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5.異種の誇りと歪んだ紫煙
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目覚めたのは、夜が開けて間もなく。
まだ薄闇の残る空。
早起きな小鳥達の囀り。
「ふぁぁ」
欠伸をしながら、思う。
……また前世の夢を見ちゃった。
そう。度々見ているんだ。
前世の、特に幼馴染二人の夢を。
他愛のないお喋りしてたり、じゃれあったり。
王騎と譲治がいっつも小競り合いの喧嘩して、僕が苦笑いしたり止めたり。
でもやっぱり仲は良いんだ。
「譲治……」
僕が事故にあって死ぬ数ヶ月前。
彼を逆恨みする奴らに、僕は乱暴されかけた。
その時助けてくれた。
でも激昂して、そのうちの一人を怪我させてしまった。
―――振り上げた鉄製バット。
目の前の男子生徒の頭が、ザクロのように割れて血が噴き出す。
かかったら鮮血が、僕の視界を紅く染めた。
そしてこともあろうに……。
大丈夫か、と伸ばされた手を振り払ってしまった。
『助けて』と泣き叫んで。
今思えばパニック状態だったのだと思う。
でも今でも脳裏に焼き付いて離れないんだ。
傷付いた表情の彼が。
それから譲治は僕らの前から姿を消した。
一家は、引っ越したんだ。
傷害事件を起こした、加害者家族として。
ひっそりと。
……それにしても。
彼は譲治だったんだろうか。
いや、ありえないか。
だって彼は死んでない。
あれからも『あの世界』で元気にやってるだろうな。
僕のことなんか忘れて。
「恋人との朝に、ほかの男の名前なんて呼ぶなよ」
「えっ、あ、マト。おはよう」
「うん。おはよ」
あまり広くないベッドには、僕と彼。
こういう距離感も、お互い服を着てないって事も。
あと、僕の身体の気だるさとか。
普段使わない所の筋肉が痛いとか。
……あー。うん、正直すごく恥ずかしい。
でも。
「愛してるぜ、ダーリン」
「う、うん……僕も」
ようやくそう言うと、彼は嬉しそうに僕に擦り寄ってくる。
ちゅ、と触れるだけのキスもなんだか照れくさい。
なんかすごく意識しちゃって困る……。
「お前、すごくヤバい表情してるぞ」
「えっ、う、うそ!? なんかおかしい?」
マトがとんでもなく固い表情で言うものだから、慌てて顔を触る。
「おかしいっつーか……可愛い」
「か、可愛い???」
「……もう1回、ヤっていい?」
「はぁぁぁっ!?」
もう1回って。
……君、散々したじゃないか!
おかげで僕の身体のダメージは、割と大きいんだからね!
「いーだろ? 朝のイチャイチャからのもう1戦」
「いやいやいやっ、しないよ!?」
……この前までの余裕どうしたのさ。
しかも相変わらず、甘い表情してるものだから。
なにこの無駄なイケメン。
「じゃあキスだけ」
「んー、もうっ。仕方ないなぁ!」
目を閉じて、唇同士が触れ合う瞬間を待つ。
「ん……」
―――バァァァンっ!!
「2人とも起きてーッ!」
「「ぐふっ!?」」
突然ドアが、蹴破られるように開け放たれた。
飛び込んで来たのは一人のカンナ。
思い切りダイブして、僕らのいるベッドの上へ。
……腹にタックルかまされた僕らは、たまらない。
悶絶してると、無邪気な顔がひょっこり。
「2人とも、いつまで寝てんのよーっ。人が来てるわよ! 」
「ったく。痛てーなぁっ、邪魔すんなよな! このヘドロ女!」
「ヘドロ!? スライムよっ、筋肉馬鹿男」
「似たよーなもんだろーが! 」
「似てねーわよっ。てか……人間って服を着ないで寝るの?」
「……」
……そうだった。カンナは人間じゃない。
さらに産まれてずっと森で暮らしていた。
だからイマイチ世間知らずというか……知識も森の小屋にあった本しかない。
まぁ『浮気』という言葉知ってるくせに、コレは知らないんだ……っていう疑問は残るけど。
「ええっと……な、ルイ」
「ぼ、僕に振らないでくれる!?」
子供に『赤ちゃんってどうやって作るの?』と聞かれて慌てる、両親みたいになってる。
「と、ともかく。客人?」
「ルイも、なんでそんな焦るのよ……うん。今下に来てるわよ」
「じゃあ、少し待っててもらって!!」
そう言って彼女を部屋から追い出す。
「……はぁぁぁ」
「マト、ため息大きい」
「だってよー、もう1回……」
「ちょ、まだ諦めてなかったの!?」
……彼、やっぱり童貞だったんだなぁ。
あ、僕もだけど(多分)
そんな事を考えながら、僕はベッド周りに散らばった服に腕を通した。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
大急ぎで準備を整えると、客人は近くの酒場で待っているらしい。
「もーっ、2人が遅いから」
「うるせーな。文句言うなよ」
「大体、2人ともズルい!」
「はぁ?」
「あたしも一緒に寝るっ」
「カンナ。お前なー……」
ふくれっ面の彼女と、困り果てたマト。
僕は久しぶりの仲間との時間に、笑みがこぼれる。
……今度、本当に3人で就寝しても良いかもしれない。
「ここか」
「うん」
―――この町で一番大きな酒場。
酒も料理も種類豊富で、日中でも客足が絶えない。
でも、夜と違う光景。
それは騒ぎ楽しむより、話し込む人々が多い事だ。
この世界での『酒場』というのは、色んな役割を担っている。
まずは単純に飲食を楽しむ場所。
さらには様々な職種や立場の人々が交流、情報交換を行う社交場だ。
中には仕事の商談や、斡旋等の話をしている。
飲食から商売や情報収集、就活まで。
幅広く人々の生活に密着した場だ。
「いらっしゃいませ!」
給仕をするのは、双子の姉妹。
この店の看板娘達だ。
ちなみに彼女たちはエルフ。
揃いのエプロン姿が可愛らしい。
―――店を見渡すと、見た事のある姿を発見した。
「あっ」
「あれよ! あの黒いローブの……」
小さく痩せた身体に、すっぽりとかぶったローブ。
青白い肌が辛うじて見えるのは、大きな口元だけだ。
「エリカ……さん?」
魔法薬専門店の店主。
食屍鬼と人間とのハーフ。
……あの媚薬を調合し、『あの薬』を欲しがっていた女性だ。
「ひ、ひ、ひ、久し、ぶり……ねぇ」
陰気に笑う。
独特な吃音も相変わらずみたい。
「ルイ、彼女を知ってるの?」
カンナ達の訝しむ声に、頷きで返す。
しかし、なぜ彼女がここにいるんだろうか。
「もしかして……ジョージのこと、ですか?」
……もしくは『あの薬』のことか。
彼らが闇で売りさばいていた薬。
高い幻覚作用や酩酊感、多福感……つまりは前世で言うところの覚せい剤的なモノだろう。
それを手に入れんと、彼を追っているんじゃないだろうか。
「く、薬。そう。薬、あれが、欲しいの」
「でも彼なら」
「し、し、知ってる、わ……今も、私の仲間が追っているからな」
「!?」
突然口調が変わる。
……バサッ。
そして彼女は、勢いよくローブを脱いだ。
「あっ」
「正体を明かすとだな……私は正義の自警団の密偵部隊の一人だ」
「うそ……っ」
「うむ、いい反応だ。名前は……エリカでいい」
彼女は満足そうに頷いた。
……ローブの下は小柄な身体。
しかし大きく紅い瞳が印象的な女性だ。
そしてその肌と同じく、雪のように白い髪はショートボブの長さで揺れている。
「私はこれでも多忙でな。手短にいくぞ」
そう前置きをすると、エリカさんは話し始めた―――。
彼女の所属する、密偵部隊。
その名の通り、秘密裏に捜査する集団だ。
「あの薬屋はな、元々私たちの隠れ蓑なのだよ」
エリカさんは肩を竦めて言った。
……彼女達は、この町での人身売買や危険な魔法薬について調べていたという。
「特にこの町は、他国との行き来も盛んだ。下手に問題を放置しておくと、良い事は無い」
そこで一旦、言葉を切る。
「失礼」
そう一言断ると、ポケットから何か棒状のモノを取り出した。
さらに、それの一部に何やら薬草を詰める。
「……ちょっと、火ぃ貸してくれないかい?」
「あぁ」
マトが、指先に小さな火炎魔法を灯した。
それを詰めた薬草に点火する。
そして薄い唇に咥えて……。
「何よこれ」
好奇心に押されたのだろう。
カンナの目が釘付けだ。
「ん。なんだ、見たことないのか」
すぅぅ、と息を吸う。
ふぅぅ、と息を吐く。
口や鼻から立ち上った煙。
キセル(煙草)だ。
くゆらせた紫煙は、独特な香りを振りまいていた。
「キセルを嗜むなんざ、えらく道楽じゃねーか」
マトが皮肉げに顔を歪める。
「ふふん。だから良いのだよ。私の食屍鬼の血も、この香りと味を好むらしい」
紅い口でニヤリと笑い、答える。
……この世界の煙草、キセルは割かし高価なわけで。
だから愛煙家の多くが金持ちの商人だったりする。
それを若い女性が吸っているものだから、先程からほかの席からチラチラと視線が集まるのは仕方のない事だ。
しかし彼女は、そんな視線など意に返さない。
「周知の事実であるが……ユスティは国が統括している」
彼女の言葉に、やはりとマトが頷く。
「特にこの密偵部隊は……」
そこでふと、声のトーンを落とす。
「トライフル王国の、女王陛下が指揮を執っていてな。この町の腐敗をいち早く察知されたのもナタラ様……ナタラ女王陛下だ」
女王の名を呟く時、彼女の声と瞳には陶酔があった。
恐らく、相当深く忠誠を誓っているのだろうか。
「時を見て、あの人間達は私が粛清するはずだったのだが。まさか内輪揉めとは……」
「ジョージを。彼を、どうするつもりですか?」
「ふふ、気になるか?」
「……」
そりゃあ気になる。
つまり彼は、罪人として国に追われてるわけだから。
「まぁ捕らえた後の処遇はな、国のお偉方が決めるだろう。それより今、私の関心事は……」
フーッ、と煙を僕の顔に吹きかける。
思わず咳き込めば、ニンマリと笑われた。
「ルイ、貴様だ」
「僕……ですか?」
「あの魔剣。あれは特殊なモノだな」
「悪魔との契約で得た……と聞いてます」
「聞いてます、だと?」
―――僕は彼女に全て話した。
前世の記憶の事、今世のそれが無いこと。
そして魔剣について。
「面白い。しかし、その魔剣はそこらの低級悪魔との契約で手に入るモノではないぞ」
「そうなんですか?」
僕はマトを振り返る。
彼は、何故かすごく固い表情をして首を振った。
「上級悪魔……いや、魔王との契約だ」
「ま、魔王!?」
魔王討伐に向かう僕が、魔王と契約していた!?
……意味が分からない。
「というわけで、私は貴様を信用してはいない。いっそこのまま、罪人として国に連行しても良いのだが」
「そ、そんな」
……僕はともかく、マトとカンナは関係ないのに。
改めて、記憶が無い恐ろしさを知った。
一体、僕はどうしてこんな力を得ようと思ったのか。
「なに勝手言ってんのよ!」
「そうだっ! 黙って聞いてたらベラベラと……」
青ざめた僕を見兼ねてか、彼らが声を荒らげた。
エリカさんが、鼻で笑う。
「ふふん、貴様らの処遇も私が握っているのだ。もちろん、逃がすようなヘマはしない……この意味は分かるな?」
「……」
「貴様がその魔剣を携えていようと、国ひとつ相手取る事はできまい。三人揃っての処刑が、関の山だ」
僕達は今まで人助けをしてきた。
それは完全なる正義、ではないだろう。
しかし、僕達なりの想いがあっての行動だ。
……それなのに、結末がこれか。
「してきた事など関係ない。貴様が何者であるか、が大事なのだよ」
エリカさんが、ふかすキセルの紫煙を眺める。
「貴様にはそれが無い」
『僕は何者か』
……確かに記憶喪失の僕にはないのかもしれない。
「待て。少なくても俺は彼の事を知っている」
「魔法使い、貴様だって同じだ。つまり貴様ら3人とも、私の信用を得るに足らないのだよ」
「お前なんかに信用してもらう必要なんか!」
「ふっ……口には気をつけろ。私が憂うのは、ただ一つ。この国に、国王並びに女王陛下に害をなす存在だ」
そう言って、また煙草をふかした。
「偉そうな事言って! あんただって食屍鬼じゃないのよ。所詮人間とは違……っ!?」
カンナが言葉を途切れさせる。
その刹那、彼女の首筋に銀色の光。
―――ナイフだ。鋭利な刃が、わずかくい込む。
「くっ……!」
「……口には気をつけろ、と言ったはずだぞ。小娘が」
目にも止まらぬ速さで、エリカは彼女にナイフを突きつけたのだ。
その瞳は差し込んだ怒りに、燃えている。
「確かに私の身体には、忌々しい魔物の血が入っている。しかし心は人間だ。何より、ナタラ様がそう認めて下さった……これは誰にも侮辱させない」
カンナは無言で頷く。
すると、もう興味を失ったような顔でナイフを外し仕舞った。
「……場所を変えよう。少し騒ぎ過ぎた、らしい」
そう言うと、彼女は悠々とキセルの火を消して立ち上がる。
「ついてこい」
エリカさんのこの言葉で僕達は、不躾な視線の集まる酒場を後にした―――。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
店を出て、町を出る。
―――始終僕らは無言だった。
彼女を射殺さんばかりの、仲間たち。
そして僕は自身の立場の危うさに、改めて考えを巡らせていた。
魔王との契約、これが何を示すか。
それは人間の敵である魔王の仲間、と同義語に当たる。
言わば危険因子なんだ。
いくら、これまで善行を繰り返しできたとしても。
変わることの無い事実。
……こういうの、本当にチートな能力とかあったら。
色々、なんとでもなるんだろうか。
僕の魔剣は、確かに強い。
今世でどんな半生を歩んできたのかは分からないが、身体能力もそれなりだ。
……それでも、彼女に勝てるかどうか。
先程のナイフを突き付けるスピード。
あれはかなりの手練だろう。
ただの剣で勝てる相手かどうか、分からない。
それに、やはり僕のせいで2人が危険な目に合うのが怖い。
「……」
隣に歩いていたマトが、そっと僕の手を包み込んだ。
大きく無骨な手。
とても温かい。
『大丈夫だ』と、言ってくれているような……。
「ねぇ、どこへ連れていく気よ!」
カンナが苛立った声を上げたのは、町を出た所だった。
「慌てるな。もうすぐだ」
片方の口角をあげて、エリカさんが笑う。
……すぐそこに、深く暗い森が広がっていた。
「で、アンタは何が望みだ?」
マトが立ち止まり、彼女を睨みつける。
「勿体ぶるな。……ルイの事を見逃す、その代わりに何か俺達にさせようって魂胆だろ!」
「……ふふ、頭の回転の良い奴は嫌いじゃあないぞ」
彼女は不敵に笑う。
そして僕らの後ろを一瞥して言った。
「出てこい」
―――ザザザァッ。
大きな風が吹く。
「キャッ!?」
カンナが悲鳴を上げた。
慌てて振り返ると、いつの間に居たのか……ゴツゴツとした大男がのっそりと立っていた。
「ちょっ、何すんの、離してっ!!」
「カンナ!?」
男の腕には、カンナが軽々と抱き抱えられている。
ジタバタと暴れている彼女。
それをものともしない男。
「お、おいっ!? なんの真似だ、こりゃあ」
「……ルイ。貴様はこの男、見覚えがあるだろう?」
「あぁ」
……彼も、ユスティの一員だったのか。
魔法道具専門店の店主。
確か。
「デアレイよン。お久しぶりねぇ、ルイちゃん!」
豪奢なフリルのついたドレス。
その下は屈強な男だ。
「ゲッ、なんだそのオカマ野郎は!?」
「あらン、随分な言葉ねェ! 」
マトの嫌そうな言葉に、顔を顰めている。
エリカさんは、そのやり取りを面白そうに眺めていたが。
「ルイよ。貴様は『あの薬』の存在を知っているだろう」
「ジョージ達が闇で扱っていた、っていう?」
「そうだ。アレは一時的に、人を多福感に浸らせる。しかし同時に激しい依存症に陥らせる」
まさに、前世で言う所の『危険薬物』だ。
「しかし。それを作り出している魔女の行方が不明だったのだ。……恐らく、余程の魔法薬の調合の腕だろう」
そして彼女は眼前に広がる森を指さす。
「あの森に、その魔女が居る」
―――そして大きな口でニンマリ笑って言った。
「……魔女を殺せ、お前ら2人でな」
まだ薄闇の残る空。
早起きな小鳥達の囀り。
「ふぁぁ」
欠伸をしながら、思う。
……また前世の夢を見ちゃった。
そう。度々見ているんだ。
前世の、特に幼馴染二人の夢を。
他愛のないお喋りしてたり、じゃれあったり。
王騎と譲治がいっつも小競り合いの喧嘩して、僕が苦笑いしたり止めたり。
でもやっぱり仲は良いんだ。
「譲治……」
僕が事故にあって死ぬ数ヶ月前。
彼を逆恨みする奴らに、僕は乱暴されかけた。
その時助けてくれた。
でも激昂して、そのうちの一人を怪我させてしまった。
―――振り上げた鉄製バット。
目の前の男子生徒の頭が、ザクロのように割れて血が噴き出す。
かかったら鮮血が、僕の視界を紅く染めた。
そしてこともあろうに……。
大丈夫か、と伸ばされた手を振り払ってしまった。
『助けて』と泣き叫んで。
今思えばパニック状態だったのだと思う。
でも今でも脳裏に焼き付いて離れないんだ。
傷付いた表情の彼が。
それから譲治は僕らの前から姿を消した。
一家は、引っ越したんだ。
傷害事件を起こした、加害者家族として。
ひっそりと。
……それにしても。
彼は譲治だったんだろうか。
いや、ありえないか。
だって彼は死んでない。
あれからも『あの世界』で元気にやってるだろうな。
僕のことなんか忘れて。
「恋人との朝に、ほかの男の名前なんて呼ぶなよ」
「えっ、あ、マト。おはよう」
「うん。おはよ」
あまり広くないベッドには、僕と彼。
こういう距離感も、お互い服を着てないって事も。
あと、僕の身体の気だるさとか。
普段使わない所の筋肉が痛いとか。
……あー。うん、正直すごく恥ずかしい。
でも。
「愛してるぜ、ダーリン」
「う、うん……僕も」
ようやくそう言うと、彼は嬉しそうに僕に擦り寄ってくる。
ちゅ、と触れるだけのキスもなんだか照れくさい。
なんかすごく意識しちゃって困る……。
「お前、すごくヤバい表情してるぞ」
「えっ、う、うそ!? なんかおかしい?」
マトがとんでもなく固い表情で言うものだから、慌てて顔を触る。
「おかしいっつーか……可愛い」
「か、可愛い???」
「……もう1回、ヤっていい?」
「はぁぁぁっ!?」
もう1回って。
……君、散々したじゃないか!
おかげで僕の身体のダメージは、割と大きいんだからね!
「いーだろ? 朝のイチャイチャからのもう1戦」
「いやいやいやっ、しないよ!?」
……この前までの余裕どうしたのさ。
しかも相変わらず、甘い表情してるものだから。
なにこの無駄なイケメン。
「じゃあキスだけ」
「んー、もうっ。仕方ないなぁ!」
目を閉じて、唇同士が触れ合う瞬間を待つ。
「ん……」
―――バァァァンっ!!
「2人とも起きてーッ!」
「「ぐふっ!?」」
突然ドアが、蹴破られるように開け放たれた。
飛び込んで来たのは一人のカンナ。
思い切りダイブして、僕らのいるベッドの上へ。
……腹にタックルかまされた僕らは、たまらない。
悶絶してると、無邪気な顔がひょっこり。
「2人とも、いつまで寝てんのよーっ。人が来てるわよ! 」
「ったく。痛てーなぁっ、邪魔すんなよな! このヘドロ女!」
「ヘドロ!? スライムよっ、筋肉馬鹿男」
「似たよーなもんだろーが! 」
「似てねーわよっ。てか……人間って服を着ないで寝るの?」
「……」
……そうだった。カンナは人間じゃない。
さらに産まれてずっと森で暮らしていた。
だからイマイチ世間知らずというか……知識も森の小屋にあった本しかない。
まぁ『浮気』という言葉知ってるくせに、コレは知らないんだ……っていう疑問は残るけど。
「ええっと……な、ルイ」
「ぼ、僕に振らないでくれる!?」
子供に『赤ちゃんってどうやって作るの?』と聞かれて慌てる、両親みたいになってる。
「と、ともかく。客人?」
「ルイも、なんでそんな焦るのよ……うん。今下に来てるわよ」
「じゃあ、少し待っててもらって!!」
そう言って彼女を部屋から追い出す。
「……はぁぁぁ」
「マト、ため息大きい」
「だってよー、もう1回……」
「ちょ、まだ諦めてなかったの!?」
……彼、やっぱり童貞だったんだなぁ。
あ、僕もだけど(多分)
そんな事を考えながら、僕はベッド周りに散らばった服に腕を通した。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
大急ぎで準備を整えると、客人は近くの酒場で待っているらしい。
「もーっ、2人が遅いから」
「うるせーな。文句言うなよ」
「大体、2人ともズルい!」
「はぁ?」
「あたしも一緒に寝るっ」
「カンナ。お前なー……」
ふくれっ面の彼女と、困り果てたマト。
僕は久しぶりの仲間との時間に、笑みがこぼれる。
……今度、本当に3人で就寝しても良いかもしれない。
「ここか」
「うん」
―――この町で一番大きな酒場。
酒も料理も種類豊富で、日中でも客足が絶えない。
でも、夜と違う光景。
それは騒ぎ楽しむより、話し込む人々が多い事だ。
この世界での『酒場』というのは、色んな役割を担っている。
まずは単純に飲食を楽しむ場所。
さらには様々な職種や立場の人々が交流、情報交換を行う社交場だ。
中には仕事の商談や、斡旋等の話をしている。
飲食から商売や情報収集、就活まで。
幅広く人々の生活に密着した場だ。
「いらっしゃいませ!」
給仕をするのは、双子の姉妹。
この店の看板娘達だ。
ちなみに彼女たちはエルフ。
揃いのエプロン姿が可愛らしい。
―――店を見渡すと、見た事のある姿を発見した。
「あっ」
「あれよ! あの黒いローブの……」
小さく痩せた身体に、すっぽりとかぶったローブ。
青白い肌が辛うじて見えるのは、大きな口元だけだ。
「エリカ……さん?」
魔法薬専門店の店主。
食屍鬼と人間とのハーフ。
……あの媚薬を調合し、『あの薬』を欲しがっていた女性だ。
「ひ、ひ、ひ、久し、ぶり……ねぇ」
陰気に笑う。
独特な吃音も相変わらずみたい。
「ルイ、彼女を知ってるの?」
カンナ達の訝しむ声に、頷きで返す。
しかし、なぜ彼女がここにいるんだろうか。
「もしかして……ジョージのこと、ですか?」
……もしくは『あの薬』のことか。
彼らが闇で売りさばいていた薬。
高い幻覚作用や酩酊感、多福感……つまりは前世で言うところの覚せい剤的なモノだろう。
それを手に入れんと、彼を追っているんじゃないだろうか。
「く、薬。そう。薬、あれが、欲しいの」
「でも彼なら」
「し、し、知ってる、わ……今も、私の仲間が追っているからな」
「!?」
突然口調が変わる。
……バサッ。
そして彼女は、勢いよくローブを脱いだ。
「あっ」
「正体を明かすとだな……私は正義の自警団の密偵部隊の一人だ」
「うそ……っ」
「うむ、いい反応だ。名前は……エリカでいい」
彼女は満足そうに頷いた。
……ローブの下は小柄な身体。
しかし大きく紅い瞳が印象的な女性だ。
そしてその肌と同じく、雪のように白い髪はショートボブの長さで揺れている。
「私はこれでも多忙でな。手短にいくぞ」
そう前置きをすると、エリカさんは話し始めた―――。
彼女の所属する、密偵部隊。
その名の通り、秘密裏に捜査する集団だ。
「あの薬屋はな、元々私たちの隠れ蓑なのだよ」
エリカさんは肩を竦めて言った。
……彼女達は、この町での人身売買や危険な魔法薬について調べていたという。
「特にこの町は、他国との行き来も盛んだ。下手に問題を放置しておくと、良い事は無い」
そこで一旦、言葉を切る。
「失礼」
そう一言断ると、ポケットから何か棒状のモノを取り出した。
さらに、それの一部に何やら薬草を詰める。
「……ちょっと、火ぃ貸してくれないかい?」
「あぁ」
マトが、指先に小さな火炎魔法を灯した。
それを詰めた薬草に点火する。
そして薄い唇に咥えて……。
「何よこれ」
好奇心に押されたのだろう。
カンナの目が釘付けだ。
「ん。なんだ、見たことないのか」
すぅぅ、と息を吸う。
ふぅぅ、と息を吐く。
口や鼻から立ち上った煙。
キセル(煙草)だ。
くゆらせた紫煙は、独特な香りを振りまいていた。
「キセルを嗜むなんざ、えらく道楽じゃねーか」
マトが皮肉げに顔を歪める。
「ふふん。だから良いのだよ。私の食屍鬼の血も、この香りと味を好むらしい」
紅い口でニヤリと笑い、答える。
……この世界の煙草、キセルは割かし高価なわけで。
だから愛煙家の多くが金持ちの商人だったりする。
それを若い女性が吸っているものだから、先程からほかの席からチラチラと視線が集まるのは仕方のない事だ。
しかし彼女は、そんな視線など意に返さない。
「周知の事実であるが……ユスティは国が統括している」
彼女の言葉に、やはりとマトが頷く。
「特にこの密偵部隊は……」
そこでふと、声のトーンを落とす。
「トライフル王国の、女王陛下が指揮を執っていてな。この町の腐敗をいち早く察知されたのもナタラ様……ナタラ女王陛下だ」
女王の名を呟く時、彼女の声と瞳には陶酔があった。
恐らく、相当深く忠誠を誓っているのだろうか。
「時を見て、あの人間達は私が粛清するはずだったのだが。まさか内輪揉めとは……」
「ジョージを。彼を、どうするつもりですか?」
「ふふ、気になるか?」
「……」
そりゃあ気になる。
つまり彼は、罪人として国に追われてるわけだから。
「まぁ捕らえた後の処遇はな、国のお偉方が決めるだろう。それより今、私の関心事は……」
フーッ、と煙を僕の顔に吹きかける。
思わず咳き込めば、ニンマリと笑われた。
「ルイ、貴様だ」
「僕……ですか?」
「あの魔剣。あれは特殊なモノだな」
「悪魔との契約で得た……と聞いてます」
「聞いてます、だと?」
―――僕は彼女に全て話した。
前世の記憶の事、今世のそれが無いこと。
そして魔剣について。
「面白い。しかし、その魔剣はそこらの低級悪魔との契約で手に入るモノではないぞ」
「そうなんですか?」
僕はマトを振り返る。
彼は、何故かすごく固い表情をして首を振った。
「上級悪魔……いや、魔王との契約だ」
「ま、魔王!?」
魔王討伐に向かう僕が、魔王と契約していた!?
……意味が分からない。
「というわけで、私は貴様を信用してはいない。いっそこのまま、罪人として国に連行しても良いのだが」
「そ、そんな」
……僕はともかく、マトとカンナは関係ないのに。
改めて、記憶が無い恐ろしさを知った。
一体、僕はどうしてこんな力を得ようと思ったのか。
「なに勝手言ってんのよ!」
「そうだっ! 黙って聞いてたらベラベラと……」
青ざめた僕を見兼ねてか、彼らが声を荒らげた。
エリカさんが、鼻で笑う。
「ふふん、貴様らの処遇も私が握っているのだ。もちろん、逃がすようなヘマはしない……この意味は分かるな?」
「……」
「貴様がその魔剣を携えていようと、国ひとつ相手取る事はできまい。三人揃っての処刑が、関の山だ」
僕達は今まで人助けをしてきた。
それは完全なる正義、ではないだろう。
しかし、僕達なりの想いがあっての行動だ。
……それなのに、結末がこれか。
「してきた事など関係ない。貴様が何者であるか、が大事なのだよ」
エリカさんが、ふかすキセルの紫煙を眺める。
「貴様にはそれが無い」
『僕は何者か』
……確かに記憶喪失の僕にはないのかもしれない。
「待て。少なくても俺は彼の事を知っている」
「魔法使い、貴様だって同じだ。つまり貴様ら3人とも、私の信用を得るに足らないのだよ」
「お前なんかに信用してもらう必要なんか!」
「ふっ……口には気をつけろ。私が憂うのは、ただ一つ。この国に、国王並びに女王陛下に害をなす存在だ」
そう言って、また煙草をふかした。
「偉そうな事言って! あんただって食屍鬼じゃないのよ。所詮人間とは違……っ!?」
カンナが言葉を途切れさせる。
その刹那、彼女の首筋に銀色の光。
―――ナイフだ。鋭利な刃が、わずかくい込む。
「くっ……!」
「……口には気をつけろ、と言ったはずだぞ。小娘が」
目にも止まらぬ速さで、エリカは彼女にナイフを突きつけたのだ。
その瞳は差し込んだ怒りに、燃えている。
「確かに私の身体には、忌々しい魔物の血が入っている。しかし心は人間だ。何より、ナタラ様がそう認めて下さった……これは誰にも侮辱させない」
カンナは無言で頷く。
すると、もう興味を失ったような顔でナイフを外し仕舞った。
「……場所を変えよう。少し騒ぎ過ぎた、らしい」
そう言うと、彼女は悠々とキセルの火を消して立ち上がる。
「ついてこい」
エリカさんのこの言葉で僕達は、不躾な視線の集まる酒場を後にした―――。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫
店を出て、町を出る。
―――始終僕らは無言だった。
彼女を射殺さんばかりの、仲間たち。
そして僕は自身の立場の危うさに、改めて考えを巡らせていた。
魔王との契約、これが何を示すか。
それは人間の敵である魔王の仲間、と同義語に当たる。
言わば危険因子なんだ。
いくら、これまで善行を繰り返しできたとしても。
変わることの無い事実。
……こういうの、本当にチートな能力とかあったら。
色々、なんとでもなるんだろうか。
僕の魔剣は、確かに強い。
今世でどんな半生を歩んできたのかは分からないが、身体能力もそれなりだ。
……それでも、彼女に勝てるかどうか。
先程のナイフを突き付けるスピード。
あれはかなりの手練だろう。
ただの剣で勝てる相手かどうか、分からない。
それに、やはり僕のせいで2人が危険な目に合うのが怖い。
「……」
隣に歩いていたマトが、そっと僕の手を包み込んだ。
大きく無骨な手。
とても温かい。
『大丈夫だ』と、言ってくれているような……。
「ねぇ、どこへ連れていく気よ!」
カンナが苛立った声を上げたのは、町を出た所だった。
「慌てるな。もうすぐだ」
片方の口角をあげて、エリカさんが笑う。
……すぐそこに、深く暗い森が広がっていた。
「で、アンタは何が望みだ?」
マトが立ち止まり、彼女を睨みつける。
「勿体ぶるな。……ルイの事を見逃す、その代わりに何か俺達にさせようって魂胆だろ!」
「……ふふ、頭の回転の良い奴は嫌いじゃあないぞ」
彼女は不敵に笑う。
そして僕らの後ろを一瞥して言った。
「出てこい」
―――ザザザァッ。
大きな風が吹く。
「キャッ!?」
カンナが悲鳴を上げた。
慌てて振り返ると、いつの間に居たのか……ゴツゴツとした大男がのっそりと立っていた。
「ちょっ、何すんの、離してっ!!」
「カンナ!?」
男の腕には、カンナが軽々と抱き抱えられている。
ジタバタと暴れている彼女。
それをものともしない男。
「お、おいっ!? なんの真似だ、こりゃあ」
「……ルイ。貴様はこの男、見覚えがあるだろう?」
「あぁ」
……彼も、ユスティの一員だったのか。
魔法道具専門店の店主。
確か。
「デアレイよン。お久しぶりねぇ、ルイちゃん!」
豪奢なフリルのついたドレス。
その下は屈強な男だ。
「ゲッ、なんだそのオカマ野郎は!?」
「あらン、随分な言葉ねェ! 」
マトの嫌そうな言葉に、顔を顰めている。
エリカさんは、そのやり取りを面白そうに眺めていたが。
「ルイよ。貴様は『あの薬』の存在を知っているだろう」
「ジョージ達が闇で扱っていた、っていう?」
「そうだ。アレは一時的に、人を多福感に浸らせる。しかし同時に激しい依存症に陥らせる」
まさに、前世で言う所の『危険薬物』だ。
「しかし。それを作り出している魔女の行方が不明だったのだ。……恐らく、余程の魔法薬の調合の腕だろう」
そして彼女は眼前に広がる森を指さす。
「あの森に、その魔女が居る」
―――そして大きな口でニンマリ笑って言った。
「……魔女を殺せ、お前ら2人でな」
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