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夏越の大祓
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### 夏越の大祓
六月最後の朝、カズのマンションのリビングは、いつものように朝日を浴びて明るく、ふんわりとコーヒーの香りが漂っていた。
窓の外では、梅雨の晴れ間の青空が広がり、夏の気配がじわじわと肌に伝わってくる。
カズは白いエプロンを着け、朝食の片付けを終えたばかりのテーブルの前に立っていた。
彼の手には、小さな赤い紙の「茅の輪(ちのわ)」が握られていた。
「皆んな、今日は皆んなで神社に行くぞ!」
突然の宣言に、リビングに集まっていた三人は一瞬動きを止めた。
「どうしたんだよ、突然?」
マサシが、まだ半分しか食べていないトーストを手に、不思議そうな顔で尋ねる。
彼の髪はまだ寝ぐせのまま、スケッチブックを膝の上に載せたままの姿勢だ。
「あぁ、あれか⋯⋯」
ハルが小さく呟いた。
彼はソファに深く腰を沈め、タブレットを操作しながらも、カズの言葉に反応した。
黒いフレームの眼鏡の奥で、記憶をたどるような表情。
「何、また何かあるのか?」
ハヤトは机の上にメモ用紙を広げ、ペンを構える。
彼は常に何かを書き留める習慣があり、カズの突発行動も「取材材料」として捉えている節がある。
カズはにっこりと笑い、手の茅の輪を掲げた。
「今日は夏越の大祓! 半年の汚れを祓い清める、禊(みそぎ)の日なんです!」
「あー、なるほど。茅の輪くぐりか」
ハルが納得したように頷く。
「昔、母さんがよく連れてってくれたな。六月の終わりに、神社で茅の輪をくぐって、『罪穢れを祓い清め、残り半年も無病息災で過ごせますよう』って唱えてたよ」
「そう! まさにそれ!」
カズは目を輝かせ、まるで授業を始める先生のように手を広げた。
「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)は、古くは『大祓式』と呼ばれ、陰暦六月の終わり、つまり陽暦の六月末に、半年間の間に溜まった罪や穢れ、言い訳や後悔、ストレスや人間関係のモヤモヤ——全部まとめて神様に祓ってもらう儀式なんです!」
「⋯⋯ストレスまで祓えるのか?」
マサシが眉をひそめる。
「締切前の俺のストレス、ぜんぶ消えてくれたらありがたいけど」
「もちろん! 神様も現代に対応してるってば」
カズは笑いながら続ける。
「この茅の輪、昔は茅(かや)の草で作られていて、『災いを跳ね返す力』があるとされてるんだ。神社の入り口に設置されてて、それをくぐることで、心身の穢れを祓うんだよ。くぐるときは、『左、右、左』の順に回るのが正式なやり方。『二礼二拍手一礼』の要領で、心を清めてくぐる。そして——」
カズは声を落とし、少し真剣な顔になる。
「『みなごころにささりて、わがながよろずのたまきほふる、つきひのゆふべ』っていう祝詞(のりと)を心の中で唱えると、より効果的なんだって。意味はね、『皆様の心に届きますように、私の魂を捧げます。月日のおわりの夕べに』っていう、半年の締めくくりの祈り」
「⋯⋯なんか、すごく心が洗われる気がするな」
ハヤトがメモを止めて、しみじみと言った。
「作家冥利に尽きる。こういうの、小説の題材にしたい」
「それより、カズ、なんで急にやる気になったの?」
マサシが尋ねる。
「普段、神社とか行かないじゃん?」
カズは少し照れたように頭をかいた。
「実はな、先週、担当編集さんと話しててさ。『最近、カズさん、作品に深みが増したね』って言われて。そしたら、『でも、その分、心のどこかで疲れが溜まってるんじゃない?』って。それでさ、『夏越の大祓、行ってみたら?』って勧められて」
「へぇ⋯⋯編集さんにまで心配されるなんて、珍しいな」
ハルがからかうように笑う。
「普段は家事も完璧、仕事もバリバリ、恋人も満足させてるってのに」
「うるさい、兄貴!」
カズが赤面してツッコむと、マサシは「満足してるよ」とニヤリと笑った。
「でも、言われてみれば、最近確かに忙しかったもんな」
ハヤトがうなずく。
「新連載の構想、締切、取材⋯⋯俺も心のどこかでモヤモヤしてたかも」
「それだよ!」
カズは拳を握りしめた。
「だから、今日は全員で神社に行って、半年の疲れと罪穢れを全部祓っちゃおうぜ! そして、後半戦も元気に、楽しく、創造的に過ごすために、心も体もリセットするんだ!」
「⋯⋯なんか、カズの言うとおりにしないと、朝ご飯抜きにされそうな気がする」
マサシが苦笑いする。
「それもあり得るよ?」
カズはにやりと笑った。
「だって、主夫の権限だもん」
「了解しました、神主カズ様」
ハヤトが敬礼する。
「参ろう、神域へ!」
午前十一時、四人は駅前の大きな神社に到着した。
境内には、すでに茅の輪が設置されていて、訪れる人々が順番にくぐっている。
空には青空が広がり、鳥のさえずりと風鈴の音が心地よく響く。
「わあ、雰囲気いいね」
マサシがスケッチブックを取り出し、茅の輪と鳥居の構図をさっとスケッチする。
「茅の輪、意外とインスタ映えしそう」
ハヤトがスマホで写真を撮る。
「お前ら、神聖な場所でSNSかよ」
ハルが呆れながらも、自分もこっそり写真を撮っていた。
「じゃあ、行きますよ」
カズが真剣な顔で言う。
「左、右、左の順に、心を込めてくぐって。無言で、でも心の中で何か祈ってもいい」
四人は茅の輪の前に整列し、カズの合図で、左足から一歩を踏み出した。
左 → 右 → 左。
茅の輪をくぐる瞬間、ふわりと風が吹き、夏の香りが鼻をくすぐった。
まるで、半年分の重さが肩からすっと離れていくような感覚。
カズは心の中で、そっと祝詞を唱えた。
『みなごころにささりて、わがながよろずのたまきほふる、つきひのゆふべ』
——半年間、たくさん書いた。
たくさん笑った。
たくさん喧嘩もした。
マサシとケンカして、泣いたこともあった。
でも、それも全部、今の自分を形作ってる。
これからも、もっと書きたい。
もっと愛したい。
もっと、この家のみんなと笑いたい。
どうか、心も体も、健やかに、清らかに、残り半年を歩ませてください。
くぐり終えると、全員が顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれた。
「⋯⋯なんか、スッキリした気がする」
マサシが首を回しながら言う。
「肩こりまで軽くなった気がする」
「心理的効果かもしれないけど、それも立派な効果だよ」
ハヤトが笑う。
「心が軽くなるって、一番大事なことだ」
「カズ、ありがとう」
ハルがぽつりと言った。
「久しぶりに、家族みたいなことをした気がする」
カズは胸が熱くなった。
彼はこの四人家族——血は繋がってないけれど、心で繋がったこの暮らしを、何より大切に思っている。
「じゃあ、次は『大祓の紙人形(かしら)』を流しに行こう!」
カズが言う。
「神社の境内に、川があるでしょ? そこに紙の人形を流して、『自分の穢れを乗せて川に流す』って儀式があるんだよ」
「人形? 人形術とかじゃなくていいよな?」
マサシが警戒する。
「大丈夫、紙の人に書いてるだけ。名前とか、悩みとか、書き込んで川に流すんだ」
四人は神社の裏手にある小さなせせらぎへと向かった。
川のほとりには、すでに何枚もの紙人形が流れている。
カズが持参した和紙と筆ペンを取り出す。
「じゃあ、各自、自分の紙人形に、半年間の『悩み』『後悔』『ストレス』を書いて、流そう」
ハヤトは真剣な顔で筆を走らせる。
『締切に追われすぎて、恋人と会えなかったこと』
マサシは少し迷ってから書いた。
『カズに甘えすぎて、家事の負担が増えたこと』
ハルはクールな顔で、でもちゃんと書いていた。
『弟の才能に嫉妬したことがあること』
カズはそれを読んで、思わず笑った。
「兄貴、それ⋯⋯今更言わなくていいよ」
「⋯⋯書かないと、祓えないだろ?」
ハルが照れくさそうに顔を背ける。
そしてカズは、自分の紙人形にこう書いた。
『自分を追い詰めすぎたこと。もっと、みんなと笑いたかった』
四人は川べりに立ち、紙人形をそっと川に浮かべた。
流れに乗り、紙はゆっくりと下流へと運ばれていく。
「⋯⋯さよなら、半年の疲れ」
カズが呟く。
「またな、来年の夏越で」
ハヤトが笑う。
「来年も、絶対に来ような」
マサシがカズの手を握った。
「ああ、約束だ」
ハルも微笑んだ。
川のせせらぎと、夏の風が、四人の心を優しく洗い流していく。
帰り道、カズはふと考えた。
——作家として、日々を書き続けること。
それも、立派な「祓い」なのかもしれない。
自分の心を紙に吐き出し、読む人の心に届け、また新しい物語を紡ぐ。
それが、現代の「禊」なのだと。
「ねえ、みんな。」
カズが歩きながら言う。
「今日のことを、小説にしようかな」
「ぜひ、俺が表紙描くよ。」
ハルが言う。
「俺はマンガ化する。」
マサシ。
「俺は解説付きで読む。」
ハヤト。
カズは、満面の笑みで空を見上げた。
「⋯⋯最高の家族だな」
カズはそう言って微笑んだ。
六月最後の朝、カズのマンションのリビングは、いつものように朝日を浴びて明るく、ふんわりとコーヒーの香りが漂っていた。
窓の外では、梅雨の晴れ間の青空が広がり、夏の気配がじわじわと肌に伝わってくる。
カズは白いエプロンを着け、朝食の片付けを終えたばかりのテーブルの前に立っていた。
彼の手には、小さな赤い紙の「茅の輪(ちのわ)」が握られていた。
「皆んな、今日は皆んなで神社に行くぞ!」
突然の宣言に、リビングに集まっていた三人は一瞬動きを止めた。
「どうしたんだよ、突然?」
マサシが、まだ半分しか食べていないトーストを手に、不思議そうな顔で尋ねる。
彼の髪はまだ寝ぐせのまま、スケッチブックを膝の上に載せたままの姿勢だ。
「あぁ、あれか⋯⋯」
ハルが小さく呟いた。
彼はソファに深く腰を沈め、タブレットを操作しながらも、カズの言葉に反応した。
黒いフレームの眼鏡の奥で、記憶をたどるような表情。
「何、また何かあるのか?」
ハヤトは机の上にメモ用紙を広げ、ペンを構える。
彼は常に何かを書き留める習慣があり、カズの突発行動も「取材材料」として捉えている節がある。
カズはにっこりと笑い、手の茅の輪を掲げた。
「今日は夏越の大祓! 半年の汚れを祓い清める、禊(みそぎ)の日なんです!」
「あー、なるほど。茅の輪くぐりか」
ハルが納得したように頷く。
「昔、母さんがよく連れてってくれたな。六月の終わりに、神社で茅の輪をくぐって、『罪穢れを祓い清め、残り半年も無病息災で過ごせますよう』って唱えてたよ」
「そう! まさにそれ!」
カズは目を輝かせ、まるで授業を始める先生のように手を広げた。
「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)は、古くは『大祓式』と呼ばれ、陰暦六月の終わり、つまり陽暦の六月末に、半年間の間に溜まった罪や穢れ、言い訳や後悔、ストレスや人間関係のモヤモヤ——全部まとめて神様に祓ってもらう儀式なんです!」
「⋯⋯ストレスまで祓えるのか?」
マサシが眉をひそめる。
「締切前の俺のストレス、ぜんぶ消えてくれたらありがたいけど」
「もちろん! 神様も現代に対応してるってば」
カズは笑いながら続ける。
「この茅の輪、昔は茅(かや)の草で作られていて、『災いを跳ね返す力』があるとされてるんだ。神社の入り口に設置されてて、それをくぐることで、心身の穢れを祓うんだよ。くぐるときは、『左、右、左』の順に回るのが正式なやり方。『二礼二拍手一礼』の要領で、心を清めてくぐる。そして——」
カズは声を落とし、少し真剣な顔になる。
「『みなごころにささりて、わがながよろずのたまきほふる、つきひのゆふべ』っていう祝詞(のりと)を心の中で唱えると、より効果的なんだって。意味はね、『皆様の心に届きますように、私の魂を捧げます。月日のおわりの夕べに』っていう、半年の締めくくりの祈り」
「⋯⋯なんか、すごく心が洗われる気がするな」
ハヤトがメモを止めて、しみじみと言った。
「作家冥利に尽きる。こういうの、小説の題材にしたい」
「それより、カズ、なんで急にやる気になったの?」
マサシが尋ねる。
「普段、神社とか行かないじゃん?」
カズは少し照れたように頭をかいた。
「実はな、先週、担当編集さんと話しててさ。『最近、カズさん、作品に深みが増したね』って言われて。そしたら、『でも、その分、心のどこかで疲れが溜まってるんじゃない?』って。それでさ、『夏越の大祓、行ってみたら?』って勧められて」
「へぇ⋯⋯編集さんにまで心配されるなんて、珍しいな」
ハルがからかうように笑う。
「普段は家事も完璧、仕事もバリバリ、恋人も満足させてるってのに」
「うるさい、兄貴!」
カズが赤面してツッコむと、マサシは「満足してるよ」とニヤリと笑った。
「でも、言われてみれば、最近確かに忙しかったもんな」
ハヤトがうなずく。
「新連載の構想、締切、取材⋯⋯俺も心のどこかでモヤモヤしてたかも」
「それだよ!」
カズは拳を握りしめた。
「だから、今日は全員で神社に行って、半年の疲れと罪穢れを全部祓っちゃおうぜ! そして、後半戦も元気に、楽しく、創造的に過ごすために、心も体もリセットするんだ!」
「⋯⋯なんか、カズの言うとおりにしないと、朝ご飯抜きにされそうな気がする」
マサシが苦笑いする。
「それもあり得るよ?」
カズはにやりと笑った。
「だって、主夫の権限だもん」
「了解しました、神主カズ様」
ハヤトが敬礼する。
「参ろう、神域へ!」
午前十一時、四人は駅前の大きな神社に到着した。
境内には、すでに茅の輪が設置されていて、訪れる人々が順番にくぐっている。
空には青空が広がり、鳥のさえずりと風鈴の音が心地よく響く。
「わあ、雰囲気いいね」
マサシがスケッチブックを取り出し、茅の輪と鳥居の構図をさっとスケッチする。
「茅の輪、意外とインスタ映えしそう」
ハヤトがスマホで写真を撮る。
「お前ら、神聖な場所でSNSかよ」
ハルが呆れながらも、自分もこっそり写真を撮っていた。
「じゃあ、行きますよ」
カズが真剣な顔で言う。
「左、右、左の順に、心を込めてくぐって。無言で、でも心の中で何か祈ってもいい」
四人は茅の輪の前に整列し、カズの合図で、左足から一歩を踏み出した。
左 → 右 → 左。
茅の輪をくぐる瞬間、ふわりと風が吹き、夏の香りが鼻をくすぐった。
まるで、半年分の重さが肩からすっと離れていくような感覚。
カズは心の中で、そっと祝詞を唱えた。
『みなごころにささりて、わがながよろずのたまきほふる、つきひのゆふべ』
——半年間、たくさん書いた。
たくさん笑った。
たくさん喧嘩もした。
マサシとケンカして、泣いたこともあった。
でも、それも全部、今の自分を形作ってる。
これからも、もっと書きたい。
もっと愛したい。
もっと、この家のみんなと笑いたい。
どうか、心も体も、健やかに、清らかに、残り半年を歩ませてください。
くぐり終えると、全員が顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれた。
「⋯⋯なんか、スッキリした気がする」
マサシが首を回しながら言う。
「肩こりまで軽くなった気がする」
「心理的効果かもしれないけど、それも立派な効果だよ」
ハヤトが笑う。
「心が軽くなるって、一番大事なことだ」
「カズ、ありがとう」
ハルがぽつりと言った。
「久しぶりに、家族みたいなことをした気がする」
カズは胸が熱くなった。
彼はこの四人家族——血は繋がってないけれど、心で繋がったこの暮らしを、何より大切に思っている。
「じゃあ、次は『大祓の紙人形(かしら)』を流しに行こう!」
カズが言う。
「神社の境内に、川があるでしょ? そこに紙の人形を流して、『自分の穢れを乗せて川に流す』って儀式があるんだよ」
「人形? 人形術とかじゃなくていいよな?」
マサシが警戒する。
「大丈夫、紙の人に書いてるだけ。名前とか、悩みとか、書き込んで川に流すんだ」
四人は神社の裏手にある小さなせせらぎへと向かった。
川のほとりには、すでに何枚もの紙人形が流れている。
カズが持参した和紙と筆ペンを取り出す。
「じゃあ、各自、自分の紙人形に、半年間の『悩み』『後悔』『ストレス』を書いて、流そう」
ハヤトは真剣な顔で筆を走らせる。
『締切に追われすぎて、恋人と会えなかったこと』
マサシは少し迷ってから書いた。
『カズに甘えすぎて、家事の負担が増えたこと』
ハルはクールな顔で、でもちゃんと書いていた。
『弟の才能に嫉妬したことがあること』
カズはそれを読んで、思わず笑った。
「兄貴、それ⋯⋯今更言わなくていいよ」
「⋯⋯書かないと、祓えないだろ?」
ハルが照れくさそうに顔を背ける。
そしてカズは、自分の紙人形にこう書いた。
『自分を追い詰めすぎたこと。もっと、みんなと笑いたかった』
四人は川べりに立ち、紙人形をそっと川に浮かべた。
流れに乗り、紙はゆっくりと下流へと運ばれていく。
「⋯⋯さよなら、半年の疲れ」
カズが呟く。
「またな、来年の夏越で」
ハヤトが笑う。
「来年も、絶対に来ような」
マサシがカズの手を握った。
「ああ、約束だ」
ハルも微笑んだ。
川のせせらぎと、夏の風が、四人の心を優しく洗い流していく。
帰り道、カズはふと考えた。
——作家として、日々を書き続けること。
それも、立派な「祓い」なのかもしれない。
自分の心を紙に吐き出し、読む人の心に届け、また新しい物語を紡ぐ。
それが、現代の「禊」なのだと。
「ねえ、みんな。」
カズが歩きながら言う。
「今日のことを、小説にしようかな」
「ぜひ、俺が表紙描くよ。」
ハルが言う。
「俺はマンガ化する。」
マサシ。
「俺は解説付きで読む。」
ハヤト。
カズは、満面の笑みで空を見上げた。
「⋯⋯最高の家族だな」
カズはそう言って微笑んだ。
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