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265 謙虚に、初志貫徹でいきたい勇太
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勇太はルナらと原隣商業高校に柔道の合同練習に来た。
そこで勇太は、中学時代に嫌な思いをさせたと思った女子をみつけた。
勇太はパラレル勇太が迷惑をかけた女の子達に謝って回っていた。
最近は減っていたけど、スタンスは変わっていない。
ただ気分は違う。
最初、パラ高ではパラレル勇太が迷惑をかけた人に謝って回った。そのときは気が重かったけど、今はルナや嫁ズもいてくれる。
「ごめんなさーい。タシロさん、スズキさーん」
見物人の中に突っ込んでいった勇太だ。
かなりの人混みが、波が割れるように左右に分かれた。その中に2人の女子が残された。
タシロサエ、スズキコトリ。パラレル勇太の中3の時のクラスメイトだ。
「あの、中学のころは・・」
「ストーーップ!」
「謝らないで!」
ふたりに大きな声で止められた。
タシロは美形。スズキは大柄で巨乳。パラレル勇太の記憶では、イヤらしい目で見ていた。
陰キャだから口に出したのは少ないけれど、上から目線で気が向いたらセック●してやると言った。失礼なことも考えていた。
タシロには『アイツは美形だから彼女候補にしていい』
スズキには『アイツはおっぱい係にしてやろう』
パラレル勇太は、そんなことを考えていた。勇太は思った。
おっぱい係とは何だと・・
今は嫁ズに加わった吉田真子が根気強く挨拶してくれたのにパラレル勇太は返さなかった。その理由が真子が美人でないからだった。
それと同じくらい失礼だ。久々に恥ずかしさ膝が落ちそうになっている。
目の前にふたりに謝らなくていいと言われた。中3の頃の失礼さを考えると拒絶かと思った。
「すまん、謝る資格もないか・・」
「いや、違うの」
「ん?」
「あんた、やっぱり坂元みたいだけど、すごい人気なんだよね」
「そうそう原隣商業でもすごいよ。だから、頭なんか下げさせたら、私達にヘイトが集まっちゃう」
当たり前だけど前世で人気なんて考えたこともなかった勇太。
知名度が上がった希少男子が、自分の最悪だった昔を知らない女の子の前で、ふたりに頭を下げてマウントを取らせる。
それが悪影響を与えるようだ。勇太のキャパでは難しい問題だ。
「・・じゃあさ、過去のお詫び」
「え」「ええ?」
勇太は、焼いてきたゴブリンクッキー6袋と、リーフカフェの無料飲食券を20枚渡した。
「よかったら今度、リーフカフェにも来てみてよ。ご馳走するからさ」
タシロ、スズキは困惑している。ほぼ2年近く勇太と会っていないが、すごく優しい。
それに昔より痩せて筋肉質だ。真冬なのにシャツの上に薄いジャケット一枚でエロ可愛い。
「あ、ありがとう」
「本当に、カフェに寄らせてもらっていい?」
「うん、過去に迷惑をかけた人には、カフェでご馳走しているから、よければだけど中学のクラスメイトも連れてきてよ」
ふたりはびっくり。周囲はざわついている。
周囲にいる、女子ふたりの知り合いは、最悪男子として勇太の話も聞いたことがある。
だけど実際に、いきなり現れた勇太は愛想が限りなくいいエロカワ男子。
そんな男子と交流ゼロだった中学の同級生の神経が疑われることもあるが、勇太本人の言葉を聞く限り、本当にダメ人間だったようだ。
それはともかく。
「タシロさん、スズキさん、差し支えなければLIMEのID教えてよ」
「は?」「は?」
勇太は、せっかくの縁だしパラレル勇太が迷惑をかけた中学のクラスメイトにはいつか謝りたい。
前世の勇太の常識として。
だけど、ここは男女比1対12の世界。男子の方からLIMEを聞かれるのは50人にひとり。
ふたりは注目を浴びているし、みんなに関係性を聞かれることになる。
だけど当たり前の問題として、どちらも中学生の頃の勇太とは親しくなかった。
顔や胸を変な目で見られていた記憶はあった。希少な男子でも下品と思ったけど実害はなかった。
その程度のことで、わざわざ懺悔されている。
人気のカフェ店員と作詞作曲家を兼ねた勇太から、たくさんのお土産を渡される理由が見当たらない。
ぼそっ。「サエ、中3のクラスメイトが坂元勇太も誘ってみたいって言っていた、アレ・・」
ぼそっ。「コトリ、今なら誘ってみたくない?」
「ふたりとも、どうしたの」
春休みに入ったら、中3のときの同窓会をやろうかと企画しているそうだ。
「う~ん」勇太は思案している。
ふたりは、もう縁が切れた男子に対して、そこまではダメかと思っている。
しかし違った。
「俺は参加希望。だけど俺のこと嫌ってる人もいると思うんだよね。幹事の人達と話して、みんなOKなら改めて誘ってよ」
この世界、男子が打ち上げに参加することが稀。伊集院君と勇太で色々と参加しているが、そちらに驚かれている。
ふたりは、その日のうちに中3のクラスメイトと話して、歓迎の返事をしに行くことになる。
そこで勇太は、中学時代に嫌な思いをさせたと思った女子をみつけた。
勇太はパラレル勇太が迷惑をかけた女の子達に謝って回っていた。
最近は減っていたけど、スタンスは変わっていない。
ただ気分は違う。
最初、パラ高ではパラレル勇太が迷惑をかけた人に謝って回った。そのときは気が重かったけど、今はルナや嫁ズもいてくれる。
「ごめんなさーい。タシロさん、スズキさーん」
見物人の中に突っ込んでいった勇太だ。
かなりの人混みが、波が割れるように左右に分かれた。その中に2人の女子が残された。
タシロサエ、スズキコトリ。パラレル勇太の中3の時のクラスメイトだ。
「あの、中学のころは・・」
「ストーーップ!」
「謝らないで!」
ふたりに大きな声で止められた。
タシロは美形。スズキは大柄で巨乳。パラレル勇太の記憶では、イヤらしい目で見ていた。
陰キャだから口に出したのは少ないけれど、上から目線で気が向いたらセック●してやると言った。失礼なことも考えていた。
タシロには『アイツは美形だから彼女候補にしていい』
スズキには『アイツはおっぱい係にしてやろう』
パラレル勇太は、そんなことを考えていた。勇太は思った。
おっぱい係とは何だと・・
今は嫁ズに加わった吉田真子が根気強く挨拶してくれたのにパラレル勇太は返さなかった。その理由が真子が美人でないからだった。
それと同じくらい失礼だ。久々に恥ずかしさ膝が落ちそうになっている。
目の前にふたりに謝らなくていいと言われた。中3の頃の失礼さを考えると拒絶かと思った。
「すまん、謝る資格もないか・・」
「いや、違うの」
「ん?」
「あんた、やっぱり坂元みたいだけど、すごい人気なんだよね」
「そうそう原隣商業でもすごいよ。だから、頭なんか下げさせたら、私達にヘイトが集まっちゃう」
当たり前だけど前世で人気なんて考えたこともなかった勇太。
知名度が上がった希少男子が、自分の最悪だった昔を知らない女の子の前で、ふたりに頭を下げてマウントを取らせる。
それが悪影響を与えるようだ。勇太のキャパでは難しい問題だ。
「・・じゃあさ、過去のお詫び」
「え」「ええ?」
勇太は、焼いてきたゴブリンクッキー6袋と、リーフカフェの無料飲食券を20枚渡した。
「よかったら今度、リーフカフェにも来てみてよ。ご馳走するからさ」
タシロ、スズキは困惑している。ほぼ2年近く勇太と会っていないが、すごく優しい。
それに昔より痩せて筋肉質だ。真冬なのにシャツの上に薄いジャケット一枚でエロ可愛い。
「あ、ありがとう」
「本当に、カフェに寄らせてもらっていい?」
「うん、過去に迷惑をかけた人には、カフェでご馳走しているから、よければだけど中学のクラスメイトも連れてきてよ」
ふたりはびっくり。周囲はざわついている。
周囲にいる、女子ふたりの知り合いは、最悪男子として勇太の話も聞いたことがある。
だけど実際に、いきなり現れた勇太は愛想が限りなくいいエロカワ男子。
そんな男子と交流ゼロだった中学の同級生の神経が疑われることもあるが、勇太本人の言葉を聞く限り、本当にダメ人間だったようだ。
それはともかく。
「タシロさん、スズキさん、差し支えなければLIMEのID教えてよ」
「は?」「は?」
勇太は、せっかくの縁だしパラレル勇太が迷惑をかけた中学のクラスメイトにはいつか謝りたい。
前世の勇太の常識として。
だけど、ここは男女比1対12の世界。男子の方からLIMEを聞かれるのは50人にひとり。
ふたりは注目を浴びているし、みんなに関係性を聞かれることになる。
だけど当たり前の問題として、どちらも中学生の頃の勇太とは親しくなかった。
顔や胸を変な目で見られていた記憶はあった。希少な男子でも下品と思ったけど実害はなかった。
その程度のことで、わざわざ懺悔されている。
人気のカフェ店員と作詞作曲家を兼ねた勇太から、たくさんのお土産を渡される理由が見当たらない。
ぼそっ。「サエ、中3のクラスメイトが坂元勇太も誘ってみたいって言っていた、アレ・・」
ぼそっ。「コトリ、今なら誘ってみたくない?」
「ふたりとも、どうしたの」
春休みに入ったら、中3のときの同窓会をやろうかと企画しているそうだ。
「う~ん」勇太は思案している。
ふたりは、もう縁が切れた男子に対して、そこまではダメかと思っている。
しかし違った。
「俺は参加希望。だけど俺のこと嫌ってる人もいると思うんだよね。幹事の人達と話して、みんなOKなら改めて誘ってよ」
この世界、男子が打ち上げに参加することが稀。伊集院君と勇太で色々と参加しているが、そちらに驚かれている。
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