282 / 353
282 修羅ハラダVSキューティータマミ
冬の柔道選手権、県予選の3回戦。
パラ高VS茶薔薇学園の先鋒戦は、カオルが勇太を下した。
次は来年度インターハイ69キロ級の優勝候補ハラダヨシノに、パラ高1年のタマミが挑戦する。
「タマミちゃん、お手柔らかにね~」
大きな体をかがめて、自分から挨拶するハラダ。まだ自分の陣営にいる。
しかしタマミは知っている。
この人は二重人格。それも両極端だ。
合同練習のときも練習が終わると、とても優しい尊敬できる先輩である。
だけど、乱取りの相手をしてもらうと、始まった瞬間に修羅となる。
試合のときもたびたび、世紀末覇者のような言動で審判に警告をもらったりする。
新人戦のあとも、連盟の人にお叱りを受けた。カオルとツバキ部長が付き添ったが、泣いて反省したそうだ。
「よろしくね、タマミちゃん」
「・・お、お願いします」
「頑張ってこい、タマミ」
「はいっ!」
勇太がタマミの背中をぱんぱんして、送り出した。
ハラダは「いいな~」と呟いている。まだ空気は柔らかい。
開始線に立った。
「始め!」
「うらああら、ごいやああ!」
「ひえっ」
秒で修羅モードに入り、目が血走ったハラダヨシノがいる。
「ひびってんじゃねえ!」
「いややあ、こんなの」
大柄の体で鬼の形相。腕を広げて上げている。
数秒前までは腰を低くして愛らしいパンダのようだった。今は腹をすかせた白熊のようだ。
「気迫で負けんな、タマミ!」
ぼそっ「はっ。ありがとうございます、勇太先輩」
勇太に励まされ、タマミ腹を決めた。そして手を上げた。
威嚇し返したつもりだか、目の前には本物の肉食獸。対してタマミはマルミ、キヨミとそっくりで黙っていれば美少女。
ハラダは今大会が茶薔薇の中でも大きな意味を持つ。夏のインターハイは3位。次のインターハイでも活躍すればパラ体大の推薦枠は取れそうだ。
ただ、カオルのように次の五輪強化選手へのお墨付きはもらえていない。
だから最低でも全国準決勝、そして個人記録としては無敗。そこが欲しい。
もちろん、仲間とともに全国制覇が夢。
だから気合入りまくりのハラダは、恐ろしい形相だ。マルミとの身長差は20センチ。体重差は15キロ近い。
同じポーズだけど、タマミの格好がキュートに映る。
「あれ、あの子、威嚇し返してるけど可愛い」
「勇太君の嫁候補だよね」
間門嘉菜と同じく、女の子から称賛の声が上がっている。
しかし勝負は無情だ。
いきなりつかまって、ハラダが投げて技あり。
そして開始2分、タマミは起死回生のともえ投げをしようとした。
けれど、ハラダは踏ん張った。
「おらああ!」引っこ抜くようにハラダがタマミを持ち上げた。
「うがあああああ!」
バーンと投げられたタマミは、ギリギリで受け身を取った。
「1本!」
「あああ、怖かったあああ」
「ごめんなさいね、タマミちゃん。興奮しすぎちゃった」
ハラダは新人戦の個人戦では、勇太に勝った直後に乱暴な言葉を吐いた。関係者に怒られた。
そしてネット上でも茶薔薇学園内でも炎上した。
だから訓練して、修羅モードから早く立ち直れるようになった。だけど十分に怖い。タマミへの恐怖感を植え付けてしまった。
開始線に戻って礼をすると、一目散にパラ高陣営に帰ったタマミ。
最初に、一番近くにいたルナに抱きついた。
勇太に抱き締めてもらおうという、あざとい考えも思い浮かばない。
「うえええん」
「大丈夫だよタマミ、あれは猛獣に見えるけどハラダさんだよ」
相変わらず、ストレートすぎて辛辣なルナだ。
「そうだぞ、普段は優しいだろ」
「おーよしよしよし」
保護者っぽくなった勇太とルナだった。
勇太は袖を引っ張られた。
次はキヨミの番だ。相手は茶薔薇の次期エース候補とはいえ、同じ1年生。
そしてパラ高は0勝2敗。もうあとがない。
「崖っぷち」
「すまんなキヨミ」
「任せる」
勇太はキヨミをグータッチして送り出した。
パラ高VS茶薔薇学園の先鋒戦は、カオルが勇太を下した。
次は来年度インターハイ69キロ級の優勝候補ハラダヨシノに、パラ高1年のタマミが挑戦する。
「タマミちゃん、お手柔らかにね~」
大きな体をかがめて、自分から挨拶するハラダ。まだ自分の陣営にいる。
しかしタマミは知っている。
この人は二重人格。それも両極端だ。
合同練習のときも練習が終わると、とても優しい尊敬できる先輩である。
だけど、乱取りの相手をしてもらうと、始まった瞬間に修羅となる。
試合のときもたびたび、世紀末覇者のような言動で審判に警告をもらったりする。
新人戦のあとも、連盟の人にお叱りを受けた。カオルとツバキ部長が付き添ったが、泣いて反省したそうだ。
「よろしくね、タマミちゃん」
「・・お、お願いします」
「頑張ってこい、タマミ」
「はいっ!」
勇太がタマミの背中をぱんぱんして、送り出した。
ハラダは「いいな~」と呟いている。まだ空気は柔らかい。
開始線に立った。
「始め!」
「うらああら、ごいやああ!」
「ひえっ」
秒で修羅モードに入り、目が血走ったハラダヨシノがいる。
「ひびってんじゃねえ!」
「いややあ、こんなの」
大柄の体で鬼の形相。腕を広げて上げている。
数秒前までは腰を低くして愛らしいパンダのようだった。今は腹をすかせた白熊のようだ。
「気迫で負けんな、タマミ!」
ぼそっ「はっ。ありがとうございます、勇太先輩」
勇太に励まされ、タマミ腹を決めた。そして手を上げた。
威嚇し返したつもりだか、目の前には本物の肉食獸。対してタマミはマルミ、キヨミとそっくりで黙っていれば美少女。
ハラダは今大会が茶薔薇の中でも大きな意味を持つ。夏のインターハイは3位。次のインターハイでも活躍すればパラ体大の推薦枠は取れそうだ。
ただ、カオルのように次の五輪強化選手へのお墨付きはもらえていない。
だから最低でも全国準決勝、そして個人記録としては無敗。そこが欲しい。
もちろん、仲間とともに全国制覇が夢。
だから気合入りまくりのハラダは、恐ろしい形相だ。マルミとの身長差は20センチ。体重差は15キロ近い。
同じポーズだけど、タマミの格好がキュートに映る。
「あれ、あの子、威嚇し返してるけど可愛い」
「勇太君の嫁候補だよね」
間門嘉菜と同じく、女の子から称賛の声が上がっている。
しかし勝負は無情だ。
いきなりつかまって、ハラダが投げて技あり。
そして開始2分、タマミは起死回生のともえ投げをしようとした。
けれど、ハラダは踏ん張った。
「おらああ!」引っこ抜くようにハラダがタマミを持ち上げた。
「うがあああああ!」
バーンと投げられたタマミは、ギリギリで受け身を取った。
「1本!」
「あああ、怖かったあああ」
「ごめんなさいね、タマミちゃん。興奮しすぎちゃった」
ハラダは新人戦の個人戦では、勇太に勝った直後に乱暴な言葉を吐いた。関係者に怒られた。
そしてネット上でも茶薔薇学園内でも炎上した。
だから訓練して、修羅モードから早く立ち直れるようになった。だけど十分に怖い。タマミへの恐怖感を植え付けてしまった。
開始線に戻って礼をすると、一目散にパラ高陣営に帰ったタマミ。
最初に、一番近くにいたルナに抱きついた。
勇太に抱き締めてもらおうという、あざとい考えも思い浮かばない。
「うえええん」
「大丈夫だよタマミ、あれは猛獣に見えるけどハラダさんだよ」
相変わらず、ストレートすぎて辛辣なルナだ。
「そうだぞ、普段は優しいだろ」
「おーよしよしよし」
保護者っぽくなった勇太とルナだった。
勇太は袖を引っ張られた。
次はキヨミの番だ。相手は茶薔薇の次期エース候補とはいえ、同じ1年生。
そしてパラ高は0勝2敗。もうあとがない。
「崖っぷち」
「すまんなキヨミ」
「任せる」
勇太はキヨミをグータッチして送り出した。
あなたにおすすめの小説
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。