園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

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2章 村での生活

26話 やっぱりブレンは可愛い

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 肉を買い取ってもらった後、女将さんとラベンダーに挨拶をして部屋に戻ってきた。

 なんか、部屋に入った瞬間に疲れが一気に出てきたように感じるなぁ……
 塊肉をいくらで買い取ってもらったのかもよく覚えていないし……

 俺がベットに仰向けで倒れ込むと、ブレンが横に飛んできた。

《リョウさん、顔色があまりよくないですよ……早めにお休みになった方がいいと思います》

 ついにブレンにまで言われてしまったか……
 まあ、自分自身でも明らかに疲れを感じてるくらいだから仕方ないか。


「ふぁぁ……そうだな。明日も仕事あるし、今日はもうログアウトして寝ることにするよ。明日こそは、色々と作りたいなぁ……」


 あくびをしながらそう答えると、ブレンが頬擦りしてきた。


《お仕事のあとは、あまり長い時間無理しちゃ駄目ですよ? リョウさんが倒れたら、皆さんも心配すると思います!》

「わかった、気を付けるよ。……じゃあ、また明日……」


 ブレンを指でなでていたのだが、ログアウトする前にうとうとしてしまい……

 ふと気付くと現実に戻ってきていた。


 (……ログアウト、いつしたっけ……?)


 時計を確認すると、二十一時五十分を過ぎたところだ。
 時間からして、ログアウトしてすぐに目が覚めたみたいだな。


 ゲームを始める前に食事は済ませてあったので、あとは明日の支度を済ませて寝るだけだ。

 ログアウト前ほどではないが眠気がそこそこあり、布団に横になってすぐ眠りに落ちた。




 翌日……六月六日は、山下くんが市場から仕入れてきてくれた植物達の陳列がメインの作業だ。

 今日こそは色々なアイテムの作成がしたかったので、俺は早く帰れるようにいつも以上に気合いを入れて仕事に取り組んだ。

 かなり気合いを入れて頑張った甲斐があり、当日分の仕事を昼過ぎに終えることができた。

 ……一部のお客さんや山下くん辺りには、なぜか心配そうな顔をされてしまったけど……
 ゲームのために頑張ってるとは言えず、言葉を濁してごまかした。


 ついでに翌日分の仕事を前倒しである程度まで終わらせることもでき、俺の気分も軽くなる。


(これなら明日は、少しは楽に仕事ができそうだ!)


 若干うきうきしながら閉店後に店内の見回りを済ませると、早々に職場を後にした。


 この時……俺を怪しむような目で見ている人がいることに、浮き足立っていた俺は全く気付いていなかった……


 帰宅途中にスーパーで簡単に作れる麻婆豆腐の材料を買うと、レトルトのご飯も買って自宅に急ぐ。


 自分の住むマンションに到着し、勢いのまま階段を駆け登ろうとして──

 ……唐突に鋭い目付きのお隣さんの顔が思い浮かんだ。

 そうだ、確かNWO初日にも階段を駆け登っていてぶつかりそうになったんだった……!


 慎重に階段を登ること数分で、自分の部屋に到着した。

 今回はお隣さんと出くわすことはなかったが、なぜか冷や汗が出てしまった……


 一息ついてから手洗いを済ませ、すぐに晩御飯を作って食べる。

 麻婆豆腐をまるで流し込むように食べ終わった俺が時計を見ると、十九時四十分……向こうなら十五時二十分くらいか。

 翌日の支度を済ませてシャワーを手早く浴び、早速ログインする。



 ゲーム内は十五時四十分、……少し遅いがおやつの時間かな!


《リョウさん、お帰りなさい!》

「やあブレン、ただいま」


 ログインに気付いたブレンは挨拶をするのと同時に、窓の縁から俺のところへ飛んできた。
 俺が挨拶を返しながら右腕を差し出すと、腕を伝って定位置となっている肩まで登ってきた。
 そんなブレンを人差し指でなでつつ、今日やりたいことを頭に思い浮かべる。


 まずはサツマノイモを調理したいな……
 キッチンを借りてもいいか女将さんに相談してみようかな……?

 あとは減ってきたポーションを作り足したいし、ドリアドネにもらった素材から錬金術も試してみたいな!


《むぅ……リョウさん? また考え事ですか?》


 ふと気付くと、ブレンは全身の羽を膨らませながらジト目でこちらを見ていた。
 どうやら考え事をしているうちに、ブレンをなでていた手が止まってしまっていたらしい。


「ごめんごめん! 今日やりたいことを考えててさ」


 そう謝りながら再びなで始めると、ブレンはため息をついた。


《リョウさんらしいですね……それで、今日はなにをする予定なんですか?》

「サツマノイモを調理するのと、ポーションを作ったりしたいかな!」

《料理と錬金術ですか……錬金術はともかく、料理ならキッチンをお借りできそうではありますね》

「とりあえず、両方とも女将さんに頼んでみようかと思ってさ。サツマノイモのお裾分けもしたいし」


 俺は女将さんなら何とかしてくれるんじゃないかと思ってそう言うが、ブレンは首をかしげてしまった。


《……錬金は無理だと思いますが……》

「えっ……そうかな……?」


 俺の答えに、ブレンは更にため息をぴゅー……と吐き出した。
 うん、やはり可愛い。


《まずはキッチンだけを借りることができないか、聞いてみたほうがいいと思いますよ?》

「そっか……確かに一つずつお願いしたほうがいいかもしれないね。ブレン、ありがとうな!」


 お礼を言いつつ、ここぞとばかりにブレンをなでて癒される。

 ブレンも気持ち良さそうに目を閉じてるし、俺もふわふわしてるブレンをなでるのは気持ちがいい……


 数分堪能して満足したので、女将さんに頼みごとをするべく、一階に降りる。

 ……ブレンからの、まだまだ物足りないという視線を感じながら……
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