【本編完結済】爆盛りスイーツから始まる恋のレシピ~陰キャ男子はお菓子作りでボッチ回避に成功しました~

ぷかり

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みっちりバスクチーズケーキ4

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 タンパク質と言えば豆腐だ。
 ダイエットには鶏肉も良いと聞くが、それを甘味に落とし込む術を僕はまだ知らない。
 しかし、豆腐ならいろんなところで使われているのを目にする。
 というわけで、週末のご褒美。次は思い切ってダイエットメニューに挑戦することにした。

 晴人に食べさせると約束しているので、せっかくならとナオくん、大志くんの二人も招待する予定。
 前回が和風だったし、せっかくならおしゃれな洋菓子を用意したいところ。

 豆腐を使った餅風スイーツ、豆腐の焼きドーナツに、豆腐のスコーン、豆腐アイス……調べれば調べるほど様々なレシピが出てくる。
 だけど、いまいちピンッとこないのは、たぶんあまりに露骨な「痩せるために我慢したい人向けの代用品です」って風格が拭いきれていないからなのだろう。

 僕は皆にダイエットってバレない程度のさりげなさがほしいんだ。
 美味しくて、見栄えが良くて、それでいてヘルシーなやつ。

 サイトやら動画やらを見漁って、ようやく納得がいくものが見つかったのは、水羊羹の一件から十日ばかり経った頃。
 時間をかけただけあって多くの豆腐スイーツを発掘したが、その中で選ばれたのはバスクチーズケーキだ。

 チーズケーキってだけでも響きが良いのに、バスクってなんかおしゃれな感じがする。
 まあ、実際はただの地名なんだけどね。
 スペインのバスク地方発祥だからバスクチーズケーキ。
 さすがに安直すぎる。
 だけど、そんな風に名付けられたものなんて世の中たくさんあるし、そう考えれば悪くないのかも。

 晴人だって、たぶん「晴れ男」的な意味だろうし。
 もし違っていても「晴人」って彼にぴったりだし、すごく素敵だと思う。

 昔、授業で親に名前の由来を尋ねるみたいなのがあって、その時に僕が自分の名前について聞いたのは、確か「穏やかな子に育ってほしい」的な意味だった気がする。

 本当は「志恩」で「シオン」と読ませたかったらしいが、意味が「先生や師匠から受けた恩」となってしまうので断念したとか、なんとか。
 僕としてはそっちの方が男らしくて良かったんだけど、こればっかりは文句を言っても仕方がない。

 名前と言えば、ちょっと前にナオくんが、

「大志くん、ずるーい!」

 と唇を尖らせた事件があった。

 二人して待ち時間に絵を描いていたんだったか、それとも宿題をしていたんだか。
 そのあたりの経緯は定かでないが、紙に名前を記していた時に起きた話で、僕の「志」が大志くんと同じ字だとナオくんが知ったことが発端だった。
 あれも急に不満が爆発していたから、心配して駆けつけたものの、僕にはどうしようもできないことだったので、ちょっと手を焼いたんだよね。

 結局、

「ほら、ナオくんは晴人と「人」の字がお揃いじゃない」

 と慰めたんだっけ。

 単なる偶然と親がわざわざ一緒になるように考えたものじゃ、また意味が変わってくるのかもしれないが、素直なナオくんは一旦それで納得してくれたんだけど。こういうので拗ねられるあたり、子供の感性って面白い。
 でも、仲間外れにされたように思わせてしまったのは、自分のせいじゃないとはいえ、ちょっと申し訳ないような居心地の悪さを感じたのは秘密。

 って、また話が逸れてしまった。
 一人であれこれ考えていると、すぐ別の方向に行ってしまう。
 何はともあれ今はバスクチーズケーキに集中しなきゃ。

 お菓子作りは計量が命。
 すなわちレシピが間違っていると失敗の可能性がグンッと上がる。
 ここでちゃんと調べておくのが大事。
 どうせならナオくんたちにも手伝ってもらえるような簡単な作り方にしたい。

 すべては楽しい週末にするために。
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