短編SS集〜1日1SSを目指して〜

薬 星 鉛筆

僕は家で見る星が好きだ。都会の光に負けず、その身を輝かせ、夜の空を彩る。
そんな星を繋げるれば様々な形が生まれ、空で様々な神話が始まっていく。
よくよく見てみれば、星はそれぞれ違った形をしている。
どれも真っ黒なのに輝いているというところは変わらないが、どれも形が違く、終わりがない。
そんな色んな星の形を刻んでいくのも楽しみのひとつ。

朝眠い目を擦り、会社に行く。僕は窓際社員。ほとんど仕事は振られないが、給料はちゃんと貰える。これ以上に美味しい仕事はない。でもたまに、心配される声をかけられるけど、悲しいはずがない。ただ出社するだけでお金が貰えるという最高な生活のとこに同情されたり、心配されたりすることがあるんだろう。

昼はいつも弁当を作ってくる。野菜が中心な健康的なお弁当。すこし野菜が多い気もするが、まぁ美味しいから良いかな。たまに「え....？」みたいな顔されるが、どう考えてもそんなコンビニ弁当とか栄養バランスの整えられてない定食とか牛丼とか食べるよりよっぽど健康的で素晴らしい昼食じゃないか。そのおかげでお腹周りもスッキリしてきたし。やっぱり野菜を多く食べるのは健康にいいんだな。

夕方に一息休憩を入れる。やっぱり夜ご飯まで野菜じゃ持たないのは事実だから、ここで間食をいれる。もちろん食べるのはサラダ。うーん、美味しい美味しい。うーん、会社で見える星は明るすぎて好きじゃないんだよな。白すぎるし、形は全部同じだし。たまに会社の場所で違うけど、結局統一されているしなぁ。

夜、家路につく。真っ暗な空では、真っ暗な星がこれでもかって輝いてる。
いくら綺麗だと言っても数が多すぎたら気持ち悪いなぁ。もう少し減らしてもいいんじゃない？集合体恐怖症持ちの人とか気絶しっぱなしじゃない？夜外に出られないって大変だよねぇ...。
はぁ、ようやっと家についた。今日の夜ご飯はいつものサラダと、白いご飯。ここのアパート、内容がかなりいいんだけど、いかんせん家賃が高いからいつも食事とか切りつめて生活してる。でも、星が見れるから、まぁいいかな。
今日もご飯とお風呂を終わらせていつもの部屋に行く。
やっぱりここから見る星は綺麗だなぁ.........。
あ、あの星の形あの先輩の形してる！
あれはお局さんの顔？
あれは事務員のお姉さん！
ふふふ......みんな星になったんだね。良かったね。
あ、これも刻んでおかないと.........あ、もう刻むところないや.........。


じゃあ心臓でいいか！鉛筆折れちゃうかなぁ.........。


本日正午、とある高級アパートから男性の死体......