《[元]引きこもりと不安定彼女》

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始まりの春

始まり

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――伊織の病室

俺は伊織の話を最後まで聞いた。

そして俺は伊織を見つめた。

「………」

その目に耐えきれないのか伊織は喋り始めた。

「いや、まあこうして湊に助けてもらって、もう一度湊に会えてよかったよ」

ぎこちなく笑った

「……ごめん」

すると伊織は謝った。

「………」

コツン

俺は伊織の頭を小突いた

「………お前に死なれると困るんだよ」

伊織は何も言わず俺の顔を見た

「二度とするなよ」

そう言って俺は病室を出た。


病室の前で俺は少し考えた。

「………」

病室にもう一度入って伊織に聞いた

「伊織これからどうするんだ?」

「そうだね……お母さんもいないから……どうしよっか」

「行くとこないなら……家に来るか…」

「え!」

伊織はビックリした

「部屋も一つ空いてるし……」

すると伊織が目に涙を溜めて泣き出した。

「行って……いいの?」

「……いいよ」

俺は強く頷いた。

「まだ母さんに聞いてないけど、母さんなら、いいって言ってくれると思う」

俺は伊織の目を見て言った

「でどうなんだ、来るのか、来ないのか」

「行く!」

「よっしゃ!」

喜んでいる俺を伊織が見てきた。

「な、なんだよ?」

「………なんでもない」

伊織は笑った。

「ちょっとこっち来て」

と伊織が口に人差し指を当てて手招きをしてきた。

俺は伊織に近づいた。

すると「伊織は耳をして」と言ってきたので俺は耳を伊織の顔の近くにやった。

「……ありがとう」

そう言って伊織は俺にキスをした。

(ん!)

俺は一瞬で頭が真っ白になって後退りしながら病室を出ていった。

(な、な、な、なんじゃこりゃ!)

俺は病院の迷惑を全く考えずに病院中を走り回った。


後でメチャクチャ怒られた

――次の日―

入院と言っても大事をとっての入院だったからすぐに退院した。

母さんの車で伊織と共に我が家に帰ってきた。

車を降りて母さんが家の鍵を開けた。

俺と母さんは家に誰もいないのに「ただいま」と家に入った。

伊織の声がしなくて後ろを振り向くと伊織は家の前で立ち尽くしていた。

「早く来いよ伊織これからはここがお前の家だ」

伊織はチラッと隣の家を見て、決意したように家に入った。

俺と母さんは「おかえり」と伊織に言った。

すると伊織は「ただいま」と笑った。

俺は伊織の手を引いて伊織に家の案内をした。
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