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3章:異世界と日本との二重生活の始まり

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 どんどんと露呈する私のスキルに松田さんと二人でどうしよう、と目線で語り合うものの、考えた所で無くなるわけではないから…ごまかす方法を考えるしかないわけで。

「なにかこう、それ専用の…専門書みたいにして、それがスキルってことにするのもありだけど…今日はひとまずこの世界の事を教えてもらって」
「そうですね。そうします」

 これを棚上げとか、逃げるとかいうやつですね。なんかもうどんどん危険度が上がってて現実逃避したい。

「何が問題なのかいまいちわからないんだが…スーザンが戻って来たようだ。いいか?」

 と、キルギスさんに言われて私はスマホをインベントリにしまい、松田さんは結界を解いた。スーザンさんは、部屋に入ったら私達のいる場所が黒くなっててびっくりしたという。

「一応スーザンさんも知ってるでしょ~」
「それはそうですが、いきなりでしたので」

 松田さんが今回張った結界は簡単な物らしく、外側から見えない様に真っ黒にしただけだったのだとか。そうよね、いきなりだとびっくりするわよね。

 ともあれスーザンさんがお茶を淹れてくれて、今日の学習に関して説明してもらう。文化とか礼儀やマナーを簡単に、という事だけど。

「俺が居る意味はないから、ちょっとギルド行ってくる~」

 え、そうなの?と、不安になるけど…キルギスさんは問題無い様で行ってこいと軽く返してる。キルギスさんとスーザンさんならいいか。以前も大丈夫だったもんね。
 そうして教わっていくけれど…礼儀やマナーは似たようなところもあるからいいけれど、やはり対貴族が難しい。一応落ち人ということで見逃してもらえるところはあるみたいだけどね。

「見逃してもらえるなら覚えなくていいっていう人もいて困るのよね…」
「え、そうなんですか?」

 ふむふむ、とおとなしく聞いていたら、スーザンさんが困ったように言う。キルギスさんもうんうん、と頷いているから結構な割合でいるのかしら…

「松田もだが、本当にユカの国の人はいいな」
「あ、ありがとうございます」
「他の落ち人もこうだといいんだが…ああ、ちょうどいい時間だから、昼食を食べに行こうか」

 んんっ!いきなり内容が変化してびっくりした…でも、確かにおなかがすいた様な?

「ここの食堂でもいいが、せっかくだから食べに行こう」

 そういってキルギスさんは立ち上がりつつ、松田も戻ってるはずだと言う。スーザンさんも立ち上がって、行きましょうと言ってくるので、誘われるままに立ち上がり、ついていけば…機関の入口に松田さんと、女性が一人一緒にいるけど…

「あ、高梨さん、この子俺の奥さんだよ~かわいいでしょ~」

 と、紹介されましたよ。まあ、よくよく考えれば、キルギスさんもスーザンさんも居るとはいえ、既婚者と…日本という隔絶された世界で二人で会ってるのはあまりよくない事だよね。
 軽く名乗って挨拶したら、あとは昼食をとりながらで。という事で…そこへと向かった。パスタ料理のお店という事で、楽しみ。
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