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72 アオモリ決戦
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いよいよアオモリの街に入った。
魔王軍のドロージョ、ネトールがアオモリ侯爵の正式な妻と養女になる。そして、フランソワの元婚約者がネトールとの婚約式を行う。
それに伴い、フランソワと弟が廃嫡され、ネトールが次期当主に決定する。今からお披露目パーティーが始まる。
それを私達が武力で阻止しにいく。
なんとまあ、単純な流れなんだろう。普通は警備も厳重なはずの貴族相手。それに手続き等も複雑。こんな単純な方法は通じない。
だけど、ここは女神が、全年齢層向けのRPG『勇者と5つのオーブ』のストーリーを中途半端に組み込んだヤマト世界。
政治的に難しい話は絡まない。
その強制力が働いているのか、誰も違和感を指摘しないようだ。ついでに私達も止められることなくアオモリ城に到着した。
私達の攻略方法はゲームとは2点ほど違う。
『勇者5』では勇者一行は街の地下水道から秘密通路を使って、パーティー会場に現れる。そんで画面が切り替わり、いきなり勇者一行4人と、ドロージョ&ネトールの戦いが始まる。
勝ってドロージョの『魅惑のペンダント』を壊せば、みんなが正気に戻る。
恐らくリアルでも、これでイけるだろう。アストリア視聴者も言ってる。
普通に街に入った私達だけど、アストリア視聴者のリクエストは秘密通路からの侵入だった。リアルでも通路は存在する。
けどさ、これ却下!
実際の入り口が街の下水道なのだ。視聴数とスパチャを稼ぐために視聴者のリクエストに応えたいが臭さに負けた。
そしてメインの戦いも、フランソワ&レオンでドロージョ&ネトールで当たってもらう。
リアルは警備兵なんか合わせて200人くらいアオモリ家の兵士がいる。ゲームと違って、私とアリアはアオモリ家の人間をけん制する。
戦闘中は邪魔が入らないゲームのターン制度戦闘ではないんだよ。
クリア後は恐らくゲームもリアルで同じ。大半の兵を許してフランソワの支配下に置く。
だから兵士は極力傷つけず解決する必要がある。
◆◆
アオモリ城に正面から入り、パーティー会場にも正面から入った。
行く手を阻む兵士は、アリアのビリビリで気絶だけさせた。
ちょうど騎士団長の息子カールが、魔族が化けたネトールに指輪をはめようとしているところだった。
「待てカール。その婚約に異議ありだ」
「今さら、何しに来たフランソワ」
「フランソワ、あなたは廃嫡されることが決まってるわよ」
「助っ人を連れてきてるけど、たかが4人。どうにかできるとでも?」
長身美女に化けたドロージョ、ネトールが次々に答えた。
「おい、ヒト族に化けた魔族ども。お前らの相手はフランソワとレオンだ」
「魔族? なにを言いがかりをつけてるの。 銀髪のエセ使徒とハーフエルフで200人のアオモリ侯爵軍の兵士を相手にする気?」
アリアと私は、ホールの真ん中に戦いのステージを作るため、下準備に入った。
「召喚、オユキサン」
『はいよ。手はず通りにいくよ、あるじさま』
「結界魔装からの、結界術」
ドーム状の結界を私が作って、メインイベントで戦う人間と兵士を分断。
オユキサンが、ドーム内にいるフランソワの父親と元婚約者カールを保護というか、端にどけた。
アストリア視聴者
『いよいよだな』
『フランソワ&レオンと魔族のタッグマッチだ』
『アリアちゃんが不参加なのは残念どけど、仕方ないか』
華やかなドレスを身にまとったドロージョが隠し持っていた鞭を振るった。
「前回は鞭を見切れなかったけれど、もう私には通じない」
軽くレイピアで鞭をいなしたフランソワが、ドロージョの懐に入ってレイピアで頬を斬った。
血が出る代わりに、ベロンと皮がむけた。そして変化の術が解けた。
触覚と尻尾が生えたサキュバスだ。ボッキュッボンだ。
「ドロージョ!」
「おっとネトール、お前の相手は俺だ」
レオンがナイフでネトールの額に斬りつけると、ネトールも筋肉ムキムキの雌オーガに変化。正体がバレた。
なぜか、この辺が『勇者5』の流れと一緒だ。
「え、ネトールとドロージョは…」
「まさか」
「いや、しかし」
アオモリ侯爵家側の人間から戸惑いの声が上がる。ドロージョの魅了のペンダントで精神操作されてても、混乱してる。
中でも、フランソワの元婚約者が問題発言だ。
「え、ネトールとヤッたときは、普通の女だったのに…」
アストリア視聴者
『こいつも、やったんかい!』
『「勇者5」って、そんな場面あったか?』
『ないって』
『リアル人物使うと、何が起こるか分からねえな』
『フランソワもレオンとシてるしな』
『こら!』
『www』
私達としてはカオスな状態だけど、戦いの決着は意外と簡単に付いた。
最後はレオンが魔族ふたりの間に斬り込んで、ネトールを持ち上げてからドロージョの方に投げた。
「やれ、フランソワ」
「ありがとうレオン。必殺、ムーンライトベルフラワー」
大ジャンプから、レベル85で覚えた必殺技を披露。
回転しながら、レイピアを振るう。
赤いものが飛び散りまくる。
「無念…もう少しで、アオモリは私達の手中だったのに」
「もっと、可愛い男の子を食べまくりたかった…」
言わずもがなだが、先に発したドロージョの言葉はストーリーと一致。ネトールは、かなり違うらしい。
かくして、アオモリ編のメインイベントは、あっさり終了した。
◇聖女サラチャンネル
登録者数894万人
スパチャ合計1億740万ゴールド
これでアストリア世界の大切な人間に送れた金額は5000万ゴールドを越えた。
同時にアリアにも金を渡すから、私の財布の中身は相変わらず乏しい。
正直、フランソワからの謝礼金を期待してる。
魔王軍のドロージョ、ネトールがアオモリ侯爵の正式な妻と養女になる。そして、フランソワの元婚約者がネトールとの婚約式を行う。
それに伴い、フランソワと弟が廃嫡され、ネトールが次期当主に決定する。今からお披露目パーティーが始まる。
それを私達が武力で阻止しにいく。
なんとまあ、単純な流れなんだろう。普通は警備も厳重なはずの貴族相手。それに手続き等も複雑。こんな単純な方法は通じない。
だけど、ここは女神が、全年齢層向けのRPG『勇者と5つのオーブ』のストーリーを中途半端に組み込んだヤマト世界。
政治的に難しい話は絡まない。
その強制力が働いているのか、誰も違和感を指摘しないようだ。ついでに私達も止められることなくアオモリ城に到着した。
私達の攻略方法はゲームとは2点ほど違う。
『勇者5』では勇者一行は街の地下水道から秘密通路を使って、パーティー会場に現れる。そんで画面が切り替わり、いきなり勇者一行4人と、ドロージョ&ネトールの戦いが始まる。
勝ってドロージョの『魅惑のペンダント』を壊せば、みんなが正気に戻る。
恐らくリアルでも、これでイけるだろう。アストリア視聴者も言ってる。
普通に街に入った私達だけど、アストリア視聴者のリクエストは秘密通路からの侵入だった。リアルでも通路は存在する。
けどさ、これ却下!
実際の入り口が街の下水道なのだ。視聴数とスパチャを稼ぐために視聴者のリクエストに応えたいが臭さに負けた。
そしてメインの戦いも、フランソワ&レオンでドロージョ&ネトールで当たってもらう。
リアルは警備兵なんか合わせて200人くらいアオモリ家の兵士がいる。ゲームと違って、私とアリアはアオモリ家の人間をけん制する。
戦闘中は邪魔が入らないゲームのターン制度戦闘ではないんだよ。
クリア後は恐らくゲームもリアルで同じ。大半の兵を許してフランソワの支配下に置く。
だから兵士は極力傷つけず解決する必要がある。
◆◆
アオモリ城に正面から入り、パーティー会場にも正面から入った。
行く手を阻む兵士は、アリアのビリビリで気絶だけさせた。
ちょうど騎士団長の息子カールが、魔族が化けたネトールに指輪をはめようとしているところだった。
「待てカール。その婚約に異議ありだ」
「今さら、何しに来たフランソワ」
「フランソワ、あなたは廃嫡されることが決まってるわよ」
「助っ人を連れてきてるけど、たかが4人。どうにかできるとでも?」
長身美女に化けたドロージョ、ネトールが次々に答えた。
「おい、ヒト族に化けた魔族ども。お前らの相手はフランソワとレオンだ」
「魔族? なにを言いがかりをつけてるの。 銀髪のエセ使徒とハーフエルフで200人のアオモリ侯爵軍の兵士を相手にする気?」
アリアと私は、ホールの真ん中に戦いのステージを作るため、下準備に入った。
「召喚、オユキサン」
『はいよ。手はず通りにいくよ、あるじさま』
「結界魔装からの、結界術」
ドーム状の結界を私が作って、メインイベントで戦う人間と兵士を分断。
オユキサンが、ドーム内にいるフランソワの父親と元婚約者カールを保護というか、端にどけた。
アストリア視聴者
『いよいよだな』
『フランソワ&レオンと魔族のタッグマッチだ』
『アリアちゃんが不参加なのは残念どけど、仕方ないか』
華やかなドレスを身にまとったドロージョが隠し持っていた鞭を振るった。
「前回は鞭を見切れなかったけれど、もう私には通じない」
軽くレイピアで鞭をいなしたフランソワが、ドロージョの懐に入ってレイピアで頬を斬った。
血が出る代わりに、ベロンと皮がむけた。そして変化の術が解けた。
触覚と尻尾が生えたサキュバスだ。ボッキュッボンだ。
「ドロージョ!」
「おっとネトール、お前の相手は俺だ」
レオンがナイフでネトールの額に斬りつけると、ネトールも筋肉ムキムキの雌オーガに変化。正体がバレた。
なぜか、この辺が『勇者5』の流れと一緒だ。
「え、ネトールとドロージョは…」
「まさか」
「いや、しかし」
アオモリ侯爵家側の人間から戸惑いの声が上がる。ドロージョの魅了のペンダントで精神操作されてても、混乱してる。
中でも、フランソワの元婚約者が問題発言だ。
「え、ネトールとヤッたときは、普通の女だったのに…」
アストリア視聴者
『こいつも、やったんかい!』
『「勇者5」って、そんな場面あったか?』
『ないって』
『リアル人物使うと、何が起こるか分からねえな』
『フランソワもレオンとシてるしな』
『こら!』
『www』
私達としてはカオスな状態だけど、戦いの決着は意外と簡単に付いた。
最後はレオンが魔族ふたりの間に斬り込んで、ネトールを持ち上げてからドロージョの方に投げた。
「やれ、フランソワ」
「ありがとうレオン。必殺、ムーンライトベルフラワー」
大ジャンプから、レベル85で覚えた必殺技を披露。
回転しながら、レイピアを振るう。
赤いものが飛び散りまくる。
「無念…もう少しで、アオモリは私達の手中だったのに」
「もっと、可愛い男の子を食べまくりたかった…」
言わずもがなだが、先に発したドロージョの言葉はストーリーと一致。ネトールは、かなり違うらしい。
かくして、アオモリ編のメインイベントは、あっさり終了した。
◇聖女サラチャンネル
登録者数894万人
スパチャ合計1億740万ゴールド
これでアストリア世界の大切な人間に送れた金額は5000万ゴールドを越えた。
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