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第四章 言の鍵の乙女
03.想像力が晩ご飯を作ります。
しおりを挟む言葉が失われる。
そりゃ不便だろうと思う。
だけどそのせいで世界がまるごと滅んでしまうなど、考えたこともなかった。
「さっき、あと五十年でこの国の文明は滅ぶって言ったけど、実際はもっと早いかもしれないな」
サーラが言う。
「言葉が失われていくのと同じく、技術も維持できなくなっているんだ。ここのサーバだって何とかメンテしているけど、多分壊れたら誰も修理できない。ドローンだってもう新規に製造できなくなっているんだ。今あるものがなくなったら、もうおしまいなんだよ」
やっぱり、ぼくらがこの世界に呼ばれたのは意味があったようだ。
「でも、まあ……数十年後の事を心配してもしょうがないさ」
そこでサーラの表情がまた変わる。
いたずらっぽく笑うと、金目銀目と相まって本当にいたずら好きの妖精みたいに見える。
「とりあえず、今日の食糧の心配をしよう。きみたち、何も持っていないだろう?」
確かに、携行食みたいなものは多少あったものの、まともなご飯というにはほど遠かった。
「この世界のいいところはね、食糧の心配をしなくていいことさ。そこだけはシステムに感謝感謝だよ」
そう言いながら壁に歩み寄り、壁面のスリットから何かを取り出して、「はい、食事」と投げてよこした。
「「「?」」」
ぼくらが首をかしげるのを、サーラが面白そうに眺めているのがちょっと悔しい。だけど手にしたものが一体なんだか分からない。
手の中にあるのは乳白色の物体。表面はぷよぷよしていて、ちょっと太めのソーセージといった感じだ。
「なにこれ?」
「だから、食事」
サーラはたまらず、けらけらと笑う。
絶対からかってるな、自分の文明が上だと思って。てもその通りなので言い返せない。
「不思議な実だね。このままかじればいいの?」とクルル。さすがにそれはないと思う。
「煮たり焼いたりして食べるのでしょうか?」とはミア。うーん、ちょっと違う気がする。
「これは……もしや宇宙食のように食べるですか?」と、サキが首をかしげながら言う。なるほど、案外正解に近いかも。
「ふむふむ。いいな、その表現」
サーラはまたも興味津々といった風に金目を輝かせる。
「まあ、ためしに食べてみなよ」
まず自分で封を切り、口に含んで見せた。
みんなおそるおそる、その真似をしてみる。
「………………」
なんの味もしない。わずかに弾力がある流動食、そんな感じだ。形態からしてきっと栄養価は高いんだろうけど、味気ないったらない。本当になんの味もしない。
「食べ方としてはこれでいいんだけどね。こいつにはオプションがつくんだ」
「オプション?」
サーラが今度は全員にヘッドセットを配った。言われるままにそれを装着し、扱い方を教わる。
「こんなふうにしてね、これで食べてみてよ」
再び味気ないチューブを口にしてみると。
「!」
「これは!」
「あま~い!です!」
鮮烈な甘みが口の中いっぱいに広がる。みんなびっくりして、それぞれの表現で驚きを口にした。
「このデバイスは……味覚に情報を送るのか」
「味覚だけじゃない。五感すべてを助けたり、バーチャルな情報を送り込んだりもできるよ。これのおかげで、この味気ない工業糧食でも無限の味を楽しめるというわけさ」
サーラの解説を聞いて、少女たちも感心しきりだ。
「なるほど」
「これはすごい文明の利器ですわ」
今食べているのはこの世界の料理の味、だと思う。何だかわからないので、索引らしいものを探すと、目の前の空間に綺麗に盛り付けられた料理の画像が浮き上がった。
多分これが、今食べている料理だ。肉料理っぽい。
「ああ、画像を見つけたかい? 目で見てもおいしい、バーチャルな食事さ」
サーラの解説に、ぼくも感心しながらもぐもぐやっていたのだが、ふと思いついて訊いてみた。
「ねえ、サーラ」
「なんだい?」
「これって、味の……そう、パラメータをいじることはできるのかい?」
「? できるけど?」
使い方をサーラに教わりながら、宙にウィンドウを開く。
「ええと、甘味と、ひとつまみのしょっぱさ、それから……粉っぽさってどうやったら出るかな?」
何度か味見しながらパラメータをいじってみる。
「これでいいかな……サキ、ちょっと食べてみてよ」
「?」
できあがったアルゴリズムをサキの端末に転送する。
ぱくっと食べたサキが、びっくりして目をまん丸に見開いた。
「これは……お汁粉? お汁粉なのです!」
「どう? 驚いた?」
ぼくは親指を立ててみせる。
おしるこの味と口当たりを再現してみたのだ。
「なになに? 面白そう。あたしにも」
サキからデータが転送されるのが、「となりからちょっと味見」みたいな感覚なのかな。
クルルがお汁粉を口にして――食べているのはもちろんただの流動食なのだが――楽しんでいる。
女子高のお昼の風景、という言葉が浮かんだ。ふたりともちょうどその位の歳。平和な日本の高校で、仲のいい女の子たちが一緒にお弁当を食べて、となりの子のおかずをつまみ食いしたりして……。
そんな光景だったらよかったのに。
「これがリョウタの国の味かあ。じゃあ、あたしが食べたいのはね……」
クルルが目をきらきらさせている。早くも作らせる気満々だな、こいつ。まあ、いいけどね。
クルルのリクエストは、パンのような小麦の生地にローストした肉を挟んだもの。味や形、口当たりなどをヒアリングして味をイメージしていく。ぼくの中ではトルティーヤに近いかな。
さすがにちょっと複雑になってきたので、サーラに手助けをお願いする。
「むむ、難しいな。まずプラットフォームは?」
そう言いながらサーラがぼくのディスプレイをのぞき込む。
「えーと、肉ベースだね。肉の旨み」
「じゃ、これかな。でパラメータは?」
「肉の上に塩。しょっぱさと岩塩の旨みみたいなの」
「細かいところにこだわるな」
当然でしょ。
そういう隠し味的なところをきちんと押さえないと、深みが出ない。
「そっちのサブウィンドウを開いてくれ」
「ああ、これで個々の食材の設定ができるんだね」
なんとなく料理に通じなくもないけど、ひどく理系なイメージだ。フラスコや試験管で食材を作ってるみたいな感じがする。
「旨みは入れた……後味に少しの甘味かな。これを全部合わせるのはどうすればいいんだい?」
「マージ機能はここだな」
「えーと、ここ?」
「どこを触っている!?」
だって慣れないタッチパネルだから、難しいんだよ。
特にえっちなところは触ってないからいいでしょ。
昔、東郷平八郎が洋行のさいに食べたシチューの味が忘れられず、日本に帰国してから料理長に言葉だけで説明して出来た料理が肉じゃが、という都市伝説があるが、この手探り感はまさにそんな感じかなあ。
などと試行錯誤すること何十分。
「よし! できた!」
ばんざい、完成! と顔を上げてみると、冷ややかな視線が三対、ぼくを見下ろしている。
「な……なに?」
ちょっとたじろぎながら曖昧な笑顔で訊いてみると。
「ずいぶん楽しそうね」とは、腕組みしたクルル。
「二人きりの世界が、とても幸せそうでしたです」と何故か迫力のあるにこにこ顔のサキ。
「ミアが、ミアが年下だからですか!? 今度は年上のナイスバティな方がお望みですか!?」
ミアに至っては涙目だ。
待て誰がそんなことを言った? ていうか、ミアにそんな言葉を教えたやつは誰だ?
「ロゼッタが言っていました」
なにを吹き込んでいるんだ、あのメイドは。
「あははは、可愛いなあ。みんなきみの想い人かい、リョウタくん?」
脇からサーラが、楽しそうにぼくをのぞき込む。
「まあそうには違いないけど……」
「ふうん、隅に置けないなあ。ワタシも混ぜてもらおうかな?」
「「「はあっ?!」」」
あせる三人娘を尻目に、ぼくの手を取ろうとしたサーラはしかし、その三人に阻止された。
はあはあと息を弾ませ、ぼくをしっかりと捕まえた三人娘を横目に、ディベリアが
「ああ、やっぱりリョウタどのはこの世界でも女た……」
「うるさい」
ややこしいことを言い出す前に、ディベリアの口にチューブを突っ込んで無理やりふさいだ。
「そもそもこれが当初の目的だ。これでも喰らえ」
ディベリアのデバイスにたった今作成したばかりのアルゴリズムを転送する。
「! これは!」
「どうだっ! ……味の方はどうかな?」
自信満々、だけど最後はおそるおそる訊いてみる。何しろ自分では食べたことがないものだから、どんな味か本当のところはわからない。
「これは……リヨネール、ですかあ? 山の民がよく食べているという……」
「えっ? ほんとに?」
つられてクルルもチューブを口にする。
「ほんとだ! リヨネール! うわあ、久しぶりだなあ。アクアスリスを離れてから全然食べてなかったよ」
クルルの表情がぱあっと明るくなる。
クルルとディベリアは同じアンカスター国の生まれだから、この食べ物は分かるみたいだ。
「これにね、チーズをかけても美味いんだよ」
「はいよ。チーズね」
これならワンボタンで追加可能。ぽちっと。
「あ、すごいすごい! チーズが乗っかったあ!」
クルルは大はしゃぎだ。そりゃ故郷の食べ物って、嬉しいよね。
「なんだかすごく美味しそうです」
「わたくしも食べてみたいですわ」
「ああ、ごめんごめん」
指をくわえて見ている姫たち二人にもデータを転送する。ただし、少しパラメータを修正して。
ひと口食べたサキが目を丸くして叫んだ。
「こ、これは! 照り焼きチキンバーガー!!」
ふっふっふっ。そうなのだ。
元の味もなかなかいいのだけれど、日本人のサキには、やはりこれ。
正直、なんでもかんでも照り焼き味に汚染してしまうのはどうかと思うけど、この食べ物なら相性がよさそうな気がする。みりんとしょう油は最強。異論は認める。
「……甘辛くて不思議な味ですわ。それに何か、もっちりした歯ごたえが……」
確かめるように食べながら、ミアも感想を口にする。
ふっふっふっ。
実は生地のデータにも細工を入れている。これも日本人好みな、もちもちパンの歯ごたえ。日本人好みではあるが、マヨネーズと並んでこれも癖になる特徴だ。
「えっ? どんなの? あたしも食べたい!」
「アタシもですう!」
女の子四人、たちまち大賑わいになる。本当に女子高の昼休みみたいになってきた。
手にしているのは乳白色の味気ないチューブ。だけどそれぞれのイメージの中ではリヨネールだったり、テリヤキバーガーだったりするんだろう。
そして無機質で事務的なこの小部屋が仲間との楽しい食事場所だったりするんだろう。学食だったり、寄宿学校の小奇麗な中庭だったり。
ふと部屋の映像をそんな風に変えてみたいという欲求が頭をよぎったが、苦笑して取りやめる。多分やればできるんだろうけど、きりがない。
「ああ、おいしかった」
「はい。懐かしかったですう」
「それではそれでは、デザートにはわたくしの国のケーキをご紹介いたしますわ」
ミアが勇んで立ち上がる。
そして、ぼくの方を見てにっこりと微笑む。
……やっぱりぼくが作るのね。
ミアのリクエストはミルフィーユだった。これはモリガン子爵家でいただいたことがあるから、ぼくでもイメージできる。あとはそれを言葉に翻訳するだけ。
それをサーラに手伝ってもらって、味覚パラメータに置き換える。自分でいうのも何だけど、今度のは再現性が高いぞ。
「さあ姫さま方、召し上がれ」
うやうやしくデータを転送するぼく。それを口にした姫たちは。
「「「「!」」」」
目を丸くして、むさぼっている。
ぼくは心の中でガッツポーズをした。よし、胃袋をつかんだぜ。なんか主客転倒な気がするんだが、この一行の中でそれを言っても意味がなさそうなので、まあいい。
甘味にきゃいきゃいと大はしゃぎな女子たちを眺めながら、ぼくは緑茶をすすっていた。
もちろんベースはただのお湯。でも味はもとより、視覚情報操作で本当に濃茶に見える。あー、落ち着く。ひと仕事終えた後のお茶は、うまい。
「おつかれさま」
サーラが話しかけてきた。色の違う目が興味深そうに輝いている。
あいにく、ぼくの目は色がわからない。きっと綺麗な目の色をしているのだろうなと思う。
その金目銀目もバーチャル情報っぽいけど、これは本物だ。この世界はどこまでがリアルで、何が偽物なんだろう。
「リョウタくん、きみはすごいな。あんなに言葉を使ったのは久しぶりだよ」
「……あまり実感ないんだけどね」
ただ必要だから、言葉を使った。それだけなんだけどね。
それがこの世界では、特異なことらしい。
「ふふっ、きみは不思議なやつだな、リョウタくん」
サーラの笑顔が、少し艶めかしいものに変わる。
「言葉だけじゃない。とても優しいし。だから彼女たちもきみを慕っているんだな」
サーラはそっとぼくの手をとって、
「ワタシもここに入れてもらおうかな?」
金目の方が、妖しくきらめく。
からかっているな。
何故かぼくは、そう直感した。あるいは試している、という感じか。
「……サーラ、料理手伝ってくれて、ありがとう。あ、クリームついてるよ」
バーチャル情報にはバーチャル・パフォーマンスで。
ぼくは空いた方の手の指でサーラの唇をなぞると、その指をぺろっと舐めた。
サーラは火を噴いたように、真っ赤になってうつむいた。紫の髪の間からのぞく耳まで真っ赤だ。
「……ちょろいわ」
「……ちょろいな」
「……ちょろいです」
「う、うるさいな! 小娘ども!」
真っ赤なまま立ち上がって叫ぶサーラを、鍵の乙女たちはなま温かく見つめるのだった。
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