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第40話:星が揺れる夜
第40話:星が揺れる夜
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森の朝は、今日も薄い霧に包まれていた。
夜の冷気が地面の湿り気を吸い上げ、白い靄となって木々の間を漂っている。
その霧が朝日を受けて淡く光り、森全体が柔らかい光の膜に包まれているように見えた。
ログハウスの前のテラスには、昨日のうちに作り終えたポーションと石鹸の木箱が、整然と並べられている。
木箱の表面には、ヨシュアが書いた端正な字でラベルが貼られていた。
《回復ポーション》
《魔力回復ポーション》
《解毒ポーション》
《香り付き魔力安定石鹸》
ラベルの紙は、ミラが丁寧に切りそろえ、ネロとリオが糊付けしたものだ。
その一つ一つに、家族の手の温度が宿っている。
シュウは帳簿を片手に、木箱の蓋を開けて中身を確認していく。
瓶の中の液体は朝の光を受けてきらりと反射し、石鹸は淡い魔力の輝きを帯びていた。
その光景を見ながら、シュウの胸の奥には、いつものように静かな満足感が広がっていた。
――今日も、ちゃんと“生活”が回っている。
そう思える瞬間が、何よりも好きだった。
「兄ちゃん、こっちの箱も大丈夫!」
ネロが元気よく声を上げる。
その声は、朝の空気を軽やかに震わせた。
「⋯⋯こっちも、ちゃんと入ってる」
リオは、少し眠たそうな目をこすりながらも、真剣に瓶の並びを確認していた。
ただ、その動きがほんの少しだけ重い。
シュウはその違和感を見逃さなかった。
「リオ、大丈夫か?」
「⋯⋯うん。ちょっと疲れてるだけ」
リオはそう言って微笑んだが、その笑顔はどこか薄かった。
(⋯⋯気のせいだといいんだが)
胸の奥に、小さな棘のような不安が刺さる。
だが、今はまだ、深く考えないようにした。
森を抜け、街道を進み、小さな街の門をくぐる頃には、太陽はすっかり高くなっていた。
街の中は、朝の活気に満ちている。
パン屋からは焼きたての香りが漂い、露店では野菜や果物が色とりどりに並んでいた。
焼き串の匂い、果物の甘い香り、馬車のきしむ音、人々の話し声。
異世界エリュシアの“生活の匂い”が、ここにはある。
「兄ちゃん、見て見て! リンゴが山盛り!」
「ほんとだ。帰りに少し買って帰るか」
「やった!」
ネロが跳ねるように歩く。
その後ろで、リオはゆっくりとした足どりでついてくる。
ときおり胸のあたりを押さえるしぐさがあるのを、シュウは見逃さなかった。
(⋯⋯やっぱり、どこかおかしいな)
だが、リオは「大丈夫」と言うように微笑んだ。
その笑顔が、逆に胸を締めつけた。
ギルドの扉を押し開けると、受付嬢エリナがぱっと顔を明るくした。
「シュウ・タチバナ公爵様! いつもありがとうございます!」
納品を済ませ、店頭に並べた瞬間――
「これ、先日噂になってた光る石鹸だ!」
「ポーションも補充されてるぞ!」
客たちが群がるように手に取り、棚はみるみる空になっていく。
「兄ちゃん、売れてる!」
「⋯⋯すごい」
ネロとリオが目を輝かせる。
だが、リオの笑顔はどこか薄く、額にはうっすらと汗が滲んでいた。
(⋯⋯やっぱり無理させたか)
胸の奥に、また小さな棘が刺さる。
昼食を済ませ、家に戻ると、リオが胸を押さえて顔をしかめた。
「兄さん⋯⋯なんか、体の節々が⋯⋯痛い⋯⋯」
「またか。ちょっと横になれ」
シュウは癒し魔法を流し込む。
だが、リオの身体の痛みは消えない。
「⋯⋯ごめん⋯⋯兄さん⋯⋯」
「謝るな。原因が分からないだけだ」
ミラが心配そうに額に手を当てる。
「熱はありません。でも⋯⋯魔力の流れが少し乱れています」
「魔力の乱れ⋯⋯?」
シュウはリオを部屋に寝かせ、夕食まで休ませることにした。
(⋯⋯魔力の乱れ。リオは星の守護者の血を引いている。そして俺も⋯⋯“星の守護者と同格の血筋”。星の流れが揺らげば、何かが起きてもおかしくない⋯⋯)
胸の奥の棘が、少しずつ大きくなっていく。
夕暮れ。
キッチンには、肉の焼ける香ばしい匂いと、ハーブの香りが満ちていた。
「兄ちゃん、リオは?」
「まだ痛むみたいだ。食事は後で運ぶよ」
ネロは心配そうに眉を寄せた。
テーブルには、いつものように全員分の皿が並ぶ。
だが、リオの席だけが空席のままだった。
その空席が、家の中の空気を少しだけ重くしていた。
囲炉裏部屋の梁の上で、銀色の尾がふわりと揺れた。
「⋯⋯星の流れが、昼から揺らぎ始めておるな」
ラムが静かに言った。
「ラム、それって⋯⋯リオの痛みと関係あるのか?」
「可能性は高い。星の守護者の血が動き始めておる。そして――シュウよ。お前の血もまた、星の流れに呼応しておるはずだ」
シュウは息を呑んだ。
「⋯⋯俺も、か?」
「うむ。お前は“星の守護者と対を成す血筋”。星の乱れは、お前にも影響を及ぼす」
胸の奥が、静かにざわついた。
夕食を終え、片付けも済んだ頃。
外はすっかり夜の帳が降りていた。
ネロはテラスに出て、夜空を見上げていた。
翡翠色の瞳が、星々を映して揺れている。
「兄ちゃん⋯⋯」
その声は、いつもよりずっと静かだった。
「星の流れが⋯⋯変わった」
その瞬間、家の空気がひやりと冷えた。
ラムが梁の上で目を細める。
「⋯⋯とうとう来たか。予知眼が動くということは、星の乱れが“確定”したということだ」
ウォルフが低く唸る。
「森の奥がざわついている。何かが⋯⋯目を覚ましつつある」
アレンが息を呑む。
「まさか⋯⋯俺たちの出番が来るのか?」
「まだ分からぬ。だが、星は嘘をつかぬ」
ネロは夜空を見つめたまま、震える声で続けた。
「星が⋯⋯渦になってる。本当は交わらないはずの星が寄り添って⋯⋯その真ん中に⋯⋯誰かがいる⋯⋯」
「誰か?」
「分からない⋯⋯でも⋯⋯“やっと起きた”って⋯⋯笑ってる⋯⋯」
ネロの肩が小さく震えた。
「怖いか?」
「⋯⋯怖い。でも、それだけじゃない。なんか⋯⋯呼ばれてる気がする」
ラムは静かに尾を揺らした。
「星の渦は、星の守護者だけを呼ぶものではない。シュウよ⋯⋯お前の血もまた、星の系譜に連なる。星の乱れは、お前にも影響を及ぼすだろう」
「俺にも⋯⋯?」
「うむ。星の守護者が“星の道を正す者”ならば⋯⋯お前の血は“星の道を見守る者”。どちらが欠けても、星の流れは成り立たぬ」
シュウは胸の奥が熱くなるのを感じた。
(⋯⋯俺も、星に繋がっている⋯⋯リオだけじゃない。アレンだけじゃない。俺も、この流れの中にいる⋯⋯)
ネロはまだ夜空を見上げていた。
翡翠色の瞳に映る星々は、どこかいつもと違う軌道を描いているように見えた。
「兄ちゃん⋯⋯星、すごくざわざわしてるのに⋯⋯でも、不思議と、ここはあったかいね」
「それは、みんながここにいるからだろ」
シュウはネロの頭をぽんと撫でた。
「星がどう動こうが、外で何が始まろうが⋯⋯俺たちの一日は、ちゃんとここから始まって、ここに戻ってくる。それだけは、変わらない」
ラムは梁の上で静かに目を閉じた。
ウォルフは尻尾を一度だけ揺らし、アレンは小さく息を吐き、フェイは胸の前で手を組んだ。
ヨシュアは本を閉じ、そっとページに指を挟んだ。
遠く、森の奥で、何かが微かに動いた。
それはまだ形を持たない。
だが――
星の流れは確かに変わった。
そしてその変化は、
リオだけでなく、
アレンだけでなく、
シュウ自身にも及び始めていた。
夜が深まるにつれ、森のざわめきは次第に輪郭を帯びていった。
風が木々を揺らす音ではない。
獣が走る気配でもない。
――星の流れが、森の奥へと吸い込まれていく。
ネロはテラスの手すりを握りしめ、震える声で言った。
「兄ちゃん⋯⋯星が⋯⋯呼ばれてる⋯⋯」
その瞬間、シュウの胸の奥に、鋭い痛みが走った。
「っ⋯⋯!」
「兄さん!?」
家の中からミラが駆け寄る。
だが、シュウは手を上げて制した。
「⋯⋯大丈夫だ。少し⋯⋯胸が熱いだけだ」
だが、その熱はただの熱ではなかった。
星の流れが、まるで心臓を直接掴むように脈打っている。
ラムが梁の上から静かに告げた。
「始まったな。星の系譜に連なる者だけが感じる“呼び声”じゃ」
そのとき――
森の奥から、低く、重い音が響いた。
ゴォォォォ⋯⋯ン⋯⋯
鐘の音のようであり、地鳴りのようでもある。
星の渦が、森の中心へと落ちていくような音だった。
「兄ちゃん⋯⋯あそこ⋯⋯!」
ネロが指さした先。
森の奥に、黒い霧のようなものが渦を巻いていた。
星の光が吸い込まれ、夜空の一部が歪んで見える。
ウォルフが牙を剥く。
「⋯⋯あれは、星の流れを“喰う”気配だ。普通の魔物ではない」
アレンが剣に手をかけた。
「行くべきか?」
だが、ラムは首を横に振った。
「いや⋯⋯今行けば、星の渦に呑まれる。あれは“呼ばれた者”だけが踏み入れられる領域じゃ」
「呼ばれた者⋯⋯?」
シュウは胸の痛みを押さえながら、息を整えた。
「⋯⋯俺と、リオ⋯⋯か?」
「うむ。そして――」
ラムは、静かに目を細めた。
「“お前ではない、お前”もまた、呼ばれておる」
その言葉の意味を問おうとした瞬間だった。
――家の中から、リオの悲鳴が響いた。
「っ……あああぁぁぁぁぁぁっ!!」
「リオ!?」
シュウは駆け込んだ。
リオはベッドの上で身体を丸め、胸を押さえて震えていた。
その身体から、淡い星光が漏れている。
「兄さん⋯⋯っ⋯⋯星が⋯⋯痛い⋯⋯!」
シュウはリオの手を握った。
「大丈夫だ、俺がいる」
だが――その瞬間。
シュウの胸にも、同じ痛みが走った。
「っ⋯⋯ぐ⋯⋯!」
「兄さん!?」
リオの瞳が揺れる。
シュウの胸からも、同じ星光が漏れ始めていた。
ラムが低く呟く。
「⋯⋯星の系譜が、完全に呼応したか。“始まりの痛み”じゃ。星の道が開く前兆よ」
星の道――
それは、星の守護者と、その対を成す者だけが踏み入れられる領域。
そして――
その道の先にいるのは、ただ一人。
家の外で、風が止んだ。
森のざわめきも、虫の声も、すべてが静止した。
まるで世界が息を潜めたような静寂。
その静寂を破ったのは――
闇の中から響く、低く、乾いた笑い声だった。
「⋯⋯やっと、目を覚ましたか」
その声は、シュウの声だった。
だが、シュウではない。
テラスの向こう、森の闇の中に――黒い霧をまとい、真っ黒なマントを揺らす“男”が立っていた。
黒髪。
茶色の瞳。
だが、その瞳は光を宿していない。
深い井戸の底のように、冷たく、静かで、底が見えない。
そして――
その顔は、シュウとまったく同じだった。
「⋯⋯なんだ⋯⋯あれは⋯⋯」
アレンが息を呑む。
フェイは剣を抜きかけたが、ウォルフが低く唸って止めた。
「下がれ。あれは⋯⋯ただの影ではない」
黒いシュウは、ゆっくりと口角を上げた。
「久しいな、シュウ・タチバナ。いや⋯⋯“俺”と言ったほうがいいか?」
シュウは息を呑んだ。
「⋯⋯お前は⋯⋯誰だ」
黒いシュウは、まるで懐かしい友に語りかけるように微笑んだ。
「俺はお前だよ。星の道が閉ざされたとき、切り捨てられた“もう一つの可能性”。お前が選ばなかった道の先に生まれた――“影のシュウ”だ」
星が揺れた。
リオの胸の痛みが強くなる。
ネロの予知眼が震える。
そしてシュウの胸の奥で、星光が脈打った。
「さあ、シュウ。星の道が開く。お前が歩むべき道は――本当に“今の生活”なのか?」
黒いシュウは、闇の中で静かに笑った。
「俺はずっと待っていた。
お前が、星に呼ばれるこの瞬間を」
黒い霧をまとった“闇のシュウ”は、星の光を吸い込むように静かに立っていた。
その瞳は、今のシュウと同じ色をしているのに、どこまでも冷たく、深い闇を湛えている。
「⋯⋯お前は今の生活のままでいいのか?」
その声は、まるで胸の奥を直接叩くように響いた。
「かつての俺は、星の流れを正すために生命を落とした。
それなのに――お前は何もせず、ただ家族との生活を楽しんでいる」
闇のシュウの言葉に、家の空気がひやりと冷えた。
「この星の未来を閉ざす気なのか?」
その瞬間、アレンが息を呑んだ。
胸の奥に、忘れていたはずの痛みが蘇る。
――星の渦。
――崩れゆく空。
――隣で倒れた“誰か”。
アレンは額を押さえ、震える声で呟いた。
「⋯⋯俺は⋯⋯前世で⋯⋯」
フェイが支えようと手を伸ばしたが、アレンは静かに首を振った。
「思い出した⋯⋯いや、思い出し始めた。俺は⋯⋯前世で、星の流れを正すために⋯⋯命を賭した⋯⋯」
闇のシュウが薄く笑う。
「そうだ。お前もまた、星に選ばれた者。そして俺と共に散った“星の守護者”だ」
アレンはゆっくりと顔を上げ、闇のシュウを真っ直ぐに見据えた。
「⋯⋯確かに、前世ではそうだった。星の流れを正すために、命を賭した。でも――」
アレンの声が強くなる。
「普通の生活を楽しんで、何が悪い。星の流れが変われば、それを正す。だが、前世のように命を賭してまで、今世で星を正そうとは思わない!」
その言葉は、闇の中に鋭く響いた。
シュウもまた、一歩前に出た。
「俺は⋯⋯今の生活が大事だ」
胸の奥の痛みはまだ続いている。
だが、それ以上に胸の中にある“温かさ”が、シュウを支えていた。
「ネロも、リオも、フェイも、アレンも、ヨシュアも、ミラも⋯⋯みんな、俺の大切な仲間だ。この生活を守りたい。それが⋯⋯俺の答えだ」
闇のシュウの瞳が、わずかに揺れた。
「⋯⋯仲間、か」
その声には、ほんの一瞬だけ、痛みが滲んだ。
「かつての俺には⋯⋯仲間などいなかった。星の流れを正すために、ただ使命だけを背負い⋯⋯誰にも頼れず、誰にも支えられず⋯⋯そして――死んだ」
闇のシュウは、ゆっくりと拳を握りしめた。
「だからこそ⋯⋯お前が憎い」
その言葉は、静かで、深く、重かった。
「仲間に囲まれ、守られ、愛され⋯⋯それでも星の道から逃げようとするお前が⋯⋯俺には、どうしても許せない」
風が止んだ。
星の渦が、森の奥でさらに大きく揺らぐ。
ネロの予知眼が震え、リオの胸の星光が脈打つ。
ウォルフが低く唸り、ラムは尾を広げて構えた。
「⋯⋯来るぞ」
ラムの声は、いつになく鋭かった。
闇のシュウは、ゆっくりと手を上げた。
その手のひらに、黒い星光が集まっていく。
「さあ、シュウ。お前の“答え”を⋯⋯星に示せ」
シュウは深く息を吸い、仲間たちを背に立った。
「⋯⋯逃げない。俺は、俺の生活を守るために――戦う」
闇のシュウの口角が、静かに上がった。
「それでこそ⋯⋯“俺”だ」
星の渦が、夜空を裂くように光を放つ。
闇のシュウが一歩踏み出し――シュウもまた、一歩前へ。
空気が震え、星光が弾ける。
そして――
闘いが始まる、その直前。
夜の冷気が地面の湿り気を吸い上げ、白い靄となって木々の間を漂っている。
その霧が朝日を受けて淡く光り、森全体が柔らかい光の膜に包まれているように見えた。
ログハウスの前のテラスには、昨日のうちに作り終えたポーションと石鹸の木箱が、整然と並べられている。
木箱の表面には、ヨシュアが書いた端正な字でラベルが貼られていた。
《回復ポーション》
《魔力回復ポーション》
《解毒ポーション》
《香り付き魔力安定石鹸》
ラベルの紙は、ミラが丁寧に切りそろえ、ネロとリオが糊付けしたものだ。
その一つ一つに、家族の手の温度が宿っている。
シュウは帳簿を片手に、木箱の蓋を開けて中身を確認していく。
瓶の中の液体は朝の光を受けてきらりと反射し、石鹸は淡い魔力の輝きを帯びていた。
その光景を見ながら、シュウの胸の奥には、いつものように静かな満足感が広がっていた。
――今日も、ちゃんと“生活”が回っている。
そう思える瞬間が、何よりも好きだった。
「兄ちゃん、こっちの箱も大丈夫!」
ネロが元気よく声を上げる。
その声は、朝の空気を軽やかに震わせた。
「⋯⋯こっちも、ちゃんと入ってる」
リオは、少し眠たそうな目をこすりながらも、真剣に瓶の並びを確認していた。
ただ、その動きがほんの少しだけ重い。
シュウはその違和感を見逃さなかった。
「リオ、大丈夫か?」
「⋯⋯うん。ちょっと疲れてるだけ」
リオはそう言って微笑んだが、その笑顔はどこか薄かった。
(⋯⋯気のせいだといいんだが)
胸の奥に、小さな棘のような不安が刺さる。
だが、今はまだ、深く考えないようにした。
森を抜け、街道を進み、小さな街の門をくぐる頃には、太陽はすっかり高くなっていた。
街の中は、朝の活気に満ちている。
パン屋からは焼きたての香りが漂い、露店では野菜や果物が色とりどりに並んでいた。
焼き串の匂い、果物の甘い香り、馬車のきしむ音、人々の話し声。
異世界エリュシアの“生活の匂い”が、ここにはある。
「兄ちゃん、見て見て! リンゴが山盛り!」
「ほんとだ。帰りに少し買って帰るか」
「やった!」
ネロが跳ねるように歩く。
その後ろで、リオはゆっくりとした足どりでついてくる。
ときおり胸のあたりを押さえるしぐさがあるのを、シュウは見逃さなかった。
(⋯⋯やっぱり、どこかおかしいな)
だが、リオは「大丈夫」と言うように微笑んだ。
その笑顔が、逆に胸を締めつけた。
ギルドの扉を押し開けると、受付嬢エリナがぱっと顔を明るくした。
「シュウ・タチバナ公爵様! いつもありがとうございます!」
納品を済ませ、店頭に並べた瞬間――
「これ、先日噂になってた光る石鹸だ!」
「ポーションも補充されてるぞ!」
客たちが群がるように手に取り、棚はみるみる空になっていく。
「兄ちゃん、売れてる!」
「⋯⋯すごい」
ネロとリオが目を輝かせる。
だが、リオの笑顔はどこか薄く、額にはうっすらと汗が滲んでいた。
(⋯⋯やっぱり無理させたか)
胸の奥に、また小さな棘が刺さる。
昼食を済ませ、家に戻ると、リオが胸を押さえて顔をしかめた。
「兄さん⋯⋯なんか、体の節々が⋯⋯痛い⋯⋯」
「またか。ちょっと横になれ」
シュウは癒し魔法を流し込む。
だが、リオの身体の痛みは消えない。
「⋯⋯ごめん⋯⋯兄さん⋯⋯」
「謝るな。原因が分からないだけだ」
ミラが心配そうに額に手を当てる。
「熱はありません。でも⋯⋯魔力の流れが少し乱れています」
「魔力の乱れ⋯⋯?」
シュウはリオを部屋に寝かせ、夕食まで休ませることにした。
(⋯⋯魔力の乱れ。リオは星の守護者の血を引いている。そして俺も⋯⋯“星の守護者と同格の血筋”。星の流れが揺らげば、何かが起きてもおかしくない⋯⋯)
胸の奥の棘が、少しずつ大きくなっていく。
夕暮れ。
キッチンには、肉の焼ける香ばしい匂いと、ハーブの香りが満ちていた。
「兄ちゃん、リオは?」
「まだ痛むみたいだ。食事は後で運ぶよ」
ネロは心配そうに眉を寄せた。
テーブルには、いつものように全員分の皿が並ぶ。
だが、リオの席だけが空席のままだった。
その空席が、家の中の空気を少しだけ重くしていた。
囲炉裏部屋の梁の上で、銀色の尾がふわりと揺れた。
「⋯⋯星の流れが、昼から揺らぎ始めておるな」
ラムが静かに言った。
「ラム、それって⋯⋯リオの痛みと関係あるのか?」
「可能性は高い。星の守護者の血が動き始めておる。そして――シュウよ。お前の血もまた、星の流れに呼応しておるはずだ」
シュウは息を呑んだ。
「⋯⋯俺も、か?」
「うむ。お前は“星の守護者と対を成す血筋”。星の乱れは、お前にも影響を及ぼす」
胸の奥が、静かにざわついた。
夕食を終え、片付けも済んだ頃。
外はすっかり夜の帳が降りていた。
ネロはテラスに出て、夜空を見上げていた。
翡翠色の瞳が、星々を映して揺れている。
「兄ちゃん⋯⋯」
その声は、いつもよりずっと静かだった。
「星の流れが⋯⋯変わった」
その瞬間、家の空気がひやりと冷えた。
ラムが梁の上で目を細める。
「⋯⋯とうとう来たか。予知眼が動くということは、星の乱れが“確定”したということだ」
ウォルフが低く唸る。
「森の奥がざわついている。何かが⋯⋯目を覚ましつつある」
アレンが息を呑む。
「まさか⋯⋯俺たちの出番が来るのか?」
「まだ分からぬ。だが、星は嘘をつかぬ」
ネロは夜空を見つめたまま、震える声で続けた。
「星が⋯⋯渦になってる。本当は交わらないはずの星が寄り添って⋯⋯その真ん中に⋯⋯誰かがいる⋯⋯」
「誰か?」
「分からない⋯⋯でも⋯⋯“やっと起きた”って⋯⋯笑ってる⋯⋯」
ネロの肩が小さく震えた。
「怖いか?」
「⋯⋯怖い。でも、それだけじゃない。なんか⋯⋯呼ばれてる気がする」
ラムは静かに尾を揺らした。
「星の渦は、星の守護者だけを呼ぶものではない。シュウよ⋯⋯お前の血もまた、星の系譜に連なる。星の乱れは、お前にも影響を及ぼすだろう」
「俺にも⋯⋯?」
「うむ。星の守護者が“星の道を正す者”ならば⋯⋯お前の血は“星の道を見守る者”。どちらが欠けても、星の流れは成り立たぬ」
シュウは胸の奥が熱くなるのを感じた。
(⋯⋯俺も、星に繋がっている⋯⋯リオだけじゃない。アレンだけじゃない。俺も、この流れの中にいる⋯⋯)
ネロはまだ夜空を見上げていた。
翡翠色の瞳に映る星々は、どこかいつもと違う軌道を描いているように見えた。
「兄ちゃん⋯⋯星、すごくざわざわしてるのに⋯⋯でも、不思議と、ここはあったかいね」
「それは、みんながここにいるからだろ」
シュウはネロの頭をぽんと撫でた。
「星がどう動こうが、外で何が始まろうが⋯⋯俺たちの一日は、ちゃんとここから始まって、ここに戻ってくる。それだけは、変わらない」
ラムは梁の上で静かに目を閉じた。
ウォルフは尻尾を一度だけ揺らし、アレンは小さく息を吐き、フェイは胸の前で手を組んだ。
ヨシュアは本を閉じ、そっとページに指を挟んだ。
遠く、森の奥で、何かが微かに動いた。
それはまだ形を持たない。
だが――
星の流れは確かに変わった。
そしてその変化は、
リオだけでなく、
アレンだけでなく、
シュウ自身にも及び始めていた。
夜が深まるにつれ、森のざわめきは次第に輪郭を帯びていった。
風が木々を揺らす音ではない。
獣が走る気配でもない。
――星の流れが、森の奥へと吸い込まれていく。
ネロはテラスの手すりを握りしめ、震える声で言った。
「兄ちゃん⋯⋯星が⋯⋯呼ばれてる⋯⋯」
その瞬間、シュウの胸の奥に、鋭い痛みが走った。
「っ⋯⋯!」
「兄さん!?」
家の中からミラが駆け寄る。
だが、シュウは手を上げて制した。
「⋯⋯大丈夫だ。少し⋯⋯胸が熱いだけだ」
だが、その熱はただの熱ではなかった。
星の流れが、まるで心臓を直接掴むように脈打っている。
ラムが梁の上から静かに告げた。
「始まったな。星の系譜に連なる者だけが感じる“呼び声”じゃ」
そのとき――
森の奥から、低く、重い音が響いた。
ゴォォォォ⋯⋯ン⋯⋯
鐘の音のようであり、地鳴りのようでもある。
星の渦が、森の中心へと落ちていくような音だった。
「兄ちゃん⋯⋯あそこ⋯⋯!」
ネロが指さした先。
森の奥に、黒い霧のようなものが渦を巻いていた。
星の光が吸い込まれ、夜空の一部が歪んで見える。
ウォルフが牙を剥く。
「⋯⋯あれは、星の流れを“喰う”気配だ。普通の魔物ではない」
アレンが剣に手をかけた。
「行くべきか?」
だが、ラムは首を横に振った。
「いや⋯⋯今行けば、星の渦に呑まれる。あれは“呼ばれた者”だけが踏み入れられる領域じゃ」
「呼ばれた者⋯⋯?」
シュウは胸の痛みを押さえながら、息を整えた。
「⋯⋯俺と、リオ⋯⋯か?」
「うむ。そして――」
ラムは、静かに目を細めた。
「“お前ではない、お前”もまた、呼ばれておる」
その言葉の意味を問おうとした瞬間だった。
――家の中から、リオの悲鳴が響いた。
「っ……あああぁぁぁぁぁぁっ!!」
「リオ!?」
シュウは駆け込んだ。
リオはベッドの上で身体を丸め、胸を押さえて震えていた。
その身体から、淡い星光が漏れている。
「兄さん⋯⋯っ⋯⋯星が⋯⋯痛い⋯⋯!」
シュウはリオの手を握った。
「大丈夫だ、俺がいる」
だが――その瞬間。
シュウの胸にも、同じ痛みが走った。
「っ⋯⋯ぐ⋯⋯!」
「兄さん!?」
リオの瞳が揺れる。
シュウの胸からも、同じ星光が漏れ始めていた。
ラムが低く呟く。
「⋯⋯星の系譜が、完全に呼応したか。“始まりの痛み”じゃ。星の道が開く前兆よ」
星の道――
それは、星の守護者と、その対を成す者だけが踏み入れられる領域。
そして――
その道の先にいるのは、ただ一人。
家の外で、風が止んだ。
森のざわめきも、虫の声も、すべてが静止した。
まるで世界が息を潜めたような静寂。
その静寂を破ったのは――
闇の中から響く、低く、乾いた笑い声だった。
「⋯⋯やっと、目を覚ましたか」
その声は、シュウの声だった。
だが、シュウではない。
テラスの向こう、森の闇の中に――黒い霧をまとい、真っ黒なマントを揺らす“男”が立っていた。
黒髪。
茶色の瞳。
だが、その瞳は光を宿していない。
深い井戸の底のように、冷たく、静かで、底が見えない。
そして――
その顔は、シュウとまったく同じだった。
「⋯⋯なんだ⋯⋯あれは⋯⋯」
アレンが息を呑む。
フェイは剣を抜きかけたが、ウォルフが低く唸って止めた。
「下がれ。あれは⋯⋯ただの影ではない」
黒いシュウは、ゆっくりと口角を上げた。
「久しいな、シュウ・タチバナ。いや⋯⋯“俺”と言ったほうがいいか?」
シュウは息を呑んだ。
「⋯⋯お前は⋯⋯誰だ」
黒いシュウは、まるで懐かしい友に語りかけるように微笑んだ。
「俺はお前だよ。星の道が閉ざされたとき、切り捨てられた“もう一つの可能性”。お前が選ばなかった道の先に生まれた――“影のシュウ”だ」
星が揺れた。
リオの胸の痛みが強くなる。
ネロの予知眼が震える。
そしてシュウの胸の奥で、星光が脈打った。
「さあ、シュウ。星の道が開く。お前が歩むべき道は――本当に“今の生活”なのか?」
黒いシュウは、闇の中で静かに笑った。
「俺はずっと待っていた。
お前が、星に呼ばれるこの瞬間を」
黒い霧をまとった“闇のシュウ”は、星の光を吸い込むように静かに立っていた。
その瞳は、今のシュウと同じ色をしているのに、どこまでも冷たく、深い闇を湛えている。
「⋯⋯お前は今の生活のままでいいのか?」
その声は、まるで胸の奥を直接叩くように響いた。
「かつての俺は、星の流れを正すために生命を落とした。
それなのに――お前は何もせず、ただ家族との生活を楽しんでいる」
闇のシュウの言葉に、家の空気がひやりと冷えた。
「この星の未来を閉ざす気なのか?」
その瞬間、アレンが息を呑んだ。
胸の奥に、忘れていたはずの痛みが蘇る。
――星の渦。
――崩れゆく空。
――隣で倒れた“誰か”。
アレンは額を押さえ、震える声で呟いた。
「⋯⋯俺は⋯⋯前世で⋯⋯」
フェイが支えようと手を伸ばしたが、アレンは静かに首を振った。
「思い出した⋯⋯いや、思い出し始めた。俺は⋯⋯前世で、星の流れを正すために⋯⋯命を賭した⋯⋯」
闇のシュウが薄く笑う。
「そうだ。お前もまた、星に選ばれた者。そして俺と共に散った“星の守護者”だ」
アレンはゆっくりと顔を上げ、闇のシュウを真っ直ぐに見据えた。
「⋯⋯確かに、前世ではそうだった。星の流れを正すために、命を賭した。でも――」
アレンの声が強くなる。
「普通の生活を楽しんで、何が悪い。星の流れが変われば、それを正す。だが、前世のように命を賭してまで、今世で星を正そうとは思わない!」
その言葉は、闇の中に鋭く響いた。
シュウもまた、一歩前に出た。
「俺は⋯⋯今の生活が大事だ」
胸の奥の痛みはまだ続いている。
だが、それ以上に胸の中にある“温かさ”が、シュウを支えていた。
「ネロも、リオも、フェイも、アレンも、ヨシュアも、ミラも⋯⋯みんな、俺の大切な仲間だ。この生活を守りたい。それが⋯⋯俺の答えだ」
闇のシュウの瞳が、わずかに揺れた。
「⋯⋯仲間、か」
その声には、ほんの一瞬だけ、痛みが滲んだ。
「かつての俺には⋯⋯仲間などいなかった。星の流れを正すために、ただ使命だけを背負い⋯⋯誰にも頼れず、誰にも支えられず⋯⋯そして――死んだ」
闇のシュウは、ゆっくりと拳を握りしめた。
「だからこそ⋯⋯お前が憎い」
その言葉は、静かで、深く、重かった。
「仲間に囲まれ、守られ、愛され⋯⋯それでも星の道から逃げようとするお前が⋯⋯俺には、どうしても許せない」
風が止んだ。
星の渦が、森の奥でさらに大きく揺らぐ。
ネロの予知眼が震え、リオの胸の星光が脈打つ。
ウォルフが低く唸り、ラムは尾を広げて構えた。
「⋯⋯来るぞ」
ラムの声は、いつになく鋭かった。
闇のシュウは、ゆっくりと手を上げた。
その手のひらに、黒い星光が集まっていく。
「さあ、シュウ。お前の“答え”を⋯⋯星に示せ」
シュウは深く息を吸い、仲間たちを背に立った。
「⋯⋯逃げない。俺は、俺の生活を守るために――戦う」
闇のシュウの口角が、静かに上がった。
「それでこそ⋯⋯“俺”だ」
星の渦が、夜空を裂くように光を放つ。
闇のシュウが一歩踏み出し――シュウもまた、一歩前へ。
空気が震え、星光が弾ける。
そして――
闘いが始まる、その直前。
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