31 / 220
神獣白虎『ルナティ』
何故、何故、何でなの~っ!
しおりを挟む「それも悪くないとは思うのですが、確かに不便な時も有り ますよね…… なら、ここぞと言う時に……… 」
そう言って薬師は、ルナティの頭をうにうにと撫で回した。
ただそうしただけだったのだが。
「はい、良いですよ」
そう言って手を離した薬師は、ポンと言う音と共に変身したルナティを見て微笑んだ。
相変わらず、出鱈目な人だ。
円卓に突如として現れた白い虎に、居合わせた一同は目を丸くしてルナティであった者を見た。
嫌、今もルナティだ。
本性である白虎に戻っているだけだ。
「ん、ナディア嬢の言う通り美しい虎ですね」
「おぉ、薬師様ありがとう御座います。あぁ、これが私です。私の本来の姿なのです」
そうルナティが感激した途端、またポンと元のぬいぐるみの姿に戻ってしまった。
いやはやこれ如何に?
丁度三分位だろうか?
カップラーメンが出来るくらいか、はたまたウルトラマンのカラータイマーの時間だったか。
その程度でルナティはライオンちゃんに戻ってしまった。
「何故………。何故……………。何でなの~っ!?」
くずおれて泣く姿は可愛いくもあり、可哀想でもあり、ナディアが思わず、平均より少し小さな割には着痩せする胸に抱きしめて、よしよしする位には、哀れで可愛いかった。
薬師が密かに、ムムッとしたのは言うまでも無い……… 。
ルナティが僅かに三分しか元に戻れなかったのは、別に薬師様の意地悪と言う訳では無い。
偏に、ルナティの神力不足である。
「うっわっ、ルナティってば見事にウルトラ」
「月光、およしなさい。可哀想です」
「ちょっと、お二方! 理由をご存知でっ!? 」
日光月光の言葉に、彼等の元へ駆け寄るルナティ。
そして凄い剣幕で問いかけたのが今の台詞と言う訳で。
その問いに対して答えを出したのは、ぎゅっとナディアを抱え込み直した薬師であった。
「神力不足ですよ、ルナティ。貴方は過去に、あの二神と一戦交えましたね。そしてボロボロになって死にかけました。………その姿は弥勒の慈悲だ。まぁ、茶目っ気も少なからず出ている様だがな……… 」
最後ら辺りの口調は、わざとだろう。
口調を強めて地を出したのは、薬師の慈悲だった。
白虎を含めた四神はきっと弥勒のお気に入りだと言う事を、薬師は気付き、ルナティは気付かない。
その辺りの親の心子知らずを薬師はたしなめたつもりだった。
そして、ルナティも馬鹿では無い。
しゅんとしてうなだれたのだ。
コイコイコイ、おいでおいでおいでと、薬師にまた手招きされるルナティは、一瞬、またぐりぐりされるのかと警戒したようだが、諦めたのか落ち込んだまま薬師の手元にトコトコとやってきた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
「おまえを愛することはない。名目上の妻、使用人として仕えろ」と言われましたが、あなたは誰ですか!?
kieiku
恋愛
いったい何が起こっているのでしょうか。式の当日、現れた男にめちゃくちゃなことを言われました。わたくし、この男と結婚するのですか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる