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名前の価値
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奴隷として売られていた少女、カナデは今ホーロー館でシロトたちが泊まっている部屋に居た。もちろん一人ではなく、後から合流したミネットとシアが傍に居た。シロトから話を聞いた際特に反対意見も出ることはなく、むしろカナデに対してシロトが選んだのだからと好意的だった。
「カナデ、スターリジアに戻ったら買い物とか行こうか。マスターに言われたけど服とか色々揃えないと」
「……でも、本当によろしいのでしょうか。私なんかに」
「私なんか、そんなことを言ったらダメだよ? マスターが選んだ君が自分をそんな風に言ったら、それこそマスターの判断もその程度ってことになる」
「っ! ご、ごめんなさい!!」
シロトの名前が出た瞬間カナデは自分の言葉を取り消すように頭を下げた。少しだけ危うい雰囲気を感じさせるが、それだけカナデの中でシロトの存在が大きいのだろう。普通ならあまり褒められた価値観ではないが、ここに集まるのは全員シロトを第一とする者たちだ。故に、おかしいとは思っても何も言うことはない。
「……ふむ」
そんな中、ミネットは微弱ながらスキルを使ってカナデに刻まれた記憶を見た。カナデ自身の記憶ではなく、体が覚えている記憶だ。ミネット自身特に憐れみを抱くことはないが悲惨な過去を歩いて来たというのは本当らしい。
最初に浮かんだのはまだ幼いカナデが母に虐待されている光景、次に浮かんだのは母親に売り飛ばされる光景、次は幼いカナデに目を付けた太った貴族に買われる光景で……そして手足を斬り落とされ、左目を刳り貫かれる際のカナデの悲鳴……そこまで見てミネットは目を閉じた。
「……本来なら自殺してもおかしくない、それだけこの子は心が壊れているんでしょうね」
カナデに聞こえないようにそう呟いた。いくら救われたとはいっても逆にどうして殺してくれないのかと恨んでもおかしくはない。それどころかシロトに対し永遠の忠誠を誓うほど、それだけカナデはシロトの存在によってその命を無意識に生に繋いでいる。万が一にもあり得ないが、シロトの身に何かあったらそれこそすぐに後を追いそうだなとミネットは思った。実際そうなった場合、繋がっているミネットたちも死ぬわけだから一緒ではあるけれど。
「フィール」
カナデの体が覚えていた名前、それこそがカナデの本当の名前だ。あの酒と薬に染まり切った血の繋がった母からの唯一の贈り物。ミネットは立ち上がってカナデの元へ歩いていく。
「カナデさん、少々よろしいでしょうか?」
「はい。何でしょうかミネット様」
サッと体を向けたカナデにミネットはこのことを伝えることにした。一応シロトがリーシャとサリアを連れて出掛ける際に、何か分かったことがあれば伝えても構わないと言われていたからだ。
「今スキルを使ってカナデさんの体に刻まれた記憶を見ました。その中で、あなたの本当の名前を知ることが出来ました」
「本当の……名前」
「はい。フィール、それがあなたの名前です」
シロトに名前を付けられた後ではあるが、果たしてどんなことを思ったか。気になるミネットとシアだったが、カナデの反応は冷めたものだった。
「その……今更そんな名前に何の意味があるのでしょうか」
「……………」
その返事でやはりと、ミネットは確信した。カナデにとって最早過去はないに等しく、その中で受け取った全てに価値はないのだ。今カナデが持っている価値あるものはシロトから受け取った名前のみ、だからこそ自分の本当の名前を知っても意味も価値も見い出せない。
「私の名はカナデ、ご主人様から賜ったこの名が私の本当の名前です。それだけは譲りたくありません……すみません、生意気を言ってしまって」
そう言って深々とカナデは頭を下げた。ミネットはその言葉に不快感なんて覚えるわけもなく、むしろその逆で本当に自分たちにそっくりだと笑みさえ浮かべた。
「いえいえ、そんなことはありませんよ。カナデさん、ええそうです。それがあなたの名前ですからこれからもそう名乗ってください。私の方こそ変なことを言ってしまってごめんなさい。もうカナデさんに過去なんて必要ありませんものね?」
「はい、その通りです。過去なんていりません!」
ミネットとは別に、シアは少しだけこのやり取りはどうなんだと思ったが特に口を挟もうとは思わなかった。まあミネットの言葉は少し暗示染みた何かを思わせたがそこに悪意はない。もしカナデがシロトに対して害を及ぼすような存在だったとしたら容赦はなかっただろうが、今のカナデにあるのはなシロトや他の人形たちに対する純粋な忠誠心だけだ。
「それにしても……」
「わわっ!?」
シアは小柄なカナデの体を持ち上げて膝の上に乗せる。そして頭を撫でると、カナデは恥ずかしそうにしながらもされるがままだった。
「妹が出来るとこんな感じなのかな。悪くないね、ミネットとかもこんな感じだったの?」
「……う~ん、私としては随分と凶悪な妹が出来たと思いましたけど」
「凶悪って酷いな……」
「ふふ、冗談です♪ 可愛い妹が生まれたなと思いましたよ?」
実際その通りだった。というか、リーシャもサリアも同じだった。次に生まれる自分と同じ人形、シロトが創造する日は妙にドキドキしていたものだ。シアの腕の中に居るカナデはまだ与えられる温もりに慣れていないようだが、徐々に慣れていくだろうと思う。
「マスターは絶対の存在だと、教え込むのも悪くはなさそうですね♪」
その必要はないかもしれないが、そうミネットは心の中で笑った。
「ここのお茶も美味ですね」
「あぁ、この団子も美味しい」
途中でサリアと別れ、俺とリーシャは二人で出掛けていた。その途中で立ち寄った店だが、小腹が空いていたのでちょうど良かった。どんな茶葉を使っているのか分からないが程よい苦みのお茶、タレたっぷりの団子も美味しい。明日には帰るつもりだしシャズに土産として買って帰ろうか。
「マスター、とりあえずカナデちゃんには私の手伝いをさせようと思いますが」
「いいんじゃないか? 勉強とかも大事だろうし、サリアとミネットが教えてくれるだろうからその時間は空けてやってくれ」
「分かりました」
ある程度の知識はこの先必要になるだろうからな。ただ、あの幼さにしては礼儀が伴っているようには見えたけど……もしかしたら、貴族に売られた際の出来事でどうすれば甘く済ませてもらえるかを学んだ影響なのかもしれない。
「シアさんは妹が出来たようで嬉しそうでしたね」
「……あぁそう言えばそうだったな」
人形ではないけど、妹みたいな存在というなら間違いではない。ミネットが変なことを吹き込むのではと不安ではあるけど、シアが傍に居るなら大丈夫だろう。
「マスター、この後行きたいところがあるのですがよろしいですか?」
「構わないよ」
全部が新鮮だし色々と周りたいから頷いた。しかし、この後連れられた場所は一応温泉巡りのルートではあったのだが、比較的奥の人の出入りが少ない場所だった。そこに来た時点で俺は何をするつもりなのか察してしまったが……まあ。
「リーシャ、おいで」
「! はい!」
いつも世話になっているし、俺も彼女に愛情という意味でお返しするのも悪くはないと思ったんだ……今朝もそうだし普段と変わらない? それは言ってはダメなお約束だ。
「カナデ、スターリジアに戻ったら買い物とか行こうか。マスターに言われたけど服とか色々揃えないと」
「……でも、本当によろしいのでしょうか。私なんかに」
「私なんか、そんなことを言ったらダメだよ? マスターが選んだ君が自分をそんな風に言ったら、それこそマスターの判断もその程度ってことになる」
「っ! ご、ごめんなさい!!」
シロトの名前が出た瞬間カナデは自分の言葉を取り消すように頭を下げた。少しだけ危うい雰囲気を感じさせるが、それだけカナデの中でシロトの存在が大きいのだろう。普通ならあまり褒められた価値観ではないが、ここに集まるのは全員シロトを第一とする者たちだ。故に、おかしいとは思っても何も言うことはない。
「……ふむ」
そんな中、ミネットは微弱ながらスキルを使ってカナデに刻まれた記憶を見た。カナデ自身の記憶ではなく、体が覚えている記憶だ。ミネット自身特に憐れみを抱くことはないが悲惨な過去を歩いて来たというのは本当らしい。
最初に浮かんだのはまだ幼いカナデが母に虐待されている光景、次に浮かんだのは母親に売り飛ばされる光景、次は幼いカナデに目を付けた太った貴族に買われる光景で……そして手足を斬り落とされ、左目を刳り貫かれる際のカナデの悲鳴……そこまで見てミネットは目を閉じた。
「……本来なら自殺してもおかしくない、それだけこの子は心が壊れているんでしょうね」
カナデに聞こえないようにそう呟いた。いくら救われたとはいっても逆にどうして殺してくれないのかと恨んでもおかしくはない。それどころかシロトに対し永遠の忠誠を誓うほど、それだけカナデはシロトの存在によってその命を無意識に生に繋いでいる。万が一にもあり得ないが、シロトの身に何かあったらそれこそすぐに後を追いそうだなとミネットは思った。実際そうなった場合、繋がっているミネットたちも死ぬわけだから一緒ではあるけれど。
「フィール」
カナデの体が覚えていた名前、それこそがカナデの本当の名前だ。あの酒と薬に染まり切った血の繋がった母からの唯一の贈り物。ミネットは立ち上がってカナデの元へ歩いていく。
「カナデさん、少々よろしいでしょうか?」
「はい。何でしょうかミネット様」
サッと体を向けたカナデにミネットはこのことを伝えることにした。一応シロトがリーシャとサリアを連れて出掛ける際に、何か分かったことがあれば伝えても構わないと言われていたからだ。
「今スキルを使ってカナデさんの体に刻まれた記憶を見ました。その中で、あなたの本当の名前を知ることが出来ました」
「本当の……名前」
「はい。フィール、それがあなたの名前です」
シロトに名前を付けられた後ではあるが、果たしてどんなことを思ったか。気になるミネットとシアだったが、カナデの反応は冷めたものだった。
「その……今更そんな名前に何の意味があるのでしょうか」
「……………」
その返事でやはりと、ミネットは確信した。カナデにとって最早過去はないに等しく、その中で受け取った全てに価値はないのだ。今カナデが持っている価値あるものはシロトから受け取った名前のみ、だからこそ自分の本当の名前を知っても意味も価値も見い出せない。
「私の名はカナデ、ご主人様から賜ったこの名が私の本当の名前です。それだけは譲りたくありません……すみません、生意気を言ってしまって」
そう言って深々とカナデは頭を下げた。ミネットはその言葉に不快感なんて覚えるわけもなく、むしろその逆で本当に自分たちにそっくりだと笑みさえ浮かべた。
「いえいえ、そんなことはありませんよ。カナデさん、ええそうです。それがあなたの名前ですからこれからもそう名乗ってください。私の方こそ変なことを言ってしまってごめんなさい。もうカナデさんに過去なんて必要ありませんものね?」
「はい、その通りです。過去なんていりません!」
ミネットとは別に、シアは少しだけこのやり取りはどうなんだと思ったが特に口を挟もうとは思わなかった。まあミネットの言葉は少し暗示染みた何かを思わせたがそこに悪意はない。もしカナデがシロトに対して害を及ぼすような存在だったとしたら容赦はなかっただろうが、今のカナデにあるのはなシロトや他の人形たちに対する純粋な忠誠心だけだ。
「それにしても……」
「わわっ!?」
シアは小柄なカナデの体を持ち上げて膝の上に乗せる。そして頭を撫でると、カナデは恥ずかしそうにしながらもされるがままだった。
「妹が出来るとこんな感じなのかな。悪くないね、ミネットとかもこんな感じだったの?」
「……う~ん、私としては随分と凶悪な妹が出来たと思いましたけど」
「凶悪って酷いな……」
「ふふ、冗談です♪ 可愛い妹が生まれたなと思いましたよ?」
実際その通りだった。というか、リーシャもサリアも同じだった。次に生まれる自分と同じ人形、シロトが創造する日は妙にドキドキしていたものだ。シアの腕の中に居るカナデはまだ与えられる温もりに慣れていないようだが、徐々に慣れていくだろうと思う。
「マスターは絶対の存在だと、教え込むのも悪くはなさそうですね♪」
その必要はないかもしれないが、そうミネットは心の中で笑った。
「ここのお茶も美味ですね」
「あぁ、この団子も美味しい」
途中でサリアと別れ、俺とリーシャは二人で出掛けていた。その途中で立ち寄った店だが、小腹が空いていたのでちょうど良かった。どんな茶葉を使っているのか分からないが程よい苦みのお茶、タレたっぷりの団子も美味しい。明日には帰るつもりだしシャズに土産として買って帰ろうか。
「マスター、とりあえずカナデちゃんには私の手伝いをさせようと思いますが」
「いいんじゃないか? 勉強とかも大事だろうし、サリアとミネットが教えてくれるだろうからその時間は空けてやってくれ」
「分かりました」
ある程度の知識はこの先必要になるだろうからな。ただ、あの幼さにしては礼儀が伴っているようには見えたけど……もしかしたら、貴族に売られた際の出来事でどうすれば甘く済ませてもらえるかを学んだ影響なのかもしれない。
「シアさんは妹が出来たようで嬉しそうでしたね」
「……あぁそう言えばそうだったな」
人形ではないけど、妹みたいな存在というなら間違いではない。ミネットが変なことを吹き込むのではと不安ではあるけど、シアが傍に居るなら大丈夫だろう。
「マスター、この後行きたいところがあるのですがよろしいですか?」
「構わないよ」
全部が新鮮だし色々と周りたいから頷いた。しかし、この後連れられた場所は一応温泉巡りのルートではあったのだが、比較的奥の人の出入りが少ない場所だった。そこに来た時点で俺は何をするつもりなのか察してしまったが……まあ。
「リーシャ、おいで」
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いつも世話になっているし、俺も彼女に愛情という意味でお返しするのも悪くはないと思ったんだ……今朝もそうだし普段と変わらない? それは言ってはダメなお約束だ。
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