【完結】ループ5回目にして、登場人物に第3皇子殿下が増えてしまいました

えくれあ

文字の大きさ
6 / 10
本編

ep.6 打ち明けた思い

しおりを挟む
 なぜ、どうして、こんなことになってしまったのだろう。
 あの後、すぐに別の服を持って、数名のメイドさんが部屋に現れた。
 私はあっという間にカミユ殿下が用意したらしい、先ほどよりもフォーマルな服装へと着替えさせられ、髪型も服装にあわせて整えられ、さらには涙でぐしゃぐしゃだった顔もきれいに拭いてもらって、軽くメイクまでされてしまった。
 さっきとはすっかり別人になってしまった、と鏡に映る自分をまじまじと眺めていると、カミユ殿下が部屋へと戻ってきた。
 カミユ殿下もまた、先ほどよりも少しフォーマルな格好に着替えていて、私はそのまま殿下に手を引かれるままについて行き、この部屋までやってきた。
 そして、今、目の前の信じられない光景に、逃げ出したい気持ちを必死に抑え込んでいるところである。

「はじめまして、シェリル・アトリー伯爵令嬢」

 私にそう声をかけてくださったのは、なんとこの国の皇后陛下だ。

「お初にお目にかかります、皇后陛下」

 私は慌ててスカートの裾をつまんで、お辞儀をする。
 声が震えてしまっていないか、それだけが気がかりだった。

「ずっと会ってみたいと思っていたの、さぁ、座って。ほら、カミユも」

 皇后陛下は優しい笑顔で、私たちは部屋へと招き入れてくれた。
 少なくとも今のところ、失礼なことはしていなさそうだ、とほっとする。

「母上、どうか僕とシェリルの婚約を認めてください」
「カミユ、気持ちはわかるけれど、少し待ってちょうだい」

 席に着くや否や本題を持ち出したカミユ殿下を、皇后陛下が諫めた。
 けれど、殿下は待ちきれないといったように、そわそわとしていらっしゃる。

「カミユがシェリル嬢を好きで好きで仕方ないのは、私もよーく知っているわ」
「えっ?」
「は、母上っ!」

 カミユ殿下が私のことを大切に想ってくださっているのは、私も感じたけれど、皇后陛下が好きで好きで仕方がないなんて表現されるほどだとは、さすがに思っていなかったし、皇后陛下がそんなことまでご存知であることに非常に驚いた。
 見れば、カミユ殿下は顔を赤くして狼狽えていらっしゃり、皇后陛下はそれを楽しそうに眺めていらっしゃる。

「カミユはユーリの大切な忘れ形見なの。カミユが不幸になるようなことなら、見過ごせないわ」

 ユーリ……確か、亡くなった皇妃殿下のお名前だったはずだ。
 思い出した、第1皇子殿下と第2皇子殿下はともに皇后陛下の実子だったけれど、第3皇子殿下だけは母親が違い皇妃殿下の実子だった。
 皇后陛下と皇妃殿下は同じ夫を持つもの同士であり、さらに政治的に争わさせられるようなことも多いような立場にありながら、まるで姉妹のように仲が良かったことで有名だった。
 どこかに出かける際も、皇帝陛下、皇后陛下、皇妃殿下の御三方で向かわれることが多く、至る所で皇后陛下と皇妃殿下が楽しそうに談笑する姿が目撃されたと聞いたことがある。
 しかしながら、皇妃殿下は早産となってしまい、第3皇子を御産みになられた後そのまま帰らぬ人となってしまったと聞いている。
 そんな皇妃殿下の忘れ形見である第3皇子殿下を、皇后陛下が実子である第1皇子殿下や第2皇子殿下よりも、非常にかわいがっており大切にされている、というのもまた有名な話だった。
 今のお二人のご様子を見る限り、この噂は間違っていなさそうである。

「シェリル嬢、あなたはどうなの?カミユのことが好き?カミユと本当に婚約したいと思う?」
「母上、これは僕の……っ」
「今はシェリル嬢に聞いているの、カミユは少し黙っていて。ね、どうかしら?」

 考えるまでもなく、答えなんてわかりきっている。
 5度も人生を繰り返しても、私をこれ以上ないほど幸せな気持ちにさせてくれたのは、カミユ殿下ただ1人だった。
 好きにならずにいられるわけなんてない、でも、だからこそ、自分がどれほどカミユ殿下に不釣り合いな存在なのかも、痛いほどわかっている。

「あなたは、好きではないのかしら?ただ、カミユを利用したいだけ?」
「ち、違いますっ!私が、こんな思いを抱くことさえ、分不相応なことは十分理解しています。それでも、私は、カミユ殿下をお慕いしていますっ」
「そう……」

 皇后陛下がまるで品定めでもするかのように、しばらく私をまじまじと見つめた。
 いたたまれなくて、でも、どうすることもできなくて、私はただ身を硬くして、じっとそれが終わるのを待つことしかできなかった。

「母上っ、もういいかげんに……っ」
「嘘ではなさそうね」

 沈黙に耐えかねたカミユ殿下が声をあげた頃、ようやく終わって、皇后陛下がふわりと笑った。

「いいわ、認めましょう」

 その一言に、ほっと息を吐き出した。
 カミユ殿下は、とても嬉しそうに笑っている。

「明日、朝一でアトリー伯爵家には通達を出します。私が第3皇子の妃として、シェリル嬢を選んだと。だから速やかに、今の婚約を解消するようにと。また、同様のエルドレッド侯爵家にも、速やかに解消に応じるように通達を出します。これで数日のうちに、婚約は解消されるでしょうから、その後すぐにカミユとシェリル嬢の婚約を結びましょう」
「ありがとうございます、母上っ」
「あ、ありがとうございます、皇后陛下」

 カミユ殿下がお礼の言葉とともに頭を下げたのを見て、私も慌ててそれに続いた。
 そんな私たちを見て、皇后陛下はくすくすと笑っていらっしゃる。

「ふふ、カミユは本当に嬉しそうね。シェリル嬢、カミユは産まれてすぐに母親を亡くして、ずっと寂しい思いをしてきた子なの。どうか、幸せにしてやってちょうだい」
「は、母上っ!幸せにするのは、僕の……っ」
「はい、必ず幸せにすると、お約束します」
「よろしくお願いしますね」

 まだ、私に何ができるかはわからない。
 けれどこれほどまでに私を想って動いてくださったカミユ殿下に応えられるように、カミユ殿下を幸せにできるように、これからの人生は努力したいとそう思った。



「ねぇ、さっきの言葉、本当?」

 皇后陛下とお話した部屋と後にするとすぐに、カミユ殿下はおそるおそるそう訊ねてきた。

「え……?」
「あ、違うっ!シェリルのことを疑ったわけではないんだ!ただ、その、夢みたいで、信じられなくて……」

 その言葉で、ようやくカミユ殿下がおっしゃっているのが、私が殿下をお慕いしていると言ったことだと理解した。
 私も、殿下に好きだと告げられた時、幸せな夢だと思ったことを思い出す。私たちは案外、似たもの同士なのかもしれない。

「本当です。殿下のことを、お慕いして……わっ!!」

 言い切る前に、ぎゅーっと強くカミユ殿下に抱きしめられ、身動きが取れなくなってしまう。

「どうしよう、嬉しすぎて死んでしまいそうだ」
「そ、それは、困りますっ!」

 ついさっき、死のうとしていた人間が言えることじゃないかもしれないけど、カミユ殿下に死なれてしまうのは絶対に嫌だ。

「うん。こんなに幸せなんだ。簡単に死んだりしないよ」

 だから、私も決してそんなことは考えないように。
 言われたわけではないけれど、より強く私を抱きしめるカミユ殿下の腕が、そう言っているような気がした。

「ねぇ、シェリル、今日は泊まっていかない?」
「ええっ!?」
「だって、もうすっかり外も真っ暗になったし、雨もまだ止んでない。今から帰るなんて危険だろう?」

 びっくりしたけれど、そうだよね、カミユ殿下は単純に心配してくれてるだけだ。
 まだ婚約前なのだから、深い意味なんてあるはずない。
 違う想像をしそうになった自分が、少し恥ずかしかった。
 皇宮ならお部屋もたくさんあるだろうし、お言葉に甘えて一晩泊めてもらうのも悪くないかもしれない。

「では、お言葉に甘えて」
「やった!これで、今日はずっとシェリルと一緒にいられるね。せっかくだから、一緒に寝よっか?」
「え?ええっ!?」

 これはさすがにダメだろう……
 泊まるにしたって、別々の部屋にしないと、なんて思ったりもしたけれど、やはりあらぬ想像をしたのは私だけだったようで。
 その実は、ただ手をつないで眠るだけという、年頃の男女が共にベッドに入ったにしては、とても健全なものでしかなかった。



 カミユ殿下と同じベッドでなんて、とても眠れないだろうと思ったけれど、そんなことはなかった。
 殿下は手を繋いですぐにすやすやと夢の中へと旅立ち、その穏やかな表情を眺めているうちに、私も気づけば夢の中にいた。
 目を覚ました時にはすっかり朝で、すぐそばには穏やかなカミユ殿下の寝顔がある。
 まつ毛長い、髪サラサラ、顔きれい……そんなことを思いながら見ていると、ぱちりとカミユ殿下の目が開いた。
 私はいたたまれなくなって、慌てて顔を逸らす。

「僕の寝顔、そんなにおもしろかった?」
「いえ、その、きれいだなって……」
「きれいなのは、シェリルでしょ」

 さらっとそんなことを言って、カミユ殿下はうーんと伸びをしてから起き上がった。

「すぐにメイドを呼んで、着替えを手伝わせるから、ちょっと待っててね」

 カミユ殿下がそう言って部屋を出るとすぐに、メイドさんたちが入ってきて、私はあっという間に制服に着替えさせてもらった。





「あ、あの、大丈夫でしょうか」

 一度家に戻ってから、学校に行くものだと思っていたのに。
 朝から皇宮の豪華な朝食をごちそうになり、まさかの皇宮の馬車にカミユ殿下と乗って、学園へと向かうことになった。
 殿下は馬車の中ではずっと嬉しそうに笑って、私にぴったりとくっついている。
 けれど、私たちはまだ、婚約者でもなんでもない。
 それなのに、今から一緒に登校するなんて、それこそ変な噂が立ちそうで心配だ。

「大丈夫だよ、心配しないで」

 どの辺が大丈夫なのか、さっぱりわからないけれど、カミユ殿下はただそう言って笑うだけだった。



「おまえ、いったい、何をしてるんだっ」

 カミユ殿下にエスコートをされて馬車を降りると、最初に私の目の前に現れたのは、やっぱり怒りを隠そうともしないフランツ様だった。

「カミユ殿下の馬車で、学園まで送っていただいただけです」

 カミユ殿下の手が、今も私の手を握ってくれている。
 その手が私を安心させてくれる、フランツ様がどれほど怒っていようとも、今の私は怖くなんてない。

「おまえの婚約者は俺だと、あれほど……っ」
「いつまで続くだろうね、それ」

 カミユ殿下が凍えるほど冷たい視線をフランツ様に浴びせている。
 それだけで、フランツ様は動かなくなってしまった。

「行こうか、シェリル」
「はいっ」
「ま、待てっ!」

 そのままフランツ様を置いて、校舎へと向かおうとしたけれど、我に返ったらしいフランツ様がそれを止めようと私たちの前に立ちはだかる。
 カミユ殿下の目がスッと細められ、フランツ様を鋭く睨む。

「今、皇子である僕の進路を、塞ごうとしているのか?ちょうど今なら僕と一緒に来た皇宮の騎士もいるし、不敬罪で捕らえることも、できるけど?」
「も、申し訳ありません」

 私には強く出るフランツ様も、権力の前では弱かったようだ。
 不敬罪、という言葉を聞いただけで、あっという間に引き下がってくれた。

「あー、早く、世界中に、シェリルが僕の婚約者だって、自慢したいなぁ」

 フランツ様から少し離れたところで、カミユ殿下が私にだけ聞こえるくらいの小さな声でおっしゃった。
 私は顔が熱くなるのを感じ、思わず両頬を手で覆っていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

推しであるヤンデレ当て馬令息さまを救うつもりで執事と相談していますが、なぜか私が幸せになっています。

石河 翠
恋愛
伯爵令嬢ミランダは、前世日本人だった転生者。彼女は階段から落ちたことで、自分がかつてドはまりしていたWeb小説の世界に転生したことに気がついた。 そこで彼女は、前世の推しである侯爵令息エドワードの幸せのために動くことを決意する。好きな相手に振られ、ヤンデレ闇落ちする姿を見たくなかったのだ。 そんなミランダを支えるのは、スパダリな執事グウィン。暴走しがちなミランダを制御しながら行動してくれる頼れるイケメンだ。 ある日ミランダは推しが本命を射止めたことを知る。推しが幸せになれたのなら、自分の将来はどうなってもいいと言わんばかりの態度のミランダはグウィンに問い詰められ……。 いつも全力、一生懸命なヒロインと、密かに彼女を囲い込むヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:31360863)をお借りしております。

処理中です...