虐待と闇と幸福

千夜 すう

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学生編

第3話

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従姉妹は学生らしい青春を謳歌していた。


従姉妹は、従姉妹の両親に祖父母、私の両親と三方からお小遣いを貰っていたから、お金に困る事は無く、バイトをしてなかった。

私はお小遣いが無いのに、他人の子供にはあげるんだなと、両親の理不尽さには慣れてしまった頃である。 

父からすれば、他人って言い方は冷たくて、親戚の枠では無く家族なのだ。


私は、従姉妹両親にも祖父母にもお小遣いを貰ったことが無かった。


従兄弟両親と祖父母のお小遣いと言われてるものだって、元を辿れば、私の両親が稼いで貢がれた金である。

「兄さん、我が家は金が無くて苦しいんだ。援助の金を増やしてくれないか?」

「最近、老いが酷くてな。病気しやすくて、病院代や薬代が高いんだ。その分、援助を増やして欲しい」

カモにされてるのも知らずに、真に受けてお金を渡すんだ。
 
奴らは、金を騙しとる事に罪悪感の欠片も無かった。

そんな大人の姿は醜くて大嫌い。

次々と、金を貰う為の理由を見つけられるなも思える位の才能だ。

助け合いの精神を出されても、私達はその恩恵を何一つ貰っていない。

その事実に薄ら笑いが零れてしまう。

私は、家族に何の期待もしないからこそ、勉学とバイトに勤しむ。 



従姉妹は苦労もせずに、お金を手に入れてる。
その使い道は、沢山の友達や彼氏との豪遊、友人に馬鹿にされない為の見栄が満載に散りばめられてる、ブランド物の服、お高い化粧品。 

私とは違う人生の充実さだった。

羨ましくないといったら嘘になる。

だけど、学生の本文の勉強を一切しない、堕落した生活をしたいかと聞かれば、嫌だと答える。


そのせいで、従姉妹は低い偏差値で名前を書くだけで受かる様な馬鹿な学校で、学年でもビリの成績を取ってる。

将来の事が心配にならないのだろうかと疑問になるが、カモの父が居る限りは彼女の生活は安泰である。

学生の本文を全うにしなくても、類は友を呼ぶで、沢山の友達に囲まれていた。

明るくて可愛い容姿の従姉妹は、色んな男性からも告白をされてモテる。

友達に男に憂いなく、学生が羨む高校生活を送ってる。


それに反して、私の高校生活はボッチで可哀想と認識されてる。

「沢山の友達がいるとスケジュールが詰まってて大変だわ。ほら、私って可愛いでしょ?男にもモテちゃって彼氏が拗ねて大変なの。面倒臭くなって、別れようって言えば、ブランドのバックやアクセサリー、気に入ったものを買って貰って、私を引き止めるのよ。貴方には分からない大変さね。」
 

大して聞いてないのに、私を馬鹿にしながら延々とメールで、忙しさアピールや自慢話を垂れ流していた。

この従姉妹は、私を馬鹿にするのが趣味の1つと悲しい生き物だ。

    従姉妹は、小さい時から甘やかされて育った。

私の両親でさえも、私より従兄弟を優先してきたのだ。

私が欲しいと思った物が、従姉妹が欲しければ問答無用で従姉妹に渡される。
同じ品でも従姉妹とはグレードが違くて、低いのは私だ。

従姉妹の希望が全て叶えられる。
そして、私の優先度は薄っぺらい物であった。

祖父母からすれば、私も従姉妹と同じ孫なのに、なんでこんなにも扱いの差が出来たんだろうか...。

私は悲しくて仕方なかった。

同時に祖父母からの愛情を諦めてる。

そして、実の子供より、妹の子供の方を甘やかして可愛がるのだろうか。

親からも愛情というものを期待してない。

そんな、環境で育った従姉妹は、私を馬鹿にして、従姉妹の引き立て役の格下認定される位に、性格が悪くなっても仕方がなかった。

「華の女子高校生なのに、彼氏が居ないって有り得ない。こんな歳から、女を捨てられるなんて凄い。その前に、友達すら居ないけどね」
  
従姉妹は、本当に可哀想ねと自慢メールを送ってくる。


正直、鬱陶しいと思っている。

暇な従姉妹と違って、バイトで体力を使って、学校の勉強や資格の勉強で忙しかった。
気にせずに無視したいが、実行すれば、更なるの面倒臭い事になるのが、目に見えてる為に適当に相槌を打ってる。

忙しいのに、くだらないメールを受けて、従姉妹が気に入る言葉を返すのは、イライラするものである。

それを乗り越えて、大学受験に挑む
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