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ブランコ ボタン 貧乏揺すり
しおりを挟む「……誠さんに、告白されて……
それで、僕の気持ちと……悠の事もちゃんと話して………お付き合い、する事になりました……」
予想外だったのか。大輝が一瞬、驚いた顔を見せた。
「……でも、」
目を伏せ、膝の上に置いた手を重ねる。
「さっき悠から、この一年の間に何があったのか聞いたの。
……悠は、僕を見捨ててなんかなくて。変わらず僕の事を想っててくれて……」
「……」
「……どうしよう、大輝。……僕、悠を裏切っちゃった……
どうしよう………もう、どうしたらいいか解んない……」
貧乏揺すりなのか。体が揺れたかと思うと、大輝が突然僕の肩に腕を回し、強引に引き寄せる。
「……なぁ、双葉」
驚く間もなく、カーディガンのボタンに指が掛かり……ひとつ、またひとつと外されてゆく……
声も出ず大輝を見上げれば、真剣な顔をした大輝が間近に迫った。
「傷心の双葉を支えてきたのは、誰だっけ……?」
「……え……」
「俺だよね。……だったら、少しは靡けよ。俺、双葉の事、ずっと好きだったんだからさ」
「……だい、き……?」
前を開けさせ、差し込まれる手。布越しに僕の胸元を撫でた後、ゆっくりと滑り上がり、マフラーの上を通って僕の頬に触れる。
「俺を好きになってよ、双葉」
艶っぽく光る瞳。僕を捕らえたまま、大輝の唇が迫る。
今までの恩義を思えば、拒否するなんて出来なくて──ぎゅ、と目を瞑った。
むにっ
想像していたものとは違う感触に驚き、ぱっと目を開ける。
──と。
「……はは、冗談!」
先程とは打って変わり、いつもの調子で無邪気に笑い出す大輝。
見れば、僕の唇に当てられていたのは……親指の腹で。
「……か、からかったの?!」
「本当、流されやすいんだね。双葉は」
「………もう、ばか」
羞恥で顔を赤らめながら、頬を膨らませて大輝を睨む。
「双葉はさ、何で俺のキスを許す気になったの?」
「……え……」
「それ、今の悠に対してと、同じじゃない?」
「──!」
何だろう……
大輝の言葉がスッと入ってきて、心にストンと落ちる。もやもやしていたものが浄化され、一筋の光が射す。
「……大輝、ありがと」
口角が、自然と上がる。
そんな僕を、大輝の笑顔が包み込む。
「礼なら、……そうだな。
この前食べ損ねた、双葉の手作り弁当かな」
「……うん」
大輝らしい気遣った見返りに、僕はこくんと頷いた。
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