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第118話:戦闘モードを復活
しおりを挟む(よくわからないけど、とにかく。神様と話をする許可をいただきました)
愛那はライツから祭壇へと向き直って正面を見据えた。
そしてすっかり冷めてしまった戦闘モードを復活させようと試みる。
(神様、神様。聞こえますか? 私の名前は里上愛那。地球の日本という国からこの異世界へ救世主として召喚された者です)
応えはない。
(神様? 聞こえてますよね? 私はあなたにどうしても! 言いたいこと、訂正して欲しいことがあって話をさせていただいてます。聞こえてるなら、ちょっとでも、何でもいいから反応して下さい!)
そう訴えてしばらく待つと、壁の神を表す文字がキラッと輝いた。
「・・・・・・・・・・・・」
あまりにもささやかな一瞬だけの反応に、それが本当に神の聞こえているという合図なのかどうか愛那が悩む。しかし、少しでも、何でもいいからと言ったのは愛那だ。もう一度とは言えない。
愛那は一つ頷いて、神様は聞こえていると納得することにした。
それじゃあ・・・・・・。
(まずは神様? 何故? どうして? 私があの王太子の運命の恋人なのか、教えて下さいますか? どう考えても違うでしょう? 間違ってますよね? あの王太子には婚約者がいるんですよ? しかもベタ惚れの! 私なんか眼中にないとばかりの嫌がりようでしたよ? こっちだってあんな失礼な男ごめんだっていうのに無駄に傷つきました。・・・・・・神様? 責任をとって下さいますよね? 責任をとってくれるのであれば、今すぐ神託とやらで撤回して下さい! 撤回! だいたい神様のくせにあなたの目は節穴ですか? あれと私が仲良く恋人同士になって魔物討伐すると思いますか? 冗談じゃない。あの王太子に婚約者がいるように、私にだって好きな人がいるんです!)
愛那はそう訴えると手を伸ばしてライツの腕を掴んで引き寄せた。
「えっ?」
驚いたライツが愛那を見るが愛那の睨み付けるような視線は祭壇に向かったままだ。
(この人です! ライツ・ルザハーツ様! あなたが私の保護者に指名した人です!)
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