問題ないよ」
「けど、涙が・・」
タロウ君は悪くない。けれど、黙っていたら気にさせてしまう。
「さっき話題に出た、勇太・・坂元勇太は私の幼馴染み。花木ルナさんとも親しかった」
あっ、て顔しているタロウ君。
「理由は聞かないでくれたけど・・5月に、喫茶店の前で私、泣いてたでしょ」
「・・うん」
タロウ君は、真っ直ぐ私を見ていてくれる。
「あの日、勇太が空に帰ったの・・。私が大好きだった勇太が・・」
胸に秘めたままだった想いまで、なぜか、タロウ君に打ち明けてしまった。
なんとなく私と山元太朗さん・・タロウ君との交流は続いた。意外に波長とタイミングが合った。
そして地元が近くて、高校の時の話しとか聞いた。
LIMEしたり、喫茶店に出向いたり。話がしたいときは、軽くファーストフードとか。
仕事上、節制大事だから軽くね。
私は夏のオフの日、タロウ君のバイト先の喫茶店に入ると、何度か会った人懐こい女の人がいた。安奈さんだ。
店は他にお客さんがいなかった。私は促されて安奈さんと同じテーブルに座った。
「いらっしゃいませ~」
「営業スマイルありがと~」
再び安奈さんに話しかけられている。
「たろうちゃん、隅田川の花火、私達と見に行く?」
「ごめ~ん安奈、その日って、ここでバイトなんだ」
「ええ~残念」
「ここのバイト、お相手がいないの俺だけなんよ」
「あんた、残念すぎ」
安奈さんが、ちらっと私の方を見た。ここに来ると彼女との遭遇率が高い。
こっちもコミュ力上げてなんぼのとこあるし、話はするようになった。
「純子さんって彼女かと思ったよ」
「純子ちゃんは同郷なんだ。この3か月の知り合いだけど、色気がある話しはしてないな・・」
私達は、ガチに恋愛に繋がる話はしていない。
けれどお互いに、地元の話も何か隠している。
私は勇太ことを言えない。ルナさんのことも。
彼はふたりの幼馴染みと一緒に高校を通ったと、最初に言った。
なのに、その話を避けてる感じ。
「ですね~、タロウ君が言う通りですね。4年以上も地元を離れると、懐かしかったするんで、ついここに足を運んじゃうんです」
「ふ~ん、そんなもんなんだ」
この安奈さん、話がうまくて色んなことを喋ってしまった。
「あ、たろうちゃん、じゃあ純子さんが、幼馴染みふたりを知ってたりしないの?」
一瞬、タロウ君の目から、話題を振るなビームが出てた。
「学年、お互いの出身中学の関係で、俺の同中の知り合い、純子ちゃんは知らないね」
「逆にたろうちゃんは、純子さんの知り合いを何人も知ってるんでしょ」
「ですね。高校がこっちの本当の地元にあるから。伊集院って人とか、タロウ君も知ってましたね」
「ああ、名前もすごいけど北欧の血が混じってて、すごいハンサムだったんでしょ」
「そうでしたね・・」
「そういや~」
タロウ君が何か思い出した。
「高1のとき、伊集院君には同じクラスに男と女の友人がいたんだ。俺は違うクラスだったけど、そのふたりが有名だった」
胸がドクンと鳴った。
「え、なになに。そっちも美男美女だったの?」
「いや、どっちもフツメンだったけど、そっちがカップルだったんだよ」
「え、三角関係?」
「違うよ。そんな俗っぽくない話」
「??」
「フツメン彼氏の方が大変な病気になっちゃったんだ」
「え、それって可哀そう。あ、ごめん、茶化していい話じゃなかったね」
「まあまあ、話を振ったこっちも悪いから。彼氏は別れようって言ったらしいけど、彼女は断ったったんだって」
「それで、それからどうしたの」
「ずっと彼女の方が、献身的に支えてた。俺も見たことがある。ゆっくり歩く彼氏の背中に手をあてて、彼女の方がずっと話かけてた」
タロウ君は、第三者から見た勇太とルナさんのことを話している。すごく好意的だ。
学校に通えるギリギリまで頑張ってた勇太。それを支えてたルナさん。
「確か、坂元君と花木さんだったかな。冬のベンチに座った2人を見たら、すごく神聖というか空気が違ってた」
勇太が回復せず、やがて学校をやめたことは知っていた。噂では病気を治すことに専念、となってたらしい。
タロウ君は、大学で東京に出てきて、卒業後のことは知らない。
「知り合いじゃないけど、あの彼女さんのためにも、彼氏君の病気が改善してたらいいなって思うよ・・」
タロウ君はいい人なんだろう。疎遠になった人のことも、元気でいたらいいな、とよく言っている。
だからあの日、私を放っておけなかったんだろう。
「ありがと・・」
「え・・純子さん?」
「純子ちゃん、どうしたの」
「そのふたり、勇太も・・ルナさんも、そんな風に言ってもらって嬉しいと思う。ここで・・タロウ君に会えて良かった」
なんで、こんなこと言ったのかな。受け流せば良かった。安奈さんもいるのに・・
驚いた顔して、タロウ君が私を見ている。
そうか私は、タロウ君に感謝してるんだ。
勇太が空に帰った日、たろう君のコーヒーに癒やされた。本人にその気はなくても助けられた。
私の視界が涙でぼやけた。
嗚咽が出そうで、それ以上はしゃべれなかった。
お金を置いて店を出た。
少し歩いた。前に見つけた公園の近く。人も少ない。
「純子ちゃん」
「あれ・・」
バイト中なのに、タロウ君が追いかけてきた。
「バイトは?」
「安奈に任せてきた。あいつ、前にあそこでバイトしてたから、1時間くらい代わってくれるって」
「え、悪いよ」
「純子ちゃんのこと気にしてた。あいつ、余計なこと言ってたら、今度会ったときに謝りたいって」
「・・安奈さんは悪くないし、タロウ君も問題ないよ」
「けど、涙が・・」
タロウ君は悪くない。けれど、黙っていたら気にさせてしまう。
「さっき話題に出た、勇太・・坂元勇太は私の幼馴染み。花木ルナさんとも親しかった」
あっ、て顔しているタロウ君。
「理由は聞かないでくれたけど・・5月に、喫茶店の前で私、泣いてたでしょ」
「・・うん」
タロウ君は、真っ直ぐ私を見ていてくれる。
「あの日、勇太が空に帰ったの・・。私が大好きだった勇太が・・」
胸に秘めたままだった想いまで、なぜか、タロウ君に打ち明けてしまった。
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