モブ顔の俺が男女比1対12のパラレルワールドに転生。またも同じ女の子を好きになりました

とみっしぇる

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282 修羅ハラダVSキューティータマミ

冬の柔道選手権、県予選の3回戦。

パラ高VS茶薔薇学園の先鋒戦は、カオルが勇太を下した。

次は来年度インターハイ69キロ級の優勝候補ハラダヨシノに、パラ高1年のタマミが挑戦する。

「タマミちゃん、お手柔らかにね~」
大きな体をかがめて、自分から挨拶するハラダ。まだ自分の陣営にいる。

しかしタマミは知っている。

この人は二重人格。それも両極端だ。

合同練習のときも練習が終わると、とても優しい尊敬できる先輩である。

だけど、乱取りの相手をしてもらうと、始まった瞬間に修羅となる。

試合のときもたびたび、世紀末覇者のような言動で審判に警告をもらったりする。

新人戦のあとも、連盟の人にお叱りを受けた。カオルとツバキ部長が付き添ったが、泣いて反省したそうだ。


「よろしくね、タマミちゃん」
「・・お、お願いします」

「頑張ってこい、タマミ」
「はいっ!」
勇太がタマミの背中をぱんぱんして、送り出した。

ハラダは「いいな~」と呟いている。まだ空気は柔らかい。


開始線に立った。

「始め!」

「うらああら、ごいやああ!」
「ひえっ」

秒で修羅モードに入り、目が血走ったハラダヨシノがいる。

「ひびってんじゃねえ!」
「いややあ、こんなの」

大柄の体で鬼の形相。腕を広げて上げている。

数秒前までは腰を低くして愛らしいパンダのようだった。今は腹をすかせた白熊のようだ。

「気迫で負けんな、タマミ!」

ぼそっ「はっ。ありがとうございます、勇太先輩」

勇太に励まされ、タマミ腹を決めた。そして手を上げた。

威嚇し返したつもりだか、目の前には本物の肉食獸。対してタマミはマルミ、キヨミとそっくりで黙っていれば美少女。

ハラダは今大会が茶薔薇の中でも大きな意味を持つ。夏のインターハイは3位。次のインターハイでも活躍すればパラ体大の推薦枠は取れそうだ。

ただ、カオルのように次の五輪強化選手へのお墨付きはもらえていない。

だから最低でも全国準決勝、そして個人記録としては無敗。そこが欲しい。

もちろん、仲間とともに全国制覇が夢。

だから気合入りまくりのハラダは、恐ろしい形相だ。マルミとの身長差は20センチ。体重差は15キロ近い。

同じポーズだけど、タマミの格好がキュートに映る。

「あれ、あの子、威嚇し返してるけど可愛い」
「勇太君の嫁候補だよね」

間門嘉菜と同じく、女の子から称賛の声が上がっている。

しかし勝負は無情だ。

いきなりつかまって、ハラダが投げて技あり。

そして開始2分、タマミは起死回生のともえ投げをしようとした。

けれど、ハラダは踏ん張った。

「おらああ!」引っこ抜くようにハラダがタマミを持ち上げた。

「うがあああああ!」
バーンと投げられたタマミは、ギリギリで受け身を取った。

「1本!」


「あああ、怖かったあああ」
「ごめんなさいね、タマミちゃん。興奮しすぎちゃった」

ハラダは新人戦の個人戦では、勇太に勝った直後に乱暴な言葉を吐いた。関係者に怒られた。

そしてネット上でも茶薔薇学園内でも炎上した。

だから訓練して、修羅モードから早く立ち直れるようになった。だけど十分に怖い。タマミへの恐怖感を植え付けてしまった。

開始線に戻って礼をすると、一目散にパラ高陣営に帰ったタマミ。

最初に、一番近くにいたルナに抱きついた。

勇太に抱き締めてもらおうという、あざとい考えも思い浮かばない。

「うえええん」

「大丈夫だよタマミ、あれは猛獣に見えるけどハラダさんだよ」
相変わらず、ストレートすぎて辛辣なルナだ。

「そうだぞ、普段は優しいだろ」
「おーよしよしよし」

保護者っぽくなった勇太とルナだった。

勇太は袖を引っ張られた。

次はキヨミの番だ。相手は茶薔薇の次期エース候補とはいえ、同じ1年生。

そしてパラ高は0勝2敗。もうあとがない。

「崖っぷち」
「すまんなキヨミ」

「任せる」

勇太はキヨミをグータッチして送り出した。
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