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第95話:新たなお城
しおりを挟むその話以降、愛那は魔法についての講義をナチェルに希望し、道中の長い時間を過ごした。
馬車の扉が開き、微笑むライツが愛那へと手を差し伸べる。
「到着したよ、マナ」
「は、はい」
(え、笑顔がまぶしいッ)
頬を染めた愛那が立ち上がってその手をとる。
「お疲れ様。馬車に乗り続けるのも疲れただろう?」
「ありがとうございます。平気です」
(馬での移動の方が大変そうです)そう思いながら答え、馬車から降りて見上げたそこには・・・・・・。
(お城!?)
青空の下、巨大な城がそびえ立っていた。
口を開けて目の前の光景を見渡す。
(なんて大きくて立派なお城。おかしいな? お城から逃げてきたのに新たなお城が現れたぞ?)
「ここが兄が居住しているルザハーツ城だ」
(・・・・・・そうでした。お勉強しました。御三家の一つ、ルザハーツ公爵家は元王家でしたね)
あはは、と乾いた笑いをもらす愛那。
「どうしたマナ?」
「い、いえっ。何でもないです。あまりに素敵なお城なのでびっくりしちゃって」
「そうか」
ライツが硬い顔をした愛那の手を引いて歩き出す。
今から紹介する兄も、その家族も、優しくていい人達だから安心して欲しい」
「はい」
(気遣ってくれてありがとうございます。でも、こんなに好きな人のご家族に会うのに緊張は止められない!)
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