悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき

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恋愛編

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「魔法で行く方法もあるが、船でゆったりと進む方が俺は好きなんだ」

そういう殿下希望によって用意された舟遊び用のボート
まだギクシャクしながらもエスコートを受けてそれに乗り込み、離宮に向かって湖を進む
気を使われたのか、元々の予定だったのかはわからないが、護衛騎士もメイドたちも、皆他のボートに乗って、私たちからは適度な距離をとっていた

ボートの上で二人きり
魔法で流れをつくっているため、ボートをこぐ必要もない

「…」
「…」

黙っているのは気まずいが、何を話して言いかわからない
殿下をチラリと伺うと、彼もまた気まずそうに視線をそらして景色を眺めていた
殿下を見て先程の発言を思い出してしまい、またほんのりと頬が熱を持つ

仕方ないじゃない…
可愛い、なんて初めて言われたのだもの…
…でも、いつまでも引きずっててもいけないわよね
気まずいままはしんどいもの

平常心、平常心と内心で呟きつつ、きらきら光る水面を眺めながらゆらゆらと波に揺られる
そのかいあってか、ウォーターカーテンの側までたどり着く頃には顔の熱りもだいぶ落ち着いていた

「ここはどうやって通るのですか?」

なんとか、普段通りの調子でたずねると、殿下はまだ少し動揺を感じさせつつも、答えるためにこちらに視線を向けてくださった

「…ここは、魔法が必須だな
一部だけ流れを止めてそこをくぐる」

そう言って殿下はカーテンに向かって手を掲げて呪文を呟く
するとその手の指輪が輝き、ウォーターカーテンに穴が開いた
ボートが余裕をもって通れる程度の大きさのその穴を、ゆっくりと進んでいく
外から見ていた時は気がつかなかったが、どうやらこのウォーターカーテンは何重にも重ねられていたらしい
開いた穴はまるで短いトンネルのようだった
水の揺らめき越しに青い空を見上げる

「綺麗…」

ぽつりと呟けば殿下が満足げに頷いた

「この景色は魔法で水を凍らせたり、止めたりしては見えないからな」
「そうですね…」

確かにこれを見逃すのはもったいない
納得していると殿下が視線を前方へと移す

「ほら、もうつくぞ」

私もそちらへ視線を向ける

「まぁ…!」

そこには日の光を浴びて輝く、憧れの氷のお城がそびえ立っていた
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