41 / 48
40.
七夕祭り
しおりを挟む
### 七夕祭り
七夕祭りの朝、窓の外には淡い朝焼けが空を染めていた。
夏の匂いが微かに漂い、風鈴の音が遠くから聞こえる。
カズはキッチンで竹の笹の枝を飾りつけながら、短冊を手に取った。
彼の指先はいつもペンを走らせるように、短冊にそっと文字を書き込む。
「皆んな、今日は七夕だぞ! 短冊に願いごとを書け!」
彼の声は朝の静けさを切り裂くように響き、リビングに散らばっていた三人の意識を一気に引き寄せた。
「もうそんな季節か⋯⋯」
パジャマ姿のまま、ソファに深く沈み込むように座っていたハヤトが、ぼんやりと呟いた。
彼の髪は寝ぐせのまま、まるで小説のラストシーンを書き終えた後のようだ。
現実と虚構の境界がまだ溶けきっていないような、そんな表情。
「ほんと、カズはマメにやるよな」
新聞を広げながら、ハルが苦笑を浮かべる。
彼の手には、今週発売された自身のイラスト集が挟まれていた。
表紙には、星空を泳ぐ少女が描かれており、まるで今日の七夕を予見しているかのようだ。
「おはよう⋯⋯」
半分寝ぼけたまま、マサシがキッチンの入り口に現れた。
彼の髪はいつもよりさらに乱れていて、まるで深夜までペンを走らせていた証だ。
カズはその姿を見て、思わず笑みをこぼす。
「おはよう、マサシ。今日も朝から絵を描いてた?」
「うん⋯⋯夢に出てきたシーンが気になって、つい⋯⋯」
マサシは照れくさそうに頭を掻いた。
彼の瞳には、まだインクの匂いと物語の余韻が残っている。
カズは短冊を三枚、テーブルの上に並べた。
「七夕ってなあ、もともとは『たなばた』って言うんだよ。中国から伝わった『乞巧奠(きこうでん)』っていう行事がルーツで、織姫と彦星の物語と結びついて、今の形になったんだ。昔の女の子たちが、針仕事の上達を願って、夜空に星に祈ったんだって。だから今でも、短冊に願い事を書いて、笹の葉に飾るんだよ」
ハヤトが眉を上げる。
「へえ⋯⋯作家のくせに、カズ、意外と伝統行事に詳しいじゃん」
「売れっ子作家だからな。取材もするし、調べるのも仕事のうちだよ」
カズは胸を張ったが、すぐにマサシに肘で軽く突かれた。
「でも、カズの願い事っていつも『新刊が売れますように』とか『締切に間に合いますように』だろ?」
「それも立派な願い事だよ! それに⋯⋯」
カズは少し顔を赤らめ、マサシの手をそっと握った。
「今年は、ちょっと違う願い事を書くよ」
マサシはその言葉に、思わず息を呑んだ。
ハルはそんな二人のやり取りを眺めながら、ふと静かに言った。
「そうだ、カズ。俺、そろそろ実家に戻ろうかと思うんだが⋯⋯」
その言葉に、キッチンの空気が一瞬、凍りついた。
「えっ、ずっとここに住んでればいいじゃん!」
カズが慌てて振り返る。
彼の表情には、驚きと、わずかな寂しさが混ざっていた。
「でもな~、家を出てきてそろそろ一年になるだろ? 両親のことも心配だし、俺は帰った方がいいかと思って」
ハルは新聞を折りたたみ、テーブルに置いた。
彼の声はいつもより低く、どこか遠くを見つめるような調子だった。
カズは眉をひそめる。
「父さんも母ちゃんも、兄貴が俺のところに住んでるのは知ってるんだろ? なら、問題無いじゃないか」
「知ってるけど⋯⋯俺も今年で29だ。ずっと弟の家に居候してるのも、どうかと思うよ。それに、実家にも仕事の依頼が来てて⋯⋯地元の文化祭のポスターや、地域の子どもたち向けの絵本のイラストとか。帰って、少し地元に貢献したいって気持ちもあるんだ」
ハヤトが、その言葉に深くうなずいた。
「なるほどな。ハルらしいな。売れっ子になっても、地元を忘れないってのは、作家としても大事なことだよ」
マサシも静かに口を開いた。
「でも⋯⋯寂しくなるよ。毎朝、ハルのコーヒーの香りで目が覚める生活がなくなるなんて⋯⋯」
「バカ言え、マサシ。お前らの朝食だって、ほとんどカズが作ってるだろ」
ハルが笑いながら言うが、その目は少し潤んでいた。
カズはしばらく黙っていた。
やがて、彼は短冊を一枚取り、ペンを走らせた。
『兄貴が、自分の道を歩めますように』
そして、もう一枚。
『でも、またすぐに会えますように』
笹の葉に、その二枚の短冊をそっと結びつける。
「ハル⋯⋯俺、兄貴がいなくなるのは寂しいよ。でも、兄貴の気持ち、わかるよ。自分の居場所を見つけるって、大事なことだもんね。だから⋯⋯応援する。でも、絶対にまた遊びに来いよ? 七夕じゃなくても、誕生日でも、ただの水曜日でもいい。ここは、兄貴の家でもあるんだから」
ハルはその言葉に、胸を打たれたように目を伏せた。
そして、ゆっくりと顔を上げ、笑った。
「⋯⋯ありがとな、カズ。お前、本当に弟じゃなくて、俺の心の支えだよ」
ハヤトが立ち上がり、冷蔵庫からビールを取り出す。
「じゃあ、今日は七夕だし、ちょっと早いけど乾杯しようぜ。ハルの帰郷を祝って、そして、これからも変わらぬ友情を誓って」
「ビール? 朝から?」
マサシが呆れるが、カズはニヤリと笑った。
「七夕の朝ビール、これも新しいしきたりだ!」
四人はリビングの窓辺に集まり、笹の枝を囲む。
短冊が風に揺れ、それぞれの願いが空へと昇っていくようだった。
ハヤトの短冊にはこう書かれていた。
『次の小説が、誰かの心に届きますように』
マサシのは。
『カズとの毎日が、ずっと続きますように』
ハルは、最後に短冊を手に取った。
彼の筆跡は、いつもより少し震えていた。
『弟たちが、ずっと笑っていられますように』
カズはその短冊を見て、思わず目を細めた。
「⋯⋯兄貴、それ、俺たちへの願い事?」
「当たり前だろ。お前らが幸せなら、俺も安心だよ」
風が窓を開け放ったままの部屋を通り抜け、短冊たちがそっと揺れる。
まるで織姫と彦星が、その願いに応えるように。
「ねえ、カズ」
マサシがふと、小さな声で言った。
「もし、彦星と織姫が、毎日会えたら⋯⋯それでも、こんなに愛し合っていられるかな?」
カズはマサシの横顔を見つめ、そっと微笑んだ。
「会えないからこそ、想いが強くなることもあるよ。でも⋯⋯俺たちは、毎日会える。それでも、マサシのことが、一年前よりずっと好きになってる」
マサシの頬が、赤く染まった。
ハヤトが咳払いをして、場を和ませる。
「⋯⋯重いな、カズ。七夕の朝から、そんなセリフ吐かなくていいって」
「いや、いいじゃん。七夕って、願い事と恋の物語の日なんだから」
ハルが立ち上がり、四人のグラスに、朝のビールを注いだ。
「じゃあ、乾杯。俺たちの、これからも続く物語に——」
「乾杯!」
グラスが触れ合い、音が鳴った。
その瞬間、外の空に、一筋の流れ星が走った。
「わぁ! 流れ星!」
マサシが叫ぶ。
「七夕に流れ星なんて、珍しいな」
ハヤトが空を見上げる。
カズは微笑んだ。
「きっと⋯⋯織姫と彦星が、俺たちの願いを聞き届けてくれたんだよ」
その夜、四人は屋上に上がった。
カズが用意した天の川のプロジェクターが、空に無数の星を映し出す。
実際の星空よりも、ずっと美しくて、まるで物語の世界のようだった。
ハルはその光を見つめながら、静かに言った。
「⋯⋯俺、来月の文化祭が終わったら、またここに戻ってくるよ。一週間だけでも、滞在させてくれないか?」
カズの目が、一瞬で輝いた。
「当たり前だろ! いつでも、兄貴の部屋は空けてあるよ」
マサシが笑い、ハヤトが肩を叩いた。
「じゃあ、次はハルの短冊に『また遊びにいきますように』って書くか?」
「それもいいな」
ハルは笑った。
そして、空を見上げた。
「⋯⋯彦星も織姫も、一年に一度しか会えないけど、きっと、毎日を大切にしてるんだろうな」
カズはマサシの手を握りしめた。
「俺たちも、毎日を大切にしよう。会える日も、会えない日も、想いは繋がってるんだから」
風が、また短冊を揺らした。
七夕の夜は、まだ終わらない。
願いは、空へと昇り、星となって、ずっとずっと、彼らを見守っているようだった。
そして翌日、ハルは実家へと帰って行った。
来月にまた訪ねて来ることを約束して。
七夕祭りの朝、窓の外には淡い朝焼けが空を染めていた。
夏の匂いが微かに漂い、風鈴の音が遠くから聞こえる。
カズはキッチンで竹の笹の枝を飾りつけながら、短冊を手に取った。
彼の指先はいつもペンを走らせるように、短冊にそっと文字を書き込む。
「皆んな、今日は七夕だぞ! 短冊に願いごとを書け!」
彼の声は朝の静けさを切り裂くように響き、リビングに散らばっていた三人の意識を一気に引き寄せた。
「もうそんな季節か⋯⋯」
パジャマ姿のまま、ソファに深く沈み込むように座っていたハヤトが、ぼんやりと呟いた。
彼の髪は寝ぐせのまま、まるで小説のラストシーンを書き終えた後のようだ。
現実と虚構の境界がまだ溶けきっていないような、そんな表情。
「ほんと、カズはマメにやるよな」
新聞を広げながら、ハルが苦笑を浮かべる。
彼の手には、今週発売された自身のイラスト集が挟まれていた。
表紙には、星空を泳ぐ少女が描かれており、まるで今日の七夕を予見しているかのようだ。
「おはよう⋯⋯」
半分寝ぼけたまま、マサシがキッチンの入り口に現れた。
彼の髪はいつもよりさらに乱れていて、まるで深夜までペンを走らせていた証だ。
カズはその姿を見て、思わず笑みをこぼす。
「おはよう、マサシ。今日も朝から絵を描いてた?」
「うん⋯⋯夢に出てきたシーンが気になって、つい⋯⋯」
マサシは照れくさそうに頭を掻いた。
彼の瞳には、まだインクの匂いと物語の余韻が残っている。
カズは短冊を三枚、テーブルの上に並べた。
「七夕ってなあ、もともとは『たなばた』って言うんだよ。中国から伝わった『乞巧奠(きこうでん)』っていう行事がルーツで、織姫と彦星の物語と結びついて、今の形になったんだ。昔の女の子たちが、針仕事の上達を願って、夜空に星に祈ったんだって。だから今でも、短冊に願い事を書いて、笹の葉に飾るんだよ」
ハヤトが眉を上げる。
「へえ⋯⋯作家のくせに、カズ、意外と伝統行事に詳しいじゃん」
「売れっ子作家だからな。取材もするし、調べるのも仕事のうちだよ」
カズは胸を張ったが、すぐにマサシに肘で軽く突かれた。
「でも、カズの願い事っていつも『新刊が売れますように』とか『締切に間に合いますように』だろ?」
「それも立派な願い事だよ! それに⋯⋯」
カズは少し顔を赤らめ、マサシの手をそっと握った。
「今年は、ちょっと違う願い事を書くよ」
マサシはその言葉に、思わず息を呑んだ。
ハルはそんな二人のやり取りを眺めながら、ふと静かに言った。
「そうだ、カズ。俺、そろそろ実家に戻ろうかと思うんだが⋯⋯」
その言葉に、キッチンの空気が一瞬、凍りついた。
「えっ、ずっとここに住んでればいいじゃん!」
カズが慌てて振り返る。
彼の表情には、驚きと、わずかな寂しさが混ざっていた。
「でもな~、家を出てきてそろそろ一年になるだろ? 両親のことも心配だし、俺は帰った方がいいかと思って」
ハルは新聞を折りたたみ、テーブルに置いた。
彼の声はいつもより低く、どこか遠くを見つめるような調子だった。
カズは眉をひそめる。
「父さんも母ちゃんも、兄貴が俺のところに住んでるのは知ってるんだろ? なら、問題無いじゃないか」
「知ってるけど⋯⋯俺も今年で29だ。ずっと弟の家に居候してるのも、どうかと思うよ。それに、実家にも仕事の依頼が来てて⋯⋯地元の文化祭のポスターや、地域の子どもたち向けの絵本のイラストとか。帰って、少し地元に貢献したいって気持ちもあるんだ」
ハヤトが、その言葉に深くうなずいた。
「なるほどな。ハルらしいな。売れっ子になっても、地元を忘れないってのは、作家としても大事なことだよ」
マサシも静かに口を開いた。
「でも⋯⋯寂しくなるよ。毎朝、ハルのコーヒーの香りで目が覚める生活がなくなるなんて⋯⋯」
「バカ言え、マサシ。お前らの朝食だって、ほとんどカズが作ってるだろ」
ハルが笑いながら言うが、その目は少し潤んでいた。
カズはしばらく黙っていた。
やがて、彼は短冊を一枚取り、ペンを走らせた。
『兄貴が、自分の道を歩めますように』
そして、もう一枚。
『でも、またすぐに会えますように』
笹の葉に、その二枚の短冊をそっと結びつける。
「ハル⋯⋯俺、兄貴がいなくなるのは寂しいよ。でも、兄貴の気持ち、わかるよ。自分の居場所を見つけるって、大事なことだもんね。だから⋯⋯応援する。でも、絶対にまた遊びに来いよ? 七夕じゃなくても、誕生日でも、ただの水曜日でもいい。ここは、兄貴の家でもあるんだから」
ハルはその言葉に、胸を打たれたように目を伏せた。
そして、ゆっくりと顔を上げ、笑った。
「⋯⋯ありがとな、カズ。お前、本当に弟じゃなくて、俺の心の支えだよ」
ハヤトが立ち上がり、冷蔵庫からビールを取り出す。
「じゃあ、今日は七夕だし、ちょっと早いけど乾杯しようぜ。ハルの帰郷を祝って、そして、これからも変わらぬ友情を誓って」
「ビール? 朝から?」
マサシが呆れるが、カズはニヤリと笑った。
「七夕の朝ビール、これも新しいしきたりだ!」
四人はリビングの窓辺に集まり、笹の枝を囲む。
短冊が風に揺れ、それぞれの願いが空へと昇っていくようだった。
ハヤトの短冊にはこう書かれていた。
『次の小説が、誰かの心に届きますように』
マサシのは。
『カズとの毎日が、ずっと続きますように』
ハルは、最後に短冊を手に取った。
彼の筆跡は、いつもより少し震えていた。
『弟たちが、ずっと笑っていられますように』
カズはその短冊を見て、思わず目を細めた。
「⋯⋯兄貴、それ、俺たちへの願い事?」
「当たり前だろ。お前らが幸せなら、俺も安心だよ」
風が窓を開け放ったままの部屋を通り抜け、短冊たちがそっと揺れる。
まるで織姫と彦星が、その願いに応えるように。
「ねえ、カズ」
マサシがふと、小さな声で言った。
「もし、彦星と織姫が、毎日会えたら⋯⋯それでも、こんなに愛し合っていられるかな?」
カズはマサシの横顔を見つめ、そっと微笑んだ。
「会えないからこそ、想いが強くなることもあるよ。でも⋯⋯俺たちは、毎日会える。それでも、マサシのことが、一年前よりずっと好きになってる」
マサシの頬が、赤く染まった。
ハヤトが咳払いをして、場を和ませる。
「⋯⋯重いな、カズ。七夕の朝から、そんなセリフ吐かなくていいって」
「いや、いいじゃん。七夕って、願い事と恋の物語の日なんだから」
ハルが立ち上がり、四人のグラスに、朝のビールを注いだ。
「じゃあ、乾杯。俺たちの、これからも続く物語に——」
「乾杯!」
グラスが触れ合い、音が鳴った。
その瞬間、外の空に、一筋の流れ星が走った。
「わぁ! 流れ星!」
マサシが叫ぶ。
「七夕に流れ星なんて、珍しいな」
ハヤトが空を見上げる。
カズは微笑んだ。
「きっと⋯⋯織姫と彦星が、俺たちの願いを聞き届けてくれたんだよ」
その夜、四人は屋上に上がった。
カズが用意した天の川のプロジェクターが、空に無数の星を映し出す。
実際の星空よりも、ずっと美しくて、まるで物語の世界のようだった。
ハルはその光を見つめながら、静かに言った。
「⋯⋯俺、来月の文化祭が終わったら、またここに戻ってくるよ。一週間だけでも、滞在させてくれないか?」
カズの目が、一瞬で輝いた。
「当たり前だろ! いつでも、兄貴の部屋は空けてあるよ」
マサシが笑い、ハヤトが肩を叩いた。
「じゃあ、次はハルの短冊に『また遊びにいきますように』って書くか?」
「それもいいな」
ハルは笑った。
そして、空を見上げた。
「⋯⋯彦星も織姫も、一年に一度しか会えないけど、きっと、毎日を大切にしてるんだろうな」
カズはマサシの手を握りしめた。
「俺たちも、毎日を大切にしよう。会える日も、会えない日も、想いは繋がってるんだから」
風が、また短冊を揺らした。
七夕の夜は、まだ終わらない。
願いは、空へと昇り、星となって、ずっとずっと、彼らを見守っているようだった。
そして翌日、ハルは実家へと帰って行った。
来月にまた訪ねて来ることを約束して。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる