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1章:癒しを求めたはずが

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 という事で、めったに獲れないというトカゲやら鳥のお肉を使った、これまた遠い地方から来た調味料を使って煮込んだスープやら、魚の串焼きやらを食べました。 
 ちょっと酸味が強かったけど、酸辣湯麺みたいなスープで美味しかったし、魚の串焼きは、まず魚の色がカラフルでした。白地に青の水玉模様があって、皮ごとかりっと揚げられててそのまま食べられる。骨は背骨っていうのかな。それだけだから食べやすかった。身は白身で…味はアユ…かなぁ?揚げたもの食べた事ないから断言できないけど、なんかそんな感じ。
 ちなみに三角になっているエリアにはテーブルとイスもあって、定食みたいにして食べる事も可能なんだとか。だからお昼時は混むのねぇ。何気に見てみれば、丼もの食べてる人もいたし、色どり豊かにプレートランチみたいなものを食べてる人も。
 そして私は今、お米で包んだ肉まんのような物を食べてます。パンで挟んだものとかもあるらしいけど、それは一般的で、家庭でも食べられる物だから、何もここで食べなくても、という事らしい。
 確かに、この街に来る時の休憩時に作ってもらいましたね。
 …貴族ってそういう事やらないのでは?と思ったけど、機関に属したら関係なくさせられそうだな。

 しっかり反対側の屋台も見てみたけど、お肉を醤油タレで焼いたものとか、一般的な飼育動物のお肉や魚料理なので珍しい物ではないとの事。確かに見ていても特に気になる物はなかったかな。
 そこそこお腹も膨れて来た所で、最初に見たインパクトたっぷりなお肉が焼き上がったみたいです。できたてホカホカのお肉が切り取られて、串にさした状態で渡されました。いただきます。

「ん、木の香りなのかな。すごい香ばしいし、美味しい」
「鹿の肉だそうだ。味は……そうだな、丁寧な処理をされてる」

 丁寧な処理…何か、その処理の方法とか、仕方で味が変わるのかな。

「臭みが残ったりするんだ。そうなってしまうと、強い味付けにするか、酒に漬け込んで煮物にするか…食べられない程じゃないんだが、こういう料理だとちょっとな」

 臭みか。確かにジビエ料理なんかだと、しっかり料理されてても気になる人は気になって食べられないっていうものねぇ。

「甘味の屋台もあるが、行くか?それともまだ何か食べるか?」

 考えながら食べていたら、そう言われる。甘味…デザートもあるなら食べたい。異世界のデザートはどんなのがあるんだろう。

「ここからだと少し歩く。手を」
「はい…」

 うん、まあ…隣の屋台ならつながなかったけど、見て回る時なんかはこうやって手つなぎを求められましたよ。にっこりと笑って手を差し出されるとか、もうほんと…耐性ないというのに!
 とはいえ、しかたのないことだから、手は繋ぎますが!
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