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2章:日本へ戻ってきました

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 松田さんって…意外と社交的なんだなぁと、感心する。
 いや、ね。串焼き摘まみつつ、お餅をのんびり焼きながら…こっそり薪をマジックバックから取り出して焚火台に追加してる所を見てしまって、茫然としたりしたんだけど。時間が経つにつれぽつりぽつりと人が増えて来ると、挨拶と共に、近くにテントが張っていいかと話しかけられたりするんだけど。

「どうぞー。あ、こっちはもうのんびりするだけなんで、なにかお手伝いしましょうか?」

 なんて言って、テント設営のお手伝いしたりしてた。私には、鍋を見てて。と言って、動かないでいる理由付けまでして。
 こういうキャンプとかしないと言っていたはずなんだけど…向こうでの野営の知識があるからか、問題なくぱぱっとテントを立てて戻って来たけど、おつまみにといって、シカ肉の串を持って行ってあげたりしてた。お返しにとビール貰ってたけど。

「…キャンプはしたことないとか言ってませんでしたっけ」
「いやーこういうのはあっちで学習済み。野営ポイントは大体決まってるから、他の…商人とかと被る時もあるしね」

 商人相手だと挨拶は当然として、何か購入できる場合もあるから積極的に話しかけるのだとか。マジックバックがあるとはいえ、珍しい物がある可能性から、らしい。

「家族にお土産とかね。どこかの工芸品なんかだと、こっちの仕事でのデザインに使えたりするし、参考に買ったりもするよ」

 なるほど。そういう利点もあるのね。

「だから、今のこの空気感とか、景色とか…何かつかえないかなーって考えてる」
「意外と真面目にやってるんですね…」
「あっちの仕事もこっちの仕事もどっちも好きだからねぇ」

 ぶっぱなす解放感とか、もうほんとアドレナリンが…とか言うけど…隣とはいえそれほど近くないけど、いいのか?とひやひやする。

「阻害系を使ってるから大丈夫。大声だとちょっと難しくなるけど、普通に会話する位ならね」
「…それ、私も使えたりするんですか?」
「使えるんじゃないかな。ちょっと、科学とか…そっちの知識があるとイメージしやすいんだけどね」

 この世界だと、ネットがあるから調べればすぐ出来るようになるのだという。だから、何か魔法を使いたいと思った時は、こっちで調べてイメージしてから向こうで研究をしてトライ&エラーで使えるようにするのだとか。

「…向こう、ですか」
「ほら、流石にね…攻撃魔法とかはさ。いくら今住んでる所が山の中とは言え、限度があるでしょ」

 大規模な魔法だと、流石にごまかしきれないからという。

「メテオとかさ、こう、憧れがあってやりたかったんだけどさ」

 メテオっていうと、隕石ぶつけるやつだよね…確かにちょっと問題か。目撃証言なんかあったら、調べに来るだろうし、騒ぎになったらしばらくうるさくなるもんね…

「だからね、あっちならまだしもこっちでは使わない方がいいよ」
「使うような状況になるとは思わないです」

 たくさん買い物をした時に、マジックバック使えると便利かなーとは思うし、水も災害で水道使えないとか、遭難した時に、とは思うけど…普通に生活してたら使わない…はず、なんだけどなぁ。なんだか心が揺らぐ…
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