48 / 59
第三章 風の鍵の乙女
13.避けられぬ戦へ向け。
しおりを挟む空が明るくなってきた。
「もうこのくらいなら、普通に飛べるだろう?」
ぼくは肩の上の鴉に訊いた。
『ああ、問題ない』
「じゃ、先に行ってみんなに急を知らせてくれ。ぼくはここで待っているから」
『?』
すでに限界を超えていた。
サキと離れておよそ一晩、ぼくの体温はとうに尽きていた。魔法の紐の魔力もすでにない。
「もう身体が動かせないんだ。早く助けに来てくれると、嬉しい」
『わかった。おとなしくしていたまえ』
いさんで飛んでいく鴉を見送りながら、ぼくは物陰を見つけて座り込んだ。
情けない。役に立つどころか、とんだお荷物だ。
あとは回収してもらうのを待つしかない。情報収集の成果があったことが、せめてもの救いだろうか。
ぼくの意識は急速に暗くなっていった。
+ + + + +
「遼太さん!」「リョウタ!」「リョウタさま!」
「……やあ、ただいま」
気がついたのはベッドの上だった。どうやら地獄に落ちずにすんだらしい。三人の少女に囲まれたぼくは、上体を起こした。
「……どのくらい眠っていた?」
「一日。朝鴉が戻ってきて、急いでリョウタを探しに行って、連れて帰って今夕方だよ」
クルルが答えてくれた。そのクルルも、向かいのサキも目に涙がにじんでいる。
ぼくは二人の頭をなでた。
「サキ。クルル。心配かけたね。それに、昨日から頑張ってくれてありがとう。ご苦労さま」
泣き笑いの二人は、それでも嬉しそうにしている。
「あの、リョウタさま……」
横から遠慮がちに声がかかる。いけない、大事な人を忘れていた。
「ミアさま」
ベッドから降りたとうとして、ぼくはよろめいた。そのまま片膝をついたかっこうで、エルミアに話しかける。
「ご無事でなによりでした」
「ご無事で、ではありませんわ!」
思わぬエルミアの叱責に面くらう。なんだ、何かまずいことを言ってしまったか?
でもエルミアの表情は、今にも泣きそうだ。
「心配いらないと言っておきながら意識不明で運び込まれるなんて……わたくしがどれだけ心配したか、わかっておいでなのですか?!」
「……はい、申し訳ございません」
ぼくは深く頭を下げて、苦笑しているのが見えないように表情を隠した。
「もう二度と、わたくしなどの身代わりになってはいけません。約束ですよ?」
「はい。ご配慮、いたみいります」
「では、お腹もすいたでしょう。ロゼッタに何か用意させますわ」
そう言ってエルミアは、そそくさと部屋を出て行った。
「やれやれ」
ベッドに座りなおしたぼくに、サキがいたずらっぽい目を向ける。
「遼太さん。もう逃げられないのです」
「なにが?」
「ミアさまはもう遼太さんにぞっこんなのです。覚悟を決めるです」
「は? なんで?」
サキは「呆れた」というふうに両手を挙げて首を振った。む、なんか何でもお見通しと言わんばかりの振る舞いがちょっと悔しい。
「あんな熱烈な愛の告白をしておいて、今さら知らないでは済まされないのです」
「いつ? ぼくそんなこと言った?」
「あらあら」
ますますサキがお姉さんぽい大人目線で迫ってくる。
「本当に自覚がないのですか? あの屋敷の二階でミアさまに言ったこと、覚えてないのですか?」
「なになに? リョウタがまた女を口説いてたの?」
「ええ。クルルが必死で戦っているときに、遼太さんてば熱心にミアさまに愛の告白を……」
きっ! とクルルがこっちを振り返る。
「リョウタぁ。あんた、人を働かせといて、陰でなにやってんのよ!」
「待て。そんなわけないだろ」
自分に自信のない女の子を元気づけようと思って、いろいろ言葉を尽くしただけだ。決して愛の告白とか、そんなつもりじゃない。
「はあ」とサキがわざとらしくため息をついて、
「あれが無意識なら、逆にすごいです。やっぱりディベリアさんの言う通り女たらしなのかしら」
「ちょっと待て!」
なんか今のは、いろいろな意味で不本意だぞ!
ちょうどその時、エルミアが戻ってきた。
「リョウタさま。今すぐ食べ物をお持ちしますね。まだお身体がおつらいでしょうから、わたくしが食べさせて差し上げますわ」
ベッドの上に手をついたエルミアは、満面の笑顔をぼくに近づける。思わずのけぞったぼくは、エルミアの向こうに立つ少女たちの視線に気がついた。
(ほらご覧なさい。もう観念するのです)
(リョウタってば、なにやってんのよ!)
余裕の表情で腕を組んで見返すサキと、猫みたいに背中の毛を逆立てんばかりのクルルがいた。
+ + + + +
恒例の心温まる(?)痴話ゲンカがひと段落して、ぼくはモリガン子爵にあいさつに出向いた。
子爵はぼくの手を取って頭を下げた。
「ありがとう、リョウタどの。ミアを救ってくれたと聞いた。なんと礼を言ったらいいか」
「そんな、おそれおおいです。ロゼッタさんとこの娘たちの活躍のおかげですよ」
「そうやって謙遜するのだな、きみは。まったく不思議な人物だ」
素性の知れないよそ者のぼくに対して、そんなに率直に頭を下げる貴族さまも、不思議な部類に入ると思う。
「ところで……これは戦支度ですか?」
「うむ。退避する準備を始めている」
子爵の声が硬く緊張する。
目覚めた時から、屋敷の空気が慌ただしいのは感じていた。
「今朝きみの知らせを聞いた時は、まさかという思いもあったのだが、女性陣にひどく叱られてな」
「遼太さんは、すごいのです」
「リョウタの言うことなら間違いないよ」
ぼくの両脇からサキとクルルが誇らしげに言い、子爵とぼくを苦笑させた。
「わたくしも、及ばずながらお力になろうと」
父親の隣で、エルミアがもじもじしながら言い添える。ミアさま、その思わせぶりな態度はお父さまに要らぬ不安を与えるのではありませんか?
だが父のモリガン子爵は気にしたふうもなく、
「すぐに兵を出してきみを取り返せ、とものすごい剣幕で詰め寄られてな。私がだめなら、姉のアメリアに兵を借りるとまで言い出した」
いささか持て余し気味のようだ。
「だが、きみの情報は私の聞いた情報とも符合するところがある。きみの話も合わせると、やはり当家は相当な危機に立たされているらしい」
前日、モリガン子爵が不在だったのは、情報を集めに外出していたからだ。今回はその隙を突かれる格好になってしまった。
「いったんこの地を引き払い、領民にも疎開してもらう。我々は沖合のクローマ島に移動するつもりだ」
ひとたび攻め込まれれば当主はもとより領民たちもどんな扱いを受けるか分からない。なにしろ逆賊の扱いだ。領地もろとも更地に潰して塩を撒けくらいは言い出しかねない。
かと言って当家には武力らしい武力はなく、とても領地と領民を守り切れない。各々自力で逃げてもらうことになるだろう。
「兵力が必要だが、ミアの言う通りアメリアを頼るしかないかも知れん」
聞けば先日嫁いだ長女アメリア・エリザベータの嫁ぎ先はそれなりの武門の家系らしく、そしてアメリア自身も男まさりのやんちゃな性格で、兵たちの人気も高いのだとか。
「いずれにせよ、明日にはここを出るつもりだ」
子爵の言葉にぼくはうなずいた。
ただし。
籠城戦とは、援軍が期待できる時にこそ効果的だ。
援軍を見込めない籠城は、破滅の先送りでしかない。
まして、相手は国軍。兵力差は考えるのもばかばかしくなるくらいだ。
果たして、今後の趨勢はどうなるだろう。
+ + + + +
翌日、何艘かの船に分乗し、移動することほぼ一日。クローマ島に辿り着いた。
「クローマ島という名前は、烏に由来すると言われているんだ。わがモリガン家も烏が守り神と言われている。そして、鴉を連れたきみたちだ。これだけ守り神が集まれば、我々の勝利は約束されたようなものだよ」
子爵にしては珍しい軽口のように思えた。それだけ不安を抱えているということなんだろう。
クローマ島は小さな島だが岩礁というほどでもない。ぼくの記憶にある限りでは、江の島くらいの大きさだろうか。
大きさのわりには切り立った箇所が多く、船がつけられる場所も限られている。住むには向かないが、守るにはなかなかいいかも知れない。
「帆船で移動できれば早かったんだがね」
モリガン子爵が言う。子爵家所有の大型帆船はあるのだが、風がないため動かせない。
この世界で風が途絶えてからどのくらいなのだろう。環境だけでなく経済にも大打撃だ。
「先代の頃にはその船でもって交易なども行っていたんだがね。ここ十何年かは海路は壊滅だよ。最近やっと蒸気機関の船が出てきたが、まだまだ高価で数が足りない」
思えばクルルの国でも、水という必要不可欠な物資が不足して死活問題だった。風だって馬鹿にできない。
そしてその風だが、予定通りなら間もなく取り戻せるはずだ。まことに不本意ながら。
島に移って半日後。
見張りの知らせに、緊張が走る。島に近づく船があると言う。
しかしほどなく、それがアメリア・エリザベータに率いられた援軍だとわかって、一同は大いに活気づいた。
「お父さま! アメリア・エリザベータ・モリガン・ブラックモア、実家の危機に馳せ参じましてよ!」
白銀に輝く細身の甲冑に身を包んだアメリアは、きりっとした表情も凛々しく、頼もしく見えた。少なくともぼくなんかより数十倍は頼りになる。
「しかしブラックモア伯爵家の立場は悪くならないか? 王子に弓引く反逆者だと……」
「なんの。正当の王位継承者はベルリアン殿下ではありませんか。反逆者などと言われる筋合いはございません」
アメリアは豪快といっていい笑い方で笑い飛ばす。
引き連れた兵士は八十名ほど。正直これで国軍と対等に渡り合えるとは思えないが、そんなことはまったく気にしていないようだ。むしろお祭りさわぎに乗っかってきた、という勢い。
そして彼女は、ぼくをしげしげと眺めて、
「きみが近ごろ噂の魔導士くんか。思ったより普通だな」
「それはどうも」
「ちゃんとミアを幸せにしてやってくれたまえよ」
「リア姉さま! なにをさらっととんでもないことを!」
「あはははは」
笑いながら、アメリアは兵士の方へ行き、凛とした声で号令をかける。さばさばしたとても陽気な人だ。
籠城戦なんてどうしても士気を維持するのが難しいものだが、この人なら大丈夫な気がする。
島の中央、一番高い辺りが指令所とされた。ここなら島のほぼ全域が見渡せる。
その代わり、逃げ場がない。ここまで攻めてこられたらもうなす術はない。
だが今はそれを言っても仕方がなかった。今いる人数で、できる限りのことをするだけだ。
「最初は水際の攻防になります」
次女のシンシア嬢が状況を説明する。士官や幕僚が着るようなローブを羽織っている。参謀役、というところだろうか。
「この島にいかに上陸させないようにするか。地形を利用して、取り付く兵を叩き落とします」
こちらは数で劣るが、この地形なら攻城戦と同じく守る方が有利だ。島の周囲は切り立ったところが多く、取り付くのが難しい。
「そしてさらに船着き場を潰してひとつだけにします」
シンシアの発言に全員が軽く驚いた。
「もとより逃げ場はないのですから、敵に付け込まれそうな場所は潰してしまった方がよいのです」
シンシアの言っていることは過激だが、語り口は冷静で、みなを落ち着かせる効果があった。
この作戦ならうまくいく、そんな気にさせてくれる。なかなか、うまい。
「緒戦は水際に全力を注ぎますが、仮に上陸されてもまだ手はありますから焦らなくても大丈夫です」
「それは頼もしいな。どんな手だい?」
問いかけるアメリアに、シンシアは穏やかな微笑みを向けた。
「もちろん、姉さまに全力で戦ってもらいますわ」
「やれやれ」
アメリアは肩をすくめたが、ちっとも大変そうじゃない。
「頼りになるお姉さま方ですね」
ぼくはエルミアにそう語り掛けた。
「昔からリア姉さまもシア姉さまも、男の子みたいに戦ごっこなどしていましたから」
「そうなんだ」
「年上の男の子でもなかなか勝てなくて、みんなずいぶん悔しがっていましたわ」
「それはそれは……」
ぼくが苦笑すると、エルミアも合わせて笑った。
「でもわたくしは、こんな時に何の役にも立てませんね。ただ守られているだけなんて」
さみしそうに言うエルミア。
でも、そうじゃない。
「そんなことない」
ぼくは力を込めて言った。
「確かにあなたは、剣を振るって戦うことはできないかも知れない。だけど、もっと重要な役割があるんです。あなたにしか出来ない、世界を救う役割が」
「?」
唐突なぼくの言葉は、やはりエルミアに上手く伝わらなかったようだ。
「でも、リョウタさまにそう言ってもらえて、とても嬉しいですわ」
それでもエルミアは笑ってくれた。そして、
「できればあの姫さまたちのように、世界のためじゃなく、リョウタさまのお役に立ちたいと思います」
そう言って、赤くなりながら目を伏せた。
「あら、ミアさま。ずいぶん積極的でいらっしゃいますのね。わたくしのリョウタさまを取られてしまいそうですわ」
ふいに後ろからエルミアの肩を抱いたのはロゼッタさん。
「ちょっとロゼッタ! なにを言っているのですか? わたくしはそんなつもりじゃ……」
「あら、ではリョウタさまをわたくしが頂いてしまってもよろしいのですか?」
「そ、それは困ります……」
口達者な年上のお姉さんにいじられてどうしていいかわからず、エルミアは顔を真っ赤にして「う~~~」とうなっている。それがロゼッタさんには可愛くてたまらないようだ。
「モテる男はつらいねぇ、リョウタ?」
近づいてきたクルルがにやにやしながら、ぼくの腕をぎゅっとつねった。
0
あなたにおすすめの小説
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる