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260 3学期のスタート
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パラレル令和7年の1月7日。火曜日。
転生勇太の高校2年生、3学期が始まる。
今日はルナ、吉田真子と登校だ。
梓はカオルにお弁当を持っていった。18、19日には柔道冬の選手権、県予選が行われる。
パラ高柔道部に勇太とルナがいるのに、柔道の応援はカオル優先なのだ。
「ファミリーとして見れば、カオルのサポートは大事だもんね、勇太」
「ははは。そういうこと」
「ところで勇太君、柔道アイドルの不知火さん、パラレル体育大学に進学するためにパラレル市に引っ越して来るんだね」
「そうなんだよ委員長。挨拶に来てくれたけど、一緒に花京院夏樹まで連れてきたからね」
「不知火さんが花京院君を助けたって、不思議な縁だよね」
勇太から、夏樹の方が希少な男子なのに、不知火の方が最終的に執着されていたと伝えてある。
夏樹は中3の新学期が始まったけど、3学期は月曜日の週一登校。
今日は火曜日だから地元に帰らず、まだ伊集院君のところにいるそうだ。
勇太は男が女を守って当然の、前世感覚で夏樹に怒った。女のマイコに戦わせて怪我まで負わせたから。
けれど、こっちの世界の男子は最悪なやつになると、逃げるやつもいるそうだ。
梓、ルナ、真子に聞いても、夏樹の態度は男子にしてはいい方だったそうだ。
夏樹からLIMEがあった。勇太が今日の夕方にリーフカフェに入るなら、来たいそうだ。
『きつい言い方して悪かった』くらいは、勇太から言おうと思っている。
正直にいえば、夏樹にはゲンジのときのように興味が沸かない。
今日は始業式だけ。
部活は本来なら休みだけど、茶薔薇学園に稽古に行く。
ルナ部長はじめ、部員10人全員だ。
真子は嘉菜のとこに行く。嘉菜は来年からアメリカ留学。1年後に真子が合流するけど、その間は離ればなれになる。
◆
始業式でも和気あいあいと、クラスメイトと過ごした。
午前11時、茶薔薇学園に出掛けた。
「おう、勇太、ルナ」
「おうカオル、朝のランニングぶりだな」
「カオル、2日ぶり」
すでに茶薔薇の練習は始まっていて、その中に熱心に練習している人がいた。
「あ、昨日は悪かったね、勇太君」
不知火マイコだ。
「こんちは」
すでに連絡はもらっていた。彼女はパラレル体育大学の部員と練習するけど、明日から。
今日はカオル、ハラダヨシノの来年のインターハイ候補に、山田ツバキもいる。
頼み込んで練習に来たのだ。頭に包帯は巻いているが、動きには問題ない。
茶薔薇側としても、冬の選手権前に強烈な練習相手が来てくれるのは歓迎。
勇太らも練習に加わり、いい汗を流した。
「勇太君、さっきのは技に入るのが早すぎる。ツバキ部長を相手に通じないよ」
「なるほど、ありがとうございます」
「ルナ君、キミはね・・」
真剣王子様モードに入った不知火マイコは、アドバイスも的確だ。
しかし・・
「いきますよ、不知火さん!」
「え、え、ゆ、ゆ、勇太くん・・」
マイコの男子免疫自体は少ない。
勇太から希望されて組んだが、至近距離に入ったとたんに腰が落ちた。
今日も簡単に押さえ込まれた。
「ふぎゅるるる」
「大丈夫ですか、不知火さん」
「大丈夫だ。だけど、もったいないけど、勇太君と抱き合いたいけど、今の私では勇太君と乱取りすると、まともになれない」
マイコの顔が真っ赤だ。そして本音がモロだ。
「本当にもったいないけど、世界の頂点に立つまでは勇太君とのスキンシップは封印だね」
「・・」インターハイに続いて、マイコが思い込みモードに入っている。
「そうだな・・。2月の世界柔道で日本人3人の中で一番いい成績を取れたら、頬ふにふにをお願いしたい」
インターハイ優勝のときは、御褒美がハグだった。今回は世界の舞台で好成績を残して頬ふにふに。
目標ハードルが高くて、見返りがショボい。
きのう花京院夏樹を助けたときも、怪我をしてスマホも壊れた。だけど、名前も告げずに去ろうとしている。
勇太は変なマイコしか知らなかったけど、本当のマイコは欲がない求道者かと上方修正し始めている。
みんながぐったりするまで練習した。
希望者は勇太とリーフカフェに行くことになった。
茶薔薇の主力は顧問との打ち合わせでカオル離脱。パラ高部員も半分くらいは家の用事で帰った。
マイコも来た。
「勇太君、ルナさん、来年から、息抜きにカフェに寄らせてもらっていいかな」
「どうぞ大歓迎ですよ」
「そう言ってもらえると嬉しいね」
カフェに到着すると、アイツがいた。そして、何人かのお客さんに囲まれていた。
「勇太さん、あ、マイコさ~ん」
きのう不知火マイコに助けられた美少年・花京院夏樹が護衛ひとりを伴ってカフェに来ていた。
勇太は夏樹が来るというLIMEをもらっていて忘れていた。
夏樹が他の女性達の間を縫って、マイコの前に立った。そして熱い目をしている。
「マイコさん、昨日はありがとうございました」
「・・」
ルナは思った。夏樹とは初対面だから、何のフィルターもない。
「・・あれ?あの男の子、不知火さんのこと好きなんじゃないかな」
転生勇太の高校2年生、3学期が始まる。
今日はルナ、吉田真子と登校だ。
梓はカオルにお弁当を持っていった。18、19日には柔道冬の選手権、県予選が行われる。
パラ高柔道部に勇太とルナがいるのに、柔道の応援はカオル優先なのだ。
「ファミリーとして見れば、カオルのサポートは大事だもんね、勇太」
「ははは。そういうこと」
「ところで勇太君、柔道アイドルの不知火さん、パラレル体育大学に進学するためにパラレル市に引っ越して来るんだね」
「そうなんだよ委員長。挨拶に来てくれたけど、一緒に花京院夏樹まで連れてきたからね」
「不知火さんが花京院君を助けたって、不思議な縁だよね」
勇太から、夏樹の方が希少な男子なのに、不知火の方が最終的に執着されていたと伝えてある。
夏樹は中3の新学期が始まったけど、3学期は月曜日の週一登校。
今日は火曜日だから地元に帰らず、まだ伊集院君のところにいるそうだ。
勇太は男が女を守って当然の、前世感覚で夏樹に怒った。女のマイコに戦わせて怪我まで負わせたから。
けれど、こっちの世界の男子は最悪なやつになると、逃げるやつもいるそうだ。
梓、ルナ、真子に聞いても、夏樹の態度は男子にしてはいい方だったそうだ。
夏樹からLIMEがあった。勇太が今日の夕方にリーフカフェに入るなら、来たいそうだ。
『きつい言い方して悪かった』くらいは、勇太から言おうと思っている。
正直にいえば、夏樹にはゲンジのときのように興味が沸かない。
今日は始業式だけ。
部活は本来なら休みだけど、茶薔薇学園に稽古に行く。
ルナ部長はじめ、部員10人全員だ。
真子は嘉菜のとこに行く。嘉菜は来年からアメリカ留学。1年後に真子が合流するけど、その間は離ればなれになる。
◆
始業式でも和気あいあいと、クラスメイトと過ごした。
午前11時、茶薔薇学園に出掛けた。
「おう、勇太、ルナ」
「おうカオル、朝のランニングぶりだな」
「カオル、2日ぶり」
すでに茶薔薇の練習は始まっていて、その中に熱心に練習している人がいた。
「あ、昨日は悪かったね、勇太君」
不知火マイコだ。
「こんちは」
すでに連絡はもらっていた。彼女はパラレル体育大学の部員と練習するけど、明日から。
今日はカオル、ハラダヨシノの来年のインターハイ候補に、山田ツバキもいる。
頼み込んで練習に来たのだ。頭に包帯は巻いているが、動きには問題ない。
茶薔薇側としても、冬の選手権前に強烈な練習相手が来てくれるのは歓迎。
勇太らも練習に加わり、いい汗を流した。
「勇太君、さっきのは技に入るのが早すぎる。ツバキ部長を相手に通じないよ」
「なるほど、ありがとうございます」
「ルナ君、キミはね・・」
真剣王子様モードに入った不知火マイコは、アドバイスも的確だ。
しかし・・
「いきますよ、不知火さん!」
「え、え、ゆ、ゆ、勇太くん・・」
マイコの男子免疫自体は少ない。
勇太から希望されて組んだが、至近距離に入ったとたんに腰が落ちた。
今日も簡単に押さえ込まれた。
「ふぎゅるるる」
「大丈夫ですか、不知火さん」
「大丈夫だ。だけど、もったいないけど、勇太君と抱き合いたいけど、今の私では勇太君と乱取りすると、まともになれない」
マイコの顔が真っ赤だ。そして本音がモロだ。
「本当にもったいないけど、世界の頂点に立つまでは勇太君とのスキンシップは封印だね」
「・・」インターハイに続いて、マイコが思い込みモードに入っている。
「そうだな・・。2月の世界柔道で日本人3人の中で一番いい成績を取れたら、頬ふにふにをお願いしたい」
インターハイ優勝のときは、御褒美がハグだった。今回は世界の舞台で好成績を残して頬ふにふに。
目標ハードルが高くて、見返りがショボい。
きのう花京院夏樹を助けたときも、怪我をしてスマホも壊れた。だけど、名前も告げずに去ろうとしている。
勇太は変なマイコしか知らなかったけど、本当のマイコは欲がない求道者かと上方修正し始めている。
みんながぐったりするまで練習した。
希望者は勇太とリーフカフェに行くことになった。
茶薔薇の主力は顧問との打ち合わせでカオル離脱。パラ高部員も半分くらいは家の用事で帰った。
マイコも来た。
「勇太君、ルナさん、来年から、息抜きにカフェに寄らせてもらっていいかな」
「どうぞ大歓迎ですよ」
「そう言ってもらえると嬉しいね」
カフェに到着すると、アイツがいた。そして、何人かのお客さんに囲まれていた。
「勇太さん、あ、マイコさ~ん」
きのう不知火マイコに助けられた美少年・花京院夏樹が護衛ひとりを伴ってカフェに来ていた。
勇太は夏樹が来るというLIMEをもらっていて忘れていた。
夏樹が他の女性達の間を縫って、マイコの前に立った。そして熱い目をしている。
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「・・」
ルナは思った。夏樹とは初対面だから、何のフィルターもない。
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