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51:ヒーロー側【私の顔で魂も抜けるらしい】と連動
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「…そ、れなら…なおさら、魔力がない…わたくしでは」
そう、そんなに魔力を持っているのであれば…と、言うけれど。
「ですからね、魔力って遺伝、全く関係しませんよ?」
「筆頭の…ディベル侯爵の長男次男は魔力なしですしね。結構王族の血が入ってから、両極端になりましたかね」
「言われてみればそう、ですね。それに、王都にいるのであれば、魔力がないほうが楽ですよ。中途半端に魔力がある生活に慣れていると、王都に来ると煩わしくてしようがないらしいです」
散々結婚しない理由にしてきた魔力なしを、そんな…なくてもいいような物として言われるとは思わなかった。確かに、以前、王都で…公園で、似たような事を言われたけれど。
ラクシュ様は、わずかに上を見て、何やら考えているようだけれど。ことりと小首をかしげて、困ったような顔をして笑う。
「私との結婚を、未だに渋る理由、それですか?」
「っ…」
「最初から、そんなモノどうでもいいと申し上げておりますでしょう?」
す…と、手を取られて、手の甲にキスされた。そのまま、唇を当てられたまま、
「他には?」
と、聞かれる。吐息が…ぞくぞくする。目が…こちらを向いて…嗤う。
「さあ、こたえ、」
「筆頭、それ以上はネルア様が持ちません」
「ん?」
「あんたのその顔、さいっあくなんですよ」
「ん?顔?」
レイが強引に声を出したからか…ラクシュ様の視線と、手を離されて、ほっとした。こんな所で腰砕けにされたら困る…!なにあの顔…手の甲にキスしてるから、上目遣いになるのは分かるけど…とろりとした顔に、なんだか…鋭さを交えた目で見られると、もう…だめ…レイ、ありがとう!ただ、言い方が不安になるのだけれど。
「最悪って、どう最悪なんですか。まったく…人の顔で失礼ですね」
「鏡見てから言え」
「ちょ、レイ、駄目よそんな事を言っては」
いくら気安い関係のメイドと言っても、その物言いは駄目でしょう!?そう思って、止めるのだけれど、レイには呆れたような顔をされた。
「この人の顔で魂飛ばしそうになっているネルア様をお助けしたのですが」
ちょっと!それ言わないでちょうだい!
「ふむ、魂抜けるんですか…へぇ…でも、おかしいですね…ルーヴェリア様にもいつもこんなですよ?」
いつもなの!?というか第二王子様、それで大丈夫なの!?それで別の扉開いてしまうなら、納得だわ…
「ルーヴェリア様は乳母兄弟ですし耐性があるんでしょうね。筆頭、護衛騎士になる前はいつもそんなでしたし。あんなに可愛らしかった子供時代、どこに置いて来たのかと思ったものですが…ちょいちょい出るので、安心したものです」
「嫌ですねぇ…これだから年嵩の者は嫌なんですよ…すぐ昔の事を引っ張り出して来るんですから。ほら見なさい。ネルア嬢が別の意味で魂飛ばしているじゃないですか」
あの顔をいつも見ている第二王子様をすごいと言うべきか、うらやむべきか。私には耐えられないわ。というか、子供時代!?うわぁ…それ見たいような見たくないような…腐女子ではなかったけれど…そうなってしまったらどうしよう…
そう、そんなに魔力を持っているのであれば…と、言うけれど。
「ですからね、魔力って遺伝、全く関係しませんよ?」
「筆頭の…ディベル侯爵の長男次男は魔力なしですしね。結構王族の血が入ってから、両極端になりましたかね」
「言われてみればそう、ですね。それに、王都にいるのであれば、魔力がないほうが楽ですよ。中途半端に魔力がある生活に慣れていると、王都に来ると煩わしくてしようがないらしいです」
散々結婚しない理由にしてきた魔力なしを、そんな…なくてもいいような物として言われるとは思わなかった。確かに、以前、王都で…公園で、似たような事を言われたけれど。
ラクシュ様は、わずかに上を見て、何やら考えているようだけれど。ことりと小首をかしげて、困ったような顔をして笑う。
「私との結婚を、未だに渋る理由、それですか?」
「っ…」
「最初から、そんなモノどうでもいいと申し上げておりますでしょう?」
す…と、手を取られて、手の甲にキスされた。そのまま、唇を当てられたまま、
「他には?」
と、聞かれる。吐息が…ぞくぞくする。目が…こちらを向いて…嗤う。
「さあ、こたえ、」
「筆頭、それ以上はネルア様が持ちません」
「ん?」
「あんたのその顔、さいっあくなんですよ」
「ん?顔?」
レイが強引に声を出したからか…ラクシュ様の視線と、手を離されて、ほっとした。こんな所で腰砕けにされたら困る…!なにあの顔…手の甲にキスしてるから、上目遣いになるのは分かるけど…とろりとした顔に、なんだか…鋭さを交えた目で見られると、もう…だめ…レイ、ありがとう!ただ、言い方が不安になるのだけれど。
「最悪って、どう最悪なんですか。まったく…人の顔で失礼ですね」
「鏡見てから言え」
「ちょ、レイ、駄目よそんな事を言っては」
いくら気安い関係のメイドと言っても、その物言いは駄目でしょう!?そう思って、止めるのだけれど、レイには呆れたような顔をされた。
「この人の顔で魂飛ばしそうになっているネルア様をお助けしたのですが」
ちょっと!それ言わないでちょうだい!
「ふむ、魂抜けるんですか…へぇ…でも、おかしいですね…ルーヴェリア様にもいつもこんなですよ?」
いつもなの!?というか第二王子様、それで大丈夫なの!?それで別の扉開いてしまうなら、納得だわ…
「ルーヴェリア様は乳母兄弟ですし耐性があるんでしょうね。筆頭、護衛騎士になる前はいつもそんなでしたし。あんなに可愛らしかった子供時代、どこに置いて来たのかと思ったものですが…ちょいちょい出るので、安心したものです」
「嫌ですねぇ…これだから年嵩の者は嫌なんですよ…すぐ昔の事を引っ張り出して来るんですから。ほら見なさい。ネルア嬢が別の意味で魂飛ばしているじゃないですか」
あの顔をいつも見ている第二王子様をすごいと言うべきか、うらやむべきか。私には耐えられないわ。というか、子供時代!?うわぁ…それ見たいような見たくないような…腐女子ではなかったけれど…そうなってしまったらどうしよう…
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