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4章:偽装結婚を提案されました

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 ということで、絶賛ウサギに襲われてます。いえね、松田さんが料理のいい匂いに釣られて害獣に襲われることもあるとか言ったらね…結界にどうやらウサギがぶつかったらしい。

「あ。噂をすればだねぇ。外は見えるから、見学しといて」
「え?」
「ああ、どうやら匂いに釣られて来た害獣が松田の結界に触ったか体当たりしたのだろう。それはそのままでもいいし、アイテムボックスに入れてもいい。松田についていくぞ」

 サンドイッチまだ食べてる途中だったのよね。インベントリに入れてから、フラグを立てるのは勘弁してください。と松田さんに言えば、フラグというより必然だねと笑われた。おい、まさかわかってたっていうの!?

「大体高確率で害獣が来るからさぁ。まあ、今回はごはんの前に色々実験で魔法つかってたし、警戒心強ければこないかなと思ってたんだけど…繁殖してるって話だったし、食料が少なくて餓えてるのかもねぇ」
「植生は…そこまで荒らされた感じはしないが…」
「ウサギは肉食だし…鹿は根っこさえあればすぐ成長する植物が多いから、そこまでじゃないんじゃないかな。それに生息域ちょっとずれてるかな」

 専門的な話っぽいからよくわからないけど、ウサギって肉食なのか…と、ちょっとギャップに呆然としてしまった。けれど…結界にガンガン体当たりしてるそのウサギを見て、松田さんがいうキモイという表現がしっくりきてしまった。
 色は茶色、大きさは小さな軽位ないかあれ!?しかも目がでかくてぎょろっとしてるし、角も三角コーンみたいな形状で、先がすんごくとんがってる…あれ刺さるよね…

「結界の中からでも攻撃出来るし、安全性は保障するけど…高梨さんは見ない方がいいかなぁ?」
「そうだな。この世界では捌いたりする必要があるからそれは見た方がいいだろうが」
「じゃあ、キルギスさん。頭抱えるようにして抱きしめておいて」
「了解した」

 見ない方がいいと言われて助かると思ったら、抱きしめるとかどういうこと!?と声を上げる間もなく、前にいたキルギスさんに後頭部に手を回されて、その腕の中に閉じ込められた!?

「ちょ、」
「動かないで。松田がいいと言うまでこのままで」

 いや、ちょっと!見るなっていうならおとなしく後ろ向くなり目をつぶっておくなりしますけど!?
 ガンガン音はするけれど、鳴き声は一切しない。一応松田さんは呪文っぽい物を唱えているのが聞こえるけど、視界はふさがれてて何も見えない。
 あ。料理してたからか、炭の匂いと少しだけしょうゆの香りがする…

「そう、そのままおとなしくしていて」

 …って、何気に頭撫でないでくれませんか。なんか…そわそわしちゃうというかドキドキするというか…こう、スプラッタな物を見せないためにしてると理解してますけどね!してますが…そんなことされるとちょっと状況を勘違いしちゃいそうというか…!
 松田さん~~早く終わらせてくれませんか~~~!
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