社畜さん、ヒモになる〜助けた少女は大富豪の令嬢だった〜

空野進

文字の大きさ
17 / 41

15.

しおりを挟む
 翌朝、莉愛の様子がなんだかおかしかった。
 まるで以前の遊園地に行った時みたいに目元にクマを作り、今にも眠ってしまいそうなほど、目が虚ろだった。


「大丈夫か、莉愛。体調が悪いなら休んでも――」
「い、いえ、大丈夫です!」


 食事中ですら眠気を振り払って頷いてくる莉愛。
 ただ、すぐに頭がふらふらとふらつき出す。


 まるで前の会社で働いていた時の俺みたいだ。
 ろくに眠らずに仕事をしていた時の……。

 もしかして、テスト前の莉愛はいつもこんな感じなのだろうか?


 テスト前の莉愛……を今回初めて見るので判別がつかない。
 元々伊緒が言うには成績はいいらしいからかなり勉強をしててもおかしくない訳だもんな。


「……無理はするなよ」
「わかってますよ。テストが終わるまでですから……」


 莉愛が笑みを見せてくる。
 ただ、疲れが見えているせいでいつもの可愛らしい笑みには見えず、無理に作っているようにしか見えなかった。

 ◇

 いつもと同じように伊緒との待ち合わせ場所へやってくる。


「おはよう、莉愛ちゃん。……顔色が悪いけど大丈夫?」


 やはり、伊緒から見ても莉愛の体調は悪いようだった。


「大丈夫……ですよ。テスト期間中だけですから……」
「でも、莉愛ちゃん、頭いいんだからそこまで勉強しなくてもいいよね?」
「ダメなんです。今回は一位を狙わないと!」


 莉愛が珍しく大声を上げる。


 一位ってもしかして俺との約束のことか?
 莉愛が一位をとったら、願いを叶えてやるって言う……。
 無理までして叶えたい願いがあるのか?


「莉愛、別にテストで一位を取れなくてもしてほしいこととか言ってくれたら叶えてやるぞ?」


 少し恥ずかしいことだろうけど、こんな莉愛が無茶してるところを見るくらいなら我慢すればいいだけだ。


「いえ、約束……ですから」


 莉愛は頑なに約束と言い張っていた。
 もしかしたらとんでもないことを言ってくるのかもしれない。


「とりあえず学校にいる間は莉愛のこと、気にかけてあげてくれるか?」
「うん、莉愛ちゃんは友達だからね。何かあったらお兄ちゃんを呼んでもらうように頼んでおくね」
「ありがとう。この埋め合わせは必ずするよ」
「入間屋の巨大パフェね」


 伊緒がにっこりと微笑んでくる。

 入間屋とは最近話題の生クリームがおいしいと評判のカフェだった。
 そこの巨大パフェって大食いの人でも音を上げたとか、そんな噂があるものじゃなかったのか?

 まぁ、莉愛のためと考えるとそのくらい安いな。


「わかった。テストが終わったらみんなで食いにいくか」
「うん、楽しみにしてるよ!」


 伊緒は嬉しそうに頷く。
 彼女がいる限り学校では大丈夫だろう。あとは家にいる間は俺が気にしてやれば問題ないか……。

 ◇

 しかし、莉愛の体調は日を追うごとに悪いものへとなっていった。
 ついに莉愛の頬が硬直し、意識がもうろうとしているようだったので声をかける。


「莉愛、一応熱を測ってみてはどうだ?」
「だ、大丈夫……」


 本人は大丈夫と言ってるが、流石に心配だな。
 熱でもあるんじゃないだろうか?
 でも莉愛が嫌がってるなら――。


 俺は莉愛に顔を近づけていく。
 すると莉愛は顔を赤くして慌てふためいていた。


「あ、有場さん、い、一体何を!?」
「いいからちょっとジッとしてろ」


 あまり動かれたら熱が測りにくい。
 すると莉愛は目を閉じてそっと口を前に出してくる。
 なんだか少し勘違いをしているようだがちょうどいいか……。

 ようやくじっとしてくれたので、俺はそのまま莉愛の額に自分のを当てる。


「えっ!? あっ、熱を測る……のですか?」


 莉愛が驚きと落胆の声を上げる。


「ちょっと高い気もするが、これだけだと判断がつかないな……。仕方ない、体温計で測っておいたほうがいいだろうな」


 測り終えたあと、俺は莉愛から離れる。
 ただ、その中途半端な体温に首を捻らせ、側に控えている遠山に言う。


「この家に体温計はありますか?」
「もちろんでございます。今とってまいりますね」
「お願いします」


 遠山がさっと動いてくれる。

 そして、遠山が取ってきてくれた体温計を嫌がる莉愛に無理やり渡す。


「熱がなかったら行っていいからしっかり測ってくれ」
「……わかりました」


 莉愛が服のボタンを二つほど外し、脇に体温計を差し込み、少し赤い顔でボーッとしていた。

 ボタンを外したその隙間から見える白い肌に俺自身も顔を赤く染めてしまう。
 顔を晒して、体温を測り終えるのを待つ。
 すると、しばらくして電子音が響いてくる。


「測り終わりました……」


 莉愛が脇から体温計を取り出す。
 そして、自分で見たあと俺に渡してくる。

『36.8℃』

 すごく判断に困る数字だった。


「莉愛って普段の体温は高い方か?」
「どちらかといえば高い方です……」


 それなら休ませるほどでもないだろうか?
 無茶をさせるべきでもないが、莉愛が行きたがっている以上止める理由はまだないか……。


「ただ、今日は早く寝るんだ。わかったか?」
「は、はい、わかりました……」


 素直に頷いてくれる。


 最近の莉愛を見てる限りだとずっと勉強をしてるんだろうな……。
 せめて体を温めて勉強してもらわないとな。
 ……よし、今日は莉愛の勉強に俺も付き合うか。

 ◇

 夜になり、食事を終えると莉愛は急いで自分の部屋へと戻っていってしまった。
 それを見た俺も同じように莉愛の部屋に向かう。

 部屋の前に立つと扉をノックする。


「莉愛、俺だ。入ってもいいか?」
「あ、有場さん!? は、はい、大丈夫です……」


 ゆっくり莉愛は扉をあける。
 そして、ちょっとだけ顔を出してくる。


「ど、どうぞ……」


 少し頬を紅潮させた莉愛が部屋の中へ入れてくれる。


 莉愛の部屋はピンク色を基調とした可愛らしい内装だった。
 天蓋付きのベッドに小さなテーブルやソファー。
 テレビも置かれ、たくさんの本棚には難しい本から漫画までたくさん並べられていた。

 そして、部屋の隅に置かれた勉強机には教科書とノートが広げられていた。
 やはり思っていた通り勉強をしていたようだ。


「あ、あははっ……、やっぱり少しだけでもやらないと気が晴れなくて……」


 莉愛は申し訳なさそうに顔を伏せながら苦笑してくる。
 それを見て俺は頭を軽く掻く。


「多分そうだろうと思ったけど、やっぱり勉強していたか。まぁ莉愛がそうしないと気が晴れないのならしてもいいぞ。ただ――」


 寝間着姿の莉愛。
 風邪をひいている状態だと今の格好じゃ寒いかもしれない。


「もう一枚上に何か着た方がいいな。何かあるか?」
「あっ、それならカーディガンでも羽織っておきます」


 莉愛がクローゼットの中から白色の薄めのカーディガンを取り出すとそれを着て、机に向き合った。


「あと、もう無理だと思ったらベッドに無理矢理連れて行くからな!」
「だ、大丈夫です! 有場さんも今朝、熱がないのを見ましたよね?」
「あれを大丈夫と言って良いか迷うけどな……。せっかくだから今も体温を見ておこうか?」


 ゆっくり莉愛に近付こうとすると、彼女は頬を染めて必死に首を横に振っていた。


「い、いえ、あんなことをされたらとても勉強に集中できなくなりますので……」


 顔を真っ赤にして机の方に視線を送る莉愛。

 あんなことってただ、額をくっつけるだけなのにな……。


「とりあえず無茶をしても良いことはないからな。むしろ効率は落ちていく。それにどんどんやることは増えていって、気がついたら終電を逃して――ってその話は今は関係ないな。とにかく体調悪いときは早く休むんだぞ」
「わ、わかりました。ちゃんと寝ますので有場さんも早く寝てください」
「いや、俺は莉愛が寝るまで後ろにいるからな……莉愛が寝たのを見てから部屋に戻るさ」
「そ、それじゃあ余計に眠れませんよ……」


 顔を真っ赤にしてあわわ……と体を震わせていた。

 さすがに寝顔を見られるのは嫌だったのだろうか?
 それに体調が悪いなら医者に診てもらえば早いか……。


「そうだな、一応莉愛を見てくれる医者を手配してもらっておいたほうがいいか?」
「だ、駄目! それはもっと駄目! そんなことをしたら絶対に休めって言われてしまいますから……。大丈夫、あと数日だけは私の好きにさせてください……」


 莉愛が悲壮な声を上げてくる。


「はぁ……、わかったよ。その代わり風邪でも引いたら無理矢理休ませるからな」


 俺自身、かなり無茶な生活をしてきたこともあって、これ以上強く止めることは出来なかった。


「ありがとうございます……」


 莉愛はお礼を言うとそのまま意識を勉強の方へ向けていた。

 無言で過ぎる時間。
 周りから莉愛が文字を書く音しか聞こえない。

 その状態で日をまたぐまで勉強をしていた莉愛。
 でも、一時を超えたくらいから頭が上下に揺れ、眠気と戦っている様子だった。


 もう限界か……。


 俺は莉愛の隣に行くと体を抱きかかえる。


「えっ!? わっ、な、なに!? なんですか?」
「もう限界だろう? とにかく一度仮眠を取れ。あとは起きてから頑張れ!」
「そ、そうですね……。わ、わかりました……」


 ようやく莉愛が頷いてくれる。
 そして、ベッドに連れて行くとすぐに眠りについていた。


 やっぱり体は限界だったんだな……。


 俺も苦笑をしながら莉愛に布団を掛けるとゆっくり音を立てないように自分の部屋に戻っていった。

 ◇

 それからしばらく莉愛の体調を見ながらの日々が続いていた。
 ただ、試験の日の前日まで熱が上がることなく、なんとか持ちこたえることができた。


「いよいよ、明日からテストです」
「あぁ、そうだな。ただ、まだ気を抜くなよ。あと、体調は大丈夫か?」
「はい、今は本調子には遠いですけど、大丈夫そうです」


 莉愛が笑みを浮かべてくる。
 やはりその表情には疲れの色が見える。


「その……、最後にギュッとしてくれませんか? それをしてもらえたら私は頑張れる気がしますので……」


 まぁ今まで頑張ってたんだもんな。
 ため息混じりに俺は手を広げてみせる。

 すると莉愛は目を輝かせて俺の方に近づいてくる。
 そして、すっぽりとその体が収まってしまう。


「やっぱり有場さんに抱きしめられるの、好きです……」


 莉愛は目を細め、小さく微笑んでいた。


「私、絶対に一位を取ってみせますね」
「あぁ、それで取れたときに何をしてほしいんだ? そろそろ教えてくれても良いんじゃないか?」
「そ、そうですね……。私のお願い……、それは有場さんがこれからも私と一緒にいて欲しい……ってことです」
「あぁ……えっ?」


 どんな願いが飛んでくるのかと思ったらそれは今もしていることだった。


「そんなことのために……?」
「わ、私にとってはすごく大切なことなんです! だって、有場さん、転職されるんですよね? それじゃあ私はもう有場さんに会えないってことですよね? そ、そんなことは絶対に嫌です……」


 莉愛が感極まって涙を流し始める。
 ただ、莉愛は勘違いしている部分があった。


「えっと……、俺は別に転職をするって決めたわけじゃないぞ?」


 俺は頭を掻きながら答える。


「……えっ?」


 すると莉愛が視線を俺の方に向けてくる。


「確かにそういう話はあった。だから勇吾さんに相談させて貰おうとは思っていたが、まだ何も決めていない状態だぞ?」
「で、でも、前に権蔵さんと……」
「あぁ、そのときの話を聞かれていたのか……。あのときもそんな話を貰ったから勇吾さんがいつ帰ってくるのか聞いていたんだ……」


 ようやく莉愛の目に光がこもる。


「それじゃあ、有場さんは出て行かない?」
「少なくとも莉愛に相談もしないで出て行ったりはしないぞ」


 あのブラック企業から救い出してくれた莉愛には感謝している。
 彼女だけは悲しませたくない……と言う気持ちは俺の中にあった。


「あ、あははっ……、私の勘違いだったのですね……。よかった……よかったです……」


 莉愛は俺にギュッと抱きつくとしばらく泣き続けていた。
 ただ、そのまま緊張の糸がほぐれるように倒れてしまう。


「……莉愛?」


 俺は莉愛を抱き留める。すると彼女の体がとても熱くなっていた。

 もしかして、安心したら無理していた疲れが一気に!?


「あ、有場さん……、ごめん……なさい……。私、無理を――」


 青い顔をしながら莉愛が謝ってくる。


「もう喋るな。ゆっくり休んでろ! 医者を……」


 莉愛をベッドに連れて行くと俺は部屋を出ようとする。
 しかし、莉愛が俺の手を離そうとしなかった。


「い、一緒にいて……ください……」


 今にも消えそうな声で言ってくる。


「わかったよ……」


 せめて莉愛が眠りにつくまでは側にいよう。

 莉愛の手をギュッと握り返すと彼女は嬉しそうに微笑み、そのままゆっくり目を閉じてすぐにすやすやと寝息を立てていた。

 それを確認してから俺は一度部屋を出て行き、遠山に医者の手配を頼むと莉愛の頭を冷やす氷とタオル、あとは飲み物を準備して莉愛の部屋に戻ってきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...