8 / 12
お泊まりデートはいかがでしょう1
しおりを挟む
あれから結局、一言も話さないまま家に着いた。
視線すら合わせることも出来ず、お互いぎこちない挨拶を交わして――のはずだった。
「葵さん!」
心無しか背中を丸めぎみで帰る後ろ姿を数秒だけ見送って、家に入ろうとドアノブに手をかける。
そんな俺の背中に弾んだ声がぶつかった。
「返事っ、聞いてませんが」
走って戻ってきたんだろう。そしていよいよ傾いてきた陽の光を逆光に、その表情はあまりよく見えなかった。
「返事?」
もしかしてあれのことか。またデートしてくれますかってやつ。
俺は黙り込んだ。
「オレじゃダメですか」
「そういうんじゃねえよ」
まだイマイチよく分からない。だって、記憶にないんだぞ。コイツとのことすべて。
恋人同士ってことは多分、告白したかされたかしたわけで。それ以前に、なんらかの交流もあったはずだろう。
そんなのも全部、俺の記憶にはないんだよ。
それってすごく――悲しい。
「お前こそ俺でいいのかよ」
「あなた以外は嫌です」
即答だった。
俺は今、求められている。求めてばかりの愛だったのに。憎いはずの男に、熱烈に求められているなんて。
目眩がした。
「こ、今度……どこに行きたいか考えとく」
「葵さんっ!!」
「!?」
抱きつかれた。というよりタックルされたという言うべきか。そのまま苦しいほどに抱かれ、まるで彼の胸の中に閉じ込められたような気分。
でもなぜかひどく心地よくて、それでいて泣きそうになった。
「大事にします。愛してます。オレだけをみてください。ずっと、ずっと、永遠にオレだけを」
「っ、お、おい、落ち着け!」
苦しい。物理的に締め上げられて息が出来ない。
でもグリグリと俺の肩口に頭を押し付けている様は、やっぱり大型犬みたいで可愛くないわけではない。
ああもうなんなんだコイツ。十七年後にあんなことをしでかすクセに、なんで俺はこんな男が気になり始めてるんだよ!
「わかった、わかったから」
恐る恐る背中に手を回す。
男同士で傍から見ればかなりアレな状況だろうけど、なんかもう色々とどうでも良くなってきた。
「落ち着けって、バカ」
俺もまたこっそりアイツの肩に唇を寄せて呟く。
嬉しい、という絞り出すような声が耳元で聞こえた気がした。
※※※
「葵ーっ! 義幸くんが迎えに来てくれたわよ」
下から母さんの声がする。
「わかったって。今行くから」
適当に返事をしつつ、俺は身支度をすませた。
オッサンと男子高校生は朝やることが違う、と思う。そろそろ慣れたけど、制服を着るのも最初はなんだか躊躇いがあった。
「んー」
鏡をチラ見して、そろそろ髪がのびてきたのを確認する。
そう言えばこの頃はどこで散髪してたっけな。もっとガキの時は近所の店だったんだけど。
高校生なんだし、もう少しシャレたっていいとは思う。
「ま、いいか」
アイツにでも聞いてみよう。
そんな事を考えながらリビングに行った。
「おはようございます、葵さん」
「友達待たせてなにしてんの」
義幸のおだやかな声と、母さんが頬を膨らませたのは同時だった。
俺ん家のリビングでなぜかこの後輩はくつろいでいる。しかも最近はほぼ毎朝だ。
「早く朝ごはん食べちゃいなさい」
「はいはい」
朝食を取らなくなったのはいつ頃からだろう。この時代はどうやらちゃんと食べてたらしい。
こうしてみると社会人になってからの生活習慣がちとやばかったんだな。ま、これもタイプリープしてるから分かることだ。
「葵さん、オレンジジュース飲みます?」
「あ、うん」
わざわざついでくれる。何か至れり尽くせりって感じだな。
こんな嫁がいたらいいかも。
「あ、そうそう。葵、母さんね。今度の土曜日、帰りが遅くなるから」
「おばあちゃんのとこ? それなら泊まっていきなよ」
不定期で、母さんは祖母の介護のために出かけることがあった。
普段は叔父夫婦がみてくれるのだが、旅行などで家を開ける時などに実家に行って介護してるらしい。
とはいっても別に寝たきりとか認知症とかではなく、この前うっかり骨折してからかなり心配はしているようで。
「まあおばあちゃんも元気なんだけど、この前足折っちゃったしね。泊まってきちゃおうかしら」
親戚付き合いはあまり広くないものの、母と叔父夫婦と祖母はとても仲がいい。
俺もガキの頃よく遊びに連れて行ってもらった記憶がある。
「そうしなよ。仕事も休みいれたんだろ、ゆっくりしてきて」
「あら、優しいこと言ってくれるじゃないのよ」
「別に」
親孝行したい時に親はなしって、今の俺にはほんと身につまされる。
母さんの葬式の時、いやそれからずっと何度後悔しただろう。反抗期でろくに会話もない時期だってあったし。
でも母さんはやっぱり母さんなんだよな。まあこんな事に気づくことが出来ただけで、この経験も悪いことばかりじゃないのかもしれない。
「それなら前日から行っちゃおうかしら」
「え?」
「学生時代のお友達に誘われていてね、なんなら金曜の夜から遊びに行っちゃおうかしらね」
「あ、ああ。いいんじゃないの」
なんだか急に生き生きと楽しそうにする母さんに戸惑うけど、嬉しいそうな顔なのはいい事だ。
そして結局、金曜の夜から母さんは出かけることになった。
「……葵さん」
二人して家を出て数メートルほど行ったところで、意を決したように義幸が口を開く。
「どうした。腹でも痛いのか」
朝食に冷えた牛乳飲んでたもんな。俺なら絶対ムリ。腹が冷えて、悲惨なことになる。ちなみにヨーグルト飲料もダメ。
こう見えてわりとお腹弱いんだ。
「違いますよ。週末のことです」
週末? デートの予定なんてあったか。
それを聞く前に。
「オレ、家に泊まりに行ってもいいですか」
「!」
俺ん家にコイツが? それっていわゆる。
「お前……見た目に寄らずムッツリだな」
「いや違いますから、そんな目で見ないでください」
仮にも恋人の家。親が不在時に泊まりにくるなんざ、かなりふてぶてしいというか。
娘がそんな彼氏連れてきたらタダじゃおかない――ってそういうことじゃなくて。
「やっぱり心配じゃないですか」
「なに言ってんの、お前」
ほんとに何言ってるか分からない。
か弱くて華奢な美少女高校生とかならまだ理解出来る。でも相手は俺だぞ?
義幸に劣るが、日本男性の平均身長ほどある男だ。ガタイもいいとは言えないがそう貧弱でもない、と思いたい。
「心配してもらんでも留守番くらい出来るが」
「その心配はしてませんが……って、もういいです」
常な真顔をさらに引き締めて、もはや怖い顔の彼が俺の前に立つ。
「ぶっちゃけ、お泊まりデートしたいです」
「は、はぁぁっ!?」
やはり本性というか本能あらわしやがった!
そして深々と頭を下げるな。すごく不審者に見られるだろうが。
同じ高校や駅に向かう人達が歩いている道で、いきなりのぶっちゃけトークはヤバすぎる。
俺はとりあえずヤツに頭を上げさせて、必死に腕を引っ張る。
「と、とりあえずっ。この話題はまた後だ!」
「はあ……」
肝が一気に冷えた。
猛暑でもないはずなのにダラダラと背中に流れる汗に辟易しながら、俺は義幸から視線をそらして歩き出す。
――お泊まりデート、か。
「~~~っ!!!」
なんかすごく卑猥な言葉に聞こえたぞ! こんなヤツと一晩一緒にいるなんて、俺達はどうなっちまうんだろう。
もしかして、もしかすると、多分、万が一。
「……色々と準備しなきゃな」
「ひぃっ!?」
ポツリと呟かれた言葉にまた慄く。
準備ってなんだ!? なにをされるんだろう、俺は。
「ああ楽しみだな」
てかもう泊まることになってるし。そして俺は今、すごく気になってることがある。
俺とアイツ、どっちが上なんだ???
何がとは言わない、ナニとも。
でも考え始めたら止まらない。顔もどんどん熱くなってきたし、自分がとてつもなく恥ずかしい人間みたいに思えてくる。
「っ……俺、先に行くから!!」
「葵さん?」
もうたまらなくなって、俺はその場を走り出した。
視線すら合わせることも出来ず、お互いぎこちない挨拶を交わして――のはずだった。
「葵さん!」
心無しか背中を丸めぎみで帰る後ろ姿を数秒だけ見送って、家に入ろうとドアノブに手をかける。
そんな俺の背中に弾んだ声がぶつかった。
「返事っ、聞いてませんが」
走って戻ってきたんだろう。そしていよいよ傾いてきた陽の光を逆光に、その表情はあまりよく見えなかった。
「返事?」
もしかしてあれのことか。またデートしてくれますかってやつ。
俺は黙り込んだ。
「オレじゃダメですか」
「そういうんじゃねえよ」
まだイマイチよく分からない。だって、記憶にないんだぞ。コイツとのことすべて。
恋人同士ってことは多分、告白したかされたかしたわけで。それ以前に、なんらかの交流もあったはずだろう。
そんなのも全部、俺の記憶にはないんだよ。
それってすごく――悲しい。
「お前こそ俺でいいのかよ」
「あなた以外は嫌です」
即答だった。
俺は今、求められている。求めてばかりの愛だったのに。憎いはずの男に、熱烈に求められているなんて。
目眩がした。
「こ、今度……どこに行きたいか考えとく」
「葵さんっ!!」
「!?」
抱きつかれた。というよりタックルされたという言うべきか。そのまま苦しいほどに抱かれ、まるで彼の胸の中に閉じ込められたような気分。
でもなぜかひどく心地よくて、それでいて泣きそうになった。
「大事にします。愛してます。オレだけをみてください。ずっと、ずっと、永遠にオレだけを」
「っ、お、おい、落ち着け!」
苦しい。物理的に締め上げられて息が出来ない。
でもグリグリと俺の肩口に頭を押し付けている様は、やっぱり大型犬みたいで可愛くないわけではない。
ああもうなんなんだコイツ。十七年後にあんなことをしでかすクセに、なんで俺はこんな男が気になり始めてるんだよ!
「わかった、わかったから」
恐る恐る背中に手を回す。
男同士で傍から見ればかなりアレな状況だろうけど、なんかもう色々とどうでも良くなってきた。
「落ち着けって、バカ」
俺もまたこっそりアイツの肩に唇を寄せて呟く。
嬉しい、という絞り出すような声が耳元で聞こえた気がした。
※※※
「葵ーっ! 義幸くんが迎えに来てくれたわよ」
下から母さんの声がする。
「わかったって。今行くから」
適当に返事をしつつ、俺は身支度をすませた。
オッサンと男子高校生は朝やることが違う、と思う。そろそろ慣れたけど、制服を着るのも最初はなんだか躊躇いがあった。
「んー」
鏡をチラ見して、そろそろ髪がのびてきたのを確認する。
そう言えばこの頃はどこで散髪してたっけな。もっとガキの時は近所の店だったんだけど。
高校生なんだし、もう少しシャレたっていいとは思う。
「ま、いいか」
アイツにでも聞いてみよう。
そんな事を考えながらリビングに行った。
「おはようございます、葵さん」
「友達待たせてなにしてんの」
義幸のおだやかな声と、母さんが頬を膨らませたのは同時だった。
俺ん家のリビングでなぜかこの後輩はくつろいでいる。しかも最近はほぼ毎朝だ。
「早く朝ごはん食べちゃいなさい」
「はいはい」
朝食を取らなくなったのはいつ頃からだろう。この時代はどうやらちゃんと食べてたらしい。
こうしてみると社会人になってからの生活習慣がちとやばかったんだな。ま、これもタイプリープしてるから分かることだ。
「葵さん、オレンジジュース飲みます?」
「あ、うん」
わざわざついでくれる。何か至れり尽くせりって感じだな。
こんな嫁がいたらいいかも。
「あ、そうそう。葵、母さんね。今度の土曜日、帰りが遅くなるから」
「おばあちゃんのとこ? それなら泊まっていきなよ」
不定期で、母さんは祖母の介護のために出かけることがあった。
普段は叔父夫婦がみてくれるのだが、旅行などで家を開ける時などに実家に行って介護してるらしい。
とはいっても別に寝たきりとか認知症とかではなく、この前うっかり骨折してからかなり心配はしているようで。
「まあおばあちゃんも元気なんだけど、この前足折っちゃったしね。泊まってきちゃおうかしら」
親戚付き合いはあまり広くないものの、母と叔父夫婦と祖母はとても仲がいい。
俺もガキの頃よく遊びに連れて行ってもらった記憶がある。
「そうしなよ。仕事も休みいれたんだろ、ゆっくりしてきて」
「あら、優しいこと言ってくれるじゃないのよ」
「別に」
親孝行したい時に親はなしって、今の俺にはほんと身につまされる。
母さんの葬式の時、いやそれからずっと何度後悔しただろう。反抗期でろくに会話もない時期だってあったし。
でも母さんはやっぱり母さんなんだよな。まあこんな事に気づくことが出来ただけで、この経験も悪いことばかりじゃないのかもしれない。
「それなら前日から行っちゃおうかしら」
「え?」
「学生時代のお友達に誘われていてね、なんなら金曜の夜から遊びに行っちゃおうかしらね」
「あ、ああ。いいんじゃないの」
なんだか急に生き生きと楽しそうにする母さんに戸惑うけど、嬉しいそうな顔なのはいい事だ。
そして結局、金曜の夜から母さんは出かけることになった。
「……葵さん」
二人して家を出て数メートルほど行ったところで、意を決したように義幸が口を開く。
「どうした。腹でも痛いのか」
朝食に冷えた牛乳飲んでたもんな。俺なら絶対ムリ。腹が冷えて、悲惨なことになる。ちなみにヨーグルト飲料もダメ。
こう見えてわりとお腹弱いんだ。
「違いますよ。週末のことです」
週末? デートの予定なんてあったか。
それを聞く前に。
「オレ、家に泊まりに行ってもいいですか」
「!」
俺ん家にコイツが? それっていわゆる。
「お前……見た目に寄らずムッツリだな」
「いや違いますから、そんな目で見ないでください」
仮にも恋人の家。親が不在時に泊まりにくるなんざ、かなりふてぶてしいというか。
娘がそんな彼氏連れてきたらタダじゃおかない――ってそういうことじゃなくて。
「やっぱり心配じゃないですか」
「なに言ってんの、お前」
ほんとに何言ってるか分からない。
か弱くて華奢な美少女高校生とかならまだ理解出来る。でも相手は俺だぞ?
義幸に劣るが、日本男性の平均身長ほどある男だ。ガタイもいいとは言えないがそう貧弱でもない、と思いたい。
「心配してもらんでも留守番くらい出来るが」
「その心配はしてませんが……って、もういいです」
常な真顔をさらに引き締めて、もはや怖い顔の彼が俺の前に立つ。
「ぶっちゃけ、お泊まりデートしたいです」
「は、はぁぁっ!?」
やはり本性というか本能あらわしやがった!
そして深々と頭を下げるな。すごく不審者に見られるだろうが。
同じ高校や駅に向かう人達が歩いている道で、いきなりのぶっちゃけトークはヤバすぎる。
俺はとりあえずヤツに頭を上げさせて、必死に腕を引っ張る。
「と、とりあえずっ。この話題はまた後だ!」
「はあ……」
肝が一気に冷えた。
猛暑でもないはずなのにダラダラと背中に流れる汗に辟易しながら、俺は義幸から視線をそらして歩き出す。
――お泊まりデート、か。
「~~~っ!!!」
なんかすごく卑猥な言葉に聞こえたぞ! こんなヤツと一晩一緒にいるなんて、俺達はどうなっちまうんだろう。
もしかして、もしかすると、多分、万が一。
「……色々と準備しなきゃな」
「ひぃっ!?」
ポツリと呟かれた言葉にまた慄く。
準備ってなんだ!? なにをされるんだろう、俺は。
「ああ楽しみだな」
てかもう泊まることになってるし。そして俺は今、すごく気になってることがある。
俺とアイツ、どっちが上なんだ???
何がとは言わない、ナニとも。
でも考え始めたら止まらない。顔もどんどん熱くなってきたし、自分がとてつもなく恥ずかしい人間みたいに思えてくる。
「っ……俺、先に行くから!!」
「葵さん?」
もうたまらなくなって、俺はその場を走り出した。
10
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない
こたま
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
偽物勇者は愛を乞う
きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。
六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。
偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。
転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~
トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。
突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。
有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。
約束の10年後。
俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。
どこからでもかかってこいや!
と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。
そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変?
急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。
慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし!
このまま、俺は、絆されてしまうのか!?
カイタ、エブリスタにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる