幸福の王子は鍵の乙女をひらく

桐坂数也

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第四章 言の鍵の乙女

04.オペレータ・サーラの悩み。

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 そのまま、泊まるところまでサーラの世話になることになった。
 何度か異世界に飛ばされたが、敵意なく寝泊りできるのって初めてじゃないだろうか。少なくとも現地の誰かと敵対して神経をすり減らすようなことがないのが、とてもありがたい。サーラさまさまだ。

 と言っても宿とかホテルというわけではなく、サーバのあるこの官舎内の一室なのだが、それでも非常にありがたい。

「はあ~~~」

 シャワーを浴びて身を清め、部屋に座り込んで落ち着くと、あらためて疲れがどっと出てきた。

「今日も大変な一日でしたねえ」

 ぼくの左側で、サキがぼくの手を取りながら言う。衣服は相変わらず検査着っぽいけど、ちゃんとした寝間着だ。洗ったばかりの黒髪を結い上げて、凛々しい美少年のように見える。

「そうだね。逃げて戦って、リョウタを追いかけて……。あれって真夜中だったよね?」

 右側にクルルが擦り寄る。
 確かに、グエンラルデでの最後の出立は真夜中だった。もう丸二日寝ていないことになる。

「う~~~」

 ぼくらの前で、ミアが仁王立ちで頬をふくらませている。

「サキ姉さま! クルル姉さま! ずるいですわ! それではミアの居場所がないではありませんか?!」

 ぼくはちょっと困った。
 今回、一番活躍したミアにご褒美をあげられないのは不公平かな。

 ミアはしばらく考えていたが、やがて一案を思い付いたらしく、ぱっと笑って、

「えいっ!」

 ぼくの膝の上に乗っかってきた。

「えへへ。特等席ですわ」
「あっ、ミアさま、ずるいです!」
「いいなあミア、代わって!」
「いやですわ。ここはわたくしの特等席ですわ」

 そういってぼくの首にしがみつくミア。ブーイングで迎撃する赤と青の姫。


 そんなやりとりを、ぼくはぼんやりと感じていた。

 左手を握っているサキの手も、右腕につかまっているクルルの手も、実はほとんど感じとれていなかった。膝の上のミアも、重さは感じるものの、触れているのはよくわからない。顎の下にミアの頭があることはわかっているのだが、その髪が当たるのは感じられない。

 ぼくは触覚を失っていた。まったくないわけではない。強く押し当てられたものなどは分かる。
 だが肌に触れる衣服くらいでは、全然感知できなかった。長く正座したときに足がしびれて感覚がなくなってしまうような、そんな感じに似ていた。
 愛しい姫たちとつながっているはずなのにその感覚がわからないというのは、とてもとても淋しかった。同じ空間にいるのに自分だけ異世界にいるような、そんな気がした。

「リョウタさま? どうしました? おつかれですか?」

 ミアが訝しげに訊いてくる。ぼくはかぶりを振った。

「そうだね。今日も大変だったよね。もう休もうか」

 なによりこのミアが、一番疲れているはずだ。
 みんなが笑顔でいられるなら、ぼくの感覚のひとつやふたつ、大した問題じゃない。

 ……そう信じたかった。そう自分を納得させようとしていた。



 + + + + +


 夜半、ぼくは目を覚ました。
 寝床は相変わらずの雑魚寝。人数が増えたのですごいことになっている。
 隅の方ではディベリアが一人さみしく寝ているのだが、まあ寝る時くらい誰にも邪魔されずゆっくりしたいだろう。

 そんなことを考えながら、ぼくはそっと床を抜け出した。

 人気のない広大な建物。なんとはなしに、ぼくはその中をうろついた。
 夜の学校を思わせる。だけどここには、なにかが居そうな気配はない。

 この世界の人々は、日々どうやって暮らしているのだろう。まだサーラ以外の人間に会っていない。まさかみんな引きこもっているとか?

 建物内に何があるのか知らないので、行くところは限られる。ぼくは昼間いた部屋、サーラが陣取る執務室にたどり着いた。
 中の様子は見えない。だけど扉脇のパネルに光がともっている。

(まさか……こんな時間まで仕事をしているとか?)

 いくら文明が進んでいるからと言って、なにもワーカホリックの度合まで進めることないのに。
 そう思いながら、扉を開けた。

 薄暗い室内。いくつものディスプレイやインジケータのバックライトが、ぼんやりと部屋全体を照らしている。幻想的と言えなくもない。けど、どちらかと言うと侘しい。

 デスクの向こうに突っ伏して、寝ている人がいるから。

 近づいてみると、やっぱりサーラだった。

「サーラ」

 声をかけてみる。ひと呼吸おいてサーラはぱちりと目を開け、さらにひと呼吸おいてがばっと跳ね起きた。物音にびっくりした猫みたいだ。

「な!……なんだリョウタくんか。びっくりしたよ」

 いや、びっくりしたのはこっちですけど。

「ここには誰も来ないからね。油断していたよ」

 サーラはあわてて髪を指で梳き、ちょっとはにかんだように笑った。そういう表情はとても愛らしい。

「お茶でも飲むかい?  といっても、ただのお湯だけどね」

 有能なオペレータとしての顔と。
 とっておきのおもちゃを見つけたみたいに、新しい言葉にはしゃぐ子供のような顔と。
 今みたいに、はじらう少女のような顔と。

 そのすべてに、色の違う両目が不思議な印象を加えてくれる。それだけでも見る者を惹きつけずにはおかない。

「ねえ、サーラ」
「なんだい?」
「きみって、モテるでしょ?」

 サーラが盛大にお茶を吹き出した。ぼくにはお茶に見えたが、サーラにとってはコーヒーかも知れないし、ハーブティーかも知れない。

 ともかく。

「な、何を言い出すんだきみは。大人をからかうもんじゃない」

 サーラは赤くなって横を向き、口を拭っている。
 ああ、やっぱり。
 このひと、大人ぶっているけど、意外と「うぶ」だ。いったん攻め込まれるとパニクって対処できなくなるタイプだ。

「だってその眼、とっても魅力的なんだけど」
「な……! なん……」

 サーラは真っ赤になって口をぱくぱくさせるばかり。可愛い。
 もうちょっと眺めていたいけど、かわいそうなのでこの辺でやめることにした。

「で、こんな遅くまで仕事してるの?」
「え?……うん、ああ」

 サーラはやっと気を取り直して、眼鏡をかけ直す。

「あれもこれも、と思うとなかなかきりがつかないんだ。どうせ誰も来ないし、ここでひと休みして起きたらまた仕事してる」
「それってまるっきり仕事中毒……」
「はは。そうだな」

 サーラは苦笑いする。その表情は仕事人、オペレータのそれだ。

「サーバのデータを出来るだけ文字に残したいんだ。万が一サーバが『とんだ』としても、紙媒体であれば人が探して読むことができる。だから、万が一が訪れる前になるべくたくさん……」

 ちょっと待って。
 今、サーラはとてつもなく深刻なことを口にした。

「ねえ、サーラが想定している事態って、なに? 大崩壊カタストロフでも起こるの?」
「んー……」

 サーラは、何と言ったものか、という格好で、ほおに指を当てた。

「考えてもみてほしい。あと五十年で文明が滅ぶといっても、そこでいきなりぱたっと文明がなくなるわけじゃない。逆に言えば、そこまで今のレベルの文明が維持される保証なんかない。
 もっと前にあれが止まり、これが失われ、だんだん世界が衰退していく。それらが全て完了するのが五十年後だとしたら、その途中の段階を回避する方法があるなら、手を打っておいていいんじゃないか?」

「…………」

 言いたいことはわかる。でも。

「それって明らかに、一個人の裁量を超えているよね?」

 昼間のこともそうだ。
 彼女がここの大統領であるとかその補佐官であるとか、そういう職責にある人ならまだわかる。
 だけど彼女はただのオペレータだ。そんな大事業に責任を負う必要はないし、普通はそんな権限もない。本来する必要がないことなのだ。

「ははっ。きみもそう思うかい?」

 サーラの苦い表情を見るのは何度目だろう。

「そう、ワタシがやる必要なんてないのさ。本来はね。
 だけどこの国では、言葉が失われつつあるこの国では、それを認識して明確に指示できる人がいないんだ。
 べつに、ワタシがやらなくたっていい。誰もとがめだてはしない、職務の範囲外なんだから。
 でもそれでは……ワタシの良心が許さない」

 ぼくを見たサーラの目は涙で一杯だった。

「わかっている……わかっているさ! ワタシ程度がどれだけ頑張ったって、たかが知れてる。すべての知識を伝えるなんてできない。すべての言葉を残すなんてできない……できないんだよ! できっこないんだよ! ワタシには!!」

 ぼくは立ち上がった。涙をこらえ切れず両目を手でふさいだサーラに近づき、その頭をそっと抱き寄せた。

「なん……っ!?」
「よく頑張ったね」

 びっくりしてちょっともがいたサーラだったが、ぼくが声をかけると動きを止めた。

「ひとりで悩んで考えて……頑張ったんだね。えらいえらい」
「…………」

 そう言いながら、ぼくはサーラの頭をなでた。
 サーラは無言だったが、やがてその細い肩が震えるのがわかった。

 誰に言われたわけじゃない。
 だけど自分がなんとかしなければ、この世界は滅びの運命を待つだけだ。そう気づいてしまった。
 その事実を背負うには、その肩はあまりに細すぎた。

「大丈夫。もう大丈夫だよ。きみはひとりじゃない。ひとりだなんて思わないで」

 ひとしきり泣いたあと、サーラが怒ったような顔を向けた。

「ずるいぞきみは。弱っている女につけこもうなんて、とんだ人でなしだ。いい奴だと信用したワタシがばかだった」

 赤い顔をして、眼をそらしながら言うものだから、思わず「ツンデレか?」と言いそうになったけどそれは言わず、サーラの頭をなでた。

「そいつは悪かった。でもそれにはちょっと色気が足りないな。寝不足は肌荒れのもとだよ」
「!」

 精一杯悪ぶってみせたサーラ、あえなく撃沈。本当にわかりやすくて、むしろ微笑ましい。

「せめてお風呂に入って、お肌を磨いてきなよ。そしたらぼくも、その気になるかもよ」
「う、うるさい!」

 ぼくを突き飛ばして、サーラは真っ赤な顔のまま出口へ向かう。

「眼が冴えちゃったから、シャワー浴びてくる。スケベ心起こすなよ!」



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