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赤い靴の約束 〜時を超えて繋がる、届かない想い〜」
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『溢れ出す想い』
私は、またあの場所へ向かっていた。
週に三回、仕事帰りに通うスポーツジム。
かつては健康維持のための習慣でしかなかったそれが、今では私の人生で最も大切な時間となっていた。
全てはあの人との出会いから始まった。
フロントデスクに佇む彼女—渚菜緒子さんの姿が、いつもの場所にあった。
黒のパンツスーツに身を包んだ彼女は、今日も丁寧な仕事ぶりで会員たちの対応をしている。
私は会員カードを差し出しながら、できるだけ自然に振る舞おうと努めた。
「お疲れ様です、野村さん」
菜緒子さんの柔らかな声が響く。
私の心臓は、まるで初めて彼女に会った日のように高鳴った。
「お世話になります」
私は精一杯の平静さを装って返事をする。
彼女の左手の指輪が、蛍光灯に照らされてほんのりと輝いていた。
初めて彼女と言葉を交わしたのは、半年前のことだった。
その日、フロントデスクの下に小さな赤い靴が置かれているのが目に入った。
真っ赤なエナメルの靴は、まるで童話に出てくるような愛らしさで、思わず目を奪われた。
「あ、申し訳ありません」
菜緒子さんが慌てて靴を手に取る。
「娘の靴なんです。保育園のお迎えの後、ここで働いているものですから」
彼女の表情が柔らかくなる。その瞬間、私は彼女の中にある母としての顔を垣間見た。
仕事では見せない、優しく温かな表情に、心が震えた。
「とてもかわいい靴ですね」
自然と言葉が出た。そう言いながら、離婚後、自分には子供を持つ機会がなかったことを思い出していた。
「ありがとうございます。実は今日、娘が『大きくなったからもう小さい』って言うんです。
でも私にはまだまだ小さく見えて...母親って、こんな些細なことでさえ寂しく思うものなんですね」
彼女は少し照れたように微笑んだ。
その後、会員更新の手続きをしながら、私たちは自然と子供の話で盛り上がった。
彼女の娘は四歳。同じ年頃の姪を持つ私は、子供の成長の話に花を咲かせた。
それからというもの、私たちの会話には特別な温かみが宿るようになった。
時々、彼女の娘の近況を聞かせてもらうことも。
小さな赤い靴がつないでくれた縁は、少しずつ私たちの距離を縮めていった。
だが同時に、その距離が縮まれば縮まるほど、私の心は苦しくなっていった。
彼女の家族を想うたびに、この想いが決して実るものではないことを、痛いほど実感させられる。
会員更新の手続きで、普段より長く話す機会があった。
その時の彼女の優しい物腰と、時折見せる控えめな笑顔に、私は心を奪われてしまった。
離婚して三年、誰かを好きになることなど二度とないだろうと思っていた私の心に、彼女は静かに入り込んできた。
それから私は、彼女との何気ない会話を求めて、ジムに通う回数を増やしていった。
書類の不備を装って話しかけたり、施設についての些細な質問をしたり。
そうして少しずつ、私たちは打ち解けていった。
彼女には夫がいる。それは最初から分かっていた。
だからこそ、この想いを口にすることは決してできない。
ただ、時々彼女の瞳が私を追いかけるのを感じることがある。
私に向けられる笑顔が、他の会員への対応とは少し違うように思えることもある。
「野村さん、新しいマシンの使い方、ご説明しましょうか?」
菜緒子さんが声をかけてきた。普段はトレーナーが行う説明を、今日は彼女が買って出たのだ。
「あ、はい。お願いします」
私たちは新しく導入されたランニングマシンの前に立った。
彼女が操作パネルの説明をする間、私は彼女の横顔を盗み見ていた。
整った鼻筋、長い睫毛、薄く色づいた唇。全てが愛おしい。
「このボタンで、好みの速度に調整できます」
彼女の指が操作パネルに触れる。その仕草さえも美しく見えた。
私は説明に聞き入るふりをしながら、この距離感に胸が締め付けられるような痛みを覚えていた。
説明が終わり、菜緒子さんはフロントに戻っていった。
私は黙々とマシンを使い始める。走れば走るほど、彼女への想いが募っていく。
「この人だ」
心の中でそう叫んでいた。世界中の誰でもない、この人なのだと。
でも、その想いは永遠に心の中にしまっておかなければならない。
それが、私たち二人にとっての運命なのだから。
ジムを出る時、私たちは普段通りの挨拶を交わした。
「お気をつけてお帰りください」
「ありがとうございます。また来週」
菜緒子さんも分かっているはずだ。
私たちの間に流れる空気が、ただの会員と従業員以上のものだということを。
でも、二人とも決して口にはしない。できないのだ。
帰り道、私は夜空を見上げた。都会の空には星一つ見えない。
ちょうど私たちの関係のように、見えているのに手の届かない星々のように。
私は深いため息をつく。明日からまた、普通の日々が始まる。
仕事に追われ、取引先との会議に臨み、数字と向き合う毎日。
でも、週に三回だけは特別な時間がある。
切なさと幸せが入り混じったような、この得体の知れない感情と向き合う時間が。
そうして私は、また来週を待ち望むのだ。
彼女に会える日を、心の中で永遠に叶わない想いを抱きながら、ただ静かに待ち続けるのだ。
心の中で「私の愛する人は、この人だ。世界中の中でただ一人、この人だ」叫んでいた。
突然の辞令は、春の終わりに訪れた。
「札幌支店の支店長を任せたい」
社長室での言葉に、私は静かに頷いた。昇進を伴う異動。
誰もが羨むはずの辞令。でも私の心は、ある場所から離れることへの切なさで満ちていた。
最後のジムの日、私は普段より長く受付の前に立っていた。
菜緒子さんは相変わらず優しい笑顔で「札幌、寒いと思いますから、どうぞお体に気をつけて」
そう言って、深々と頭を下げた。
私たちはお互いの想いを知っていながら、最後まで口にすることはなかった。
それが私たちの選んだ道だった。
札幌での生活は、予想以上に忙しかった。
支店の建て直しに追われ、休日返上で働く日々。
季節は巡り、雪が積もっては溶け、また積もる。
気がつけば、十年の歳月が流れていた。
そして今、私は静岡支店への転任を終えたところだった。
単身赴任の生活は変わらず、夜は近所の小さな定食屋で過ごすことが日課となっていた。
「いらっしゃいませ」
店に入ると、若い女性が笑顔で迎えてくれる。
二十歳くらいだろうか。清楚な佇まいの中に、どこか懐かしさを感じる。
特に印象的なのは、彼女の足元だった。
真っ赤なパンプス。
見覚えのある色と形。
まるで、あの日のような。
「お客様、いつもありがとうございます」
彼女—美咲と名札にある女性は、いつも丁寧な物腰で接客をしてくれる。
その仕草が、十年前のあの人に重なって見えることがあった。
ある雨の夕暮れ、店が空いた時間に彼女と少し話す機会があった。
「実は、お母さんも接客の仕事をしているんです。スポーツジムで」
何気ない会話の中で出てきた言葉に、私の心臓は大きく跳ねた。
「もしかして...菜緒子さん...」
「えっ、母を存知なんですか?」
彼女の驚いた表情に、全てを悟った。
十年の時を経て、私の目の前にいるのは、あの小さな赤い靴の持ち主だったのだ。
「ええ、昔、お母さんにはお世話になりました」
淡々と答えながら、胸の中で様々な感情が渦巻いていた。
菜緒子さんは元気だろうか。相変わらずあの優しい笑顔で、会員たちを迎えているだろうか。
その後、美咲との会話の中で、少しずつ菜緒子さんの近況を知ることになった。
相変わらず同じジムで働いていること。
夫との関係は変わらず穏やかだということ。そして...
「お母さんね、たまに『人生には言えない想いを抱えたまま生きていくことも、大切なことなのよ』って言うんです。私には少し寂しそうに聞こえるんですけど...」
美咲の言葉に、私は深いため息をつきそうになるのを必死で押し殺した。
「そうかもしれないね」
微笑みを返すのが精一杯だった。
美咲は母親ゆずりの繊細さで、接客の合間に時々、菜緒子さんの話をしてくれる。
その度に、私の中で永遠に凍りついているはずだった想いが、少しずつ溶けていく。
十年という歳月は、私たちの選択が正しかったことを証明している。
菜緒子さんは幸せな家庭を守り、素晴らしい娘を育て上げた。
私も、仕事に打ち込むことで自分の道を見つけた。
でも、今でも時々考えてしまう。あの時、違う選択をしていたら—。
そんな想いは、すぐに心の奥底へと押し戻す。
今はただ、美咲の赤い靴を見ながら、遠く離れた場所でも変わらぬ日常を送っている菜緒子さんに、心の中でそっと語りかける。
「この人だった」と。
世界中の誰でもない、あなただったのだと。
私は、またあの場所へ向かっていた。
週に三回、仕事帰りに通うスポーツジム。
かつては健康維持のための習慣でしかなかったそれが、今では私の人生で最も大切な時間となっていた。
全てはあの人との出会いから始まった。
フロントデスクに佇む彼女—渚菜緒子さんの姿が、いつもの場所にあった。
黒のパンツスーツに身を包んだ彼女は、今日も丁寧な仕事ぶりで会員たちの対応をしている。
私は会員カードを差し出しながら、できるだけ自然に振る舞おうと努めた。
「お疲れ様です、野村さん」
菜緒子さんの柔らかな声が響く。
私の心臓は、まるで初めて彼女に会った日のように高鳴った。
「お世話になります」
私は精一杯の平静さを装って返事をする。
彼女の左手の指輪が、蛍光灯に照らされてほんのりと輝いていた。
初めて彼女と言葉を交わしたのは、半年前のことだった。
その日、フロントデスクの下に小さな赤い靴が置かれているのが目に入った。
真っ赤なエナメルの靴は、まるで童話に出てくるような愛らしさで、思わず目を奪われた。
「あ、申し訳ありません」
菜緒子さんが慌てて靴を手に取る。
「娘の靴なんです。保育園のお迎えの後、ここで働いているものですから」
彼女の表情が柔らかくなる。その瞬間、私は彼女の中にある母としての顔を垣間見た。
仕事では見せない、優しく温かな表情に、心が震えた。
「とてもかわいい靴ですね」
自然と言葉が出た。そう言いながら、離婚後、自分には子供を持つ機会がなかったことを思い出していた。
「ありがとうございます。実は今日、娘が『大きくなったからもう小さい』って言うんです。
でも私にはまだまだ小さく見えて...母親って、こんな些細なことでさえ寂しく思うものなんですね」
彼女は少し照れたように微笑んだ。
その後、会員更新の手続きをしながら、私たちは自然と子供の話で盛り上がった。
彼女の娘は四歳。同じ年頃の姪を持つ私は、子供の成長の話に花を咲かせた。
それからというもの、私たちの会話には特別な温かみが宿るようになった。
時々、彼女の娘の近況を聞かせてもらうことも。
小さな赤い靴がつないでくれた縁は、少しずつ私たちの距離を縮めていった。
だが同時に、その距離が縮まれば縮まるほど、私の心は苦しくなっていった。
彼女の家族を想うたびに、この想いが決して実るものではないことを、痛いほど実感させられる。
会員更新の手続きで、普段より長く話す機会があった。
その時の彼女の優しい物腰と、時折見せる控えめな笑顔に、私は心を奪われてしまった。
離婚して三年、誰かを好きになることなど二度とないだろうと思っていた私の心に、彼女は静かに入り込んできた。
それから私は、彼女との何気ない会話を求めて、ジムに通う回数を増やしていった。
書類の不備を装って話しかけたり、施設についての些細な質問をしたり。
そうして少しずつ、私たちは打ち解けていった。
彼女には夫がいる。それは最初から分かっていた。
だからこそ、この想いを口にすることは決してできない。
ただ、時々彼女の瞳が私を追いかけるのを感じることがある。
私に向けられる笑顔が、他の会員への対応とは少し違うように思えることもある。
「野村さん、新しいマシンの使い方、ご説明しましょうか?」
菜緒子さんが声をかけてきた。普段はトレーナーが行う説明を、今日は彼女が買って出たのだ。
「あ、はい。お願いします」
私たちは新しく導入されたランニングマシンの前に立った。
彼女が操作パネルの説明をする間、私は彼女の横顔を盗み見ていた。
整った鼻筋、長い睫毛、薄く色づいた唇。全てが愛おしい。
「このボタンで、好みの速度に調整できます」
彼女の指が操作パネルに触れる。その仕草さえも美しく見えた。
私は説明に聞き入るふりをしながら、この距離感に胸が締め付けられるような痛みを覚えていた。
説明が終わり、菜緒子さんはフロントに戻っていった。
私は黙々とマシンを使い始める。走れば走るほど、彼女への想いが募っていく。
「この人だ」
心の中でそう叫んでいた。世界中の誰でもない、この人なのだと。
でも、その想いは永遠に心の中にしまっておかなければならない。
それが、私たち二人にとっての運命なのだから。
ジムを出る時、私たちは普段通りの挨拶を交わした。
「お気をつけてお帰りください」
「ありがとうございます。また来週」
菜緒子さんも分かっているはずだ。
私たちの間に流れる空気が、ただの会員と従業員以上のものだということを。
でも、二人とも決して口にはしない。できないのだ。
帰り道、私は夜空を見上げた。都会の空には星一つ見えない。
ちょうど私たちの関係のように、見えているのに手の届かない星々のように。
私は深いため息をつく。明日からまた、普通の日々が始まる。
仕事に追われ、取引先との会議に臨み、数字と向き合う毎日。
でも、週に三回だけは特別な時間がある。
切なさと幸せが入り混じったような、この得体の知れない感情と向き合う時間が。
そうして私は、また来週を待ち望むのだ。
彼女に会える日を、心の中で永遠に叶わない想いを抱きながら、ただ静かに待ち続けるのだ。
心の中で「私の愛する人は、この人だ。世界中の中でただ一人、この人だ」叫んでいた。
突然の辞令は、春の終わりに訪れた。
「札幌支店の支店長を任せたい」
社長室での言葉に、私は静かに頷いた。昇進を伴う異動。
誰もが羨むはずの辞令。でも私の心は、ある場所から離れることへの切なさで満ちていた。
最後のジムの日、私は普段より長く受付の前に立っていた。
菜緒子さんは相変わらず優しい笑顔で「札幌、寒いと思いますから、どうぞお体に気をつけて」
そう言って、深々と頭を下げた。
私たちはお互いの想いを知っていながら、最後まで口にすることはなかった。
それが私たちの選んだ道だった。
札幌での生活は、予想以上に忙しかった。
支店の建て直しに追われ、休日返上で働く日々。
季節は巡り、雪が積もっては溶け、また積もる。
気がつけば、十年の歳月が流れていた。
そして今、私は静岡支店への転任を終えたところだった。
単身赴任の生活は変わらず、夜は近所の小さな定食屋で過ごすことが日課となっていた。
「いらっしゃいませ」
店に入ると、若い女性が笑顔で迎えてくれる。
二十歳くらいだろうか。清楚な佇まいの中に、どこか懐かしさを感じる。
特に印象的なのは、彼女の足元だった。
真っ赤なパンプス。
見覚えのある色と形。
まるで、あの日のような。
「お客様、いつもありがとうございます」
彼女—美咲と名札にある女性は、いつも丁寧な物腰で接客をしてくれる。
その仕草が、十年前のあの人に重なって見えることがあった。
ある雨の夕暮れ、店が空いた時間に彼女と少し話す機会があった。
「実は、お母さんも接客の仕事をしているんです。スポーツジムで」
何気ない会話の中で出てきた言葉に、私の心臓は大きく跳ねた。
「もしかして...菜緒子さん...」
「えっ、母を存知なんですか?」
彼女の驚いた表情に、全てを悟った。
十年の時を経て、私の目の前にいるのは、あの小さな赤い靴の持ち主だったのだ。
「ええ、昔、お母さんにはお世話になりました」
淡々と答えながら、胸の中で様々な感情が渦巻いていた。
菜緒子さんは元気だろうか。相変わらずあの優しい笑顔で、会員たちを迎えているだろうか。
その後、美咲との会話の中で、少しずつ菜緒子さんの近況を知ることになった。
相変わらず同じジムで働いていること。
夫との関係は変わらず穏やかだということ。そして...
「お母さんね、たまに『人生には言えない想いを抱えたまま生きていくことも、大切なことなのよ』って言うんです。私には少し寂しそうに聞こえるんですけど...」
美咲の言葉に、私は深いため息をつきそうになるのを必死で押し殺した。
「そうかもしれないね」
微笑みを返すのが精一杯だった。
美咲は母親ゆずりの繊細さで、接客の合間に時々、菜緒子さんの話をしてくれる。
その度に、私の中で永遠に凍りついているはずだった想いが、少しずつ溶けていく。
十年という歳月は、私たちの選択が正しかったことを証明している。
菜緒子さんは幸せな家庭を守り、素晴らしい娘を育て上げた。
私も、仕事に打ち込むことで自分の道を見つけた。
でも、今でも時々考えてしまう。あの時、違う選択をしていたら—。
そんな想いは、すぐに心の奥底へと押し戻す。
今はただ、美咲の赤い靴を見ながら、遠く離れた場所でも変わらぬ日常を送っている菜緒子さんに、心の中でそっと語りかける。
「この人だった」と。
世界中の誰でもない、あなただったのだと。
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