43 / 159
(42)
しおりを挟む
ダンジョン強化を行っている二人は、補強方法が決定すると夫々ダンジョンに一歩足を踏み入れて強化を行っている。
ダンジョン内の転移に関して言えば、ダンジョンマスターは無条件で転移可能だったのだが、眷属に対して転移可能とするのにも内包魔力を使用する事になり、600必要になっている。
相当持っていかれるが、今後どうしても必要になるので早めに取得しておく事にした。
とは言え、自らが管理するダンジョンの眷属と言う存在の転移設定すら内包魔力が必要である事に愕然としてしまった湯原。
「世知辛い設定だな」
「でも、便利機能だから仕方がないですよね?もちろん、こっちも取りますよね?」
ダンジョンの前に全員が集まっている中で、互いの頭に浮かんでいる事を地面に書き写しながらダンジョンを強化している二人。
今のところは互いの脳内に出て来る内容は一致しており、水野が指し示したのは、眷属ではなく召喚魔物を任意の位置に転移できる能力であり、ダンジョンマスターとしての力になる項目……内包魔力は800となっているが、好きな位置に召喚魔物を送れると言う事は撤退も可能と言う事であり、戦力を一点集中できる事にも繋がり、戦闘の幅が広がるのでぜひ欲しい所だ。
残念な事に、例え仲間と認識しており、侵入者としてカウントされないダンジョンマスターや眷属であっても異なるダンジョンの中では自由に転移は出来ないので、直接管理しているマスターかその眷属と共に移動する事になると考えている二人だが、転移魔法陣の項目に目が留まる。
そこには三種類の転移魔法陣の項目があり
転移魔法陣A…ダンジョン関連の者以外を指定上層階へ転移させる 600
転移魔法陣B…ダンジョン関連の者以外を指定下層階へ転移させる 800
転移魔法陣C…指定した人物・魔物をダンジョンの外に転移させる
指定先が異なるダンジョンである場合、指定先のダンジョンマスターも同一の力を取得している事と受け入れ許可が必要 1200
ここまで一式で取得すれば、互いのダンジョンのコアルームに一発で飛べるうえ、侵入者を上層に戻す事や、一気に下層に突き落とす事も出来る。
ただ、内包魔力必要数……
最も欲しい転移魔法陣Cが異常に高く、しかも互いに取得していなくてはならないと言うおまけ付きで、これでほぼ全ての内包魔力を使い切ってしまうのだ。
「どうしましょうか……」
悩む水野だが、湯原は一切悩んでいなかった。
「取ろう。そもそも今までも安全に来られたから…って、決して油断はしないけど、この転移魔法陣も早めにとっておけば、互いに一々外に出ずとも話が出来るし、安全に作業が出来ると思うんだ」
「カーリ様。皆様の安全は私達が全力で確保致します。ですから、その辺りはお気になさらずにお決めになってください」
階層を増やして対侵入者対策をすべきではないかと少々悩んでいる水野に対して、レインが優しくアドバイスを送る。
これが他のダンジョンマスターである四宮や辰巳の眷属である<淫魔族>のシノイチやタツイチであれば、何も言わずに無言であっただろう。
と、そんな事は良いが、この一言で水野も決断して共に転移魔法陣のA、B、Cを取得した所で、二人共に残りの内包魔力が一気に無くなった。
転移魔法陣の設置はレベル上昇に併せて設置数が異なるようで、現時点のレベル21のダンジョンであれば、上層下層階への転移罠とも言える魔法陣は20個、特殊な魔法陣も2個になっている。
<湯原>のダンジョン レベル21 内包魔力70 <保有レベル0>
<水野>のダンジョン レベル21 内包魔力50 <保有レベル0>
これではレベル1の魔物召喚しか召喚できない為、取り敢えずは今回のダンジョン強化は終了する事にして互いの転移魔法陣の設定を行う事にした。
二階層のコアルーム前に飛んだ湯原と水野、そして護衛のデルとレイン。
イーシャとプリマを含む他の眷属は、ダンジョン入り口付近で警戒しつつ待機している。
「我が主。もしよろしければ、この扉も少々変更された方が宜しいかと思いますが」
「私もそう思います。カーリ様」
この二階層も何も設定していないのでごつごつした洞窟の広い空間なのだが、コアルームに続く部分だけは、一階層の岩に模倣した形がそのまま移動されており、若干色合いが異なり、直ぐに扉があると認識できてしまうのだ。
あまりにもあからさまであり、差し当たり保護色にしておいた方が万が一の際に時間稼ぎが出来ると考えた二人の眷属。
「逆に、軽度の変更で同じような模様を周囲に作った方が良いのではないですか?どの道、コアルームの扉があると言う事を冒険者は知っているでしょうから、時間稼ぎをするのであれば、その方が良いかもしれませんよ?」
逆転の発想とも言える水野の案が採用され、周囲の壁、相当な広さがある壁と天井に対して、同じような模様を付ける事にしたのだが、これは浅い層の軽度な変更らしく、共にギリギリ現時点で所持している内包魔力で施工できる範囲だった。
<湯原>のダンジョン レベル21 内包魔力20 <保有レベル0>
<水野>のダンジョン レベル21 内包魔力 0 <保有レベル0>
魔物の召喚はしておらず、階層も二階層だけのダンジョンである為に転移魔法陣AとBは保留とし、互いのコアルームに転移魔法陣Cを設置する。
ダンジョンの眷属やイーシャとプリマも使えるように設定しているので、瞬時に隣のダンジョンコアルームに訪問する事が出来る仕様になっている。
ダンジョン内の転移に関して言えば、ダンジョンマスターは無条件で転移可能だったのだが、眷属に対して転移可能とするのにも内包魔力を使用する事になり、600必要になっている。
相当持っていかれるが、今後どうしても必要になるので早めに取得しておく事にした。
とは言え、自らが管理するダンジョンの眷属と言う存在の転移設定すら内包魔力が必要である事に愕然としてしまった湯原。
「世知辛い設定だな」
「でも、便利機能だから仕方がないですよね?もちろん、こっちも取りますよね?」
ダンジョンの前に全員が集まっている中で、互いの頭に浮かんでいる事を地面に書き写しながらダンジョンを強化している二人。
今のところは互いの脳内に出て来る内容は一致しており、水野が指し示したのは、眷属ではなく召喚魔物を任意の位置に転移できる能力であり、ダンジョンマスターとしての力になる項目……内包魔力は800となっているが、好きな位置に召喚魔物を送れると言う事は撤退も可能と言う事であり、戦力を一点集中できる事にも繋がり、戦闘の幅が広がるのでぜひ欲しい所だ。
残念な事に、例え仲間と認識しており、侵入者としてカウントされないダンジョンマスターや眷属であっても異なるダンジョンの中では自由に転移は出来ないので、直接管理しているマスターかその眷属と共に移動する事になると考えている二人だが、転移魔法陣の項目に目が留まる。
そこには三種類の転移魔法陣の項目があり
転移魔法陣A…ダンジョン関連の者以外を指定上層階へ転移させる 600
転移魔法陣B…ダンジョン関連の者以外を指定下層階へ転移させる 800
転移魔法陣C…指定した人物・魔物をダンジョンの外に転移させる
指定先が異なるダンジョンである場合、指定先のダンジョンマスターも同一の力を取得している事と受け入れ許可が必要 1200
ここまで一式で取得すれば、互いのダンジョンのコアルームに一発で飛べるうえ、侵入者を上層に戻す事や、一気に下層に突き落とす事も出来る。
ただ、内包魔力必要数……
最も欲しい転移魔法陣Cが異常に高く、しかも互いに取得していなくてはならないと言うおまけ付きで、これでほぼ全ての内包魔力を使い切ってしまうのだ。
「どうしましょうか……」
悩む水野だが、湯原は一切悩んでいなかった。
「取ろう。そもそも今までも安全に来られたから…って、決して油断はしないけど、この転移魔法陣も早めにとっておけば、互いに一々外に出ずとも話が出来るし、安全に作業が出来ると思うんだ」
「カーリ様。皆様の安全は私達が全力で確保致します。ですから、その辺りはお気になさらずにお決めになってください」
階層を増やして対侵入者対策をすべきではないかと少々悩んでいる水野に対して、レインが優しくアドバイスを送る。
これが他のダンジョンマスターである四宮や辰巳の眷属である<淫魔族>のシノイチやタツイチであれば、何も言わずに無言であっただろう。
と、そんな事は良いが、この一言で水野も決断して共に転移魔法陣のA、B、Cを取得した所で、二人共に残りの内包魔力が一気に無くなった。
転移魔法陣の設置はレベル上昇に併せて設置数が異なるようで、現時点のレベル21のダンジョンであれば、上層下層階への転移罠とも言える魔法陣は20個、特殊な魔法陣も2個になっている。
<湯原>のダンジョン レベル21 内包魔力70 <保有レベル0>
<水野>のダンジョン レベル21 内包魔力50 <保有レベル0>
これではレベル1の魔物召喚しか召喚できない為、取り敢えずは今回のダンジョン強化は終了する事にして互いの転移魔法陣の設定を行う事にした。
二階層のコアルーム前に飛んだ湯原と水野、そして護衛のデルとレイン。
イーシャとプリマを含む他の眷属は、ダンジョン入り口付近で警戒しつつ待機している。
「我が主。もしよろしければ、この扉も少々変更された方が宜しいかと思いますが」
「私もそう思います。カーリ様」
この二階層も何も設定していないのでごつごつした洞窟の広い空間なのだが、コアルームに続く部分だけは、一階層の岩に模倣した形がそのまま移動されており、若干色合いが異なり、直ぐに扉があると認識できてしまうのだ。
あまりにもあからさまであり、差し当たり保護色にしておいた方が万が一の際に時間稼ぎが出来ると考えた二人の眷属。
「逆に、軽度の変更で同じような模様を周囲に作った方が良いのではないですか?どの道、コアルームの扉があると言う事を冒険者は知っているでしょうから、時間稼ぎをするのであれば、その方が良いかもしれませんよ?」
逆転の発想とも言える水野の案が採用され、周囲の壁、相当な広さがある壁と天井に対して、同じような模様を付ける事にしたのだが、これは浅い層の軽度な変更らしく、共にギリギリ現時点で所持している内包魔力で施工できる範囲だった。
<湯原>のダンジョン レベル21 内包魔力20 <保有レベル0>
<水野>のダンジョン レベル21 内包魔力 0 <保有レベル0>
魔物の召喚はしておらず、階層も二階層だけのダンジョンである為に転移魔法陣AとBは保留とし、互いのコアルームに転移魔法陣Cを設置する。
ダンジョンの眷属やイーシャとプリマも使えるように設定しているので、瞬時に隣のダンジョンコアルームに訪問する事が出来る仕様になっている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる