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1章:癒しを求めたはずが

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 そこそこ学校でも上手くやっていた。一流ではないけど、そこそこの大学を出て、中小企業だけどまぁまぁな給料貰って、忙しい程ではないけど、締め日とか忙しい時に残業したり。でも、なんていうか…会社の人との付き合いが、ちょっと煩わしく思ったり。たまたま同期で入った子が…なんというか、仲良くなったといえばいいのか…いや、あれは…なんだろう、こう、人の物は自分の物という認識というか。
 最初はペンを忘れたからと貸したのが始まり。たった2,3百円のペン。書き味が良くてずっと同じ物を使っていたし、なくしたりインクがなくなったら困るからと2本持っていたから貸した。返してもらってなかった事に気が付いたけど、まあいいかと流した。特に何も言わなかった。
 そのうち私生活の事を聞かれて、時々一緒にご飯に行ったり買い物に行ったり。好きで買った物をまねされたりした。同じ職場の人には仲良くていいねと言われて喜んだ。

 喜んだふりをしていた。

 毎週休みの日ごとにカフェに行こう、服を選んで欲しい、アクセサリーを…なんて声を掛けられて、ちょっと辛くなった。彼氏と出かけるからと断ったら…何故かライン攻撃が始まった。今いいですか~とか、そんなラインだけど…用事あるといっているのにそれってどうなのと。
 いや、ね…彼氏なんていないわよ。ただの断り文句よ。流石に空気読んで大人しくしててくれるとおもうじゃない?なのにもっとひどいというか…ストーカーか!っていう位で。

 そんな事を鬱々と考えて過ごしていたある日。たまたま学生時代の友達から、キャンプをしようと誘われて、一緒に始めたのがきっかけ。その子には職場の同期が、という話はしていたから、気分転換に!って誘って貰ったのよね。マイナスイオンがどうとか言ってたけど、そこからのめりこんでしまったというか。
 だって、いつもと違った場所で、焚火とか四苦八苦しながら友達ときゃーきゃーいいながら作ったラーメンでさえすっごく美味しくて。

 …慣れた頃には一人でキャンプするようになってしまったわよ。

 あ。その問題の同期の子はなんだかんだで結婚して寿退社しました。そして家庭に入ったら忙しいらしく疎遠になりました。
 というか…よくその彼氏に愛想つかされなかったわよね。彼氏と付き合っているなら、私にライン攻撃している場合じゃないでしょうに。

 まあ、そんなこんなで…28歳、一人でキャンプする寂しい女の出来上がりと。

 どうしてこうなった。友達も彼氏が出来てそれどころじゃないし、ストレスからは解消されたけど、すでに趣味みたいな感じになってるし。
 まあ、声かけて来る人とかいるんだけど…余りにも手慣れてるから、こう、守ってあげたい女子とは見られないらしく…一緒にバカ騒ぎして、終了。みたいな。はあ…
 でもいいんだ。今が楽しければ…!


 と、いう事で…ここ、どこ…

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