無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

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秘密

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 完全に引ききった赤い水を見て、双子がお互いを見やった。

 その動作すら胡散臭く感じる程一緒だ。


 「「やられちゃったよ。やっぱり強いね」」


 やはりそうかと、薬師は眉根を寄せる。


 「お前が、悪童達を裏で操っている者か。おかしいと思ったんだよ。此処は弥勒の箱庭だ。強固な結界で護られている筈の箱庭に、菩薩より下位の者が入れる訳が無いんだ。入れるとすれば菩薩と同等の位の神か、それより上位か、下位でも強い力を保有している者か。そのどれかの者が手引きしないと入れない。特に此処は弥勒の実験場だ。並みの者では入れぬよ」


 薬師の言葉に、苦虫を噛み潰していた双子の口角が、ふっと持ち上がった。


 「「流石、薬師様だね。うん、概ね合ってるよ。愛染と哪吒を操っているのは僕だ。欲しいものは、貴方の魂とその血肉。この大地の復活にはあなたの血肉と魂で、この世界に世界樹ユグドラジルを作成する事。その為には、貴方を此処へ呼び込む必要があったんだ。僕はね、大切な人を復活させたいんだ。協力してよ。薬師…… 」」


 双子がにしゃぁと笑う。

 歪んだ笑みは、彼が歪んでしまったと言うことを臭わせる。

 多分彼も神だ。

 この世界の神なのか、薬師と同じ外つ神なのか其処までは解らないが、この世界に存在する神だ。

 勿論、薬師もこの世界に存在●●する神である。

 そう、そう言う認識なのだ。

 そして、この得体の知れない神は、この世界の神を愛してしまった神だった。

 世界の犠牲者第一号と言える神様。

 その彼女●●を愛し、他の3神を他の者の手を使って害させた神。


 「「大地に3神の力を注いでみたんだけど、焼け石に水状態でね。愛しのあの子が自ら注いだ力には及ばなかったんだ。だから、薬師。君の命を僕に頂戴」」


 双子はそう言ってにっこりと笑った。


 「私の命を狙うと言う事は、神殺しをすると言う事だ。命を狙っただけでも大罪に値する。お前は逸れをきちんと理解出来ているのか? 」

 「「勿論、ちゃんと理解してるよ。神殺しの罪、逸れを背負ってでも、意義と価値があるんだ。貴方自身にね」」

 「あ、そう。君がどう思おうと私には関係無いですね。それに、未だ正体すら見せない輩に、好き勝手させるつもりも無いんですよ。私もね。だから…… 」

 「『一昨日きやがれ! 』ですわっ!! 」


 薬師のセリフをかっさらうように響いた女の声とと同時に、彼の背後から電光石火の勢いで剣が薬師をかすめて飛んで行った。

 それは確実に双子を狙いドカドカと言う擬音と共に双子に刺さった。

 刺さったのだが、それだけだった。

 血飛沫一つ起たない双子に、薬師の隣に立った少女が、眉を寄せた。


 「生きてすらいないのですね。死してなお使われるなど、哀れなものです」

 「それは少し違いますね。生きていないのは正解ですが、アレは精巧に出来たマリオネットです。人形ですね」


 薬師はそう言って、隣に立つナディアに微笑み掛けた。
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